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GGサロン・コンサート

夢のソロ・リサイタル

エドゥアルド・フェルナンデス


 2001.7.14(土曜日) 18:00開演  

当然GGサロン



プログラム

リュート組曲第一番BWV996
(プレリュード・アルマンド・クーラント・サラバンド・ブーレ・ジーグ)

J.S.バッハ作曲

6つの歌曲
(涙の賛美/愛の便り/我が宿/セレナード/郵便馬車/漁師の娘)
F.シューベルト作曲
メルツ編曲

休憩



ソナチネ(全3楽章)

ラマルケ・ポンス作曲
コンセクェンシャス

フェルナンデス作曲
ソナタOp.47
A.ヒナステラ作曲

アンコール



カティス?(良く聞き取れず、5弦G、6弦Dチューニング) A.バリオス作曲

エチュード第7番 ビラロボス作曲

リュート組曲第2番よりプレリュード J.S.バッハ作曲

ロンド

F.ソル作曲




ギター関係者が勢ぞろいというのは言い過ぎかもしれないが、GGサロンに集まった80名はコンサートやステージで良く見かける顔が数多く含まれていた。福田進一さんは言うに及ばず大萩君、高田元太郎さん、竹内さん、磯野さん、飯泉さん・・ネットで知り合い今日初めてお会いしたgoranさん(想像していたよりずっとお若い)、ほんぽのすけさん(元気そうで何より)。金さんのリサイタル以来のさつきさん、Tajさん、両隣はなか☆ぴーさんにsawada君、鎌田門下ではsawada君の他にふみこう君、クマノ君が来ていた。私が知らないだけで熱心なギターファンが大勢駆けつけていたようだ。開演前のGGショップがあんなに混んでいたのは初めて見た。流石フェルナンデス。
それにしてもダンジェロの二つのリディア調の唄の楽譜を買おうと思ったら既に売り切れでがっくり。今度はいつ入るのだろうか・・。

この狭いホールで80名の観客というのは少々無理がある。これだけ暑いと冷房を効かせないことには聴いている方も演奏者も苦痛になるが、ギターのコンサートの場合はやはり空調の音でも耳障りだろう。特に後ろの席に座られた方は、気の毒な感じがした。自分は最前列の左から3番目という好ポジション。両手も良く見え非常に参考になった。使用楽器はsawada君に教わったがフレドリッシュだそうな。サウンドホールの下が塗装が剥げておりかなり弾き込まれた楽器のよう。昨日は鳴りが悪く感じたが今日はとても良く鳴っていた。無論ホールの違いもあるだろうけど。可笑しかったのが足台。例の軽量コンパクトな足台を使って弾いていたのだ。なんか小さくて頼りない感じなんだけどフェルナンデスが自分で使用決めたのかな・・。

いつものように菅原GG編集長より簡単な挨拶、フェルナンデスは開演時間を7時からと勘違いしていて今慌てているという説明があった。ステージに登場したフェルナンデスは、昨夜とは打って変わって顔色も良く元気そう。最初の1弦7フレットのシから大きな説得力のある音が飛び出してきた。バッハは終始圧倒。特にサラバンド辺りから音楽に没頭してきて様々なバリエーション溢れる装飾音が素晴らしい彼独自の世界を構築していた。
続くシューベルトの歌曲は甘く美しい音で情感をたたえた音楽が奏される。ただ場内の熱気とシューベルトの耽美的な(もっと上手い表現無いのか・・ボキャブラリー不足)音楽のせいで眠気に襲われて困った。

後半、席につくなりフェルナンデスが日本語で「暑くてしにそう。手がバナナみたい」といったのには場内大笑い。GGサロンは満員の聴衆で冷房も余り効かない状態。しかもステージはあの暑いスポットライトが当っているのだからフェルナンデスの悲鳴も強ち冗談とは言えない。ソナチネの作曲者ラマルケ・ポンセは、15年前に亡くなっているが、レストランでピアノを弾いたりしていた作曲家とのこと。彼については語り尽くせぬほど色々な逸話があるという説明があった。
曲はフェルナンデスも演奏前に解説していたがアクセントやリズム等が様々に変化し、比較的聴き易い現代音楽ではあったが今ひとつ盛り上がりに欠ける内容に感じた。
続くコンセクェンシャスはフェルナンデス自身の手になる作品で、前衛的な音楽。左手のスラーやビブラートのテクニックには感心させられた。昨日は右手、今日は左手のテクニックが印象に残った。
昨日は右手のポジションがサウンドホールよりもさらにネックよりの印象をもったが、今日の演奏を聴いた限りではむしろブリッジよりで弾いても音質はそれ程固くならない。爪を余り使わず弾いているのだろうか。それでもコンセクェンシャスで見せた5、6弦の2声の和音の力強さに圧倒された。音楽自体はソナチネ同様、自分の趣味には合わない。

いよいよ最後の曲ヒナステラのソナタ。一体どんな演奏をするのか非常に楽しみにしていたが予想とは全く違う演奏だった。
1から3楽章まではかなり早めのテンポで弾かれ、最終楽章はどこまで早く弾くのかと思っていたら逆にゆっくりめのテンポで演奏された。正直言って4楽章は迫力はあったがフェルナンデス程のテクニシャンにしては余り上手く弾いているとは思えなかった。1〜3楽章ももう少し細部が見えるよう多少テンポを落として弾いても良かったのではないかと思う。

むしろ圧巻だったのはアンコール4曲。
最初にバリオスの作品が演奏され、ロマンチックなメロディにたっぷりとビブラートがかけられ良く歌っていた。
続くビラロボスの練習曲7番はスケールがとても素晴らしく繰り返しは省略されたが後半のスラーもとても綺麗に処理され素晴らしい演奏だった。3曲目のバッハは、かなり早目のテンポで弾かれ、通常ハイポジションで押さえるような低音部もローポジションの運指で快速に弾ききってしまった。圧巻だったのは最後のソルのロンド。リズミカルで簡単な曲だが聴いていて思わず体が動いてしまうほど。フェルナンデスの演奏もとても良く乗っていて素晴らしい古典音楽を聴くことが出来た。

昨日のやや疲れ気味の印象は今日は完全に払拭され、とてもチャーミングな音楽を聴かせてくれた。現代曲も良いけど古典派の音楽も素晴らしいと実感させてくれた今日のコンサートだった。

全然関係ないけど直斜め後ろに座られた高田さん、すっかり矢井田瞳にはまってしまってるみたいで、なんだか可笑しい。オイラも彼女のファンだから人のことは言えないけどね。