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GGサロン・コンサート
2nd CD「シエロ」発売記念コンサート

出演 大萩康司

共演 

中島 麻(1st Vn)
瀬堀 玲美(2nd Vn)
赤坂 智子(Vla)
奥泉 貴圭(Vc)


 2001.10.26(金曜日) 19:00開演  





プログラム

第一部

森の中で
 ウェインスコット・ポンド〜コーネリア・フォスの絵画から
 ローズデール
 ミュアー・ウッズ

武満 徹作曲

プレリュード・フーガ・アレグロBWV998

J.S.バッハ作曲

第二部  
 



母に捧げるグラヒーラ

ロハス作曲

そのあくる日

ゲーラ作曲

澄み切った空
シネーシ作曲

ギター五重奏曲
 
ブローウェル作曲

アンコール



ギター五重奏曲より第三楽章
11月のある日(ソロ)





ブローウェル作曲





今日は会社を午後半日休暇を取って病院に寄ってからGGサロンに向かった。ちょうど昨夜NHKのトップランナーで大萩君がゲスト出演したばかりでもあり今日のGGサロンはかなりな混雑が予想されたのでいつもより早めに着いた。といっても6時は廻ってたけど。GGショップには既に若い女性の姿がチラホラと。ショップのtamakiさんから整理券(10番)を貰い店内物色・・。金さんと合いしばし歓談。(中身は秘密(^^ゞ)

場内は予想通り7割方若い、多分未婚?の女性。面白いのはアベックが少なく女性だけの客が多かったこと。みんな大萩君目当てなんだろうな。
いつも見かけるギター関係者の姿は余り見られず。大分前にチケットはsold outしてたようだ。ギタリストでは福田進一さん、金庸太さん、製作家の黒沢さん、それと解説者の浜田滋郎先生がおられた。知り合いではふみこう君やクマノ君、サトキョンさん,・・またいつもHPを見てくれているというkumakawaさんという女性にもお会い出来た。(どうぞ遠慮せず書いて下さいね。(^^ゞ)

整理券のお陰でステージに向かって最前列右側の列の左端の席をゲット、彼の演奏(特に右手のタッチ)を至近距離で聴く(見る)事が出来た。
昨日のトップランナーで予習はしていたが、じっさいにステージで見る彼はやはりカッコいい。演奏前後の彼の動作に興味が惹かれた。
まず調弦。曲の雰囲気を壊さないように極力小さな音で目立たぬよう注意を払っているのが好感が持てる。それとどの曲もいきなり入らずにまず精神を統一、集中してからゆっくりと弾き始める。右手指先を見ていると意識が集中していくのがよく分かる。呼吸法も一見華奢に見える身体の割に大きく息を使っていた。
愛用のブーシェは側板がとても綺麗に輝いて見えた。1962年の作と言っていた記憶があるがとても保存状態が良さそう。
オープニングの武満徹作品は、丁寧に弾かれ殆どミスも無い。コンサート全体を通して彼の演奏は殆どミスらしいミスが無く、安心して聴けた。確かなテクニックを持っていることが分かる。武満作品ではハーモニックスの色彩感とリズム感の良さが印象に残った。
続くバッハは、1フレットにカポタストで、変ホ長調での演奏。最初のE♭を4、6弦のオクターブで弾いていたのがとても重厚な雰囲気を出していて参考になった。特にプレリュードとフーガは予想より早めのテンポで弾かれていたが、自分の表現したいことが明確に伝わる演奏だった。プレリュードでは倍音がかなり鳴っていてカポタストのせいもあるだろうがブーシェの音が堪能出来た。音色は割りと淡白な感じだが要所で聴かせる高音が魅力的。大萩君もその辺はかなり計算して弾いているのだろう。
フーガの主題から続くアルペジオの導入部の変化がとても美しい。フーガの終了部もきっちり弾かれ、アレグロへと続く。固めの音でスラーを多用せず弾いていた。流石にアレグロになると体力的にきつそうだったが最後まで崩れることなく弾ききったテクニックは立派。今春聴いたフィスクの演奏よりもはるかに内容のある演奏だったと思う。
第一部はこれで終了。ひどく短く感じたのは彼の演奏がそれだけ集中していたからだろう。それと演奏者と聴衆の間に一体感が感じられるほど聴き手側のテンションも高かったのが印象的だった。

第二部は彼のMCでスタート。前半はGGサロンという場所柄マニアックな選曲をしたとの説明があり、後半ステージではCDに収録されている新曲を中心に演奏された。昨夜のトップランナーで演奏された曲を改めて間近で聴くことが出来とても楽しめた。
テレビと違って何よりも音が根本的に違う。それと早いパッセージでも細部までよく聴こえ、改めて彼のリズム感の良さとゲーラやシネーシのような南米作品に対する彼のセンスの良さを再認識。
演奏とは直接関係無いが、曲間で客席後方から福田さんが立って両手を振って大萩君にエールを送っていたのが可笑しかった。
第二部の最後を締めくくるブローウェルの五重奏曲では、バックを若い人の為の室内楽講座受講生(サイトウキネンフェスティバルin松本)が担当。ギタリストの中島晴美さんの娘さん麻さんのバイオリンをはじめて聴くことが出来たのも収穫。
殆どのメンバーが大萩君より年下ということだったがとても和気藹々で楽しいアンサンブルを聴かせてくれた。
コンサート終了の大萩君の挨拶でも、パリから帰国して2週間の間に9回ものコンサートを全国でやってきたという話がありその最後を飾るGGサロンのステージを気の合う仲間とにぎやかなアンサンブルで締めくくれて満足しているというコメントがあった。
アンコールでも再度五重奏曲から第3楽章が演奏され、エンディングで見せた彼のお茶目な笑顔がとても印象的。女性ファンが増えるのも無理無いな。再度アンコールの拍手に促され11月のある日のソロを演奏。こちらは思ったより早めのテンポだったが情感溢れる名演。最後まで緊張感の途切れることの無い素晴らしいコンサートだった。終了後GGショップでサイン会が行われたが、若い女性が多く、自分には場違いな雰囲気でシエロのCDにサインを貰いたかったが、早々にGGサロンを後にした。