編集長・櫻井英明のマーケット歳時記  横文字と専門語で誤魔化さない市場展望




コラムニスト紹介


株式新聞ウィークリー編集長 櫻井英明(さくらい えいめい)氏
1957年東京生まれ 大手証券にて株式トレーダーとしてマーケット分析に深く
携わるその後インターネット証券営業企画兼情報担当を経て02年MC投資顧問
株式会社取締役副社長に就任 05年から株式新聞ウィークリー編集長に就任
最新経済動向の分析や未来予測に基づく銘柄発掘には定評がある

著書:「エスカルゴムック版すっごくよくわかる日本経済」他
 
本サイトの内容は全て櫻井英明氏個人の見解としてのみ記述しているものです 
本サイトの内容に起因したいかなる投資行動の結果について一切責任を負うも
のではありません。同様にこのサイトの運営者も同様に責任はありません。
投資はOwn Riskにてお願いいたします。



2008年06月29日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000754…2008/Jun/27(Fri)

                        第108回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場)「なすがまま」

 混乱の最中には、大幅安だけに目が行ってしまう。
 あれも安い、これも安い。
 ただ、シナリオは来週のECBに対する爆弾破裂と読みたいところ。
 「それでも利上げ?」と喉元に突きつけた格好。
 FOMCで結論を出せなかった経済金融政策をECBが全面的に負ったことからの、G
 S爆弾。
 ミエミエながら、渦中では見えない。
 そして、1〜3月の米GDPは1%成長に上方修正。
 これもGS爆弾にかき消されてしまった。

 記憶の彼方から思い起こせば・・・。
 原油200ドル説はGS。
 サブプライム渦拡大懸念もGS。
 そして今回もGS。
 GSが世界のマーケット動向を牛耳っている印象。
 反対勢力の拡大は見られず、なすがまま。
 これでは、国内勢は残念ながら勝てない。

 さてマーケット。
 NYダウは358ドル安。
 NASDAQは79ドル安。
 ゴールドマンがGMの投資判断を「売り」、シティを「売り推奨」にしたことが理由とされる。
 穿った見方は、米金融当局=FRBの意向を代弁したゴールドマンが、ECBへの挑戦
 状を突きつけたとも考えられる。
 ダウ採用銘柄のGMとシティへのそれこそ「狙い撃ち」。
 昨日のボーイングの「売り」への引き下げと合わせれば3連発。
 30銘柄の1割を売り攻撃すれば、当然300ドルは下がる。
 それにしても、死に物狂いの利下げ圧力という印象。
 CMEは13575ポイントで大証比275ポイント安での戻り。
 朝方の非公式外資系動向は2180万株売り/1890万株買いで6日連続の売り越し。

 金額ベースも売り越し。
 売りは電機・機械・自動車・薬品・精密・繊維・不動産・その他金融セクターなど。
 買いは電機・精密・化学・通信・鉄鋼・電子部品・自動車・ゲーム・その他金融セクター
 など。
 外資系は日産(7201)、NTT(9432)に買い物。
 松田産業(7456)、任天堂(7974)、日水(1332)、テレパーク(3738)、コーエー
 (9654)、住友ゴム(5110)に注目。
 昨日の先物は大和SM・GS・ニューエッジ・リーマンが買い越し、メリル・ドレスナーが
 売り越し。
 市場筋は「7月7日七夕近辺が為替の正念場。それまではボラの高い展開。
 75日線(13550)をキープできるかどうかがポイント」と。
 テレビで八重洲の証券会社の株価ボードが映れば、底打ちサインとなるかも知れない
 が・・・。
 基本はECBウェイティング。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (後場)「これでもか?」

 今のところ見事にはまった75日線。
 「時よ止まれ」はファウストの言葉だが、「お前は美しい」はいえない局面。
 ただ「下げよ止まれ」とは言いたいところ。

 専門家の言。
 「NYダウの下限メドに市場の関心は集中。
 200日線(12882ポイント)からのカイリ率はマイナス11.10%。
 1月、3月の急落時点のマイナス25%に比較してもマイナス7.4%以下は売られ過
 ぎ水準。
 先行き不透明感からくる過剰悲観人気の頂点。
 債券上昇、ドル下落スピードからもセリングクライマックスとみられ、悪材料出尽くしと
 見る」と。
 思えば、国内ではスルガ、NOVA、グッドウィルと「これでもか」攻撃であった。

 国際面で興味深いのが3つ。
 一つは米ロビイストの活動費急増の話。
 米商工会議所の52億円を筆頭にズラッと並んでいる。
 金額もさることながら、前年比伸び率トップは全米不動産協会。
 そしてバイオのアムジェンと自動車のGM。
 禍はロビイストの資金源に見えてくる。
 もう一つはオバマ氏。
 クリントン氏の負債を助けるように、自分の献金者に呼びかけている。
 まさに敵に塩を送っている格好だが、塩を送る優しさでは共和党に勝てないのではな
 いかの疑問も・・・。
 もっとも何らかの免罪符のサインならば話は別だが。
 最後は竹中氏の韓国大統領助言役就任の話。
 竹中経済政策が成功したとは到底考えられないが、海外での評価は違うようである。
 忍者の面目躍如というところか。

 夕刻からBS局で打ち合わせ。
 夜は、茅場町でセミナーの受付。
 明日は千葉。
 日曜は丹沢。
 出来れば良い週末を・・・。

・・・・・・・・・・・以下はご参考
 岩谷産業(8088)・・・水素自動車に期待

 岩谷産業に注目する。
 同社はLP(液化石油ガス)シェアトップ。
 酸素、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの産業ガスにも強く、液体水素もトップシェア。

 水素は自動車の駆動源として実用化されつつある。
 業績は軟調見通し。
 今09年3月期の連結業績予想は、前期比3.8%の経常減益見通しだが、これは慎
 重過ぎると考えられる。
 産業ガスの需要が前期に引き続き旺盛なことからも、期中増額修正の可能性は否定
 できない。

チャート

http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/80/8088T1a.html





2008年06月15日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000744…2008/Jun/13(Fri)

                        第107回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場)「右往左往」

 13日の金曜日。
 特に悪いことはなさげ。
 もっともNYはひとことで言えば気迷いと綱引き。
 金利と景気のもたれあいに株価が右往左往といったところ。

 日経では「金先物ミニが急成長」の見出し。
 東工取での金先物ミニの建玉が過去最高を更新したという。
 ミニは従来、1単位あたり14万円程度の証拠金が18000円程度でよいことから個人
 投資家の参戦が増加基調とされる。
 ある商品系の社長氏は「日経225ミニの成功とあわせ、金融・商品先物が一般大衆
 に身近な物になってきた証左。
 今後は他の商品先物、例えば石油製品、食料でもミニ商品の上場が計画中で、それ
 らも投資対象となってこよう。
 特に食品系のミニ先物の可能性については注目。
 生活防衛の為のリスクヘッジツールとして一般大衆にも身近な物になることが期待さ
 れる」と。
 キーワードは投資や投機でなく「生活防衛」になってきた。

 さてマーケット。
 NYはダウは57ドル高と反発。
 NASDAQは10ポイント高と5日ぶりの反発。
 背景は市場予想を上回った5月小売売上高。
 ここまでは読みどおり。
 あとは17日の米ゴールドマンの決算待ち。
 CMEは14080ポイントで大証比180ポイント高での戻り。
 朝方の非公式外資系動向は1360万株売り/1680万株買いで3日ぶりの買い越し。

 金額ベースはトントン。
 売りは自動車・電機・薬品・通信・化学・精密・小売・損保・商社セクターなど。
 買いは化学・自動車・機械・小売・運輸・卸売・情報通信・商社・石油セクターなど。

 外資系は新ダイワ(6320)、JR東(9020)、IIJ(3774)、スカパー(9412)、ヤマダ
 電(9831)に買い物。
 住友林業(1911)、三井ホーム(1868)、DeNA(2432)、クレハ(4023)に注目。
 昨日の先物はUBS・野村・三菱UFJが買い越し、モルガンS・パリバ・ドイツ・バーク
 レイズが売り越し。
 市場筋は「米・欧金融当局の利下げスタンスの真・偽を巡るダッチロール商状。
 日本株は債券ポジションの手仕舞い売りに伴う、債券安・株安・円安。
 G8まで加わり、混迷相場ながら、下値用無しの展開。
 145000円上抜けから15200円狙いの思惑となってきた」と。
 アドバン(6857)、武田(4502)、みずほ(8411)、地所(8802)、物産(8031)、
 別子(5713)に注目。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 後場)「宴のあとさき」

 SQという3月に一度の謝肉祭が終わってみれば、市場は「宴」のあと。
 毎回ながら、春休みの教室状態の市場展開。
 次は、9月。
 暑い夏なのか、冷夏なのか。
 可能性としては、かなりなホットサマーが見込まれるが・・・。
 昨日は「危険な相場」とか「押し目買いのタイミング待ち」といったコメントが多かったが、
 今日は「アジア市場が気にかかる」。
 弱気材料には事欠かないが、常に内容がコロコロ変るから疲れるもの。

 先輩氏からは「ビッグプレイヤーを凌駕した」と、まるでバックトゥー・ザ・フューチャー
 のドクのような電話。
 「トレンドとタイミング探しの研究を不眠不休でやってきたが、日本の大手機関投資家
 も同じ投資手法を使っていることがわかった。
 この領域に到達したということは、ある意味では、 彼らも限界線にきているということ
 かも知れない」と興奮気味の声。
 なにやら禅問答のようになるが、要は「より儲かる投資の方法」は、誰もが同じ手法と
 なるということ。
 それこそ「秘伝」とか「門外不出」なんてものは存在せず、実は、「青い鳥」のように目
 前にあるということなのだが・・・。

 どうも外資系は日本が大好きな様子。
 GSは「世界的にインフレ圧力が強まるなか、日本は物価上昇が切望されている唯一
 の国として一線を画している」と指摘。
 東京株式市場は相対的に安全な避難場所とコメント。
 UBSは日本の不動産について「今後はアジア・中東・ロシア等のソブリンウェルスフ
 ァンドからの投資が活発になる」と期待。
 「不動産は今こそが仕込みの時期」とコメント。
 どうもポジショントークには見えないが。

 それにしても・・・。
 一気にやる気レスの後場寄り。
 大引けの140キープが来週高の条件だが・・・。
 天気は良さげ。
 明日は丹沢でゴルフ。明後日は神宮球場で野球。
 熱い夏と決め撃ちして、まずは日焼けから??。
 本の企画は「ヘッジファンドに勝てる投資術・・・コレで専門家になれる」。
 さて実現するかどうか・・・。
 良い週末を。

・・・・・・・・・・・以下はご参考

 ファナック(6954)・・・リバウンドの中核

 ファナックに注目する。
 同社は工作機械用NC、産業用ロボット大手。
 高指数寄与度で日経平均先物の影響を受けやすいが、全体リバウンド相場の中核
 と見たい。
 GSは12日付で同社の投資判断「中立」継続、目標株価を1万1500円→1万1700
 円に引き上げている。
 (11360円)。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/69/6954T1a.html





