* 印加電圧(正弦波)の中に同じ周波数のSIN波とCOS波が共存できるわけ *



SIN波もCOS波も始まりの定義が異なるだけで本質的には同じ形をしています。 この同じ形をここでは正弦波と呼び、最大値から始まる正弦波をCOS波進行の正弦波、単にCOS波、 0から始まり上昇していく正弦波をSIN波進行の正弦波、単にSIN波と呼ぶことにします。


SINCOSTAN
0 010
15度 0.260.970.27
30度 0.50.870.58
45度0.70.71
60度 0.870.51.73
75度 0.970.263.73
90度 10
* 代表的角度におけるSIN/COS/TANの値


1次CR filterにおいて抵抗の電圧降下とcapacitorの充電(放電)電圧との和が印加信号となりますが、素子単体では

I= E/R
I= E/Zc
 Zc= 1/(2π C *f)

となりますが直列回路においては合成インピーダンスは √(R^2 + Zc^2)となるため単にRとZcの分圧で Vr、Vcが求まるわけではありません。 これはVrとVcが同位相ではないため単純加算ができないためでベクトルによって加算することになります。 すなわち位相の90度異なる正弦波を単にRとZcの分圧比で加算してしまっては山と谷の加算によって結果がめべりするというかピーク位置が異なる波形の加算としては SIN波 + COS波 =1(印加電圧)という関係にならないためです。

ではうまい具合にVrとVc波形が足されると印加電圧と同じになるというか印加電圧がVrとVcで表される位相の90度ずれた正弦波に分割できるのでしょうか。 半径Vin(印加電圧)の円運動がCOS成分とSIN成分に三平方の定理に対応して分圧されるのだからその通りになるといってしまえばそれまでなのですが。



* 印加信号に対して 45度遅れの場合 (Fcの周波数)

まずはわかり易いように典型的な Fcでの関係を考えます。 この時 VrとVcの振幅は両者同じで印加電圧正弦波に対して分圧比が同じになっています。 両者は90度位相がずれていてこの90度の間に印加信号のピークが存在する形になるわけですが両波形が同格であるため両者の中間にピークが来ることは当然でしょう。 この際、交点の振幅を2倍したものが印加電圧のピークとなりますが両者とも45度の位置での振幅となるので両者波形のピークの70%が値となります。

単純に考えると分圧比は 1:1 なので (0.5 *0.7)*2となりそうですがこれだと0.7となって印加電圧ピークの1に届きません。 実際にはVr、Vcのピーク電圧は0.7であって 0.7* (0.7 +0.7) = 1となって印加電圧と同じになってバランスすることになります。 すなわち振幅のピークは0.7ですが両者の分圧比は 1:1で 1の印加電圧振幅に対して0.5づつを持っている。

位相差が90度あるのでピーク同士の加算ではなくピークから70%に下がった位置での合成によって50% + 50% =100%が印加正弦波のピークになるという仕掛けでCOS波、SIN波のピーク位置には印加正弦波の70%の振幅位置と合致、その際には SIN波、もしくはCOS波の振幅が0になっていてみごとにバランスし波形がうまく隙間に入り込んでいるイメージ。 この90度差というのがきもなのでしょう。

VrとVcのピーク位置間隔は 90度で変化しないので、印加信号電圧のピークはVcとVrのピーク比がどうであってもVrとVcのピークの間の90度間に必ず存在することになりFcの45度を境にして他の周波数の印加電圧に対してはVr、Vcの分圧振幅の大きい方によりよっていくことになります。 1次CRフィルタにおいては印加周波数0HzでVc = 印加電圧振幅となり両者の位相差は0となります。 逆に周波数∞でVRと印加電圧振幅は同じになり位相差0となります。

ここで印加電圧の正弦波を形作っているのは COS波,SIN波の振幅値の和ですが、変化率(微分値)と方向はCOS波とSIN波で逆の関係になっています。 すなわち両者の変化率の強さ違いによってその時点での印加正弦波の傾きが決定されています。 上記の例は COS波,SIN波のピーク値が同じなのでわかり易い例でたとえばCOS波、SIN波の45度のポイントではSIN波は45度上昇の傾き、 COS波は45度の下降の傾きで両者の変化率の大きさは同じなので傾きは相殺されてそのポイントの印加正弦波は傾き=0となるため波形はピークとなっています。

