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GGサロン・コンサート
出演 ボリス・ガクエル



 
2002.6.5(水曜日) 19:00 開演  



プログラム
    

第一部

前奏曲、アンダンテ、ジーグ

ヘンデル作曲
2つのゴヤのカプリッチョ

C.テデスコ作曲

バイレ・ファンク

ガクエル作曲

ソナタ

ブローウェル作曲
第二部


ヴィラロボス賛歌

ディアンス作曲

猫の跳躍

ベリナティ作曲

オブリガード

ガクエル作曲
アンコール


シュリアナのショーロ
アクアレルより第二楽章
マルコ・ペレイラ作曲
アサド作曲



プログラムを見て初めて気がついたのだが・・ロドリーゴのファンダンゴ・・彼はいつ弾いたのだろう・・記憶に無い・・もしかして・・忘れたのは僕じゃなくガクエルだったのだろうか・・(謎)(^_^;)?
ベルギーはブラッセル生まれのギタリスト〜ボリス・ガクエル、1977年生まれというから若干25歳。ブラッセルの王立音楽院でアサド兄弟にギターを師事、その後ブローウェル、ディアンス、デビッド・ラッセル、トマス・ミュラー・ペリングらのマスタークラスを受講している。
新井BANTEN君の演奏ではじめて彼の作品オブリガードを聴いて以来、ギタリストでもあるガクエルの演奏をいつか聞けたらと思っていたら、思いのほか早くその夢が実現した。ステージに登場した彼は髪の毛をポニーテールにまとめちょっと神経質そうな雰囲気を漂わせていた。演奏が始まると身体を大きく左右に揺さぶり全身でリズムを取りながらながらギターを弾き始めた。ヘンデルのような古典作品でも彼が弾くとパーカッションがバックに聞こえてきそうなくらいビート感の利いた音楽になってしまう。音質がやや軽目なせいもあってか出だしのヘンデルはやや単調に聴こえた。
続くテデスコの作品も聞きなれたテデスコの音楽というよりも彼独自のファンキーなサウンドに変貌していた。
冒頭、彼は日本語で挨拶、以後は全て英語で曲紹介をしながら演奏を進めた。GGサロンのステージの照明は想像以上に暑い。暑いっていう日本語を知らないと途中ぼやいていたのが可笑しかった。
いよいよ期待の彼のオリジナル、バイレ・ファンク・・この曲はファンキーなパーティ・・の意味だそうな。タイトル通り、とってもファンキーなギターインストルメンタル。やはりこの手のレパートリーになると俄然水を得た魚と言った感じで、難しいグリッサンドの混じったコードワークをいとも簡単に弾ききってしまう。エレキギターの乗りに近い。
一部最後はブローウェルのソナタ・・これがまたなんともいえず上手い。独特のルバートで、早いパッセージを納豆が糸を引くかのようにねちっこく繋いで行く。バスクィーニのトッカータあたりで指にエンジンが掛かり始めた感じ(笑)
ここで休憩、GGショップでカウンター前に積まれたガケール作曲のオブリガードのスコアをゲット。思ったより安かったのが嬉しい。
この日は、福田進一さんや大萩君、金さん、新井君、坪川さんらが来ていた。
第二部のオープニングはディアンスのヴィラロボス賛歌。この曲を、以前鎌田さんがレッスンの合間、チューニングを下げて弾くパッセージ部分を遊びで弾いてくれた思い出がある。正にディアンスらしいカッコイイ曲。でもなんでこの曲がヴィラロボス賛歌なのか理由が良くわからないけど。圧倒的なリズム感とテクニックで一気に最後まで飽きさせることなく弾ききってしまった。とにかく上手い!個人的にはこの曲がこの日のコンサートではベストだったと思う。
続く猫の跳躍も彼の感性にピッタリ。ベリナティの作品は彼のフィーリングに合うのだろう。猫が飛んだりはねたりじゃれたりと・・・一種の描写音楽だが彼の演奏は悪戯好きのアメリカンショートヘアが遊んでるみたいにファンキーだった。後半音を加えていたみたいだったけど自信が無い。
ここで冒頭の2行に戻るのだが・・彼のプログラムによるとここでロドリーゴのファンダンゴが入っていた・・・が、帰宅するまでプログラムをポケットに入れっぱなしでよく見ていなかった僕は何の不審も感じずエンディングのオブリガードへと感情移入していった。
寝不足と疲労でぼーっとしていた僕の頭にはファンダンゴの記憶が無いのだ。僕が単に夢を見ていただけだったのか・・
オブリガードは作曲者自身の演奏とあって一番期待していた。案の上というべきか想像以上の演奏だった。右手のパーカッションとラスゲアードは参考になった。彼の右手は体の大きな動きとは正反対に極めて無駄が無い。ブローウェルでも特にそれを感じたが難しいフレーズでもねちっこく音が繋がって聴こえるのは彼の右手のテクニックと大いに関係しているのかもしれない。それにしても演奏中右手をあんなに高く天井に向かって突き上げながら演奏するギタリストをはじめて見た。僕と一緒で肩こりでもあるのかな(笑)

アンコールは南米の作曲家の作品が2曲。ちょうど夕立で雷がゴロゴロなりはじめた。彼の神経も当夜のプログラムを弾き終えた安堵感からか、気持ちが緩んだんだろう。度々曲を忘れてつまづく箇所がチラホラと・・でもまあこれもご愛嬌。自作でも即興でもいいから全然知らない曲を聞いて見たかった気がするのだがこれも贅沢な悩みかな。(^^ゞ
新井君、今日は誘ってくれてホントに有難う。無理して駆けつけた甲斐がありました。打ち上げ失礼しちゃって本当にゴメン。