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GGサロンコンサート

ボグダノヴィチ作品を中心に


出 演
新井伴典


 
2002.3.9(土曜日)18:00 開演  

GGサロン



プログラム

第一部 

組曲「地中海東方」と神秘の森

 前奏曲(即興)
 ダンス
 カンティレーナ
 パッサカリア
 即興
 神秘の森

ボグダノヴィチ作曲

ソナタ第三番

 アレグロ・モデラート
 シャンソン
 アンダンテ・ヴィーヴォ

ポンセ作曲

第二部



ソナタ

 ファンダンゴとボレロ(ベートーヴェン賛歌)
 スクリャービンのサラバンド
 バスクィーニのトッカータ

ブローウェル作曲

アラビア風綺想曲
タレガ作曲

オブリガード
 <サンバ、レント、キャリオカ>

ガケール作曲

アンコール


サウダージ3番〜フリア・フロリダ〜水とワイン〜サウダージ3番エンディング






今日はコンサートに珍しく長女と出かけた・・・というより一足先に娘は友達と町田に出かけていたのだが。町田の小田急線改札付近で娘と待ち合わせした所、約束時間を過ぎても一向に現れない。その内見知らぬ女の子3人組から声を掛けられ、「あゆみちゃんのお父さんですか?」・・・なんと献血したら気分が悪くなってしまい寝ているのだという。それから娘の友達に連れられ駅近くの献血所へ。娘は初めての献血で緊張し血圧が下がってしまったらしい。傑作だったのは同級生4人で献血に行って、娘の友達は3人とも検診でひっかかり、献血出来たのは結局娘一人だけだったという話。それでもお菓子やジュースを薦められ一同恐縮。
娘の血圧を測定後、献血手帳を貰いゴタゴタもようやく一段落。娘もふらつく足取りながら、どうにか一緒にGGサロンへと向かった。お腹が空いたというのでGGサロンに行く前に要町駅近くの福しんでレバニラ炒め定食を大急ぎで取り、貧血気味の娘に栄養補給。どうにか娘も元気を取り戻しコンサート会場へ着いたのは開演5分前。最前列中央席が何故か空いていたので、ゲット。神様はまだ見捨ててはいなかったようだ。ヤレヤレ・・

BANTEN君登場・・花粉症と言っていたがいつもながら余裕の有るにこやかな笑顔で演奏がはじまる。今日は最初のボクダノビッチからギターが良く鳴っていた。音量が豊かでとにかく音が綺麗。GGサロンコンサートでは前半、音が小さく聞こえることが多いのだが今日は最初から大きな音で聴くことが出来た。
初めて聴いたボクダノビッチ、ダイダラボッチだなんていって申し訳なかったが、ミニマル音楽的な要素も取り入れられ、現代作品でありながら親しみやすい曲。チューニングが決まらなかったのがやや残念だったが、随所に美しい音で丁寧に歌わせていく彼のギタースタイルは若手ギタリスト・・もう彼も30というから若手というより中堅ギタリストかもしれないが・・の中でも1、2を争うハイレベルなもの。娘が「BANTEN君のCDは無いの」といってたが、金さんといいBANTEN君といいこんな素晴らしいギタリストがいるんだからレコード会社もいつまでも佳織ちゃんや大君、大萩君だけ追っかけてるんじゃなく彼らのCD早くリリースして欲しいものである。

ポンセのソナタ第3番では、借り物でない彼独自の音楽世界を繰り広げていた。第一楽章は自分の抱いていたイメージとは全く違って叙情的な音楽、第二楽章、最終楽章と音に対する集中力が素晴らしく最後まで緊張感が切れることなく音楽が繋がっていた。テンポルバート、音量のダイナミクスは控えめな感じだったが、彼の美しい音で奏でられるとそれだけで参ってしまう。
正直ポンセの3番は第2楽章は好きだが、1、3楽章はさほど良い曲だとは思っていなかった。彼の演奏を聴いて見直した思い。
ここまで彼は全く喋らず、にこやかに微笑むのみ。打ち上げでも言っていたが、喋るとあがるというからワイルドな彼の外見からは、ちょっと意外な感じがする。