次の90度分の区間は COS波、SIN波とも傾きは下降特性なので両者の値がプラスされた下降傾きまたこの区間の前の90度区間は両者上昇の傾きなのでこれも加算、さらに前90度いった区間はCOS波が上昇、SIN波が下降となるのでこの区間で印加正弦波はマイナスのピークを持ちます。 このような各ポイントで得た正弦波の変化角度が正弦波の形を形づくることになります。



変化率


* 正弦波角度と変化率の関係

図の正弦波において、COS成分とSIN成分のベクトル合成結果は常に値が同じで傾きが 変化しています。  その傾きは円運動における角度と円周に対する接線の傾きの関係と同じになっています。

つまり角度に対する変化率の関係は円運動とまったく同じです。  ではなぜ波形が同じ形(円)にならないかというとこの正弦波のX方向は等間隔なの に対して円運動のX成分は COS(θ)の値ですから角度に対してリニアではないからです。

SIN-->微分--> COS 、 COS-->積分-->SIN という関係 SIN、COSは変化率が逆の関係にある。 θ=90度から0度までの変化に対してCOS、SINの合成ベクトルは一定長さで時計方向に回転。 すなわち回転を与えているものがSIN,COSの変化率。

元々SIN成分とCOS成分の合成というか力関係で円運動は成立しているのであればSIN波とCOS波を円運動は内包しているということ。 円運動は外見で、COS、SINの変化は中身の動き?、ではCOS波、SIN波として現れるのはY軸にその変化が投影されるイメージと言うことか。

上図はCOS成分の変化が1から0、SIN成分は0から1の対応ですが1次filterの分圧において元の SIN波とCOS波のピークの大きさが異なる場合でもこの円運動は成り立つということなのでしょう。


そもそも正弦波はどうやって生成されるのでしょうか。 単振動の動きが正弦波になるわけですが、 まずは振動とはなにかという点、

1: 物体が振動するためには常につり合いの位置に戻そうとする力(復元力)が必要であること。

2: つり合いの位置に戻っても,物体には慣性があるので通り過ぎてしまうこと。

たとえば錘をつけたばねを引っ張ると戻ろうとする反力が働きます。 そこで手をはなせば、引っ張る力は無くなるので元の位置に戻ろうとするわけ ですがこんだは惰性によって釣り合いの位置を通過してしまいこんどはばねが 圧縮され始めるわけで、こんどは圧縮されたものが元に戻ろうとする力が強く なり、もうばねが縮まない位置にくると戻ろうとする力で戻る。

逆方向に戻る際にも惰性が働くので初めの位置を通過してしまい、これ以上 伸びない位置までくれば再度逆方向の反応となる。 つまり押したり、引いたりする力のせめぎあいで振動がおこるということです。

このためつりあい位置を0とすると物体の垂直位置の軌跡は +レベルのMAXから -レベルのMAXまで変化します。 これは振動なので 0 ..上昇... +MAX .... 下降 ..... 0 ... 下降 .... -MAX ... 上昇 ... 0  で1周期となるわけです。

結局、正弦波の生成も SIN成分とCOS成分のせめぎあいなわけですが。

円運動の進行を時計周りとした時の COS、SIN成分の変化率とと正弦波(合成)との関係

正弦波 0度時変化率は最大 ( -SIN + -COS .... -90度)
正弦波 90度時変化率は0 ( SIN - COS =0.....0度)



上記 COS波とSIN波のピークの真ん中に正弦波のピークが来る場合の変化率の関係。

COS波、SIN波の変化率の合成が正弦波の変化率に対応していてバランスが保たれている様子。 振幅のピーク値が同じCOS波、SIN波と印加正弦波の関係は変化率のバランス上この位置しか取れないということを意味しています。

直交する2辺のそれぞれがCOS波のピーク、SIN波のピーク値でその合成ベクトルとしての印加正弦波が三平方の定理に従って存在しているのでそうなるのは当然ですが3者のピーク位置が揃うことはないので結局、印加正弦波の直下ではCOS波、SIN波のピークではなくピークから+45度、-45度ずれた位置の変化率とバランスが取れると言うこと。