2008年06月08日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000739…2008/Jun/06(Fri)

                        第106回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場))「一夜変わり」

 もやもやとした下げ渋りは、開けてみればNYの大幅高。
 先物SQを控えた空中戦での買い方優勢が後押しされる格好となった。
 そして寄り付き後の日経平均は大発会の年初来高値14691ポイントを伺う気配。
 それこそ「一夜変わり」の感。
 昨日の株式新聞の見出しは「輸出企業の為替予約終了」。
 ・・・既に主要輸出企業が今上半期の為替予約を終了したことで、上半期について連
 結営業利益の上積みの公算が大きくなってきた。
 例えば、トヨタは今上半期について対ドル、対ユーロ合算で900億円程度営業利益
 が上ブレする可能性がある。
 ・・・繰り返しになるが今期業績の懸念は為替の円高と原料高騰の転嫁。
 為替は予約済み、製品値上げは妥結。
 となると、大半の懸念は払拭されることになる。
 だからこその外国人買い、とするには余りに短絡的かも知れないが、稟議書絶対型
 ファンドマネージャーには格好の材料。
 円は一時106円台、米長期国債は売り込まれ、4%台となり、株式が上昇。
 「債券と円が売られて株踊る」のセオリーはまだまだ通じている。
 もっとも原油も反発しているが・・・。

 NYでは、ドイツ証券がリーマン投資評価を「買い」い引き上げ。
 これで出尽くし?との声も聞かれる。
 小売のウォールマートの5月売上高は市場予測を上回る3.9%増。
 エネルギーと食料品価格の高騰が消費者をディスカウンターへ向わせたとの解釈。
 そして新規失業保険申請者数は1.8万人減ながら、祝日の影響は不明との解釈。
 結構、いい加減な指標を手がかりにマーケットが動いているのもまた現実。

 さてマーケット。
 NYはダウは213ドル高と5日ぶりの大幅反発。
 NASDAQも46ポイント高と続伸。
 背景は、市場予想を下回った新規新規失業保険申請者数と市場予想を上回った5
 月の既存店売上高。
 となると、市場予想というもののいかがわしさ、いい加減さが浮き彫りになってくる。

 逆にモノラインの格下げなどはお構いなし。
 こちらは格付けはマーケットトレンドに逆らえないということになる。
 CMEは14575ポイントで大証比225ポイント高での戻り。
 朝方の非公式外資系動向は2940万株売り/3810万株買いで3日連続の買い越
 し。

 金額ベースも買い越し。
 売りは自動車・非鉄・商社・建設・電気・薬品・小売・鉄鋼・食品・地銀・化学セクター
 など。
 買いは銀行・自動車・化学・小売・商社・不動産・機械・鉄鋼・ゲーム・電機セクターな
 ど。
 外資系はIIJ(3774)、住友ゴム(5110)、日立建(6305)、トヨタ(7203)、ホンダ
 (7267)に買い物。
 昨日の先物はクレディ、三菱UFJ、GSが買い越し、リーマン、ドイツ、UBSが売り越
 し。
 市場筋は「NYは教科書的に75日線タッチで調整完了から反転。
 東京は200日線14736円が当面の限界線。
 ドル高トレンドは、マーケットのポイントがサブプライム渦による景気悪化からインフ
 レ警戒に移行したことの表れ。
 加えて、米国債とドルの反転はいずれ商品市況高騰阻止の流れにつながろう。
 ただ本格的かどうかは微妙」としてDIC(4631)、ヤマダ電(9831)に注目。

 こんな最中に売り気配はJT(2914)。
 タバコ1箱1000円報道には逆らえない?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 (後場)「魂」

 「魂のない相場、芯のない相場」とは市場関係者。
 主役が定まらず、方向性はハッキリしないといえばその通り。
 「上がっているからいいじゃない」との声もあるが、そうとばかりはいえないところ。

 不安定さは、依然漂ったまま。
 200日移動平均まで、もう少し。
 「ココを超えれば相場は変る」と見る向きは多いがさて、というところ。

 東京の天気はスッキリ。
 株も上げ潮。
 天気と相場の連関性はゼロに等しいが、太陽が顔を出すとマーケットもシャンとして
 くることが多い。
 単なる気のせいかも知れないが・・・。
 ただ、投資心理の側面からは、雨・曇りよりは晴れの方が当然スッキリとなろうか。

 市場関係者は「ウォールマートの売り上げが3.9%増加したが、これは物価上昇分
 なのかも知れない。
 あるいは、GSは原油200ドルのレポートを出したが、ワンタッチ後は下落して70ドル
 も視野にいれているが、これは報じられない」と。
 出てきた事実と認識される事実のギャップは結構大きい。
 もっとも・・・。
 マーケットは「誤解と錯覚」の産物でもあるが・・・。
 良い週末を・・・。

・・・・・・・・・・・以下はご参考
 コマツ(6301)・・・外国人買い観測も

 コマツに注目する。
 同社は建機大手で世界2位。アジアではトップ。
 「製造業の海外売上高比率5割に迫る」との日経報道もあるが、同社の前期中近東
 アフリカ向け売上高は4割増。
 ハイブリッド型油圧ショベルの発売も発表されており、材料性は多い。
 株価は昨年10月の4000円台から今年2月2200円まで下落してからの反騰基調。

 200日線からのカイ離はまもなくプラス10%。
 外国人買い観測も見られる。(3400円)。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/63/6301T1a.html





2008年05月25日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000738…2008/May/23(Fri)

                        第105回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場))「タッチ」

 昨日の市場筋氏のコメントは「NYは12650ドルまでとすれば既にタッチ。
 日経平均は13690〜13315円のレベルまで」。
 前場9時57分に先物で13650にタッチしてから、相場が急速に復活したところをみる
 と、明らかに中勢上昇指示線を意識した動きでった。
 市場では、野村の投信の設定観測が支配的だが、どうも違うように思える。
 先物では確かに野村は買い越しなので、これは投信の可能性が高いが・・・。

 報道では、小泉元総理と麻生太郎氏、中川元幹事長とシーファー駐日米大使が明日、
 山梨でゴルフをするという。
 この面々がわざわざ金・銀・銅とかワニだヘビだと興じるとは考えられず、とてもキナ臭
 い。
 アメリカの何を受けるのか。
 来週にかけての楽しみあるいは懸念である。

 ロッシュは中外薬にTOB。
 ドル円は104円台。
 10年債利回りは1.73%。
 だが日経平均は14000円の壁。
 めまぐるしい週末の予感。
 「決断は『期待と迷い(疑い)』のなすところ。移ろいは「原油と金利と為替から・・・上げ
 悶え下悶え」が似合いそうである。

 さてマーケット。
 NYダウは小幅反発。
 NASDAQは5日ぶりの反発。
 背景は最高値を更新した原油の軟調さと新規失業保険申請者数の減少。
 ただ基本的には自律反発と考えられる。
 CMEは14010ポイントで大証比プラス50ポイントでの戻り。
 朝方の非公式外資系動向は3100万株売り/2080万株買いで3日連続の売り越し。

 金額ベースも売り越し。
 売りは化学・非鉄・損保・建設・薬品・機械・銀行・海運・その他金融・自動車・精密・石
 油・鉄鋼セクターなど。
 買いは電機・小売・陸運・機械・商社・化学・建設・銀行セクターなど。
 外資系は7&I(3382)、住商(8053)、みずほ(8411)に買い物。
 先物はカリヨン・野村が買い越し、ドイツ・バークレイズ・UBS・JPモルガンが売り越し。
 市場筋は「NYは200日移動平均(13006ドル)を完全な上値抵抗線として強く認識し、
 中段持ち合い相場に移行。
 日経平均は中勢上昇トレンドを維持。
 再度200日線14884円回帰の可能性が出てきた。
 ただ債券、為替波動との相関から強気転換は時期尚早。
 一旦の自律反発に過ぎないが、14004円を上抜けば打診買い。
 上抜かねば見送りスタンス継続。
 いずれにしても、小幅掬いの小相場。
 格言は大相場(水準訂正)には乗れ、小相場(通い相場)は見送れ」として千代建(63
 66)に注目。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (後場)「どちらにしても金余り」

 インフレ期待というかインフレ懸念というか。
 少なくとも起こっていることは投機マネーの増大。
 ある専門家は「人類史上初の先物資本主義の未来は誰も読めるはずがない」と指摘。
 確かに、原油にしても株式にしても胴体の現物ではなく、尾っぽの先物が価格支配力
 を持ち始めたし、先物抜きに経済を見たり語ったりすることは出来ない。
 壮大な投機経済がますます続くということになる。
 しかも金利が上がらないとなれば・・・。
 モノは上がるがカネも余る。
 これはバブルの先駆けとも言えようか。
 そもそも先物は日本の米相場が発祥であり、その意味では東京市場と大阪市場の
 頑張りに期待したいところ。

 用事があってある外資系の女性トレーダーに電話。
 なかなか繋がらず戻ってきた電話は「何?今ゴルフ中だけど・・・」。
 これでは後場も期待薄?

 人手が足りなく、後場は関西系評論家氏のセミナーの受付。
 夕刻からは、当たり屋評論家氏のセミナーの司会。
 明日は伊勢原のかざか証券でセミナー。
 ゴルフ以外で丹沢近辺というのも珍しい。
 日曜はシナリオつくりに専念。
 雨予報ながら良い週末を・・・。

・・・・・・・・・・・以下はご参考

 ヤフー(4689)・・・リバウンド期待

 同社はネット検索大手。
 業績は好調。
 全08年3月期は主力のネット広告の堅調から売上高2620億円(前年同期比23%増)
 で着地している。
 ただ米ヤフーに対するマイクロソフトの買収断念の報道から株価はまだ軟調。
 株価は4月の55000円台から42000円水準まで売り込まれたが、ここは一目均衡表
 の雲の下値水準。
 このところ一気に膨らんだ信用買い残も先高期待の表れと見る。(44200円カ)。


 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/46/4689T1a.html





2008年05月18日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000733…2008/May/16(Fri)

                          第104回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場)「妙に明るい週末」

 ユーロ圏の成長は年2%台後半の見通し。
 ドイツなどを中心に製造業が堅調で輸出も好調、そして失業率も低下傾向。
 暗い米国、明るい欧州の構図。
 ただ底流にあるのはインフレ懸念。
 メリルリンチのファンドマネージャー調査でも「リセッションの不安に代わりインフレ懸
 念が台頭」と指摘。
 となると・・・。
 それこそ「債券よサヨウナラ、株式よコンニチワ」となるのだが・・・。

 市場関係者の指摘。
 「このところの債券の大幅下落は、ヘッジファンドの解約も絡んだ債券売りに起因す
 るのではなかろうか」と。
 加えれば「その対極で株式買い」とも。
 「これが巻き返すのかどうかは不明ながら」という見方。

