練習招き猫

右手の爪の手入れについて 

クラシックギターの最大の魅力は、美しく多彩な音色にあると思います。その音色を生み出す上で一番基本的な注意事項が、右手の爪の形とその手入れ方法です。エレキギターのようにピックを使用して演奏する場合は、右手の爪を延ばそうが、深爪しようが全く関係ありませんが、自分の指先で弦に直接触れて音を出すクラシックギターでは右手の爪の形とその手入れは音色を決める上で極めて重要な意味を持っていることは言うまでも有りません。
この問題は、当初取り上げるべきかどうか非常に迷いましたが、全くの初心者やエレキギターからクラシックギターに興味を持たれた方等の場合は、案外爪の形や手入れに無頓着な方も多いと思い敢えてテーマとして取り上げてみました。正直に言って爪の問題は、これがベストであるという絶対的な基準があるようで無く、演奏者の指の長さ、爪の形状や固さ、演奏姿勢、タッチ、さらには演奏者の音色に対する好み等様々な要素が絡み合っている為、こうすれば良いという言い方は困難です。取り合えず一般的な爪の手入れや関連する情報を以下にまとめてみましたのでご参考になれば幸いです。また爪は、楽器と違って、お金を掛けずに簡単に形を変えて色々試すことが出来ますので皆さんもトライされてはいかがでしょう。

爪の形

初めてクラシックギターを手にした方でしたらその人の手の平から見て、指先の形にそって角が出来ないよう形を整え両肩を削って見て下さい。手の平側から見て1〜2ミリ程度見えるぐらいの長さに整えて後は実際に弦を弾いて長さを自分が弾きやすい綺麗な音が出る形と長さを工夫して下さい。
人によっては爪の左側を長めに残した方が良いという人もいますし、当然その逆が良いという人もいます。中には爪の中央部分を伸ばした方が良いというギタリストもいるようです。例えばデビッドラッセルは爪が手の甲側に反っている為、手の平側から見て左側部分をかなり伸ばして弾いても弦にひっかかったりしない為、それが彼にとって最適と判断しているようです。また全く爪を伸ばさずに弾く人もいるでしょう。19世紀ギターの場合は全く爪を使わず指頭で弾く奏法もあるようです。

爪の形を整えるには

爪きりは使わずに、紙やすりを使って形を整えます。その際市販のサンドペーパーを小さく切っておくと使い易いと思います。
まず目の荒い(400〜600番ぐらい)サンドペーパーを使って大まかな形を整えます。
続いて徐々に細かいサンドペーパー(800〜1200番)で磨きます。
爪を横から見て爪の先端部分(断面)が角が残らないように磨きます。
1000番以上の細かいサンドペーパーが手に入りにくい場合は、革を使って磨く方法も有効です。

爪の長さ

一般に爪を長くすると音色の変化は出し易くなりますが、早いスケールやアルペジオ等を演奏する場合は短めの爪に比べ弾きにくくなります。勿論個人差はありますし、演奏者のタッチや爪の形や固さ等によっても状況は変わります。

爪の手入れ

爪が固く割れやすい人の場合は、瞬間接着剤を塗ってやるのも爪の補強になります。乾燥を防ぐのに馬油を使うと良いという方もおられるようです。右手の爪を長めに伸ばしている方は日頃から右手で物を掴んだりする時には爪を傷つけたりしないよう注意を払うことが大切でしょう。万一爪が欠けてしまったりした場合は、爪の修理剤等のキットも販売されています。木村大君などは爪が磨耗する為、普段から爪の補修剤を使用しているようです。