これは3平方の定理の図からもCOS波、SIN波のピークを表すベクトル位置から合成ベクトルまではこの場合45度の距離にあると言うことで上図はその関係を3者の正弦波で示しているわけです。

電流を共有する1次CR filterの電圧特性の間にこのような作用が働き3っの正弦波が共存しているさま。 印加正弦波の周波数が変わったりFcが変わったりしても3者の変化値のバランス関係が保てるようにCOS波、SIN波の分圧比が調整されて変化するのでしょう。

またこのことは同じ周波数のCOS波とSIN波のMIXはピーク振幅比がどうであっても合成される波形は必ず正弦波になるということを示していてその場合、合成正弦波のピーク位置は2者のピーク振幅値の比によって異なるということ。

ということは前項 "CR filterの波形(位相差の発生)" においての定常化する以前の立ち上がり部分でもこの変化率のバランスが3者で成り立つようにCOS波、SIN波は動いているわけであってこの部分は興味深い反応です。


定常化する以前の立ち上がり部分のバランス反応の詳細(COS波,SIN波 1:1時)


立ち上がりのイレギュラーな状態でも3者の変化値のバランスは取れておりなるべくして定常状態に移行する 流れ。 また立ち上がり時の波形はゆがんでいるのと同時に周期が本来の周期より早く、定常状態に戻る過程でCOS波(下降カーブ)は本来の波形より振幅がアンダーすなわち変化率が低く、逆にSIN波(上昇カーブ)は本来よりオーバーな振幅になってこれも変化率が低いことでベクトル合成された結果が印加正弦波の変化と合致するようになっているようです。


初め充電電圧が0なのでCOS波は印加正弦波に追従するように上昇しますがしばらくすると充電電圧が立ち上がってくるので追従は弱まり傾きがゆるやかになり一方SIN波の充電電圧はは電流の積分値なので傾きを増やしながら増加していきます。 印加正弦波は0度で傾き最高から進行に対して傾きが低下していくためCOS波は進行に際してより傾き低下が進みピークを迎えます。 この時SIN波の傾きはMAX値。

すなわち上図で印加正弦波とCOS波、SIN波の変化率のバランス上COS波はこの位置でピークを迎えることでバランスしている。 SIN波は COS波の振幅が低下しても0ではない限り充電電圧は上昇する。 またCOSとSINの関係から COS波の振幅が0になった時SIN波のピークがやってくる。 このタイミングは上図から135度の少し手前の位置となるが定常状態ではこの位置は135度となるためこの時点では定常カーブよりわずかにずれた形でCOS波、SIN波は動いているが逆に言うとこの時点でほぼ定常状態になっている。

COS波が0なので当然 SIN波 = 印加電圧振幅となる。 さらに印加正弦波が90度ほど移動するとSIN波のオーバー、COS波のアンダー振幅は解消され定常軌道と一致する。


印加正弦波0度においてSIN波は本来のマイナス電位から始まることができないのでoffsetが乗った形になっていますがこれにより振幅は小さくなりこれが短期間で本来の振幅にいたる作用、またCOS波本来より低い位置からの出発ですが振幅が小さい為、短期間で本来の振幅にいたる。

この際SIN波の回転角スピードは初め少し本来の億度より速いのですが段々に本来のスピードに近づき、本来のスピードと同じになった時点で本来の軌跡と合致します。

印加正弦波0度から135度までは COS波はOFFSETが乗っているわけですが解消するように本来の経路に近づいていく。 さらに印加正弦波が1周期経過するまでには本来の振幅変化に合致します。 この過程がみごとに印加正弦波内に抵抗の電圧降下のCOS波(電流要素)とcapacitorの充電電圧要素としてのSIN波を重畳させているわけです。 Amazingな反応です。

面白いことにCOS波が0からマイナスにかかるポイント以前はまさに印加正弦波がCOS波、SIN波を内包している形になっています。 これは3者の振幅が共にプラスであるからでそれ以降はマイナス部分が出てくるので3者は位相を異にして回転運動をしているわけですがこの位置での各振幅は定常時に近くここまでの変化で位相遅れが決まる。 印加正弦波の分圧なので3者がプラス領域にあれば内包しているのは当然ですがつじつま合わせがこの段階までて決まるという面白い反応には思えます。


