都立大古典ギター部OB会 第6回発表会を終えて

 2000.6.3(土曜)14:00 開演   於 南大沢文化ホール




プログラム

調和の霊感Op.3,NO.6より第一楽章 Allegro  A.ビバルディ
前奏曲集より1番、3番、7番  M.ポンセ作曲
ミロンガ、カンシオン モンテス作曲
ジョンゴ ベリナティ作曲
Overture バイス作曲
行列聖歌 W.Ackerman作曲
森に夢見る  バリオス作曲
ベサメムーチョ ベラスケス作曲
ジェラシー ガーデ作曲
幸せになるために 日向 敏文作曲
On the way   作曲者不詳
プレリュード第20番、アラベスク クレンジャンス作曲
大聖堂  バリオス作曲
南のソナチネ1楽章  ポンセ作曲



第一部

・調和の霊感Op.3,NO.6より第一楽章 Allegro A.ビバルディ  小野 芳浩編
 桜井、中村、渡辺、佐野、横山、松原、小野(亜紀)、鈴木、多田、岩城、田澤、小野(芳浩)〜指揮
 練習では、走ったり飛んだりはねたりと、まるで陸上競技を思わせる(?)演奏でしたが、本番はメンバー
 全員の集中力に加え、指揮者の開き直り、ソリストの自己満足等が程よく噛み合いコンサートの幕開けに
 ふさわしい演奏になったと思います。

・前奏曲集より1番、3番、7番 M.ポンセ作曲 風間 直人によるソロ
 淡々とした語り口、ミスタッチも傷にしない精神的な強さを感じさせる演奏。
 奏者の内面がにじみ出るようなポンセでした。

・ミロンガ、カンシオン〜モンテス作曲、ジョンゴ〜ベリナティ作曲 串田、渡辺の二重奏
 渡辺の所属するギターアンサンブルの指揮者である串田は直前まで腰痛で出演が危ぶまれたが
 土壇場でどうにかギターを弾けるまでに回復。参加することに意義を見出す二人であった。
 演奏の方は、後半体力が持たずヨレヨレになる場面が続いたが、年の功でなんとかごまかし通す。

・Overture〜バイス作曲、行列聖歌〜W.Ackerman作曲
 指揮棒をギターに持ち替え、まずはリュート用の楽譜を自分でギター用に編曲したバイスのOvertureを
 演奏。バッハのフーガを思わせる重厚な和声進行が印象的。ギターでもっと広く弾かれても良い名曲で
 ある。続いてフォークギターでの演奏。スチール弦の長い余韻が心地よい。幾度となく繰り返される
 アルペジオとコードの響きが聴き手の心の琴線に触れるかのよう。

・森に夢見る バリオス作曲 梅岡 祐介によるソロ
 バリオスのトレモロ曲では一番の難曲。右手が痙攣しそうになる程体力を消耗する長い曲であるが
 現役生の面子をかけ果敢にこの難曲に立ち向かう。奏者の梅岡は、大きなリーチを生かしこの難曲を
 手中に収めているようだ。秋の定期演奏会までにどこまで仕上がるか楽しみである。

  ここで前半終了。15分間の休憩

第二部

・ベサメムーチョ〜ベラスケス、ジェラシー〜ガーデ、幸せになるために〜日向 敏文作曲
 風間(直人)、風間(智子)、内山順、澤島伸介による4重奏。
 趣の全く異なるポピュラースタンダードナンバーが続く。オールドファンなら泣いて喜びそうな選曲。
 4人の演奏者達は、その年齢からは想像出来ないメランコリックな味を醸し出していた。
 今度は彼らの唄も聞いてみたい。カラオケでは一体何を歌っているのだろうか。

・On the way  作曲者不詳(演奏者から聴いたが忘れてしまった) 臼井寛之によるソロ
 曲の始まりが極めて印象的。低音のリズムの上に親しみやすいメロディラインが続く。
 是非自分でも弾いてみたい曲。Fade outによるエンディングがまた絶妙。
 演奏者の弾き終わった後の笑顔も印象的。

・プレリュード第20番、アラベスク〜クレンジャンス作曲 田嶋 重行によるソロ
 演奏者の田嶋は今日のコンサートの為にアメリカより一時帰国。アメリカ留学の成果を披露。
 バリオスのプレリュードに良く似たコード進行をもつ哀愁を帯びたプレリュード。ドビュッシーの
 ピアノ曲を模したと思われるアラベスクは、現代的であるが親しみやすい和声進行の名曲。
 中盤から後半は、演奏者の心の内面を映し出しているかのよう。長く覚えにくいこの曲を暗譜で
 弾ききった努力を評価したい。

・大聖堂 バリオス作曲 渡辺 泰敏によるソロ
 二重奏だけで終わらせるつもりだったが出演者が少ないことから急遽ソロを弾くことになった。
 引き込んだ曲ではあるが、人前で満足に弾けた記憶が無い難曲。アレグロの途中で意識が
 朦朧となったが、取りあえず最後まで完走。珍しくエンディングを抑えた表現で弾き終えた。
 単に疲れただけなのか、意識してそういう表現をしたのか自分でもはっきりしない。
 ボケの始まりか・・・。

・南のソナチネ1楽章 ポンセ作曲 岩城裕子によるソロ
 今回の独奏者の中では、紅一点の彼女がチャレンジしたのはポンセの南のソナチネ1楽章。
 技術的に難しい曲だが、出だしはちょっと動揺したものの後半立ち直り最後まで弾ききる。
 女性には珍しくしっかりとしたタッチ。音量も大きく会の最後を華やかに締めくくった。



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  PHOTO1 演奏を終えて苦笑いの串田(向かって右)&渡辺(同左)
  PHOTO2 発表会終了後演奏者全員(?)のスナップ。司会者がいない・・・(^^;;

  ***合奏練習風景の写真はHP容量が少ない為、削除させて頂きました***




あとがき

田沢さん、ゆうこさん、差し入れのお菓子、アルペジオの皆さんからの花束有難うございました。
ギター部OBで大先輩の鮫島さんに会えました。20年ぶり以上か?
相変わらず精悍な風貌の鮫島さんから「良かったよ」と言われ嬉しくなりました。
上手い演奏はもう出来ませんが、いい演奏を目指して次回もまた頑張るぞ!