子供の病気

赤ちゃんの夜泣き

夜泣き対策の治療

夜泣きとは、昔から、かんしゃく、ひきつけなどとあわせて疳の虫(かんのむし)とも呼ばれる乳児の異常行動を指しています。現代医学では「小児神経症」と呼ばれるものです。

東洋医学では、夜泣きと疳の虫を分けることもあり、疳の虫は西洋医学的に言えば、小児の自律神経失調症から起きる神経異常興奮に当たり、赤ちゃんが理由もなく不機嫌になってじれたり、欲求不満を起こすことです。

夜泣きは原因がよくわからないため、一般的に解決策もなく、困り果てているお母さんやお父さんが多いです。

何時間も泣き止まない夜が続くと、大人たちは寝不足で疲れ果ててしまいます。おおよそ、子育て中のお母さんの7割が夜泣きに悩んだ経験を持っているとのこと。

では、赤ちゃんが夜泣きをしてしまったらどうしたらいいのでしょうか?それは鍼灸治療をすることです。

日本では昔から夜泣きに対して鍼灸治療をおこなっていました。最近では、NIH(米国 国立衛生研究所)やWHO(世界保健機構)においても赤ちゃんの夜泣きに対して鍼灸治療が有効であると発表しています。

夜泣きは、そのまま治療せずにいると、発育不全や、朝起きれない、頭痛やめまいが特徴の症状としてあらわれる起立性調節障害自律神経失調症へと発展することもあります。夜泣きは早めに治療していきましょう。

小児ぜんそく、咳喘ぜんそく

小児喘息・成人気管支喘息の治療

喘息は、発作性の喘鳴(「ゼーゼー」、「ヒューヒュー」)、呼吸困難などの症状が特徴で、場合によっては死につながる程の重い発作を起こす可能性があるため油断の出来ない疾患として位置付けられています。

喘息とは、空気の通り道になっている気道(気管支)が炎症を起こすことで狭くなり、咳こんだり、息が苦しくなってしまう発作性の呼吸困難のことです。

呼吸機能は起床後徐々に高まり、夕方から明け方にかけて低下するので、喘息の発作は夕方から明け方にかけて起こる場合が多いです。また、夜の発作は悪化しやすい傾向があります。

「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と苦しそうに呼吸をしていませんか?
横になるとさらに苦しそうに呼吸をしていませんか?

このような状態であれば、喘息の発作が出ている合図です。
横になって寝てしまうと呼吸はさらに苦しくなるので、座った状態で肩やからだ全体で息をするようになります。

「アレルギー疾患の現状等」厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課

喘息の原因はアレルギーによるものがほとんどです。
ハウスダストやカビ、ダニ、花粉、食べ物、ペットの毛などに反応します。
その他、季節や天候の変わり目、冷たい空気、大気汚染、タバコの煙、ストレス、なども発作の引き金になります。

発症は1~2歳が多く、小学校入学までに発症する人が大半。症状が落ち着くまで平均10年、7割の人が成人までに症状がなくなります。

また、小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2017では、5歳以下を「乳幼児喘息」と定義して、学童期以降の小児喘息と区別しています。

喘息患者の気道(気管・気管支など)は、常にアレルギー性の炎症を起こしているため表面の粘膜がはがれ落ちて神経がむきだしになり、敏感になっています。そのためダニやかぜ、気温気圧の変化などさまざまな原因に気道が反応し発作が起きます。

発作が起きると気管支の筋肉が縮み粘膜がはれて気道が狭まります。また、粘膜がいっそうはげ落ちて神経が刺激され炎症が強まり、「発作が発作を呼ぶ」悪循環に陥ります。

アトピー性皮膚炎

2年前までステロイドを使用していた中学3年生の手

★ステロイド使用 中学3年

2年前までステロイドを使用していた中学3年生の足

★鍼灸治療1ヶ月

アトピーはステロイドと保湿だけでは治りません。さまざまな皮膚疾患の中で、生活の質が最も低くなるといわれているアトピーは、症状に付随する抑うつ、不安、睡眠障害などメンタル関連の有病率が高いためです。そのため、アトピーに対しては皮膚症状の改善だけでなく、アトピー症状に影響された自律神経の乱れを正常化させる必要があります。

※副交感神経と交感神経は自律神経の種類です。

アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う皮疹が全身に現れ、皮膚症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴の皮膚疾患です。

アトピー性皮膚炎の患者さんにとって最もつらいのは、とにかく痒いということです。痒くてかきむしってしまった結果、湿疹や傷ができてしまうと、炎症がさらに悪化してしまうという悪循環にもなります。
症状のひどい時、痒くて夜も眠れないような時は、ステロイド等を使用して、まずは痒いという症状を抑えてあげることが必要です。

もうひとつ重要なことは、ステロイドに依存しないということ。 ステロイドを使うことで炎症を抑えることができますが、それは対症療法でしかありません。
ステロイド自体がアトピー性皮膚炎を治しているわけではないのです。

そこで、アトピー治療の一番大切なことは、アレルギー症状が出ないようにしてあげることです。
鍼灸治療は、痒みなどの症状を抑えつつ、アレルギー反応が出にくい状態になるよう促します。

アトピー患者さんの体は全般的に副交感神経の過剰亢進という体質を持ちながら、同時に交感神経の過剰亢進も抱えた、複雑な身体になってしまっています。そして、この体質を変える方法としても、鍼灸治療が有効です。

小児鍼について

小児のアトピー治療
子供のアトピー治療

小児鍼とは、子供の病気を治療するための鍼治療です。
子供用の鍼は、皮膚をつついたり、刺さない鍼です。

子供は大人と違い感受性が豊かです。そのため、ちょっとしたことで病気になる反面、軽く皮ふに刺激をするだけで十分な効果が現れます。
小児鍼をしている時は、くすぐったくて笑っているお子さんばかり。治療中や治療後の帰路で寝てしまう子もいるくらいです。

小児鍼といってもお灸をする場合もあります。
もちろん、子供でも大丈夫な熱くない、嫌がらないお灸です。

乳児、幼児など子供のアトピー治療には、この小児鍼で皮ふを強くするツボや体の余分な熱をとるツボ、免疫、自律神経系を正常化してくれるツボを刺激することで赤みやかゆみ、皮膚の乾燥を抑えます。
アトピーは継続的に治療すると皮膚の再生力が高まり、アレルギー反応が出にくくなってきますので、アトピー症状に悩むことなく楽に過ごせるようになります。