 さてマーケット。
 NYはダウは94ドル高と続伸。
 200日移動平均を抜けるかどうかが焦点となってきた。
 NASDAQは4ヶ月ぶりの高値水準。
 上昇の背景は原油の下落基調と堅調な景気指標。
 上昇の中核はインテルなどハイテク関連と景気敏感セクター。
 CMEは14375ポイントで大証比プラス115ポイントでの戻り。
 朝方の非公式外資系動向は2420万株売り/4420万株買いで2日連続の買い越し。

 金額ベースも大幅買い越し。
 売りは化学・証券・建設・銀行・機械・食品・金属・薬品・サービス・損保セクターなど。
 買いは銀行・非鉄・商社・海運・損保・機械・電機・化学・鉄鋼・その他金融・ゴム・不動
 産セクターなど。
 昨日の先物はドイツ・クレディが買い越し、ニューエッジ・UBS・野村・リーマンが売り
 越し。
 市場筋は「緩やかな上伸継続。ポイントは週明けに14269円をキープしているかどう
 か」としてASSET(2337)に注目。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(後場)「GDPは3%成長ながら・・・」

 内閣府が発表した2008年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影
 響を除く実質で前期比0.8%増。
 年率換算で3.3%増と3四半期連続でのプラス成長。
 事前予想は年率2.6%であったし、潜在成長率の1.5%程度と比べても結構明るい。

 ただ市場は冷ややかに「そんなにサプライズでもなし」として素直に反応はせず。
 ただ一応プラス展開でこのままプラスでいけば今年2回目の5連騰となるが・・・。
 前場は京橋まで取材に出かけたが、久しぶりの太陽は、それこそ久しぶりの暑さ。
 マーケットにもこの暑さが欲しいところ。

 因みにアメリカの4月の鉱工業生産指数は前月比0.7%低下。
 鉱工業設備稼働率:79.7%、05年9月以来の低い水準
 製造業:0.8%低下、05年9月以来で最大の下落率
 公益事業:0.3%上昇、前月から鈍化
 自動車・同部品:8.2%低下、下げ幅が拡大
 消費財:0.8%低下
 こちらはあまり明るくないが、マーケットは強い展開だった。
 外資系は銀行とゼネコンのレポートのオンパレード。
 バブル時であれば歓迎されたのであろうが・・・。

 先輩氏は「来週も今週と似た展開。
 債券も為替も限界。
 先物145と150の鬩ぎあいとなろうか」と。
 良い週末を・・・。

 
・・・・・・・・・・・以下はご参考
 宇部興産(4208)・・・好調なポリイミドに期待感

 宇部興産に注目する。
 同社はセメント・化学・ナイロン原料など大手。ポリイミドフィルムが拡大基調。
 前08年3月期決算は営業利益が前々期比19%増の559億円で着地。
 今09年3月期は売上高は前期比9%増ながら営業利益は同5%減の見通し。
 ただ原料価格の上昇を製品価格へ転嫁できれば上ブレの可能性も高い。
 昨年11月高値奪還の動きに期待感が高い。(389円)。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/42/4208T1a.html





2008年05月04日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000727…2008/May/02(Fri)

                          第103回
△------------------------------------------------------------------------

 ((前場)「熟したか」

 NYは急騰。
 仕掛けはISM指数とUBSのインテルの投資評価引き上げ。
 FOMC通過とともに上げ潮がやってきたというところか。

 国内裁定買い残は7週連続で増加し3兆2119億円となってきた。
 ボトムは3月14日時点の2兆円割れスレスレのところ。
 裁定買い残が約1兆円増加し、日経平均は約2000円上昇したことになる。
 昨年2月に6兆円に乗せたときの日経平均は18300円。
 0月に4兆円に乗せたときの日経平均は17400円。
 一つの参考にはなろうか。

 イングランド銀行は「サブプライムローン問題による世界の金融機関の損失をマーケ
 ットは課題に見積もっている」のレポート。
 流動性が低い市場での商品を時価評価すると、損失額は金融機関が実際に被る損
 失より大きくなる」とのコメント。
I MF対OECDの代理戦争がここでも繰り返されている。
 スルガコーポの社債を証券会社が引き取れないという問題が日経に掲載されている
 のと合わせると理解できる。

 さてマーケット。
 NYはダウは189ドル高で4日ぶりの反騰。
 NASDAQも67ポイント高と急騰。
 背景は好調だった3月の個人消費支出とISM製造業景況感指数。
 半導体セクターの投資評価引き上げも追い風。
 課題は13060ポイント近辺の200日移動平均を抜けるかどうかになってきた。
 CMEは14120ポイントで大証比プラス330ポイントでの戻り。
 朝方の非公式外資系動向は3400万株売り/3550万株買いで6日連続の買い越
 し。

 金額ベースも買い越し。
 売りは電機・薬品・不動産・自動車・サービス・石油・銀行・証券・小売・繊維・食品セ
 クターなど。
 買いは建設・機械・電機・化学・銀行・ガス・薬品・精密・小売・自動車・繊維セクター
 など。
 外資系はシャープに買い物。
 大同特殊鋼(5471)、三菱UFJニコス(8583)、アルペン(3028)、積水化学(42
 04)、ユニー(8270)、DeNA(2432)に注目。
 昨日の先物はみずほ・メリル・UBS・ニューエッジが買い越し、のぞみ・カリヨン・JP
 モルガン・GSが売り越し。
 踏みの動きが見られようか。
 東京は連休前だけにポジションの傾けが難しいところだが・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (後場)「連休控え」

 GWを控えて日経平均は14000円攻防戦。
 4日間の時間リスクをとれるかどうかのせめぎあいとなっている。
 ただ多くの銘柄が寄り付き高値となっており、後場一段高なのか縮小なのか微妙な
 ところ。
 14105を抜けてくればルンルン連休となるのだが・・・。

 連休後のコア銘柄をコンピュータに聞いてみると・・・
 アドバンテスト(6857)、別子(5713)、三菱商事(8058)、東京電力(9501)との
 答え。
 ハイテクではなく、資源関連の復活という印象。
 すると連休中に資源高?
 ただ、そうすると東電、アドバンの説明が付かない。
 結構難しい局面。

 六本木ヒルズの証券マン氏とパワーランチ。
 ヒルズ5階の「Xen」は、ケーキバーとドリンクバーがあって女性で満杯。
 築地では決してお目にかかれない光景ではある。
 ↓
 http://www.date-navi.com/gurume/xen.html

 六本木界隈は相変わらずのアジア人を交えての喧騒。
 戻りの日比谷線では、やかましいフランス人の一団。
 やはり世界も少しバカンスの感。
 米雇用統計は所詮いい加減な数字であり、気にすることはない筈。
 良いGWを・・・。

 「追憶のぜひもなきわれ春の鳥」(太宰治)。

・・・・・・・・・・・以下はご参考

 イビデン(4062)・・・反騰継続に期待

 イビデンに注目する。
 同社は電子回路・特殊炭素・DPFなどが中核。
 前08年3月期連結経常利益675億7300万円(前々期比8.2%減)で着地。
 今期連結経常利益は前期比11.2%減の600億円の見込み
 だが株価は反騰基調。
 ここは強いと見る。(4760円)。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/40/4062T1a.html





2008年04月27日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000723…2008/Apr/25(Fri)

                          第102回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場)「懲りない」

 外国人投資家は3週連続での買い越し。
 3週連続は半年ぶりのことで、やや明るさ。
 しかも債券利回りは上昇基調。
 為替は104円台と背景は悪くない。
 決算は、ファナックが営業減益発表。
 ただ、想定為替レートは97円で組んであり、かなり慎重。
 むしろ好感したいと思っていたら、寄り付きは買い気配。
 またJFEは経常利益2%減で着地。
 今期見通しは発表せず。
 理由は鋼材価格交渉が決着していないこと。
 これはやや先送り感だが・・・。

 不可解なのはインデックスの学研株流出事件。
 昨年7月に投資事業会社に貸した500万株が所在不明になったという。
 貸し株料約1億円が欲しかったのはわかるが、所在不明とは不可解。
 7月が期限とされるが、さてというところ。
 同社を取材した際に、受付に「カミツキガメ」が鎮座していた記憶があるが、役には立って
 いないようである。
 というよりも・・・。
 理解はできるが、上場企業が貸し株なんかで利益を図らないで欲しいというのが本音。

 個別案件ではあるが、市場にはそう映る。
 加えれば、読売は東証2部上場のシステム開発会社ニイウスコーが取引先企業との間
 で「循環取引」を繰り返して売り上げを水増しの報。
 懲りないというか、情けないというか・・・。

 さてマーケット。
 NYは85ドル高で続伸
 週間新規失業保険申請者数が市場予想を大きく下回ったことが材料となり、景気の底
 固さをイメージさせた格好。
 104円台まで進んだドル高傾向から商品市場が下落したことも買い手がかり。。
 フォード、ダウ・ケミカルなど業績も確り。
 CMEは13720ポイントで大証比プラス140ポイントでの戻り。
 朝方の非公式外資系動向は2920株売り/3080万株買いで2日連続の買い越し。

 売りはゲーム・小売・機械・硝子・銀行・その他金融・鉱業・化学セクターなど。
 買いは鉄鋼・商社・小売・機械・電子部品・硝子・建設・海運・電機・自動車・化学セク
 ターなど。
 外資系はに注目。
 市場筋は「戻り限界13790円、円下支え13410円を確認。
 ただ、この水準を維持することになれば、連休終盤(5月8日)まで指数は停滞の可能性」
 と。
 因みに、昨日の先物手口はカリヨンが売り越し。
 アップサイドのブレークが欲しいところ。
 明るい週末となるか・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (後場)「債券安:円安トレンド:株高シナリオ」

 前場17790の壁を突破。
 後場は一時前日比300円以上上昇し13800円台での推移。
 さて加速度は?という局面。

 興味深かったのは日経の「日経平均、PERの壁」の記事。
 昨日の日経平均採用銘柄の予想PERは15.4倍。
 国際比較で見た場合の割り安感は薄れつつあるとの見方。
 確かに、NYの14倍、ロンドンの11倍と比較すれば割高かも知れない。
 しかし依然としてPER理論を尺度とするのは、少し古過ぎはしないだろうか。
 そして・・・。
 もしもPER理論全盛であるならば、今日の上げはあり得ない。
 「ガラパゴスのイグアナでさえ、生活形態を変えているのに市場は旧態依然」とは専門家
 氏の指摘。
 先物主導で、アルゴリズム売買中心となっているのに、PER、PBRの尺度だけでは市場
 は語れないというのも現実。

 為替は104円台キープ、10年債利回りは1.6%台、債券先物は前日比2円以上の下
 落。
 シナリオは、それこそ「金利上昇、円安、株高」。
 流れは東京株式買いとなってくるのだが・・・。
 そろそろ市場関係者は喧しくなってくるに違いない。