上図は COS波とSIN波の分圧比が同じ場合でしたが分圧比の異なる場合も基本的には同じ反応でたとえば COS波(電流* R要素)の方が大きい場合は当然COS波の初めのピーク値は大きくなりその分ピークタイミングは早まるので印加正弦波のピークはCOS波のピークに近くなります。 またCOS波=0でSIN波のピークの位置はCOS波の分圧比が大きい方が印加正弦波の進行が後の方になります。 これはCOS波のピークが大きいために低下するのにより時間がかかるからと言うことか。

*1: Fc=1Kで 1.75KHzの正弦波を印加した場合(VR > Vc)時の変化
*2: Fc=1Kで 1KHzと1.75KHzの正弦波を印加した場合の比較(上:1K/下:1.75K)


印加正弦波とCOS波、SIN波のピーク位置の関係は3者の変化率のバランスで成立しています。 COS波、SIN波のピーク値の大きい方に印加正弦波のピークが近づくのはまず印加正弦波のピークでは変化率のベクトルは水平になるのでそれを実現する為にはCOS波、SIN波のピーク値が大きい方はより変化角度が小さくないとベクトル合成結果が水平にならないためです。

そうなるためには正弦波の変化においてピークに近い方が変化角が小さい、立ち上がりに近いほうが変化角度は大きくなるからで印加正弦波のピーク位置でのCOS波、SIN波は分圧比とは逆の変化角度関係になってバランスしているのです。(下記の変化率(傾き)の加算の図を参照の事)



+ Fc=1Khzの 1次CRfilterに1.75KHzの正弦波を印加した場合

印加電圧に対してVcは60度遅れ、 Vrは30度進みの位置に印加電圧のピークが存在しています。 このポイントでVcの振幅は60度の位置と同じなので Vc * 0.87となり Vrに対してこのポイントは30度に位置と同じなので Vr * 0.5となります。 結果は

( 0.87 * 0.87 ) + ( 0.5 *0.5 ) =1となって印加信号のピーク1とバランスして分圧されていることになります。

この場合、前の45度の場合と異なり COS波、SIN波のピーク振幅値が異なるので両者の変化率の傾きの加算においてはピーク振幅値の比率を考慮して合成角を得ますので上記のように印加正弦波の変化率が0となるピーク位置はCOS波、SIN波間の等距離の中心には出ずピーク値の大きい方にずれます。

上記の例では印加正弦波のピーク位置において変化率はSIN波の方が大きいのですがSIN波のピーク振幅が小さいのでそれを加味すると上記の30度のポイントに正弦波のピークが出現します。


* 変化率(傾き)の加算

COS波とSIN波の両者の変化率がバランスしたポイントが印加正弦波のピーク位置というのはとてもわかり易い現象だと思います。 両者の変化率のせめぎ合いで正弦波が回転しているというイメージがわいてきます。

印加正弦波のCOS波、SIN波の分圧がさらにCOS波よりになれば印加正弦波のピーク位置(変化率=0)はよりCOS波ピークよりになり変化率はよりCOS波が低下、SIN波は大きくなるので分圧比が低くなったこととでバランスするような動きとなります。

結局のところ印加電圧のピーク位置でのVrとVcの合成というか分圧というかの反応はこの位置のVcの位相角度に対するSINの値の2乗とVrの位相各度に対するCOS値の2乗との和が印加電圧のピークの値 =1になるということです。 すなわち

A* sin(θ) + B*cos(θ) =√(A^2+ B^2) * sin(θ +α)

の式の通りなのですが、図を使って確認すればよりしくみがはっきりすると思います。 どちらにせよ一つの正弦波から位相の90度ことなる正弦波がうまいぐあいに分解、分圧されるというのは正弦波の持つカーブの特殊性(*1)のなせる技なのでしょう。

*1:
一度微分するとCOSで4回微分すると元に戻る。 微分して元にもどるというのは 変化量と自分自身のカーブが同じということだが、1回でなく4回微分しなくては 元に戻らないというのは+,0 , -,0を繰り返す周期関数だからでしょう。


