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Pavel Steidl
Guitar Recial


 
2003.12. 10(水曜日)19:00 開演  
トッパンホール




プログラム

吟遊詩人の歌Op.13より

メルツ作曲

ベッリーニのオペラ「ノルマ」による幻想曲Op.16

コスト作曲
36のカプリスOp.20より

レニャーニ作曲
吟遊詩人の歌Op.13より

メルツ作曲
組曲ト長調

ロジー作曲
ヤナーチェク〜組曲「草薙の小径」より

シュタイドル編
ソナタ「ボッケリーニ讃歌」

テデスコ作曲

アンコール

自作?二曲
確かバッハのサラバンド



実は今回のコンサートレポートは書こうかどうかかなり迷った。一言で言えば期待外れ、自分の座っていた席の位置が余り良くなかったことや全体の選曲が自分の嗜好と合わなかったこともあるかもしれない。特に19世紀ギターによる前半のプログラムは、最初のうちは彼の素晴らしいメカニックに魅了されたが、曲が進むにつれ音楽そのものが次第に単調に聞こえてしまい感動することなく終わってしまった。何よりも昨年のトッパンホールでのステージ(あえて演奏と言わずステージ、パフォーマンスと言うべきだろう)が、余りにも衝撃的で素晴らしいものだっただけに今回のコンサートへの期待が僕の中で大きくなり過ぎてしまい、その反動もあったのだと思う。全体に調弦も不安定で楽器の鳴りも今ひとつぱっとしなかったこと(これは自分の座っていた座席の位置にもよるかもしれないが)も印象を悪くした原因の一つ。一番期待していたプログラムフィナーレを飾るテデスコのソナタでは、最終楽章のヴィボ・デ・エネルジコで、まるで天体望遠鏡を逆さにのぞいているような錯覚を起こしてしまった程、彼とギターを遠く感じてしまった。それにしてもエンディング直前の和音は1フレット故意に上げて弾いたのか、それとも押弦ミスなのか、一体どっちだったんだろう。
彼の演奏を聴いて感動された方には申し訳ないが、今回の演奏に限って言えば僕は褒め言葉が余り見つからない。アンコールでは昨年のステージでも演奏されたホーミーや派手なタッピングの混じった自作曲が、昨年の彼の演奏を彷彿させてくれて懐かしかったが、これも昨年の演奏の方がはるかに良かった。多分彼自身調子が良くなかったのだろう。こんな文章をアップしていいのか非常に悩むが、以上が僕の正直な感想である。見当違いなコメントだと不愉快に思われた方がいたらお許し下さい。ただこうした僕の印象とは別にシュタイドルというギタリストが極めて非凡で素晴らしい才能を持った世界でも有数のギタリストの一人であることは間違いないし、そうした片鱗を感じさせるコンサートであったことも書き添えておく。