頭痛とカイロプラクティック1996.10.27 ~ 1996.11.04<現代医学からみた頭痛の分類と説明>
(1)偏頭痛 (2)筋緊張性頭痛 (3)精神的頭痛 (4)外傷による頭痛と後頭部痛 (5)突発性頭痛 に分類されるタイプの頭痛です。 慢性的に繰り返す頭痛などでお困りの方は、まず病院へ行き、 頭部のレントゲン撮影、脳波、CTスキャン、眼科、耳鼻科 などの検査を受けてみて下さい。思わぬ重大な疾患が見つかる ことがあります。 そして、病院でいろいろ検査しても特に原因の見あたらない 場合には、カイロプラクティックも一つの治療手段として 考慮に入れてみて下さい。 ☆参考 国際頭痛協会 (International Headache Society)による 頭痛の分類
痛みが激しいだけに、偏頭痛は切実な悩み。 チーズや赤ワインなどに含まれる物質が、 偏頭痛の引き金ではないかと推測されています。 <偏頭痛の症状> 昔から多くの人々を苦しめてきたこのやっかいな病気は、 突然襲ってくることや、これといった治療法がない (といわれている)ことから、半ば諦められているのが 現状です。症状としては、 (1)目がチカチカしたり、視界が狭くなったりする。 (2)頭痛ー片側または両側が脈拍に合わせて、 ズキンズキンと痛む。次に持続的に激しく痛む。 (3)吐き気ー胃のあたりがムカムカしたり、 実際に吐くこともある。 (4)食欲不振ー発作の前や後に低下する。 (5)再発傾向ー繰り返し起こる。 などがあげられます。この痛みは頭が割れそうなくらいの 痛みで、消えた後もしばらくは気力が萎えてしまうようです。 脳神経科での精密検査では何も見つからず、遺伝とか体質と いった言葉で片づけられてしまう場合もあるようです。痛みが 激しいだけに、切実な悩みといえます。 <現代医学のアプローチ> チーズや赤ワインなどに含まれている物質が、偏頭痛の 引き金ではないかとされています。これはチラミンと 呼ばれているものですが、これが血液中に別の物質を 発生させ、この別の物質が頭の中の血管を収縮、膨張させて いるようです。ところで、脳自体は痛みを感じる能力は ありませんから、頭痛とは収縮や膨張時におきる血管の 痛みなのです。これをちょっと整理しますと、 A.食物(チラミン)・・・原因物質 ↓ B.血管の収縮・膨張・・・痛み となります。 次に治療法ですが、 A.チーズや赤ワインその他を避ける。 B.鎮痛剤ーアスピリン、コデイン、etc、を与える。 などが考えられています。しかし特に強い薬を何度も 飲んでいると、それでなくとも胃の具合が悪いとき ですから、痛みが止まっても、その後長く胃の不調に 悩まされることにもなりかねません。 <カイロプラクティックのアプローチ> 私たちカイロプラクティックでは背骨を非常に重視 していますから、偏頭痛の患者さんといえども背骨を 必ずチェックします。長い間のたくさんのカイロプラ クターの臨床研究の中から、一つの共通項が浮かび 上がってきました。それは十中八九以上の割合で、背骨の 中ほど(みぞおちの背中側)にズレと痛みが存在する ということでした。その辺りは胃や十二指腸や胆嚢へ 神経を出している所です。 さらに神経学的考察を交えて、偏頭痛の正体が少しずつ 明らかになりつつあります。簡単に説明しますと、 背骨が何らかの原因でズレます。それが胃、十二指腸 などの働きを狂わせます。そこからSOS信号が脳へ向けて 送り出されますが、脳はあまりの信号量の多さに驚き、 ストップをかけます。ストップさせるために、首の一番 上の骨を捻るような命令を出します。 その首の部分からは、頭内の血行をコントロールする 神経が出ていますが、それが圧迫されて頭内の血管が 異常な収縮・膨張をおこします。ここで先ほどの、 現代医学のアプローチで説明した最後の部分と一緒に なります。 そこでチーズや赤ワインを食べたり飲んだりしても 頭が痛まない人は、背骨にズレがない人、ということに なります。つまり偏頭痛がおきるには、 1.背骨のズレ・・・・・・チーズ、その他 ↓ ↓ 2.胃・十二指腸の混乱・チラミン、原因物質 ↓ ↓ 3.首の骨のズレ→頭内血管の膨張・収縮 ↓ 偏頭痛 と両方の条件がそろった時だと考えるのが一番理に かなっていると思われます。私たちの身体はロボット のような機械的なものではないし、試験管の中の化学 薬品でもありません。しかし基本的には、それらと よく似た仕組みが複雑に絡みあって生命維持が行われ ているのです。 ですから一方面から考えているだけでは、解決策は 見つかりにくいということです。話が横にそれました。 それでは私たちが考えるカイロプラクティック的な 矯正法をお話しいたしましょう。 ・・・応急的には・・・ (1)お湯を多めに飲む (2)クラッカーを食べる (3)無理に吐く 以上は胃の中の酸や胆汁を薄めたり、外に出したり することで胃の混乱を一時的に取り除き、発病経路を 分断するのが目的です。 ・・・基本的には・・・ (1)背骨の矯正・・・・・神経の正常化 (2)エクササイズ・・・・背骨の筋肉強化 (3)食事やストレスのコントロール によって、かなりの程度の偏頭痛から解放されることが 可能なのです。 偏頭痛に悩まされているときは、たとえ休日でも普段の日と 同じ時間に起床しましょう。起きていられないときは、 一度朝食を摂ってから、1~2時間休むようにしましょう。 <小柳泰博D.C.の略歴> 1976年:中央大学文学部心理学科卒業 1980年:東京鍼灸柔整専門学校卒業、 1986年:クリーブランド・カイロプラクティック大学卒業 PAACインストラクター、SOT認定試験委員、 主な翻訳書: 「頭蓋と顔面頭蓋のマニュピレーション・テクニック図説」、 「クレニオ・セミナー・ガイド」 「蝶形上顎骨クラニオパシー」(いずれもスカイ・イースト刊) 東京都町田市内にて 「コヤナギ・カイロプラクティック・オフィス」を開設 無断使用・転載等は厳禁! (https://www.asahi-net.or.jp/~xf6s-med/jheadach.html) 本サイトの内容を一部なりとも引用、転載する場合には、必ず上記のURLを明記するか、リンクを張って下さい。 |