1っの一定値の印加電圧を共有した分圧においての常として他方はもう一方の逆特性を有する形となります。 両者が同一条件となるFcを境として片方が増加すればもう一方はその分低下するが両者の和は共有印加電圧になるという反応。


SIN波,COS波の直交する座標上でのベクトル合成結果が正弦波の振幅という関係からCOS波、SIN波の振幅は上記のようになります。 この値はピーク値の数値の比率なので位相差がある正弦波どうしのMIXとしては一見変な感じがしますがこれはいかに?

COS波、SIN波の位相が90度ずれているのでCOS波のピーク時はSIN波は0になり、SIN波のピーク時はCOS波は0は常に0である。 これらのポイントでは3者の関係は不具合はない。

問題はそれ以外のCOS, SINのピーク間での整合性はどうかと言うことなのですが、上記三平方の定理におけるSIN波とCOS波の合成ベクトルの長さが印加正弦波の図は COS波が0度の時の状態(*1)を示しているので半径Vinの印加正弦波が円運動をすれは印加正弦波とSIN波の振幅変化はY軸と平行する面での投影、COS波はX軸と平行する面に対しての投影となりますが、COS波、SIN波のY軸に対する投影は印加正弦波のピークを1とすれば、

COS波振幅= COS(90度-θ) * COS波のピーク = COS(90度-θ) * COS(θ) = SIN(θ) * COS(θ)
SIN波振幅= SIN(90度-θ) * SIN波のピーク = COS(90度-θ) * COS(θ) = COS(θ) * SIN(θ)

となりこれは正弦波、分割されたCOS波、 SIN波のどの時間位置でも成り立つわけです。 となるのですが正弦波(印加電圧)のピーク位置においては上記式の掛け算要素が同一値になるので2乗となります。

*1:
半径Vinの正弦波としてはこの時 (θ)の角度、半径Vinが90度になればCOS波のピークとなるベクトルの角度は 90度-(θ)、SIN波のピークとなるベクトルの角度は90度 -(θ) + 90度。


この様子は円運動の図で見た方がわかり易いので以下に示します。


* 2番目のグラフの詳細

3者とも同じ角速度で動くピーク値(半径)の異なる円運動の投影が正弦波、COS波、 SIN波なので3者はともに正弦波の形をしている。 さらに正弦波はベクトルによってCOS波、とSIN波に分解できまた COS波とSIN波のベクトル合成によって正弦波が生成される関係にある。 ベクトル合成時の角度の関係が各正弦波の位相差となる関係。

1辺がSIN(θ)の長さを持つベクトルと1辺がCOS(θ)の長さを持直交するつベクトルの長方形が印加正弦波の回転に連動して回転しているイメージ。 各正弦波のピークの回転はY軸と平行の面に投影された時SIN成分要素として投影される。

すなわち上図は印加正弦波とCOS波、SIN波の位相関係がLOCKされた上で回転運動しているの図。

この図を見ればおのずと印加正弦波が COS波とSIN波に分解される様子、分圧比によって印加正弦波の位相関係が変わることが簡単に理解できると思いますが、変化率のバランスから立ち位置(3者の位相差)が決定されるという見方(概念)は浮かんでこないのではないかとも思います。 その部分は単振動の概念が必要かと。


1っの正弦波がCOS成分の正弦波とSIN成分の正弦波に分解されるという意味は

加法定理より

 sin(a+b) = sin(a)* cos(b)+cos(a)* sin(b)

これは

 SIN(ωt+θ) = SIN(θ)*COS(ωt)+COS(θ)*SIN(ωt)

ともかける。  これは、SIN(ωt+θ)の正弦波は振幅のピークがSIN(θ)のCOS波と振幅のピークがCOS(θ)のSIN波に分解できるということであり、またこれは、特定のθの値時には、SIN(ωt+θ) = X*SIN(ωt)+Y*COS(ωt)  ともかけ X^2 + Y^2 =正弦波のピーク振幅となる。


ここで上図のように半径1の円で考えると、

1=√{X^2 + Y^2}
θ=tan^-1(Y/X)

