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GGサロン・コンサート
鎌田 慶昭ギターリサイタル


 2001.5.18(金曜日)19:00 開演  

GGサロン

コンサート終了後打ち上げのスナッフ



プログラム

<第一部>
星野良充作19世紀ギター(1999年)使用

大序曲Op.61
M.ジュリアーニ作曲

ソナタハ長調Op.15より第一楽章 M.ジュリアーニ作曲

英雄ソナタOp.150

M.ジュリアーニ作曲
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第一番BWV1002
J.S.バッハ作曲


〜休憩〜

<第2部>

コユンババOp.19
使用楽器から桜井正毅(2000年作)

ドメニコーニ作曲

リブラソナチネ全楽章
使用楽器〜星野良充(1997年作)

ローラン・ディアンス作曲

羽衣伝説〜山之端 博の旋律に基づく
使用楽器〜今井勇一(1998年作)
藤井 敬吾作曲





出先から会社に戻らずそのままGGサロンに向かう。GGショップでKAZUさんと初のご対面。BBSで知っているだけに、初めてという感じはしないが、私より若いのに貫禄十分。(スナップ写真アップしてます(^^))

今夜のコンサートの特徴は、鎌田さんご自身が特に思い出深い曲を集められたプログラムであるという事と、前半が星野良充作の19世紀ギターで、古典派とバッハを、後半の現代の作品3曲(いずれも大曲)を全てギターを持ち替えて演奏された点である。
前半使用された星野良充作の19世紀ギターはヘッドの装飾と曲線が正に芸術的。見ているだけでため息の出るような美しさ。桜井さんのギターは昨年の弦楽器フェアで金賞受賞された作品。オーナーは鎌田さん門下のsuga君。
星野さん、今井さんのモダンはそれぞれ鎌田さんがもっとも愛用されている楽器でありいずれおとらぬ素晴らしいギター。今回使用された今井ギターはステージ使用は初デビューとの事。

師である鎌田先生の演奏については、詳しくは省くが、コンサート前半はまだ昨年のトラウマを引きずっておられるのではないかと心配になる場面もあったが、後半モダンに持ち変えられてからは1曲目のコユンババから一気に師の世界に引き込まれた。ご本人は荒かったと仰っておられたが、演奏を聞いているとどの曲からも師の故郷である津軽の海が目に浮かぶようで圧倒的な迫力で迫ってきた。特にコユンババ後半の早いパッセージでは高橋竹山の津軽三味線を髣髴とさせる華麗な右手のテクニックにただただ圧倒された。
リブラソナチネでは中間部低音の音にミスがあったのが残念だったが、INDIA、FUCCOは作曲者ディアンスとは違ったより激しく熱い演奏であった。なんといっても今夜の白眉は、最後に演奏された藤井敬吾作曲の羽衣伝説全曲。
実はこの曲今夜初めて聞かせていただいたのだが、単旋律で弾かれる出だしの主題から完全に鎌田さんの音楽に引き込まれ最後まで素晴らしい緊張感が続いた名演であった。残念だったのは演奏中客席から咳の音が途絶えるなく続いたこと。風邪が流行っているのかな。今井さんのギターも素晴らしい音で音楽を支えていた。演奏終了後も沖縄のリズムに体が浮遊している感覚がずっと続いていた。私もいつかこの曲を弾いてみたいがまだ人前で弾くには無理かな・・。

会場にはギタリスト金庸太さん、製作家の黒澤さん、今井さん、星野さんらが来られていた。星野さんは相変わらず肩の具合が良くないようで残念ながら打ち上げには参加されなかった。早く良くなられて良い楽器を沢山作って頂きたい。
最後に、この秋、羽衣伝説を鎌田さんが録音されるという発表がGGの菅原編集長よりあったことを記しておく。
発売は来年になってしまうようだが、まだ2枚しかCDが無いというのは師のキャリアからすれば余りにも寂しい話。今日のような名演を是非多くの人に聴いていただけるよう早くCDが発売されることを願って止まない。
コンサート終了後、夜行バスで滋賀県大津まで移動され、翌日朝8時から地元の小学校でチャリティ演奏、午後からリサイタルとマスタークラスという超がいくつもつくハードスケジュール。無事演奏を終えられ、元気なお顔をまた拝見したいと願うばかりである。