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第6回レッスン

昨夜九州出張から帰宅し、ラッセルのコンサート雑感をアップした為、一夜漬けどころか今回の練習は当日の土曜日午前中のみ。右手の薬指の爪が剥がれかけてきた為、ギターの練習を控え、その分パソコンに向かう時間が増えた。ざっとカバティーナからダンサポンポーザまでさらったが、全曲暗譜も出来ていないし弾きこみも全く不十分。今更慌ててもしょうがないので諦めて表参道に向かった。

私の前の大井さんのレッスンでの鎌田先生の一言二言三言。

右手のタッチについて〜指先を弦に対してエネルギーを与えるような意識で弦をはじき音を出す。(これは言葉では上手く表現出来ない)
左手の運指のつけ方で、12フレット側から1フレットに向かって下降するパッセージでセーハが連続するような運指は音がレガートに繋がりにくいので避けるべき。
セーハしていない状態からセーハに移る際メロディーを切らずにレガートに繋げる方法を伝授。(これまた言葉で説明し難いが)
セーハと同時にメロディの音を押さえる左指でその前にメロディ音を押さえないような運指にすれば良い。(これまた判りにくいか)
古典派の音楽の演奏について〜ジョンウイリアムスやブリームらが過去の録音等でよく原譜を省略して演奏するケースが多いが、最近は逆に原曲にいかに忠実に演奏するかに力点がおかれるようになってきた。それが例え非合理的、非音楽的であっても。
和音の連続処理をテンポを崩さないで演奏する為の練習法〜裏打ちを心の中で歌ってやると良い。(うーん、文章表現能力が乏しくうまく説明出来ない)

カバティーナ(組曲)&華麗な舞曲〜タンスマン作曲
日渡奈菜(名前うろ覚え)さんだったか、今年のギターコンクールで上位入賞を果たした女性ギタリストの自由曲がカバティーナだった。最近プロギタリストがこの曲を弾いたという話は、山下和仁が昨年だったかタンスマンだけのプログラムで演奏会を開催して以来ではないかと思う。学生時代つまみ食いをした程度で全曲トライしたことは無かったので今回レッスンに選んだ。準備不足もあってか今回は楽譜の読み間違いが特に多かった。

プレリュード
・第2小節最後の和音(ラ、ファ#)から3小節頭の和音(シ、ソ)へ移る時2小節の最後の和音を残さない。きっちり消音する事。
・10小節目の1拍目最後のミ♭の音をしっかり消音する。11小節、12小節も同じパターンで音値通りの長さになるよう消音する。
・19小節の上降スケール(ラシド#レミファ#)は、左手7フレットのポジションでラシ(4弦)→ドレ(3弦)→ミファ(2弦)の運指で。
・1カッコから中間部(27小節〜)へ入ったらテンポをもっと落とす。(un poco piu lento)
・27小節からの一番上声部のメロディは2弦で歌わせる。(1弦開放のミとごっちゃにしない)
・33小節の2拍目後半から3拍目へのレシの左手はレ(2弦)シ(1弦)でグリッサンド気味に弾く。
・34小節の同じ音形では、シは12フレットの2弦開放のハーモニクスで弾く。
・41小節からのテンポは出だし(1小節)と基本的に同じ。
・51小節からアッチェレを譜面より早めにかけ始めていたが譜面通り弾くこと。
・53小節後半から54小節にかけアッチェレをかける。音量はクレッシェンド気味に。
・54小節最後の音(ファ)は伸ばし気味に演奏し、少し間を置いて1小節頭に戻る。

サラバンド
・1〜2小節目のパターンを二通りの運指(シファを2弦、1弦で弾くor 4フレットセーハし3弦、2弦で弾く))で弾き分けたが、鎌田さんからは最初から4フレットセーハで演奏するようにした方が良いとのアドバイス得る。
・最後の和音の直前の和音が残らないように前の和音との間に少し間を置く。

スケルツィーノ
・出だしのトレモロの低音伴奏部でラ#をしっかり消音する。ハーモニーが濁らないようにする。
・17小節からの音形では2拍目頭、3拍目頭、4拍目頭の音にアクセントを置く。
・21小節から24小節の音形も同様のアクセント。
・25小節から32小節の部分はおそらく何かの舞曲ではないか。27小節頭を私の左手つめの状態が良くないため、頭を親指で4弦、3弦を同時に弾くというアドバイス有り。鎌田さんの師である渡辺範彦氏は、この部分をピアノと楽譜には指定されているが圧倒的な推進力(これまた表現しにくい)で弾いていた。
・34、35小節の低音の上降スケールは、スラーをかけないのであれば、imのようにpで弾かない。(重くならないため)
・46小節の2拍目の和音ラドファのドは#ではなくナチュラル。
・48小節からエンディングの部分は8分音符をスタッカートで続く2部音符をレガートに延ばして弾く。