 ドレスナーのピータータスカ氏の強気コメント。
 ・・・時価総額が純流動資産を下回る銘柄が再び大量に現れてきたのは、現在の日本株
 市場が驚くほど割安であることを証明している。
 市場は日本株の割安感を納得していないのは明らか。
 1990年以降の弱気相場で国内の株式投資ブームはすっかり冷め、外国人投資家はこ
 れまであまりに何度も日本株に失望させられてきた。
 恐らく日本市場に資金を呼び込むには、世界的にみて、また過去の水準と比べても、間
 違いなく割安であるバリュエーションが必要であろう。
 現在、日本株は時価総額が純流動資産を下回る銘柄が350銘柄もあることから、まさに
 そうした状況になったと考えられる。
 1990年から2003年までは、日本株がこれほどまでにアンダーパフォームするそれなり
 の理由があった。
 バブル化したバリュエーションは調整を必要としていたし、企業価値の伸びはなきに等し
 かった。
 2003年の日本市場の配当は1983年の水準をなんとか上回る程度だった。
 それゆえ、1992〜93年、96年、99年のラリーがどれも長続きせず、いずれの場合も、
 TOPIXはラリーが終った時には始まった時よりも下げていた。。
 しかし、2003年以降、市場の配当は150%伸びている。
 日本は何も変わっていないと主張するのは、大きな見当違いである。
 これは「リゲイン日本株」よりも強気の見方。

 驚いたのは長野でのセミナー。
 5月8日に木村剛氏、木村佳子氏と登場するセミナーに既に500名近く集まっているとい
 う。
 夜の部の「マネートークショー」にも予定を上回る予約との話。
 これ無料ではなくすべて有料。
 東京とは違うマインドを感じる。
 ↓
 http://www.jacifa.com/moneylive2008_080312.pdf

 夕刻は大阪の評論家氏のセミナーの手伝い。
 夜は東京の当たり屋評論家氏のセミナー手伝い。
 明日はオフなので池波正太郎。
 日曜は丹沢方面。
 天気も晴れ予想。
 良いプレGWを。

 「行く春やほろ酔ひに似る人づかれ」(上田五千石)。

・・・・・・・・・・・以下はご参考

 ヤマハ(7951)・・・好調な業績に取り組み妙味も

 ヤマハに注目する。
 同社は世界最大の楽器メーカーで携帯電話用LSIもトップ。
 主力の楽器が国内は少子化の影響などから横ばいながら、海外での伸長が顕著にな
 っている
 業績は好調。
 今期も前期に引き続いて楽器が中国などアジア、欧州向け中心に海外向けが順調に
 拡大。

 国内もピアノ、管楽器が増加しAV・ITなどの減少をカバーする構図となっている。

 自己株式取得に関しても期待感がある。
 チャート的には一目均衡表の雲に上値を抑えられた格好だが、2160円どころを抜け
 てくると上昇に加速度が付くと見る。
 取組み倍率0.08倍も効いてこようか。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/79/7951T1a.html





2008年04月20日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000718…2008/Apr/18(Fri)

                          第101回
△------------------------------------------------------------------------

 
(前場)「マジック」

 鉱工業生産が過去最高になった。
 取り立てて生産拡大の動きが出た訳ではない。
 経済産業省が発表した2月の確報値の基準年が2000年から2005年に変更された
 からである。
 その結果、速報値の前月比プラス0.9%がプラス1.6%に上昇した。
 実態は何も変わっていない。
 でも数字は良くなった。
 日経では、編集委員の滝田氏がもう一つの数字を紹介している。
 IMFの予測では08年の日本のGDPは4兆8700億ドル。
 07年は4兆3800億ドルであったので、実に11%成長することになる。
 中身は何も変っていない。
 だが、ドル換算にすると、日本はブラジル・ロシア・インド・中国並みの高成長国。
 風景は一変する。
 「そんな」という指摘もあるが、数字は勝手に一人歩きするもの。
 逆に言えば、金科玉条のように信頼される経済指標は、実はマジックが多いということ
 に他ならない。

 市場関係者は、75日移動平均を論じ、200日移動平均を論じる。
 ここまではまだ良い。
 だが、辻褄が合わなくなってくると、5年移動、10年移動、挙句の果てには30年移動
 まで持ち出してくる。
 所詮、そんなものと考えたほうが良いかも知れない。
 一昨日のネットセミナーでの質問は「アナリストは、わざと目立つレポートを出してくる
 んでしょうか?」。
 「アナリストもサラリーマン。
 これだけ外資系のリストラは激しくなってくれば、保身のために目立つことも必要だし、
 平気で大げさなレポートも出します」と答えた。
 あながち間違ってはいないと思うが・・・。
 「強気のアナリストレポート」の証券が売りポジション、弱気のアナリストレポートの証
 券が買いポジションはままあること。
 それでも「上か下か変らず」よりはマシとの見方も。

 さてマーケット。
 NYは小幅ながら2月末以来の3日続伸。
 新規失業保険申請者数は増加、フィラデルフィア連銀景気指数は大幅悪化。
 だが市場は見えないフリ。
 懸念されたメリルの決算も3四半期連続で赤字ながら市場は「先行きの収益改善期
 待」との解釈で株価は4%上昇。
 CMEは13495ポイントで大証比プラス55ポイントでの戻り。
 朝方の非公式外資系動向は1930万株売り/2960万株買いで3日連続の買い越し。

 売りは繊維・電機・薬品・化学・金属・陸運・銀行・その他金融・食品・情報機器・商社・
 損保など。
 買いは建設・機械・化学・電力・海運・薬品・ゲーム・証券・小売・銀行・自動車・ガス・
 電機・硝子など。
 外資系は良品計画(7453)、いすゞ(7202)、日野(7205)、ダイハツ(7262)に注
 目。
 ミクシイ、サイバーなどの借株ニーズに懸念。
 市場筋は「日経平均先物は反騰3日ながら4月7日13485円上抜きを保てず、本格
 反騰との市場の信認は確信に変わらず、微妙。
 抜け切れなければ22日(火)には反落の可能性大」と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (後場)「閑散」

 トヨタ、川汽などは確りながら全体は軟調モード。
 JPモルガン・チェースは「底固く」、メリルは「先行き期待」で通過したが関門シティは
 甘くないというところか。
 13485の壁は厚い。
 先輩氏のコメントは「基本スタンスは下げ過ぎ訂正、リバウンド。
 先週の休むも相場の見送り姿勢は『4月高値は売り』の相場憲法に忠実に従っただ
 け。

 今週の買いのタネ蒔けは今年初めての、本格上昇トレンド回帰の可能性に賭けただ
 け。

 依然として5月反落の可能性は消えていない」。

 気にかかるのは債券市場が指摘するLIBOR(ロンドン銀行間金利)の上昇。
 米FRBの再利下げのトレンドを打ち消す格好となっている。
 となると・・・。
 シナリオは円安トレンド。
 値ガサハイテクに出番アリとなろうか。
 上海ではペトロチャイナが公募価格割れになるなど静かな下落が続いているが、これ
 は不気味。
 「週初休んで週後半高」は来週も続こうか。

 ある外資系証券が出した長期投資対象銘柄群。
 従来の36銘柄に29銘柄が追加された。
 詳細は以下の通り。
 国際帝石(1605)、アスクル(2678)、ポイント(2685)、トクヤマ(4043)、日医工
 (4541)、BS(5108)、ガイシ(5333)、日立金属(5486)、大阪チタ(5726)、ア
 サヒプリ(5855)、森精機(6141)、マックス(6454)、NTN(6472)、ミネベア(64
 79)、アルバック(6728)、ヒロセ電機(6806)、堀場(6856)、シスメックス(6869)、
 OBARA(6877)、良品計画(7453)、島津(7701)、三井物産(8031)、しまむら
 (8227)、JR東(9020)、郵船(9101)、ANA(9202)、セコム(9735)、ベネッセ
 (9783)、ヤマダ電機(9831)。

 従来は日揮(1605)、ユニチャームペット(2059)、ヤクルト(2267)、味(2802)、
 東レ(3402)、クラレ(3405)、信越(4063)、エアウォーター(4088)、花王(445
 2)、テルモ(4543)、第一三共(4568)、トレンド(4704)、もしもし(4708)、フィル
 ム(4901)、資生堂(4911)、旭硝子(5201)、フジミイン(5384)、鉄(5401)、三
 菱マテ(5711)、住友電工(5802)、島精機(6141)、コマツ(6301)、住友重機(6
 302)、ダイキン(6367)、栗田工(6370)。
 ガイシが重なっているものの、このまま進むと225になってしまいそうだが・・・。


 明日は福島・郡山でかざか証券の株式セミナー。
 明後日は、丹沢でゴルフか、大学野球を見に行くか思案中。
 良い週末を・・・。

 「かたくりの明日ひらく花虔しき」(石田あき子)。

・・・・・・・・・・・以下はご参考
 武田薬(4502)・・・調整完了からM&Aを再評価

 同社は製薬大トップで生活習慣病薬に強い。
 昨年6月6日に最高値8430円を付けた株価は3月18日に4850円まで調整。
 この間の下落率は42.5%に達した。
 持分会社の米TAP社の坑潰瘍剤タケプロンの減速やドル安(円高)などが影響した
 格好。
 4月からの薬価引き下げも影響している。
 業績は好調。
 前3月期も前々期に続き最高益更新が確実視されている。
 第3四半期段階で通期に対する営業利益の進捗率は83%。
 4月10日には米NADAQ上場のミレニアムファーマシーティカルズを約8000億円
 で買収すると発表。
 のれん代の償却負担の増加に伴う短期的な業績悪化が警戒されている。
 だが糖尿治療薬「アクロス」など主力薬品の特許切れを2010年前後に控えた同社に
 とっては必要なM&A。
 市場では「ベンチャーではなく実績を持つ企業を時間を金で買った」と評価する向き
 も多い。(5150円)。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/45/4502T1a.html





2008年04月13日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000714…2008/Apr/11(Fri)

                          第100回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場)「復活?」

 朝は日経平均で150円近く上昇し13000円台復活。
 アドバンテスト、ファーストリテなどが買い気配。
 取り合えず明るい週末との気配だが・・・。
 ミニSQだけに指数寄与度の高い銘柄群の動きが目立つ。

 市場関係者の声。
 「米国流では、角を逆立て『上に強気』がブル(雄牛)、爪を手前に『下に強気』がベア
 (熊)。
、些細なことに騒ぎ立て、逃げ惑うのが小心者のチキン(雌鳥)」。
 そして・・・。
 「市場は金利と為替の相関で動いているだけに、反落が突然に起きる危険に留意。
 相場は『上・下・横』。
 『横ばい』を見抜くのは容易ならざること。
 勝負は、『G7』か『銀行サブプライム決算』通過待ちで来週に持ち込みの気配。
 かつ『米国FRBVS欧州ECB』の金利・為替戦争が主要命題」と。
 イングランド銀行が政策金利を0.25%引き下げたが、6月のECB利下げの伏線と
 いうことになろうか。
 そこまでは12000円〜14000円のレンジの可能性大。
 「夏の眩しい陽射しが待ち遠しい」とも。

 さてマーケット。
 NYは3日ぶりの反発。
 背景は新規失業保険申請者数が市場予想を下回ったこと。
 ウォールマート、デュポンの上方修正、インテルの投資判断引き上げもフォロー。
 CMEは13050ポイントで大証比プラス90ポイントでの戻り。
 朝方の非公式外資系動向は1940万株売り/2230万株買いで6日ぶり買い越し。

