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GGサロン・コンサート

タレガを讃えて〜生誕150周年


出 演
大谷定広


 
2002.3.29(金曜日)19:00 開演  

GGサロン



プログラム

第一部 

2つの小品

ナルバエス作曲

悲歌風幻想曲

ソル作曲

ソナタOp.47

ヒナステラ作曲

第二部



ゆりかご
アルボラーダ
アラビア風綺想曲

タレガ作曲

2人の姉妹
マリエッタ
アデリータ

タレガ作曲

2つの前奏曲
ラグリマ
アランブラの思い出

タレガ作曲
アンコール


私のお気に入り
音楽の小箱
〜GG菅原編集長の愛娘まほちゃんに捧ぐ


なか☆ぴーさんアンコールの曲名教えてくださって有難うございました。m(__)m



今日は待ちに待った大谷さんのGGサロンコンサート。
但し年度末の最終日でおまけに金曜日とまっとうなサラリーマンにとっては非常にスケジュールを空け難い夜ではあったが、幸い上手く会社を抜け出すことが出来、開演20分前に無事GGサロンに到着。
開演まで少し時間があったので最前列席を確保し、GGショップに行こうとしたらエレベーター前で当の大谷さんと鉢合わせ。
結局これが始めての出会いとなった。想像していたよりずっとお若い。早速自己紹介し、poohさんリクエストの濃厚なキスの代わりに握手をさせて頂く。(実は奥さんのpoohさんから開演前に熱いキスをと、どこまで本気か分からないメッセージを頂いていました。(^_^;))
生憎この日は肌寒い小雨模様の天気で、(打ち上げ終了時には結構本降りになっていた)客足が心配されたが、開演時にはどうにか客席も埋まっていたようだ。
いよいよ大谷氏登場。オープニングは2フレットにカポタスト使用し、ナルバエスの2つの小品から。
決して強く弾いているようには見えないのだが美しく豊かな音がステージから客席へと広がっていく。フレージングと音色の美しさが際立っていて、まるでゆりかごに揺られているような心地よい演奏だった。一つ一つのフレーズが、大谷氏の手に掛かると生き生きとした生命感溢れる音の流れに変わっていく。旋律が持っている美しさが、氏の美しい音によってさらに高められていく、そんな演奏だった。振り返ってみるとこの日のコンサートで、このナルバエスが私の中では一番印象に残った。
ここで大谷氏の挨拶が入る。この日大阪からANAで東京に来られたとのことで、ANAは荷物の機内持ち込みに厳しく、結局ギターは預けざる得なかったとのこと。そのせいか弦がなかなか安定せず2曲目のソルでは調弦に随分苦労されていた。
悲歌風幻想曲では出だしの力強い導入部にまず度肝を抜かれた。ダイナミックレンジがもの凄く広く一部最後のヒナステラでも音量、音色の多彩さに終始圧倒された。ギターは97年のアントニオマリン、高音弦にはハナバッハのゴールディンを使用されており、カーボン弦を使うのはビリツキを減らす為とのこと。あの強靭な右手のタッチならそれもうなづける。
大谷氏は現代ギターにヒナステラのソナタのアナリーゼを掲載されていたが、あの詳細な楽曲分析も素晴らしかったが、それを実際に演奏で表現出来るプロの技に感動させられた。
たまたまギタ菌さんのコンサートで知り合ったアントニオマリンを愛用されているHさん(イニシャル違ったかも・・(^_^;))は、一部終了後、ヒナステラの演奏にいたく感動されて聴きにきて良かったと興奮を隠せない様子だった。
比較的ゆったりとしたテンポで弾かれていたが、何よりも感心させられたのは氏の音色の美しさと多彩さ。ビブラートのかけ方も色々参考になる点が多かった。この曲でもフレージングの処理の上手さが光っていたことは言うまでも無い。
打ち上げ時の新井君の感想でもあったが、無音部分でも音楽が聴こえているという賛美は、おそらくこのフレージングの巧みさとも無関係ではないだろう。フレーズの終りの処理が絶妙で、次のフレーズや、楽章が始まる無音部分でも音楽の流れが途切れることが無い。また演奏に入る前の一連の動作が、とても洗練されていて、曲の最初の一音が出てくる前から既に音楽が始まっているのだ。こうした演奏スタイル、感覚はBANTEN君の言われるように長年のスペイン滞在生活とも無関係ではないだろう。
15分の休憩をはさみ2部へ。この休憩の間、BANTEN君から彼も私と同じく肩こりに悩まされているという話を聞き盛り上がる。毎週マッサージ治療を受けているとのことで、肩こりもギタリストの一種の職業病かもしれないと納得。冗談抜きで彼が通院している日本橋のマッサージ屋さん、紹介してもらうかな。