Barcarole
・有名な舟歌。2小節単位で曲の構成を理解する。
・1から4小節の前奏部分は1小節クレッシェンド、2小節デクレッシェンド、3〜4小節も同じパターン。
・5小節目の2拍目の伴奏の低音部を切るように譜面に書かれているが、音楽的には不自然(セゴビアが原曲譜を書き換えたのではないかと推定〜鎌田先生の仮説)な為、音を伸ばして演奏する。
・8小節でラレンタンドし9小節目でア・テンポ、元の速さに戻す感じ。
・10小節2拍目は付点のリズムだが、同様の音形で12小節の2拍目は付点を付けない点を注意。
・14小節の2拍目の付点のリズムを切らないでレガートに弾く。
・16小節2拍目の和音に6弦のミの音を追加。おそらく2種類以上の楽譜が有り、タンスマンの弦曲譜には6弦のミの音が入っていたのではないか。(これまた鎌田先生の仮説)
・22小節の2拍目の最初の和音(ド#、ファ#、ラ)を間違えない。
・24小節の最初の和音の音を間違えない。
・コーダのハーノニクスは、1弦7(シ)1弦6フレット(ミ)というように同じ弦上で弾き、音をハモらせない。

華麗なる舞曲 Danza pomposa
この曲だけカバティーナとは独立した曲だが、通して弾かれることが一般的。
・出だしの和音を弾く時も心の中で後打ちを聞きながら演奏する。4分音符の和音の連続なので8分音符でリズムを取る意識。音を溜める感じ。
・13小節の最初の8分音符から次の8分音符に移る際、間を置く。
・17小節のフレーズは最初の8分音符が切れ目。
・41小節、2部音符の和音で、一端切って、最後の8分音符から雰囲気を変えて次のフレーズへ。
・45〜46小節の上声部(1弦 ラ、ソ、ファ)をスタッカートで弾くのであれば、続く47〜49小節の低音の同じリズムのフレーズも同様にスタッカートをつけて弾いた方が良い。(4弦 ラ、ソ、ファ、ミ)

おまけ

鎌田先生が今日の練習で使用されていた楽器は、甘利さんが新大久保のクロサワ楽器で先週入手された今井勇一の1980年松・ハカランダのギター。やや小ぶりな楽器(に見えた)だが表面番周りの細工の装飾が美しい。それにしても甘利さんて一体何本楽器を持っているのだろうか。
ラッセルが演奏したバリオス作曲「森に夢見る」の20フレットのドの音について〜以前ラッセルはギターに楊枝みたいなものをフレット代わりに指板に貼り付けてドの音を弾いていた。今のダマンにはちゃんと20フレットを取り付けてある。
昨夜のラッセルの壮行会(新宿)の様子を伺った。10時半ぐらいまで飲んでいた由。参加者は15〜6名。ラッセルとラッセルの奥さん(マリア)も一緒。ラッセルはイギリス生まれだが、奥さんはスペイン人。1953年生まれという事だから私より4歳年上(47〜48歳)ということになる。鎌田さんによれば昔は痩せていたらしいが、最近太ったようだとの事。確かにコンサートでもステージ上を歩くラッセルは正面から見るより恰幅が良く見えた。ラッセルの楽器はダマン(ドイツの製作者の楽器)でレスポンスの良い点が特徴。日本で買えば350万ぐらい? ラッセル曰くコンサートで使用する楽器は(表面板が杉で、薄く作られているダマンのような)すぐ音が出てくる楽器が良いというのが持論らしい。ラッセルは今日土曜日朝成田を発った。

おまけのおまけ

ダマンに関する情報を甘利さんから後日教えて頂きましたので参考までに紹介させていただきます。
特に最後のコメントはラッセルの公開レッスンを受けた甘利さんならではのものでしょう。

・パリ国際ギターコンクールの製作部門でグランプリ受賞。
・ラッセル氏の他にバルエコ氏もほぼ同時期にロバート・ラックから持ち替えている。
・国内では角圭司君(現在留学中)が使用中。
・内部構造が今までの伝統的ギターと異なっているようで、確か力木の補強にカ−ボンファイバーを使っているような話を聞いたことがある。
・大変な寡作家でなかなか手に入りにくい。
・ラッセル氏やバルエコ氏が使い始めたことでさらに人気が出たようですし、プレミアがついているかもしれません。
・さてこの楽器でラッセル氏はバリバリ弾いているのかというとむしろかなりコントロールして抑えているような印象があります。公開レッスンの時に思ったのですが、決して音量は大きくありませんでした。ただし、ピアノ、ピアニシモといった弱音が非常に美しく、ダイナミックレンジが広く感じられるため迫力がある印象を受けるのだと思います。



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