 ただし金額ベースは売り越し。
 売りは薬品・化学・食品・不動産・機械・商社・電機・損保・小売など。
 買いは商社・小売・化学・陸運・銀行・通信など。
 外資系はKDDI(9433)、住友化学(4005)、ヤマダ電機(9831)に注目。
 市場筋は「停滞感は強く残り、明日SQ通過後の動き次第ながら、先行きの下落可能
 性は後退。
 下げ過ぎ反発の動きもありそうな気配。
 4月オプションSQ通過で今日確りならば、来週17日(木)には本格反転の可能性。

 もっともサブプライム卒業式『G7通過待ち』ではあるが・・・」と。
 反騰リードはファナック(6954)、ホンダ(7267)、東エレ(8035)、フィルム(4901)。
 マキタ(6586)に注目。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (後場)「久々の碧空」

 後場は300円以上上昇。
 ダマシなのか、本格なのか。
 G7を過ぎてからが結論になろうか。
 ただし・・・。
 今のところ、東京の青空同様に心持ちの良い週末となっている。

 典型的な調査レポートがあった。
 2007年のアメリカの住宅ローンの借り入れが減少したことから、可処分所得の減少
 を懸念する内容。
 住宅ローン借り入れはほぼゼロまで縮小する可能性と雇用の悪化から実質的所得
 の伸びは期待できず、消費全体に大きな影響が出ると見通している。
 そして消費が衰退すれば商業用不動産市況も悪化し、今後価格は軟化すると見て
 いる。

 ここまではいい。
 ただ、引っかかるのは結論の部分。
 「いずれにせよ、経済的に最悪のシナリオ(金融不安は除く)が出尽くすまでは、金融
 市場が安定することはあるまい。
 保守的に考えれば、第2四半期の米GDPが発表されるまでは、様子を見ることにな
 るだろう」。
 ここまでも許せる。
 だが最後に付け加えられているのは「無論、保守的な発想が投資機会を逃す可能性
 は否定できないが」の一文。
 こういう形で逃げる格好で結論が見えなくなるレポートが余りにも多いように思えてな
 らない。

 土日は競馬は桜花賞。
 デヴェロッペなんて馬もいる。
 ゴルフはマスターズ。
 こちらはタイガー。
 その裏側ではG7。
 こちらは白川さん。
 良い週末を・・・。

 「おそろしや石垣崩す猫の恋」(正岡子規)。

・・・・・・・・・・・以下はご参考
 トヨタ(7203)・・・底値3点同時に期待感

 トヨタに注目する。
 このところ外資系中心に目標株価の引き下げが目立つ。
 例えばモルガンは4月3日に目標株価を7520円→5660円の引き下げ。
 翌日ゴールドマンは目標株価を6500円→5600円に引き下げている。
 ただ、株価は意外と頑強な動き。
 しかも、1月22日4880円、3月17日4830円、4月7日4820円、4月10日4820円
 と底固い。
 昨日夕刻には富士重工への出資を16.5%へ拡大と正式発表。
 業界再編の思惑も匂い始めている。
 「調査機関各社のレーティング引き下げは下値集めのため?」(市場関係者)の声も
 聞かれる。
 (4860円)。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/72/7203T1a.html






2008年04月06日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000709…2008/Apr/3(Thu)

                          第99回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場)「解釈」

 日経商品欄では「上昇加速」や「一段高」の活字。
 チタンの国内価格は1割高となり4年前の2.2倍。
 航空機や発電所需要の拡大に追いつかないという。
 東邦チタは「生産が追いつかない」とのコメント。
 イメージは「60年代・高度成長」。
 また塩ビ輸出価格は中国・中東の需要増で上昇。
 すずも供給不安から上昇。
 トウモロコシはシカゴで投機筋の買いから上昇。
 おまけに群馬・下仁田のコンニャク粉まで上がっている。
 急に強気が蔓延してきた証券欄よりも、たくさんヒントはある。
 わかることは、所詮市場関係者は後追い人種。
 マーケットは遥か先を進んでいるにも係わらず・・・。
 だから「もうはまだなり」となるのかも知れない。
 もっとも、早過ぎるのも考え物だが・・・。
 「いい商品をいいタイミングで」は昔使ったコピーだが、結構難しい。
 ただ・・・。
 「もう傘はいらない」は復活感。

 アメリカではメリルの増資否定報道が好感。
 先日はUBSとリーマンの増資報道はが好感されての上昇。
 本当にネコの目のように解釈が変る。
 結論は、マーケットが上昇基調ならばポジ、逆はネガということ。
 市場を動かすのは、やはり「投資心理」となろうか。

 さてマーケット。
 NYは小幅反発。
 週間の新規失業保険申請件数は市場予想を大きく上回り、2005年9月以来の高水準。
 米労働市場の悪化傾向が嫌気されたものの保ち合い展開。
 結局は雇用統計待ちというところ。
 CMEは13405ポイントで大証比マイナス15ポイントでの戻り。
 朝方の非公式外資系動向は3100万株売り/2590万株買いで3日ぶりの売り越し。


 売りは建設・運輸・食品・化学・薬品・小売・損保・その他製品・倉庫・電力など。
 買いは建設・薬品・サービス・不動産・輸送・運輸・セメント・電機・卸売・通信など。


 昨日のように1000億円のバスケットが入ればの期待感。
 もっともシンガポールで誤発注なんて観測が出るようでは、市場はまだ疑心暗鬼であ
 ることがよくわかる。
 外資系はユニチャーム(2059)、日立建機(6305)、サンケン(6707)、塩野義(45
 07)に注目。
 市場筋は「日経平均3連勝で沸き立つほどに上昇感はなく、多くは望めないことを示
 唆。


 これは戻り売り相場の特徴。
 とはいえ、下値は固まってきた。分岐点。
 祭りのフィナーレの可能性もあり。
 傍らで、それ売れ、やれ売れ、暴落だ、と騒いでいた子鬼達。、
 やれ買え、それ買え、早く買え、買わなきゃ暴騰するぞーと囁きながら忍び寄ってきた」
 と。
 一休(2450)に注目。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (後場)「寓話」

 さすがに3連騰で一休みという思いからの一休(2450)は5連騰と強い動き。
 「叡山の僧と加茂の流れ」は意のままにはならない例だが、マーケットはそれ以上。
 押せば引き、引けば押してくる動きは、それこそ魑魅魍魎となる。
 前場の90円程度の下落を見ていると、どうも反発モードが感じられたが・・・。
 言ってみれば虫が疼くという感じ。
 多分悪魔の囁きなのだろうか。
 それにしても、巧妙な大仕掛けのようである。
 もっとも後場はプラス接近してからの100円安となっている。

 因みに、寄り付きの外人買い観測は・・・。
 大平洋セメ(5233)、ヤマハ発(7272)、特陶(5334)、KDDI(9433)、地所(880
 2)、マルハニチロ(1334)、東芝プラント(1983)、東映アニメ(4816)、Uアローズ
 (7606)、三菱倉庫(9301)。ヤマ発とUアローズを除いて皆高い。

 あるネット証券のFP企画担当氏からのメール。
 週末だからなのか、マーケットの雰囲気の好転の影響なのか。
 妙に哲学的である。
 ・・・メキシコの田舎町の海岸で漁師が漁をしている、
 それを見たアメリカ人旅行者に漁師は言った。
 「自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だ」と。
 そして「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊ん
 で、女房とシエスタして。
 夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…ああ、これでもう一
 日終わりだね」。
 すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
 「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよ
 う。
 きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。
 それで余った魚は売る。
 お金が貯まったら大きな漁船を買う。
 そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
 その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。
 やがて大漁船団ができるまでね。
 そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。
 自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
 その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼルス、
 ニューヨークへと進出していくだろう。
 きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」
 漁師は尋ねた。
 「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」。
 「10年、いやおそらく25年でそこまでいくね」
 「それからどうなるの」
 「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
 「それで?」
 「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住む。
 日が高くなるまでゆっくり寝て、日中は釣りをしたり子どもと遊んだり、奥さんとシエス
 タして過ごす。
 夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。
 どうだい、すばらしいだろう」。
 ややウツ病チックになりそうな寓話だが、考えさせられる。

 夜は、不動産関連企業のIR担当氏と会食。
 明日は休みなので司馬遼太郎三昧。
 日曜は裾野でゴルフ。
 懸念は雇用統計ながら、所詮改訂される数字。
 良い週末を・・・。

 「つくねんと木馬よ春の星ともり」(木下夕爾)。

・・・・・・・・・・・以下はご参考

 出光興産(5019)…年初来高値更新に期待感

 出光興産に注目する。
 同社は石油元売2位。
 後入れ先出しで原油の在庫損益は出ない方式を採用しているところが特徴。
 三井化学、クウェート国際石油、ペトロベトナムと共同でベトナム南部に日量20万バ
 レル規模の製油所を建設したり住商石油の事業を譲り受けるなど材料は豊富。
 株価は長期にわたって下降トレンドを形成。
 3月25日には上場来安値7280円を付けたが、その後は反騰基調。
 新年度となり昨年来高値15940円が年初来高値9680円に変化しクリアしやすくな
 った。
 「当面、暫定税率問題でガソリン販売が好調なことも追い風になるのではないか」(中
 堅証券)との声も聞かれる。(7910円)。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/50/5019T1a.html





2008年03月30日
               
                  「お正月」

                          第98回
△------------------------------------------------------------------------

 サブプライムによる米金融機関の損失が46兆円とはGSの試算。
 小見出しは「サブプライム問題広がる」。
 ただ・・・。
 IMFの試算とそんなに変りません。
 もともと、サブプライム関連の損失は頑張って50兆円程度と見ていましたから、拡大
 したわけではありません。
 しかも、この中にはクレジットカードや自動車ローンの不良資産化も関連損失として入
 れ込まれています。
 少し気は早いですが、ここも「終わりの始まり」となりそうな気配なんですが・・・。

 消費者信頼感指数の低下を理由に、JPモルガンやUBSが同類であるメリルの利益
 予想を引き下げました。
 まるで猛禽類の共食い状態。
 原油、小麦・とうもろこし等の吊り上げも効果なし。
 厭戦ムードに押されるペンタゴン=国防省、サブプライムを抱え込んだFRB=ウォー
 ル街ともどもレイム・ダック状態。
 残る手段はNASA・ハリウッド・シリコンバレー。
 ハイテクを押し上げたい米系財界の意向があるのかどうか、NASA(米航空宇宙局)
 の宣伝が活発化してきている。
 ロボットが作れない自動車産業は衰退。
 結局、素材とエネルギーで幕間つなぎの展開?

