中華人民共和国/江西省
江西省を訪ねて
Jiangxi
(2008.11.25〜12.1)
私にとって山西省はまだ未踏の省でした。2008年初冬、三清山と廬山を見る目的で江西省へ初めて足を踏み入れました。
江西省
成田から杭州へ飛び、杭州からは三清山に向けて高速道路を飛ばしました。バスは金華、衢州と西へ西へ進み江西に入境したころ正面で真っ赤な日が地平線に落ちて行きました。
江西の夕日が迎えてくれた
三清山
江西省の東北部にある花崗岩の山塊、三清山は江西省で一番早く太陽を迎える位置にあり江西の東大門と呼ばれている。主峰は玉京峰、玉華峰、玉座峰の三峰で構成され、標高1819.9メートルの玉京峰が最も高い。この三峰を道教の三神(玉清、上清、太清)が肩を並べ座るさまから三清の名の由来となっている。山内は南清園、西海岸、三清福、陽光海岸、玉京峰、万寿園などの景勝地区が設けられ雲霧故郷、松石画廊と呼ばれる風光明媚な景色を十分に楽しむことができる。
2008年11月27日午前
雄大な玉京峰
麓の旅館街
三清山の所在は中国山西省上饒市境内三清山である。高速道を降りて暗闇で視界が閉ざされた一般道を走った。朝目覚めて宿の窓から外を眺めると賓館、酒店、山荘などと看板を掲げた旅館が建ち並んでいた。
朝の空気は冷たかった。ケーブル下駅駅は山登りの出発点である
南山ケーブル
全長2426メートルの単線循環型二人乗りのケーブルで上駅まで約50分を要します。ゴンドラで登り尾根をひとつ越えると突如正面に三清山の姿が出現する。
尾根越しに突如登場する雄大異様な姿には誰でも驚かされる
山上ホテル
ケーブル上駅付近に断崖にへばりつくように山荘があります。私の宿泊したホテルは上駅のすぐ真上の天門山荘(三ツ星級)です。山荘の前に駕籠屋の溜まり場があり、足に自信のないハイカーは駕籠屋をたのんで一回りすることが可能です。
天門山荘は名のごとく天への入り口にある
山荘に荷物を預けててから、南清園、西海岸、三清福地、陽光海岸と午前(南清園)、午後(西海岸〜三清福地〜陽光海岸)と徒歩で観光しました。
南清園景区
この景勝地区は奇岩が多く三清山の代表的な絶景が見られる。また一直線のようなきつい坂もあり登り下りが多い。
老道拝月(万寿園景区)
日が昇る南の峰に老人が立っている。夜は深まりあたりはさらに静まり返ってきた。月はゆったりと光をそそぎ、辺りに山風がわたっている。老人は顔で風を迎えて髪も上着もゆらゆら揺れている。
仙人が月に向かって念仏を唱えている
神龍戯松
一匹の龍が大岩をよじ登り頂上の松と戯れています
一線天
きつい階段を登りきらないと次の絶景を手に入れることが出来ません。
天にとどく一筋の階段
僧尼の恋
現地の人が僧尼石と呼ぶ一対の岩です。大きい方が老僧で小さい岩が老尼です。二人は初恋中の仲であるとか・・・・恋愛を享受することなく年とった僧と尼は偶然出会った三清山で燃え上がったのです。
うつむき加減の老尼は中国式の包丁のようにも見えます
玉女開懐
いったい何に見えますか?お母さんのオッパイに見えませんか?やわらかくまん丸な豊満なオッパイは濃厚なお乳が飛び出しそうですよ!
乳首の部分も自然にできたものなのかな??
