目立たないchipかも知れませんが海外のPolyphonic synthの内部のCV out部分にはよくつかわれていたICです。 すなわちCVの de multiplexer + CV S&H内蔵のICです。国産の analog poly synthは 4051 + OP AMP + capacitorと言う構成が多いです。
Analog DevicesやPMIではSMP18という名称に変更されていますが機能的/PIN配置は全く同じもの。当方もSSM2300は所有していませんがSMP18は持っているので紹介してみました。別pageに書いたESQ-1の修理に使用しましたが問題なく使えています。 機能的に同様なJRCのNJU7304というchipもありますがPIN配置等は違います。CESのCEM5508/PD508も同様の機能のIC。
SMP18
現在ではnetをさがせばCEM/SSMのdata sheetは容易に手に入る時代になっていますが結構簡略版のdata sheetしか出回っていないケースも多いのが残念ですがメーカー向けにより完全なversionがあるのかどうかは知りませんが機種によってはもっと詳しい資料があるのは事実です。CEM/SSMの chipですが数年前はでは過去のレトロICで補修部品でしかありませんが昨今の互換chipの登場によってそうではなくなっているのも事実かと思います。
netで入手できる手持ちchipのData sheet page数一覧
SSM2024 ( VCA*4) 4page
SSM2033 ( VCO ) 4page
SSM2040 ( VCF ) 4page
SSM2044 ( VCF ) 4page
SSM2056 ( VC EG ) 3page
SSM2100 ( LOG/ANTILOG ) 7/9page
SSM2300 (Octal demultiprex S&H) 2/5page
CEM3310 ( VC EG ) 4Page
CEM3320 ( VCF ) 5page / 9page(V3320)
CEM3328 ( VCF) 2page
CEM3330 ( DualVCA ) 2page
CEM3340 (VCO)2page / 6page / V3340 5page /AS3340 7page
CEM3350 ( VCF ) 2page
CEM3371 ( uP Controlled Waveform Generator ) 2page
CEM3372 ( VCF+VCA ) 2page
CEM3374 ( DUAL VCO) 2page
CEM3379 ( VCF+VCA ) 7page
CEM3387 ( VCF+VCA ) 10page
CEM3391 ( VCF/VCA/EG/EG VCA) 2page
CEM3394 ( 1chip synth ) 7page/8page
2page程度のdata sheetしかない物も多く困ってしまいます。メーカーsynthの回路をまねするしかない?。CEM chipは自由度の高い chipなのでユーザーの工夫次第でバリエーションが得られるとCES社は言っていますが十分な知識や資料が無いと推奨回路を追試するしかありません。もう少し詳しいData sheetが欲しいものです。
CEMの応用回路はCES社が発行していたsynth sourceという冊子(News Letter)に詳しく載っているようですがこれが何回発行されたかはわかりませんしnetで探した限りみつかりません。手持ちで持っているのがNo1とNo2のみ。さらに続きが見たいもだと強く思います。(netでNo1だけはあります)
・SYNTH Source
No1:15page (CEM3350/3360/3340/3330/3310)
No2:23page (CEM3350/3340/3310/3345/SCI proFX)
CEM3340/3320はCES社のオリジナルDATA sheetよりもALFAのAS3340の方が詳しかったりします。CEM3330は8page版もあります。 CEM3350は21Page版がありいかに自信作かがわかります。CEM3360も11page。SSM2040は6page 。
手持ちのchipは上記にあげた物たちなのですがあと有名なchipとしては
CEM3360(DualVCA)
CEM3396 (waveshaper/MIX/VCF/VCA)
CEM3381 (Dual VCA)
SSM2045 (MIX/VCF/VCA)
SSM2047 (MIX/VCF/VCA)
SSM2164 (Quad VCA)
SSM2120 (Stereo Compressor/Dual VCA)
SSM2030 (VCO)
SSM2020 (DualVCA)
SSM2210 (Dual PNP Tr,)
SSM2200 (Dual NPN Tr.)
くらいでしょうか。SSMのChipはAUDIO用にはさらにいくつもありますが。SSMのData sheetとしては223pageのPMI発行のSSM AUDIO PRODUCTS AUDIO HANDBOOKが一番情報が多いとおもわれます。synth chip以外の機種も載っているので223pageありますが synth chipはそれど多くはありません。ただSSM2044などはよくあるdata sheetより細かい情報が書かれているものもあります。ただしSSMT時代と違ってVCOとEGは掲載されていません。
90年代中ごろから2000年代の始めくらいにはCEM3360/CEM3396あたりのchipは容易に買えたのですが3396はDCO(8253Timer)が前提のChipなので購入せず、3360はVCAなので3330があるからいらないかと思って購入しませんでしたが所有しているsynthでは結構つかわれていたので買っておけばよかったと後悔するchipです。秋月あたりで互換品を取り扱ってくれないかとおもったりします。SSM2045はEMUのE-MAXなどで使われており、SSM2045/47は便利なchipなので欲しかったchipですが機能的にはSSM2044とSSM2024で代用は可能かとは思います。 SSM2030/2020はSSMの初代VCO/VCAでとても古いです。Prophet5 Rev1/2とかに使われているVCO。 SSM2120はPAIAのComp. KITで使われていたので2個実装して持っていました。SSM2064はまだ現行品だし最近ではコンパチが秋月で売っているので入手は楽でしょう。
また過去のchipのテクニカルな部分はパブリックドメインになっており、かつanalog synthブームの復活とあいまって互換chipの製造が可能という条件でこの時代にchipが出現する状況になっています。どの程度まで互換chipの種類が増えるか注目したいところです。
ともあれこういう状況なので近年トラ技にもこれらのchipの紹介記事がここ数年で2回ほど掲載されています。過去にSSM/CEMがトラ技で紹介されたのは1985年に1回あったようですがそれ以来か?。 それと下記のMS1215の紹介記事がありました。
*: 秋月電子で売っているCEM/SSM互換IC
V2064、V2044、AS3340は買ってみました。 特にAS3040、V2044は安くて驚いてしまいます。
まあV2044はSOPなのでちょっと厄介ですが。当方CEM3340は多く持っていますが年代がとても古く1981年なので新しいAS3040を追加しようと思います。実用的なVCOにはtempco抵抗などが必要ですが3340ならそれだけで実用的なVCOが簡単に出来てしまいます。そのcore部分のchipがわずか380円とは長くanalog synthを見てきた身としてはすごいと感動してしまいました。リクエストが多ければ他のALFA chipも置いてくれるのかどうか?と思いますが複合chipは無理な気が....。 CEM chipを一番使って構成しているsynthはsynthメーカー製のsynthではなくDIGISOUNDのDIGISOUND80だったり、SSMのchipを意図版使っているsynthもDIGISOUND 2000だったりします。DIGOSOUND 2000は回路図がnetには今のところ無いですが80の方は完全なものがnetにあります。
CEM/SSM chipも魅力的ですが他のところでもさいさん書いていますが当時出ていたIC評価用のEVA boardの存在も当時から憧れていました。netに情報を上げている海外の方もおられうらやましいです。これらを入手するのは困難かとは思いますがこれだけCEM/SSMの レプリカchipが存在する現在、復活されないものかと思ってしまいます。

SSM / CEM EVa bord
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