 全体軟調ながら、裁定買い残は2週連続の増加。
 前週比1681億円増加し、2兆4817億円となった。
 期末要因があるとはいえ、来週発表分も増加かどうかが注目されます。
 
 末終値、期中平均といろいろあるが、いずれにしても期末。
 来週月曜の動向が4月以降を占う試金石となろうとの見方。
 もっとも重要なのは為替のファクター。
 円安トレンドならばIT関連セクター。
 円高トレンドならば不動産の可能性も・・・。
 ところで、4月1日から「昨年来安値高値」は「年初来高値安値」に変ります。
 言って見れば、新年度はそれこそお正月。
 本当の2008年相場の始まり。
 風景がガラッと変ってくれることに期待感なんですが・・。





2008年03月23日
               「公開市場操作」
                      
第97回
                       2008年03月21日
△------------------------------------------------------------------------

 エ高校生の政経の授業で公開市場操作というのを習いました。
 日銀がCPや国債、手形などの売買を行い、通貨供給量を調節するということ。
 日銀総裁問題が混迷する中で、いきなり脳裏を掠めました。
 原因はNY株式市場は公開市場操作が行われているのではないかという疑念。
 200日移動平均線が10%を超えてくると、株価が反発するのは、これで今年3度目。

 一昨日は、一度タッチしてから反発。
 昨日は大幅高で12000ドル台回復。
 どんなに鈍感でも、これは変。
 昨日の上昇の原因は、リーマンやゴールドマンの「市場予想」よりも良かった減益。
 大幅減益は無視され、市場予想よりも良かったことがデフォルメされました。
 しかも・・・。
 FOMCでは0.75%のFFレート利下げ。
 にも係わらずドル円は一時100円台。
 長期金利は上昇。
 説明がつきません。
 もっとも、米売りが止まったという考え方もありますが・・・。
 それこそ、株価が臨界点に達したからというのが最も理解しやすそうです。
 だからこその「公開市場操作」。
 加えれば、ベアスターンズを1株2ドルで買ったJPはそれこそハゲタカとなった感。

 そしてベアスターンズの身売りは「終わりの始まり」であったとも・・・。

 兜町は株の町。
 そこに蠢いているのは、獲物を探して駆けずり回る鋭い目の人たち。
 というイルージョンは、すでに平成の時代の到来とともに消えたかも知れません。
 ネットの社会では、鋭い目付きは見られなくなってしまいました。
 そして日々移ろう囁き声も・・・。
 「株屋」が「証券マン」になって、この世界は様変わりしたようです。
 良いのか悪いのか、なんとも言えません。
 少なくともコンプラとリーガルという横文字によって、株屋さんの口は閉ざされてしまい
 ました。
 でも・・・。
 この町の原理原則はきっと変っていない筈。
 誰もが求めているのは「一夜変わり」。
 今日は久々にその感。
 風景は変ってくる気配。
 沈丁花の香りとともにようやく春は来たようです。





2008年03月16日
               
      勝どき通信・・・♪築地墨堤マーケット変奏曲♪・・・

       Vol.000699…2008/Mar/13(Thu)

                          第96回
△------------------------------------------------------------------------

 (前場)「またノックイン」

 100円割れを目の当たりにして脳裏に甦るのが「円リンク商品」。
 昨日のファイナンシャルボックスで喋ったが、さすがに深野氏は反応した。
 「資産家が保有しているケースが多いですね」。
 日経平均リンク商品のノックインが騒がれたのは、1月。
 円リンク商品の残高はその比ではないはず。
 大半が私募で、地方の機関投資家や個人富裕層が大量に保有している。
 因みに、ある資産家は250億円の円リンク債を運用していたことがある。
 これらがノックインした可能性は高いし、逆にアレンジャーである外資系金融会社が
 ノックインを誘った動きだったのかも知れない。

 専門家氏の指摘。
 「ユーロ高への傾斜は1929年の世界金融恐慌を彷彿とさせる。
 その可能性はなくはないが、どちらかといえば1989年のバブル破裂前夜の1987
 年の状況に最も近い。
 当時の日本は旧利権勢力の反対で世界利上げに乗り遅れ低金利円安を継続。
 日銀代表福井さん旧大蔵代表の武藤さんが楼蘭問題で紙上を賑したのもほぼ同じ。
 米国共和党政権は惨敗。
 結局、インフレバブルを発生させ借金帳消しを目論む構図も同じと考えられる」。
 ただ違うのは、マインドの低下基調。
 1987年の日本は、輝いていた。
 2008年の日本は閉塞感。
 この違いが大きい。
 「あの素晴らしいバブルよもう一度」では洒落にもならないが・・・。
 ともかく、記憶を呼び覚ませば、構造だけは一緒である。

 加えての指摘。
 S&Pはサブプライム損失確定を年初の2650億ドルから2850億ドルとレポート。

 2月小売売上高の下方修で売りを誘った後の演出効果と考えられる。
 ただしこの数字は年末のFRB予想である米国内1000億ドル、IMF予想米欧合計3
 000億ドルと何ら変わっていない。
 もともとは、昨年10月のS&Pの突然のサブプライム債券のゼロ査定格付けから始
 まった暴落なのだが・・・。
 穿った見方をすれば金相場の1000ドル台乗せもサブプライム劇場のフィナーレを
 飾る早春の打ち上げ花火?」。
 狷介な見解ながら正鵠の感。

 因みにボーイングは新型機「787ドリームライナー」35機を含む85機、約112億ド
 ル相当を受注したとの報。
 NYダウの値上がりトップとなっており、これは材料視されようか。
 重工、川重、ジャムコなどの動きに注目したいところ。

 さてマーケット。
 NYはエレベーターのように揺れた結果は、小幅反発。
 背景はS&Pによるサブプライムローンは峠を越したとのレポート。
 カーライル系の投資ファンドの資産差し押さえ観測などお構いなし。
 依然として格付け機関が幅を効かしていることは否定できないようである。
 CMEは12600ポイントで大証比プラス250ポイントでの戻り。
 朝方の非公式外資系動向は3550万株売り/2300万株買いで2日連続の売り越し。

 金額も売り越し。
 外資系は積水ハウス(1928)、JAL(9205)、日新製鋼(5407)、日本電産(6594)
 に注目。
 市場筋は「急落が、目立った悪材料が見当たらない中での円急騰によるもの。
 SQに向った動きとしては微妙だが、今日の日経平均が150円以上上昇なら完全反
 発。

 届かなければじり安だが、その可能性は極めて薄い。
 本日『W底』完成とみるが・・・」。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (後場)「官製相場」

 アメリカの弱材料を探せばGMの株価はほぼ2年ぶり安値。
 モルガンスタンレーの目標株価10%引き下げが効いた格好。
 そしてベアー・スターンズ株が急落し一時6年ぶり安値。
 ウォールストリート・ジャーナルはCDSの長期間にわたる取引ではトレーダーが相
 手先企業にベアー・スターンズを選ぶことを敬遠していると伝えている。
 ただし・・・。
 S&Pはそれこそ自作自演のサブプライム損失額発表。
 そしてポールソン財務長官は経済のファンダメンタルズを反映した「強いドル」が米国
 の国益だとあらためて表明している。
 まさにめまぐるしい。
 明らかになったのは、NYダウ12000ドル割れは完全に警戒線であり、何らかの対
 策が必ず
 出てくるということ。
 そして、国内信託銀行は1200円台では必ず買い越しになるということ。
 事実、先週は1854億円の買い越しと発表された。
 ある意味、官製相場といっても良いのかも知れない。

 後場はプロダクションの専門家氏と6月から始まるTVの株式ナマ番組の打ち合わせ。

 夕刻から銀座仲巳屋で某社役員氏と広報担当氏とミーティング。
 役員氏は競馬業界出身ながら馬肉専門店を設定してきたところが不可解。
 週末は競馬を見れそうもない。
 もっともさくら肉と焼酎との相性は良さげ。
 さくらは櫻に通じるかもしれない。
 ↓
 http://www.nakamiya-g.com/

 明日は自由ヶ丘で資産運用セミナー。
 日曜は丹沢でゴルフ。
 サプライズレスのウィークエンドを祈りたい気持ち。
 良い週末を・・・。

 「落第も二度目は慣れてカレーそば」(小沢信男)。


・・・・・・・・・・・以下はご参考
 いすゞ(7202)…来期に期待感

 いすゞに注目する。
 同社は国内小型トラックシェアトップ。普通トラックは2位。
 ディーゼルエンジンを主力としており、海外販売に強みを発揮している。
 今期連結業績見通しは売上高1兆7500億円(前期比5.2%増)、経常利益1070
 億円(同
 6.7%減)、純利益は800億円(同13.4%減)の見通し。
 ただ、海外車両販売台数は前期比4.8%増と好調継続。
 中国、豪州および中南米、アフリカ地域で大型トラックが、中東、欧州、南米地域で
 小型トラックの販売が伸びている。
 来期は海外販売の好調継続と国内需要の底打ちにより増益基調への転換に期待
 できようか。
 ムーディーズは財務格付けを「ポジティブ」に変更し、ゴールドマン、みずほインベ
 スターズなどの評価も高い点から、株価の位置も変ってくると見る。
 (450円)。

 チャート
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/72/7202T1a.html





2008年03月02日
               「シニカルに・・・」
                      
第95回
                       2008年02月22日
△------------------------------------------------------------------------

 エコノミスト最新号の命名は「Japain」。
 「日本=Japan」と「痛み=pain」の合成語。
 日本停滞の原因は増益を記録しながら、賃金を引き上げない企業にもあるとのコメン
 ト。

 国民金融資産の流出は1550兆円でも足りないの?の思い。
 日本復活の最有効対策は選挙との指摘も見られますが、さて・・・。
 水曜日の首相官邸。
 16時25分にアメリカのライス国務長官。
 18時2分にイスラエルのオルメルト首相。
 偶然にしては、タイミングが良すぎるように思えます。
 ライス氏は北朝鮮の核問題と沖縄の米兵暴行事件。
 オルメルト氏は中東和平問題。
 活字は、これがメインテーマとしていますが、事の本質はどこにあるのでしょう。
 敢えてココでライス氏が来たということは・・・。
 何らかのサプライズが起こるのかも知れません。

 日経では「ノックイン投信」の説明。
 ・・・ある投資家が買ったノックイン投信は日経平均が12700円を下回ったことから、
 元本割れの可能性が出た。
 ただ、2010年の償還時に日経平均が上昇していれば、損はしない可能性があると
 いう指摘。
 確かにその通り。
 ただ、かつてのITバブル時に起こったことは、株価が幾ら上昇したとしても、その値
 上がり益は投資家には還元されない仕組みだったこと。
 「下値無限大、上値限定的という仕組みはおかしい」との声が巻き上がったことが甦
 ります。
 さて今回は・・・。

 大幅高したマザーズ銘柄。
 外資のレポートが効いた格好でした。
 従来アナリスト説明会では「なだ万」のお弁当を出していましたが、今回は「ヒルトン」
 だったとは同社広報担当氏の話。
 外資系にはやはり外資系が口に合ったということでしょうか。
 もっともレポートを書いたアナリストは日本人でした。

 来週は14340に挑戦との声。
 語呂は「いい読みよ」だそうです。





2008年02月24日
                 「三国志」
                      
第94回
                       2008年02月22日
△------------------------------------------------------------------------

