詰将棋の魅力


詰将棋といえば、週刊誌、新聞などでよく目にすることが多いと思います。大体が7手詰とか 9手詰など比較的形が簡素で手数の短いものが殆どです。勿論それらは、それなりに詰める者 にとって、捨駒やうまい手が入り、指将棋の終盤に役に立つものが多い。 しかし、本当の詰将棋の魅力といえば、そのようなレベルのものではありません。 例えば、以下のような面白い狙いを持った作品も沢山作られています。

 

<初形に狙いのある作品>

 象形曲詰・・・初形の盤面の駒配置が文字や模様になっている作品

 持駒趣向・・・持ち駒が歩18枚など、持ち駒に工夫を凝らしている作品。

 

<詰め上がりに狙いのある作品>

 あぶりだし曲詰・・・・・詰め上がりの盤面の駒配置が文字や模様になっている作品。

 一色詰・・・・詰め上がりの駒数が、玉以外1種類の駒になる作品。

        4金詰・・・詰め上がりが玉と金4枚になる作品。

        4銀詰・・・詰め上がりが玉と銀4枚になる作品。

        4桂詰・・・詰め上がりが玉と桂4枚になる作品。

        4香詰・・・詰め上がりが玉と香4枚になる作品。

 煙詰・・・・・初形に全ての駒を盤面に配置し、詰め上がるときには、盤面が3枚のみになる作品。

 変則煙・・・・上記以外で煙詰と同等の価値があるとされている作品。

        都煙・・・・詰め上がりが4枚だが、玉が盤の中央で詰め上がる煙詰。

        小駒煙・・・初形に盤面小駒のみを使用している煙詰。

        双玉煙・・・初形に攻方玉を加えた全駒を使用した煙詰。

 ミニ煙・・・・上記以外で使用駒を制限した煙詰。

        貧乏煙・・・初形に金銀を使用しない煙詰。

        歩無煙・・・初形に歩を使用しない煙詰。

        七色煙・・・初形に玉飛角金銀桂香歩を1枚ずつ使用する煙詰。

 単騎詰・・・・詰め上がり攻め方の駒が1枚しかない作品。

 

<手順に狙いのある作品>

 構想作品・・・妙手や気付きにくい狙いを持った作品。

        不成・・・飛角歩など成れる駒を打不詰打開のため成らない作品。

        限定打・・持駒飛角香のいずれかの局面で、遠近複数の場所に打て

             る局面で1個所だけ詰み他の場所では詰まない作品。

        その他いろいろ

 合駒趣向・・・合駒に工夫を凝らしている作品。

        連続合・・・特定の駒を連続して発生させる作品。

         7歩連合・7枚の歩を連続して発生させる作品。

         4香連合・4枚の香を連続して発生させる作品。

         4桂連合・4枚の桂を連続して発生させる作品。

         4銀連合・4枚の銀を連続して発生させる作品。

         4金連合・4枚の金を連続して発生させる作品。

        七種合・・・玉以外7種類の駒全ての合駒が登場する作品。

 駒の動き趣向・駒の動きが面白い作品。

        馬鋸・・・馬が鋸のような動きで近づいたり遠のいたりをする作品。

        竜鋸・・・竜が鋸のような動きで近づいたり遠のいたりをする作品。

        金の知恵の輪・・・横に並んだ金が左右に何度も往復する作品。

        その他。

 長手数作品・・とにかく、手数の長い作品。今現在は、1525手詰というのが最長です。

 

このように、駒配置や駒の動きの美しさ、記録的なものなど、全てを含めた上で、詰将棋の 魅力というものを見ていくことが大切なのです。ここに書いたものだけでなく、詰将棋の世界 は無限に広がっているのです。イロハ48文字の曲詰に挑戦するもよし、長手数の記録に挑戦 するもよし、記録に拘らずに妙手や伏線手などの開発に専念するもよし、作る楽しみは人それ ぞれです。いや、別に作らなくても誰かの作品を解いてみる楽しみもあります。別に解かなく ても解答を並べてみるだけでも良いです。自分に合った楽しみ方をして下さい。