中華人民共和国/浙江省/紹興・寧波・普陀山・天台山
日本ゆかりの中国寺院を訪ねて
Riben fojiao yinyuan de siyuan
(2007.12.15〜20)
2007年の暮れに日本仏教ゆかりの寺院を訪ねて浙江省へ出かけました。
日本となじみの深い紹興、寧波、天台山などを見てまわりました。
阿育王寺
A yu wang si
(2007.12.16)
Yin県にある阿育王寺は寧波市区の東16キロメートル、山紫水明な阿育王山にある。西晋の大康3年(282年)に創建されたこの寺は奈良時代日本へ渡来した鑑真や宋代の道元、明代の画僧雪舟など日中文化交流史上重要な寺院である。
仏舎利が保存されている阿育王寺
紀元前232年〜23年、インド孔雀王朝第三代阿育王統治の時代、世界各地に8400もの舎利塔を建て釈迦のお骨を納めた。このうち中国には19基が建立されたと伝えられ、19基のなかで阿育王寺の舎利塔が中国で現存する唯一のものと言われている。
阿育王寺の建物は阿育王山の地勢に沿って建てられている。8万平方メートルの敷地に南から北に向け天王殿、大雄宝殿、舎利殿、法堂と続く。
天王殿
宝池があり天王殿の姿を映す。水面に鴨がのんびりと浮かび亀が両手両足を広げて泳ぐ。
天王殿 |
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大雄宝殿
清代康煕18年(1679年)に再建された建物で軒先に乾隆帝直筆の「覚行倶圓」の額が懸けられている。
舎利殿 | ||
清代康煕17年(1678年)に建てられ、国民4年(1916年)に再建された。間口5間、屋根には黄色の瑠璃瓦で覆われた頂が立つ。殿内中央に高さ7メートルの四角五層の石彫りの舎利塔が置かれている。青色の塔身の四面は龕が穿たれそれぞれ菩薩像が彫られている。舎利塔に納められたお骨は本当の釈迦の舎利であると伝えられている。仏舎利は幾代もの高僧が護持をつないで現在まで保存されてきたことになる。舎利塔の背後には涅槃像が横たわっている。 | ![]() |
法堂
法堂の二階は教典1662部、7168巻をおさめる蔵経楼となっている。
二つの塔
寺内に二つの塔がある。一つは東方向の山上に建つ上塔である。上塔は雪舟の育王山図を参考にして1997年に再建されたと聞く。もう一つは西側の山の下に建つ下塔である。下塔は元代至正25年(1365年)に建てられた。六面七層、高さ36メートル、各層には腰櫓と平座が設けられている。
仏像
天王殿、代雄宝殿には弥勒菩薩(布袋)、四天王、韋駄天、三世仏と弟子、羅漢、観音などが納められているが、仏像はどれも新しいように見える。文化大革命後再建されたものであろう。仏像には拝む人の内面を映すような繊細さは見られないが、壊しても時代が変わればすぐ復元する逞しさがある。