 ロシアがだいぶ存在感を増してきた感。
 NTTコミュとKDDIは企業向け通信事業に進出。
 三菱重工は、火力発電所の合弁生産を協議。
 近鉄エクスプレスと物産は物流網の構築。
 もっとも・・・。
 ユーラシア大陸を背景とした広大な経済拡大の市場寄与が相当先のことになりそう
 です。


 日経の「新世代DVD,東芝撤退の深層」。
 家庭用ビデオではソニーのベータからVHSに移行し、DVDでは勝利したものの新
 世代では負けた東芝。
 ベータで負け、DVDで負け、ようやくブルーレイで勝利したソニー。
 常に販売力を武器に勝ち抜いてきた松下。
 この30年近い動きは、三国志を凌駕しました。
 しかも、現在進行形で・・・

 先輩氏は「1・4・7と2・5・8の法則」との指摘。
 証券コードの大台が、2000番台、5000番台、8000番台に移行してくるのではな
 いかとの見方。
 となると、食品、新興ネット関連、資源、商社・小売・銀行・証券ということでしょうか。

 土曜は若洲で機関投資家担当氏とプライベートバンカー氏とリンクスゴルフ。
 日曜は札幌で株式セミナー。
 スケジュールだけは、かつてのホリエモンみたいになってきました。

 良い週末を・・・。





2008年02月17日
               「夜は明けた?」
                      
第93回
                       2008年02月15日
△------------------------------------------------------------------------

 世界のマネーの構図は変化してきました。
 それは東南アジア6カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、
 ベトナム)の外貨準備。
 総額51兆円に及ぶ金額で一部はシンガポール政府投資公社が運用。
 日米欧への投資原資となっています。
 因みに外貨準備の世界一は中国の1兆5300億ドル。
 次が日本の9733億ドル、そしてロシアの4845億ドル。
 アジアの動向が大きくなってきたし、日々のアジア系バスケット買いの背景です。

 メリルの機関投資家調査では日本株をアンダーウェイトとする投資家は44%で前月
 より5ポイント改善。
 日本株について「最も過小評価」されているとの見方も前月の26%→32%に増加。

 マインドは少しずつ改善してきた格好。
 因みにモルガンスタンレーは「日本株式市場は夜明け前の暗闇か」のレポート。
 結論は「日本市場の秘めた基本的価値の魅力が明らかになり、潜在的に『安全な避
 難所』となる可能性がある。
 日本はG7の中で唯一、対中国貿易黒字を有しており、輸出総額の対米比率が20%
 未満を占める中、日本企業のバランスシートは米国とは対極にある。
 ・・・投資家にとって資金の安全な避難所が限られるであろう2008年を通じて日本市
 場はその一翼を担う可能性がある」。

 先日、兜町のかざか証券でのイブニングセミナー。
 スーツを着た20代の若い男性が数人。
 聞いてみると、皆デイトレで先物の日ばかりが中心と。
 そして「この前までは売りでも買いでも取りやすかったですね」。
 今後は個別銘柄にも興味があって話を聞きに来たそうです。
 既に年金を貰っている女性も参加されていたが、世代を超えて株談義は結構活発。
 日本の投資家層のしっかりしたニューフェイスが育ってきていると思えて、兜町が明
 るくなりそうな気配でした。

 ==PR==
 因みに以下はセミナーのPR。

 2月16日(土)11時〜かざか証券焼津支店セミナー
 2月20日(水)19時〜マネックス証券ネットセミナー
 ↓
 https://seminar.monex.co.jp/public/seminar/view/706

 2月24日(日)10時30分マネックス証券札幌セミナー
 ↓
 https://seminar.monex.co.jp/public/seminar/view/715

 2月27日(水)13時40分〜株式新聞株式セミナー(JAビル)
 ↓
 http://ir.kabushiki.co.jp/personal/detail/080227_t/index.html

 3月2日(日)10時30分〜マネックス証券福岡セミナー
 ↓
 https://seminar.monex.co.jp/public/seminar/view/735

 3月6日(木)そしあす証券志木支店セミナー
 3月7日(金)18時〜株式新聞有料講演会
 3月8日(土)かざか証券1周年記念株式セミナー
 ↓
 http://net.sec.kazaka.jp/eigyouten/seminar/index.php

 3月12日(水)かざか証券足利支店セミナー
 3月18日(火)かざか証券伊勢崎支店セミナー
 3月26日(水)かざか証券前橋支店セミナー
 5月8日(木)IFA長野マネースペシャルライブ2008





2008年02月03日
                 「月初め」
                      
第92回
                       2008年02月01日
△------------------------------------------------------------------------

 1月は月足陰線。
 月間1715円の下げは下落率11.2%。
 良くとどまってくれたとのイメージだが、下落幅は2000年4月以来。
 あのITバブル崩壊の頃が甦ります。
 主役はソフトバンク、ソニー、光通信など。
 最近では日経平均リンク債がクローズアップされましたが、当時はEB債(他社株転換
 可能債)も真っ盛り。
 歴史は繰り返さないで欲しいところ。
 もっとも、本当の相場は節分明けからとの見方もありますが・・・。

 市場の先輩氏の指摘。
 「古くには、ウィリアム、ウォルター、ゴードン、MM理論、DDM理論と変遷し、近年はR
 OE,Qレシオ、PCFR、EBITDAなどと投資尺度は変化してきた。
 実はその場しのぎのご都合理論であったことも事実。
 その証拠に、ノーベル賞のシャープ理論でさえ役に立たなかった。
 最先端の金融工学を用いても、メリル、シティ、モルガンでさえサブプライム苦境に陥っ
 ているのが現実である。
 だとすると、金科玉条のように外資系のレーティングを崇拝する市場関係者は多いが、
 これも改める必要が出てこよう」と。
 確かに・・・。

 先日、築地の居酒屋で数人の老練な証券マン氏と飲み会。
 リスク管理だとかお客さま相談室だとか、およそ元最前線の営業マンには相応しくない
 肩書きを付けた人たちが異口同音。
 「証券会社は株の話や判断をすることが禁じられている。
 銘柄の質問があったときには『そういうことには答えられない事になっています』という
 事になっている」と言う。
 かつては、辣腕の営業マン氏の面々だけに、どうも訝しげだった。
 それにしても・・・。
 株を取り扱う証券会社が、株を語れないのでは・・・。
 マーケットは確かに忘れ物をしているように思えてなりません。





2008年01月27日
                  「6ミリ」
                      
第91回
                       2008年01月25日
△------------------------------------------------------------------------

 フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルはディーラーの不正取引で7600億円の損失を
 計上した。
 これは過去最高の金額。
 同行のディーラーが欧州株価指数の先物取引で損失を出したそうです。
 ソジェンは日経先物でも有数のプレイヤー。
 世界中で益出しを図ったと考えると・・・。
 ここ数週間の日経平均ノックイン騒動の一部の原因でもあったのかも知れません。
 となると・・・。
 世界同時株安のトリガーは実は日本であったとも考えられなくはありません。
 推測に過ぎません・・・。

 昨日の東急田園都市線。
 止まること3時間半。
 高津駅での飛び込みに始まり、用賀駅でのわずか6ミリの線路の傷が16万人の帰
 宅の足止め。
 たまたま用賀で遭遇。
 運よく?タクシーに乗ったところ沿線の国道246号線は大渋滞で、余波の追突事故
 が乱発。
 普段は何事もなく乗っている電車だが、わずか6ミリの残した影響は大きかったです
 ね。

 もっとも・・・。
 6ミリ効果はマーケットにも蔓延していたように思えてきます。

 24日付けの株式新聞に出ていた記事。
 見出しは「『トヨタ買いたい』店頭に札束」。
 ・・・店頭に札束を積み上げてトヨタを買いたいと言ってきた客がいる」
 ――市場関係者の間でこんな話が出回った。
 1990年のバブル崩壊後の株価下落過程では数年に一度の暴落の際に通常は株
 式投資をしない富裕層が国際優良株や「ゼロイチ銘柄」といわれる主要業種のトッ
 プ企業の株式を購入したケースが散見された。
 今回も同様のことが起こった。

 因みにこの話が出回った22日のトヨタの安値は大引けの4880円。
 今日の高値は5520円。
 上昇率は13%。
 当面、この投資家さんは益出し状態。
 マーケットはマーケットの出来事に起因するのは当然ですが、まずは良かったです。
 因みに22日の日経平均RSIは11%。
 お目にかかったことのないほどの水準でしたが、「売られ過ぎ」の声は空疎に響い
 ていましたね。

 ・・・久しぶりに良い週末を。





2008年01月20日
                  「傍証」
                      
第90回
                       2008年01月18日
△------------------------------------------------------------------------

 記憶の片隅に隠れていた「前川レポート」という単語が甦ってきました。
 1985年のプラザ合意後の円高を乗り切るために、内需主導経済を提唱した当時の
 前川日銀総裁のレポート。
 あれがバブルの呼び水だったとの見方もあるが、一斉を風靡したことは事実。
 今回は「21世紀版」と銘打ってあるが、どんなネーミングになるのでしょう。
 まさか「福井レポート」ではないでしょうが・・・。
 内容的には海外投資家を呼び込む規制緩和などが織り込まれそうな気配。
 どこまで奏功するかと期待感はあります。

 中国らしいやり方に見えるのは米シティへの出資のドタキャン。
 理由は「サブプライム問題の広がりを見極める必要がある」。
 そんなことは今更・・・という感じですが。
 ともあれ、一旦中止の再開には、何らかのお土産は必要な筈。
 さすがに同国国務院は老練な印象。
 いっそのこと、みずほコーポもメリルへの出資をドタキャンしてみたらという誘惑もで
 てきます。

 日経「私の履歴書」のグリーンスパン氏。
 目に残ったのは「市場には、時に熱狂しては、おのずから破裂するというリズムがあ
 る。

 ・・・バブルは起きるものだ。そんな確信を最近、強めている」。
 グリーンスパン氏にして市場至上主義を信奉し始めた感。
 本当のところは神のみぞ知るなのでしょうが・・・。

 以下は市場筋の分析。
 ・・・1月16日の日経平均の水準は、200日移動平均線から19.5%の下方カイ離。
 これは2001年ITバブル崩壊以来の売られ過ぎ水準。
 短期指標となる25日移動平均線からのカイリ率もマイナス10.8%。
 これは昨年8月のマイナス11.65%、11月の13.14%以来。
 日経予想PERは15.68倍。
 これは2005年5月16.24倍以来の水準。
 東証1部全銘柄連結予想PERは15.61倍で2000年以来の最低水準。
 債券利回り比較ではイールドスプレッドがマイナス4.847%。
 2003年4月の過去最低の日経平均時点の5.013%に迫る水準。
 信用買い残高は2兆9123億円と外人買い復活の2005年8月の2兆7845億円以
 来の低水準。
 評価損率は1月15日の松井証券調べで24.2%と8月17日以来の大底水準。
 新安値銘柄数は1165銘柄と1990年大暴落以降の最高、通常暴落の2倍規模。