第二部は全てタレガの作品。坪川さんも仰っておられたが、ある意味ギタリストにとってかなり勇気のいるプログラムだろう。
ギター愛好家なら誰もが一度はトライするであろうタレガの有名なレパートリーをプロギタリストがどのように料理してくれるのだろうかというのは、大変興味の尽きない点である。
アルボラーダを生で聴いたのは実は今回が初めてだったのだが、スケール部をスラーで弾かれていたのが私には新鮮に聴こえた。(多分これが楽譜に忠実な本来の演奏なのだろうけど) それからグリッサンドの処理が、繰り返し時に変化がつけられているように聴こえたのが面白かったし参考になった。打ち上げ時に大谷さん、坪川さん、新井君らから教えていただいたが理想的なグリッサンドとは最初の音ははっきり鳴らさずに経過音から最後の音が聴こえる感じがベストとのこと。言葉では上手く表現出来ないのがもどかしい。実際に弾くのはさらに難しそうだが・・(^_^;)
2つの前奏曲の2番目に演奏された曲は初めて聴いたがとても良い曲だった。但し左手が難しそう。
途中曲間で調弦を直し忘れて?(それとも弦が下がったしまったのかよくわからないが)そのまま次の曲に入ってしまうミスがあったが、弾き直さずに演奏しながら調弦し、弾ききってしまったのも立派。それから曲の解説中に、タレガの家の跡〜現在壁しか残っていないらしいが、そこが取り壊されるかもしれないという信じられないような話があった。出来れば記念館などを作って保存しておいてもらいたい所。
当夜のフィナーレを飾るアランブラの思い出。プログラムにアルハンブラと書かず、スペイン語の発音に近いアランブラと印刷されているのに大谷さんは感動したというコメントがあった。アランブラの演奏では左手の運指が大変参考になったが、打ち上げでその話をしたら単にタレガ自身の運指に忠実に弾いただけとのこと。てことはオイラが使っていた楽譜が単に変だったということになる。やはり正しい楽譜選びは大切だなぁと実感。
アンコールは2曲、どちらも曲名がうろ覚えで自信が無い。一曲目はメロディーが素朴な曲だが、ギターがとても良く歌っていて素晴らしかった。ギターで歌うということの意味がとても良くわかる名演。エンディングは現代ギター社菅原編集長の愛娘まほちゃんへ捧げられた。ハーモニクスがとても美しい。あんな風に綺麗なハーモニクスが出せたらいいんだけど。低音弦のハーモニクスには右手は親指を使うと良いというアドバイスを教えて頂きこれまた参考になった。
GGサロンコンサートの打ち上げは単に演奏者と知り合うチャンスになるだけでなく色々勉強になることが多い。これからも続けて欲しいものである。
追伸、GG社5Fで土曜日(・・えーっと日曜日だったけ・・(^_^;) 自信が無いので行きたい方は・・土曜日だったらもう遅いけど・・GGショップにお問い合わせの上お出かけ下さい・・・)14時から大谷氏の公開レッスンが急遽開催されることになった。受講者はふみこう君。曲はヒナステラのソナタ。聴講料は500円/人。


Photography

打ち上げスナップ写真











ちょっとスポットライトが眩しすぎ・・ですね(^_^;)
打ち上げの1時間もあっという間に過ぎました。