巨蟒峰(巨蟒出山)
三清山でもっとも有名な石峰のひとつです。高さ120メートルもあり蛇の形をしていることから巨蟒峰と呼ばれています。
この大蛇は天宮玉皇大帝が派遣した天からの使いであります
女神峰
三清山で最も代表的な石峰で女神の形をしています。春を所管する女神さまということで司春女神とも言います。
神のおられるところ常に春で年年歳歳花が咲いているのだそうです
秀峰
私には一番美しいと感じた石峰です。
ひときわ美しい石峰です(この写真が最も気に入りました)
福寿の門
南清園区と陽光海岸区が合流して下ったところに二つに分かれた石門がある。一方が幸福門、もう一方が長寿門といい、ハイカーは幸福を望むか長寿を望むかどちらかを選んで先に進むのです。
あなたなら幸福を選びますかそれとも長寿を希望しますか??
玉兔望月
写真左側の岩は月に帰りたいという願いを抱いた兔が耳を立て両眼を見開いて祈っている姿であるというが、私にはむずかる子供を背負った子守姿にしか見えません。
兔の願がかなうといいですね
西海岸景区
西海岸景区は日上山荘を起点として三清福地の三清宮まで全長4.5キロメートルの長さがあり、三清山の西部に位置し平均海抜1600メートルの断崖に幅1.5メートルの鉄筋コンクリート製の桟道が架けてある。この桟道は一段も段差がなく平坦で平地を歩くがごとくぶらぶらと散歩が可能である。
午前登った南清園景区の手前を左(西方向)に折れ急な階段を登ると桟道にでる。歩みを進めると桟道は平坦で歩きやすいが、足元は万丈の淵に落ち足がすくみ歩みが止まる。眺望はめくるめく立ちこめる雲霧のごとくこころに深い感動が沸いてくる。
鶏冠峰(雄鶏報暁)
前方に鶏のとさかのような形をした山が見える。その形から鶏冠峰と呼ばれる。江西の東大門と呼ばれる三清山、その大門にたつ鶏冠峰は毎日太陽を迎えひとびとに夜明けを告げる勤勉な雄鶏である。ひとは勤勉な鶏冠山を雄鶏報暁と称してたたえているのだ。
西海岸桟道のすばらしい眺望
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飛仙谷
全長3.6キロメートルに及ぶ桟道は段差一つなく三清福地へとつながっていく。
千メートルの絶壁が続く飛仙谷
猴王献宝
ゴリラが子供を抱いているように見えました。
三清福地景区
三清宮
三清山は道教の神仙の地で知られている。福地とは道教でいうところの神仙の地である。三清福地区は神仙の中心でありその中心は三清宮が建っている。晋代、葛洪という道士がここで不老長寿の薬草を練ったのが神仙の地としての起こりであると言われている。以来一千年、時代は変われども幾度か興衰を経てこのひとの世を生きながらえてきた。現在の建物は明景泰年間に建て直されたもので宮殿の中に中国道教の三尊、玉清天尊、霊宝天尊、道徳天尊が奉られている。(殿内撮影禁止)
読経する道士
陽光海岸景区
西海岸の桟道を歩き三清福地を抜けると東に面した断崖に桟道が続いている。ここは西に面する西海岸に対して東に面することから陽光海岸と呼ばれているのである。この陽光海岸の桟道を進み谷を下って行くと道は南清園景区の通りと合流して山荘へと下りていく。
陽光海岸の桟道を歩いていくとあたりが薄暗くなってきた。駕籠に乗った仲間の姿はもう見えない。ひとりになるやたらと心細くなる。眼下の南清園景区の道も人影が消え不気味に見えてくる。おまけに霰も雲から落ちてきた。いま下っている進路が正しいのだろうかと気持ちに動揺も沸き起こる。どうにか足元が明るいうちにあかりの灯った山荘まで無事下っることができてほっとしました。
霰が落ちてきた陽光桟道
陽光桟道から見下ろす巨蟒(おろち)出山(人影見えず)
15名中自分の足でまわれた人は私ともう一人の客と添乗員の3名でした(私は三清福地の三清宮を越したところで内股の筋肉がつってしまいました)。一日で回るには距離も長くアップダウンもあるので年配の方はかなり大変だと思います。しかし普段から歩いて足腰を鍛えあれば完歩できるます。歩いてこそひとしお三清山の景色のすばらしさを感動できます。是非準備して自分の足で歩いてすばらしい風景を満喫してください。
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