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村治 奏一
CDデビューリサイタル


 
2003.7. 12(土曜日)18:00 開演  
トッパンホール




プログラム
       

第一部

ソナタ3番
M.ポンセ作曲

エチュード第一番、第4番
前奏曲第5番

ビラロボス作曲

わが母へ
ワルツ3番


A.バリオス作曲

主題と変奏と終曲

M.ポンセ作曲

第二部

無伴奏パルティータ第2番ニ短調BWV1004
1.アルマンド
2.クーランと
3.サラバンド
4.ジーグ
5.シャコンヌ

J.S.BACH作曲

アンコール

君の面影          A.バリオス作曲
ワルツ作品8 第4番   A.バリオス作曲
カバティーナ         マイヤーズ作曲



●奏一君のデビューアルバム「シャコンヌ」を聴いて〜

予想はしていたけれど、それを遥かに上回る素晴らしい演奏、音楽を聴かせてくれます。
村治奏一君のデビューアルバム「シャコンヌ」
チケット買い忘れてたのを後悔・・今から間に合うかな。

なんだか聴いてて嬉しくなってきました。
久しぶりです。ギターのCD聴いてこんな気持ちになったのは。
奏一君。本当に上手くなったね。感動しました。

●7月12日のリサイタル(トッパンホール)を聴いて

素晴らしいCDに続いて感動的なコンサート・・・
村治奏一君のトッパンホールでのリサイタルに行ってきました。音楽も素晴らしかったけどそれ以上に説得力ある彼のギターの音そのものに圧倒されました。
激しく、そして力強く美しい音の数々・・今の彼にしか出せない、素晴らしい音・・一見華奢にも見える細い指から信じられないほど圧倒的な音量と迫力で美しい音が迫ってきました。二部開始早々、ギターの弦が彼の強い想いを受け止め切れず、演奏中、突然6弦が切れてしまうという思わぬハプニングもありましたが、彼の師である鈴木大介氏のギターの弦に急遽張り替え無事コンサートは終了しました。とにかく感動的なステージでしばらく席から立つ気がしませんでした。
ギターの魅力はやはりその音そのものにあるという極めて単純なことを実感・・それにしてもまだ二十歳か21歳だなんて・・本当に羨ましい・・オジサンは妬けてしまいます。

YASU Guitar Diary 〜Guest bookにYASU本人が記す
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この日のリサイタルで一番心に残ったのはプログラムのフィナーレを飾るバッハのパルティータ2番であることは言うまでも無いが、音楽を一番楽しめたのは一部最後のポンセ、主題と変奏と終曲だった。僕はこの曲をセゴビアのCDで初めて知ったが、正直ポンセの作品の中では余り好きな曲ではない。
この日のプログラムを見た時、どうしてこんな曲を一部の最後に持ってきたのだろうと不思議に思ったのだが、演奏を聴いて改めて彼のギターテクニックと音楽センスの素晴らしさを実感させられた。とにかく音色の多彩さ、自然で躍動感あふれるフレージング、ドラマチックな音楽の展開に、夢身心地になるほどで時の経つのを本当に忘れさせてくれた。去年彼のリサイタルを聴いた時はアンコールのディアンスでようやく感じた音楽の高揚感をどちらかといえば難解なポンセの作品でアピール出来るようになった点に彼の進歩を感じた。
オープニングのポンセは細かいミスは見られたが終始安定した演奏で、ミスをミスと感じさせない骨太な音楽を聞かせてくれた。ビラロボスはエチュード4番の彼独特の歌いまわしに酔いしれた。バッハはおそらく彼の自己採点では60〜70点ぐらいの出来だったのではないだろうか。6弦が演奏中切れるという予想もしないハプニングに見舞われ音程に不安を抱えながら演奏を続けなければならなかったというハンデもあるが、シャコンヌの後半で呼吸がやや速くなり転調後は一気に終盤まで弾き切ってしまった。彼のハウザー2世は稀に見る名器だと思うが、彼のあの強いタッチだからこそ、あそこまで大きな音となってホール全体に響き渡っていったのだと思う。まるで楽器が、一つの弦になって彼の両手の間で振動しているかのよう・・最前列中央の彼の真正面で聴いていた僕にはサウンドホールから音と共に彼の気もほとばしり出ているように見えた。アンコールのバリオスのワルツでは疲れが見えたが、最後のカバティーナがまた素晴らしかった。演奏が終わり拍手が途切れたが僕はしばらく席を立てなかった。ギターの音と一緒に彼の気をずっと浴び続けていたせいだろうか・・すっかり全身が打ちのめされてしまったことに気づく。少し疲れたが気分は悪くない。これほど強い意志を感じさせるギターの音を聴いたのは余り記憶に無い。素晴らしい才能と的確な英才教育だけでは心を打つ音楽は生まれない。彼はもうあの若さで既に自分で進むべき道を見つけているのかもしれない。これから先一体どんな音楽を聞かせてくれるのか将来がますます楽しみなギタリストの誕生である。