第二部のオープニングは、いよいよブローウェルのソナタ。彼に凄くあっている曲だと思っていたら、想像以上だった。特に第一、第二楽章はほぼ完璧といって言い出来。最終楽章は圧倒的なテンポでしかも雑にならずしっかりしたメカニックで弾ききった。エンディング直前で、彼にしては珍しく音を外すミスがあったが、音楽を壊すものではない。とりわけ第二楽章で彼の美しい音が特に良く生かされていた。2弦10フレットのAの音に1弦の旋律が重なるフレーズの美しさは、自分の貧弱なボキャブラリーでは到底表すことが出来ない。まろやかな上質のワインを音で味わっているようで、全くノイズとは無縁な純粋無垢な音だけがギターのサウンドホールの奥深いところから湧き出ているかのようだった。
続いて演奏されたタレガのアラビア風奇想曲。おそらくタレガ生誕150年を記念してプログラムに入れたのだろうが、当夜のプログラムの構成としてはやや中途半端な印象、個人的には別の曲を聴きたかった。誤解の無いよう書いておくが決して演奏が悪かった訳ではない。あそこまで素晴らしい演奏が続くとやはり彼の持ち味が引き立つような作品、例えば舞踏礼賛等、続けて聴いてみたかったと思うのはファンの贅沢な我儘だろうか。それにしてもこの曲でもしっかり装飾音で半音上げて遊んでいたのは立派。(^_^;)

フィナーレは大好きなガケールのオブリガード。昨年アンダンテで聴き損ねたので尚更楽しみにしていたが、躍動するリズミカルな曲想が彼の感性にピッタリで、この曲を聴いているだけでワクワクしてくる。今夜は彼にしては珍しくミスが散見されたが、それも並みのギタリストならミスとはいえないレベルの話。以前初めてこの曲を聞いた彼の演奏が完璧といえるものだっただけに自然要求水準も高くなってしまう。でも以前聴いた時はとにかく上手いという印象だけが残ったが、僅かな期間に彼の演奏にはミスをミスと感じさせない幅のようなものが感じられるようになっていて、独自の芸風というか音楽スタイルが出来上がりつつあるなという感想を持った。
アンコールでようやく重い口を開け、新曲を用意したが間に合わなかったという説明でディアンスのサウダージ3番が、演奏された。途中バリオスのフリア・フロリダ〜ジスモンチの水とワインを経て、再度ディアンスで終わるというアドリブっぽい楽しい演奏で幕を閉じた。

打ち上げには参加しないつもりだったが、献血で気分の悪くなった娘が元気になっていたのでそのまま残って参加。いつもの顔ぶれはいなかったが、GGサロンの打上とは思えぬノリで、展開。 モー沢。君の自己紹介が始まるや最後まで面白いオジサン参加者(お名前失念し失礼。またどこかでお会いしたいものです。)の怒涛のような突っ込みに一同笑いっぱなし。BANTEN君の優しいお母様の一言とトリを締められたお父様のユーモア溢れるスピーチが印象的でした。
今回デジカメを忘れたので娘にコンビニまで使い捨てカメラを買いに行かせ記念撮影。さーてどんな具合に取れているか楽しみ・・写真は、(上手く取れてたら)後日アップするのでお楽しみに・・・。


Photography

打ち上げスナップ
使い捨てカメラで撮った写真をスキャナーで読み込んだけど
あんまり綺麗に取れてませんでした。(凹)




上の写真右手奥に座っておられるのがBANTEN君のお母様
ギタリストM氏の熱弁により異常な盛り上がりを見せた打ち上げ風景(右下の一番上の写真)
M氏にどこの国の人と言われ唖然とする天才作曲家モー沢。君


左一番下〜花粉症のギタ菌さんと日本在住ギタリスト・エルマンノ・ボッティリエーリ氏。
右一番下〜M氏の熱弁に呆気にとられる(左から)新井君のお父様、新井君、モー沢。君の3人。