つまり sin(θ^2)+ cos(θ)^2 =1の式と同じ意味である。

上式は sin(θ)*sin(θ)+ cos(θ)*cos(θ) =1 であり

この式はたとえばθ=30度の時を考えれば、 第1項は、30度の時のsin(θ)の値、0.500が最大振幅のsin波のsin(30度)の時の値と、  第2項は、30度の時のcos(θ)の値、0.866が最大振幅のcos波のcos(30度)の値を足した結果が新たな正弦波となりこの正弦波の最大振幅が1でピーク位置がSIN 30度の位置にあるということである。

すなわちこの合成正弦波の表記としてはsin(ωt +60度)であり (sinωtより60度進んだ正弦波)、初めの式、

sin(ωt +θ)=cos(θ)*sin(ωt) + sin(θ)*cos(ωt) の形式でいうと、
sin(ωt +60度)=cos(60度)*sin(ωt) + sin(60度)*cos(ωt) であり、

cos(60度)=sin(30度)
sin(60度)=cos(30度)

なので全く同じことを別表現で言っているわけです。


正弦波がSINとCOSに分解されるというと違和感が少しありますが半径rの振幅の印加信号の等速円運動の投影が正弦波でそれがX、Y成分としてSINとCOSに分解される。 両者の関係は直交して90度の差がありこれは正弦波においては微分と積分の関係にある。 LPF、HPFは積分、微分成分そのものであるのでこの直交による成分分離そのもの。 上図からは分解された要素の値は合成ベクトルVinの位置(角度)に対して必然的に決まる値しか取れない。

1次CR Filterの分圧、すなわち出力電圧は円周運動している半径rに相当する印加電圧VinがCOS波成分とSIN成分に分割される割合が0度から90度の区間において角度 SIN(θ)で変化するのと同様であってこのことはfilter出力と印加電圧との位相差が円運動における角度に相当するので上記のように LPF特性は COS波、 HPF特性の振幅変化はSIN波の 0から90度区間の振幅変化と関連がある。 これは上記の式、

 SIN(ωt+θ) = SIN(θ)*COS(ωt)+COS(θ)*SIN(ωt)

からも明らか。
θ=45度は Filterの カットオフ周波数Fcに相当する。 Fcは0度から90度変化の中心であってそれ以降、それ以前では filer特性が急変するブレークポイントでもあるしたとえば Fc=1KHzとすれば10K、100K、1000Kというのは X軸(周波数軸)をLOGスケールでみれば100Hz、10Hz 、1Hzが等間隔で対称的に存在する中心位置となる。

ちなみに同一周波数の正弦波は位相がずれて振幅が異なっても加算結果は正弦波になります。 この場合COS波とSIN波のように直交関係にないのでまず、各正弦波をCOS波成分とSIN波成分に分解して各要素ごとを足したものを再度ベクトル合成すれば正弦波が生成されるということです。

1次CR filterというのはcapacitorの微分、積分特性によって印加正弦波をCOS波とSIN波要素に分解する機能だと考えればわかり易い反応です。  



Fcで0.5になっているのが単純加算の分圧のカーブ
Fcで0.7になっているがベクトル対応時のカーブ

上図は印加電圧の分圧をベクトルを使って対応にした場合と単にRとZcの単純加算した場合の分圧とを示しています。  上の緑のカーブは両者の差を示していますが Fc付近が両者の差が大きくFcで最大 1.4倍で より周波数が高くもしくは低くなるに従って差は縮まっています。 これはDCに近づけばRの影響が、∞に近づけばcapacitorの影響が弱まり単独素子のそれと変わらないようになるからです。 すなわち1次LPF/HPFの特性においてFcから10倍程度波なれた周波数においては抵抗、capacitorの単独特性になるのと同様の変化ですが周波数特性で見るよりこの方がわかり易い。

分圧比的にはFc位置での1/2を中心に完全な対称動作で差動回路のIcの変化と同様、振幅値の大きさでは差動回路のVbeの変化に似たような分圧値が非対称で分配される形となっていて差動回路と1次CRfilterの共通点が見えてきます。



<2018/11/10 rev0.19>