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アンダンテ・バウム・コンサート

出演 
新井伴典(ギター)
井原和子(フルート)

 2001.12.1(土曜日) 17:00開演 




プログラム

寓話1・2 間奏曲


J・イベール作曲
中世風小組曲
F・P・デュミャ作曲

大ソナタイ長調op.85

M・ジュリアーニ作曲

ピッコロとギターのための作品(世界初演)

志田笙子作曲

オブリガード(ギターソロ) 
時間の都合で演奏省略(残念)
 
B・ガケール作曲

タンゴの歴史

A・ピアソラ作曲


アンコール

フルートとのデュオで
タンブーラン(フランツ・ヨーゼフ・ゴセック作曲〜クリストフイエギン編曲)
新井君のソロで
レオブローウェルの11月のある日



久しぶりにトモさんの演奏が聴けるんでずっと楽しみにしてた。鎌田さんにレッスンを早めていただいてハウザーかついでアンダンテに到着。たまにギターかついでウロウロすると肩が凝ってしょうがない。丁度今日、雅子様に女子誕生のニュースが街中に伝わって明るい師走といった雰囲気。
今日のプログラムは、(アンコール以外)ギターソロが無く、全てフルートの井原さんとのデュオ。そのせいかいつものギター関係者の姿は少なく河野智美さんと天才作曲家モー沢。君の二人の姿しか見られなかった。モー沢。君、またまたスリムになってましたね。(^^ゞ新作楽しみにしてるよ。
井原さんはドイツ留学中で2日後にまたドイツに戻られるとのこと。彼女の友達や、関係者と思われる方々が大勢来ていてアンダンテは満席。最前列に座ったが、前半プログラムは、風邪薬と暖房のせいで意識が朦朧・・演奏が余りにも心地よすぎたせいなのか睡魔との戦いになってしまった。イベールは菌さんのバイオリンとのデュオで聴いて以来。バイオリンの時も感じたが、ギターのパートが単純過ぎてどうも好きになれない。もう少しカラミのあるアレンジに作り直したほうがいいと思ってしまう。演奏者の責任じゃないんだけどね。
中世風組曲は易しい曲だがとてもフルートとギターの響きが合っていて楽しめた。心地よすぎて睡魔が襲ってしまったほど。(新井君ゴメン)
ジュリアーニは、新井君のテクニックも冴え安心して(どれも安心して聴けたけど)聴けた。ただこれも彼のギター一本で弾いた方が個人的には楽しめたと思う。アレンジというか作曲者がもともとギター一本で弾けるように作曲した作品ではないだろうか・・。

コーヒーブレイクを挟んで、第ニ部。
最初の曲に入る前、やおら新井君が新聞の号外を取り出し、雅子様の女子誕生のニュースを紹介、これと同じことをこれからやりますといって志田さん作曲の合という曲が初演された。
井原さんはフルートからピッコロに持ち替えての演奏。新井君はといえば、回りに椅子を並べてステージにはいささか不似合いな発泡スチロールやらカポタスト(?・・スチールギターの弦上を滑らせる道具)、ピック等小道具を回りに沢山配置し、さらに弦に音色をガムランのような音が出るように粘土を取り付けての演奏。井原さんの「それって新井君が発明したんだよね」には笑ってしまった。演奏者のインスピレーションをかなり自由に織り込むことが出来る作品らしく今週の火曜日から作曲者を交えて練習(特訓)を始めたとのこと。二人の気迫が、会場を包み演奏終了後、作曲者の志田さんから思わずsuper!の声がもれる。素晴らしい新作披露だった。
演奏後の井原さんの顔も高揚しており、思い通りの演奏が出来たことが表情からもストレートに伝わってくる。こうした普段聞くことの出来ない作品を生で聞けるチャンスというのはなかなか無い。今日は二人の素晴らしい演奏で貴重な作品を聴くことが出来、これだけでも今日アンダンテに来た甲斐があったというものだ。
二人のテンションが上った所で、ピアソラのタンゴの歴史が演奏される。前半とはうって変わって二人の集中力が増していた。新井君のギターも強烈に自己主張を始め、素晴らしいピアソラを聞くことが出来た。生で全曲聴いたのは初めてなのだが、ギターのパートは易しいと思っていたが新井君ほどの名手をもってしても案外難しい曲だと実感。3楽章途中でフルートのピッチが突然下がる・・フルートの音程が下がってしまうアクシデントがあったがすぐに復帰。アンダンテのステージは音が響かないデッドな空間であったせいもあるだろうが、フルートにはハンデがあったかもしれない。その分新井君のギター本来の持つ美音が堪能出来、満足。井原さんとの二人のやりとりも演奏する楽しさが伝わってきて充分楽しめた。
アンコール一曲目は彼女とのデュオ。これまでで一番難しい曲という新井君のお茶目な曲紹介で、軽やかに演奏が始まる。井原さんは後半の早いフルートのスケールを見事に弾き切り、鮮やかなアンコール。最後は新井君のソロでブローウェルから11月のある日が彼自身のアレンジというか作曲というか・・まさかもう一度転調するとは思わなかった・・なかなか面白いアレンジで演奏されコンサートは幕を閉じた。
新井君、君はやっぱりお茶目でナイスガイなギタリストです。井原さんの友達にも君のファンになった人が大勢いたと思うよ。
時間が無くて省略されてしまったけど次回はガクエル聴かせて下さいね。楽しみにしています。