 日曜日に丹沢でゴルフ。
 寒気はともかく、数メートル先も見えない霧。
 ところが、当たりは結構良くてボールは全く失わず。
 前が見えないことでヘッドアップしないというのが後付けの理由ですが・・・。
 株式市場もそれこそ五里霧中。
 本来はナイスショットが期待できる局面。
 どうも前が見えない不安感だけがデフォルメされているように思えてなりません。




2008年01月13日
                  「久闊」
                      
第89回
                       2008年01月11日
△------------------------------------------------------------------------

 金価格は28年ぶりに最高値を更新。
 原油よりも遥かに強烈なインパクトです。
 メタルの専門家氏からは「青天井」のメール。
 ・・・ニューヨークからのレポートによるとディーラーもポジションを取りたくないらしく、ど
 ちらかに動きだすととにかく雪だるま式に動いてしまうといった 状況。
 1980年のComexでの最高値の875ドルというのも越えてしまいました。
 もはやこの上は何もありません。
 空白。青天井
 歴史的高値を更新してもまだまだという雰囲気ですね」。
 株式市場では久しく忘れられていた言葉「青天井」にお目にかかりました。

 それにしても・・・。
 28年前といえば日本は日石相場の末期。
 翌年に別子の大相場がスタート。
 その後はビデオや光ファイバーなどのハイテク相場。
 そしてバブルという軌跡が甦ります、これも久闊。

 投信は5年ぶりに運用損の報道。
 損失規模は4兆円程度とされます。
 公募投信の残高は78兆円。
 昨年度の資金流入は14兆円ですから4兆円は大きいです
 海外新興国市場での運用益でも埋めきらなかったとのコメントがある。
 大和の新興企業株ファンドが下落率20%、フィディリティの日本小型株ファンドが同
 14%。
 さて逆襲は?

 そもそも・・・。
 FOMCでの利下げをマーケットが求めていたとすれば、こちらはほぼ解決。
 ある先輩の指摘は「先輩の遠ちゃん氏の指摘。
 「目の前に今年1年の大幅上昇開始が迫っている。
 現在の東京市場はボラティリティ23%の儲けやすい市場と化した筈。
 因みに、昨年2月9.0%、7月8.6%、10月15.5%であった。
 この水準を買って儲からない確率はゼロに等しい。
 絶対に、根拠のない悲観論になびいてはならない」。
 来週は期待できそうですが・・・。





2008年01月13日
                「どしゃ降り」
                      
第88回
                       2008年01月04日
△------------------------------------------------------------------------

 あけましておめでとうございます。
 とは言ってもマーケットはどしゃ降り。
 東京の青空とは裏腹な大発会となりました。

 1月3日恒例の景気株価アンケート。
 景気は平均で1.98%の伸び率。
 株価は概ね16000円〜18000円台。
 春先安、年末高シナリオは毎年のこと。
 回答者は時間メリットを採用するのでしょうが、滅多に年末高にはならないもの。
 有望銘柄トップはコマツ。
 トヨタが首位から落ちた。
 そしてニューフェイスは東レ、スズキ、ガイシ、ダイキンなど。
 ランキングは低いですが、キッコーマン、京都銀行、スタジオアリス、アイネス、伊勢
 丹などが目につきます。

 原油が一時100ドルにタッチ。
 OPECも揺るぎ始めました。
 面白いのは、「100ドル仕掛け人は独立系トレーダー」のロンドン電。
 それによると、タッチした100ドルの商いは最低単位の商い。
 取引成立直前の価格はバレル99.53ドル。
 600ドルの対価でリチャード・アレン氏が値を付けに行ったそうです。
 その理由は「将来、孫に『おじいちゃんがやったんだ』と語るため」とされています。

 確かに一時的に歴史に名は刻みました。
 さてその後はというところ。
 バレル100ドルをメモリアルとしたいための話と聞こえなくもありませんが・・・。


 正月のスポーツを見ていると良くも悪くも結構変化の兆し。
 2日に国立まで観に行った大学ラグビーは、準決勝出場4校とも対抗戦グループ。
 箱根駅伝は駒沢の優勝はさることながら、昨年優勝の順天堂、東海、大東文化が棄
 権。

 しかもシード校常連の日体、東海、順天堂などが脱落。
 おまけに関東学連が入賞で来年の予選会は枠が一つ増加。
 高校サッカーは都立三鷹がベスト4に。
 マーケットも下克上とは言わないまでも、変化が必要となんでしょうが・・・。





2008年01月01日
                 「よいお年を」
                      
第87回
                       2007年12月28日
△------------------------------------------------------------------------

 株式新聞1面には「日立」の緑の活字。
 サブタイトルは「リストラ加速へ」。
 同社が大株主の企業群リストが掲載されているが、日立プラントからイーコンテクま
 で実に31社に及びます。
 このリストラが伸展していくと・・・。
 きっと大株主のナッツクムコはにんまりに違いありません。
 そういえば・・・。
 今年の大発会の活躍銘柄は日立と重工。
 その重工は、核燃料再処理のアメリカの計画へ参加。
 材料は豊富だが、守屋問題の通過待ちというところでしょうか。

 羽田の土地を巡る明暗。
 プラントで多額の特別損失が発生する荏原は羽田の土地をヤマト運輸に売却。
 ヤマトの取得額は850億円。
 荏原の特別利益は650億円。
 国内最大級のターミナルを建設する予定のヤマトにとって羽田は特別な意味。
 それこそ空飛ぶ「魔女の宅急便」となりそうな気配

 ところで・・・。
 魅力的な株とは?
 以下の条件に当てはまるものとの指摘。
 (1)指数とは逆行して上昇傾向を継続。
 (2)設備投資関連の好業績銘柄。
 (3)発展国向け通信部品、化学製品、内需関連。
 (4)キャッシュフローは営業、フリーは豊富、設備投資は積極でマイナス。
 (5)外国人持ち株比率は20%以下で、外人買い増し継続。
 これは来年も続くに違いありません。

 良いお年を・・・。





2007年12月23日
                 「分  析」
                      
第86回
                       2007年12月21日
△------------------------------------------------------------------------

 株市場関係者の分析。
 「今年の東京株式市場の時価総額は年初537兆円から2月ピーク589兆円。
 11月時点は470兆円。
 現在481兆円と▲56兆円の減少。
 外人は5兆7000億円の買い越し。
 信託銀行は約2兆円、投信も約2兆円、個人は現物・信用合計約2兆2000億円の売
 り越し。
 大雑把には外人6兆円の買い、信託、投信、個人が各2兆円売り」。
 計算すれば簡単で、やはり外人は買っています。

 前場は「現物買い、先物売り」でポジション構築。
 後場は「現物売り、先物買戻し」。
 現物バスケット(25〜50銘柄)売りで値を崩し、先物を買戻す。
 結果は、割高銘柄は下げ渋り、割安銘柄は大きく下げることになります。
 上手くエクスポージャー(感応度)が現れれば、倍以上儲かることになります
 そして・・・。
 これが株価の上下の動きがないのに毎日一定数量の商いが成立する理由。
 自分で買って、自分で売るから当たり前。
 当然、市場参加者が少なく注文が少量だと、後場売りによって毎日値が崩れることに
 なります。

 さてクリスマス控えの週末はようやくのマーケット上昇感。
 それこそ「このまま」なんですが。
 良い週末を・・・。

 ===PR===
 12月26日(水)18時から
 かざか証券本店営業部イブニングセミナー
 ↓
 http://net.sec.kazaka.jp/eigyouten/seminar/evening.html
 ===PR===
 株式新聞社主催「2008新春講演会のご案内」
 1月12日(土)10時10分〜
 東京よみうりホール

 第1部 パネルディスカッション(株式新聞、株式新聞WEB、株式新聞Weekly各編
      集長)
 第2部 会社説明会「ランド(8918)」
 第3部 株式講演会 山本伸氏
 第4部 会社説明会「中部飼料(2053)」
 第5部 基調講演 武者陵司氏

 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/investinfo/kshp102-02.jspx?sub=080112

 =====
 テープ・CD「ストック&ストラテジー」
 うたい文句は「マーケット・テーマ・材料・お宝銘柄など独特の相場観をギュギュッと詰
 め込んだお得な1時間!」。
 登場人物は・・・
 植木靖男さん、北浜流一郎さん、山本伸さん、木村佳子さん、櫻谷光司さん、櫻井英
 明。


 くわしくは↓
 http://www.kabushiki.co.jp/investinfo/kshp102-02.jspx?sub=071225

 ===
 1月16日(水)マネックス証券ネットセミナー
 ===
 1月26日(土)かざか証券本店営業部株式セミナー
 ===
 1月26日(土)
 100ten.school、フェイシス株式会社主催・株式セミナー
 大阪・ニッセイ南船場ビル
 「ずばり!2008年相場をどう見る」
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・





2007年12月16日
                 「奇問逃甲」
                      
第85回
                       2007年12月14日
△------------------------------------------------------------------------

 株が下がれば対応策がすぐ出てきます。
 その意味では、欧米の金融関係者は市場に敏感。
 日銀との対比は明確。
 今回は、米FRB、欧州中央銀行、スイス国立銀行、イングランド銀行、カナダ中央銀
 行の連係プレーでの資金供給策。
 協調行動で資金流動性を確保する手に出ました。
 お金はいくらでも印刷するというのだから、モノが下がる筈はありません。
 世界は再びインフレに向けて、動き始めるに違いありません。
 その意味では、原油・金価格の上昇も首肯できます。
 怪訝なのは、日銀が参加していないこと。
 日本の金融機関の流動性は確保できているということ、あるいはサブプライム問題の
 影響は少ないということでしょうか。
 あるいは、相手にされていないとの穿った見方も・・・。

 昨日北京から易学の大家が来日。
 恒例で来年の相場を奇問遁甲から見てもらったところ・・・。
 結論として2008年東京株式市場は「変動はあるが、比較的安定」と。
 上半期は低迷基調ながら下半期8月から穏やかな上昇基調。
 ただ3月〜5月はリスク大。
 9月〜11月は一番良い投資チャンスとの分析。
 個別では・・・。
 水に関連するもの。
 例えば海・交通・飲食・娯楽関連はリスク大なので注意。
 ハイテク関連は微妙。
 不動産・鉱山・金属はだんだん良くなる。
 一方、植林・養殖は不安定要素が多いとのこと。

 解釈すれば、年初に頑張りしばらく休養。
 そして秋口から再出動というシナリオになってきます。
 これはほとんど今年と同じ。
 ただ、水に要注意ならば、何でもかんでも「環境」とはいかなくなりますが・・・。

 そういえば、忠臣蔵。
 旧暦だから少し季節感は薄れますが、本所吉良邸や泉岳寺のイメージが浮かんで
 きます。

 主君の切腹を不服とした大石内蔵助以下四十七志が本望を果たした日。
 現代では1500兆円の国民資産を略奪されそうな東京株式市場が、討ち入りしても
 良いとも考えられませんか。
 ジャパンマネーを外に流出させるには・・・。
 金利は妙味がないほどに低いほうが良いですし、株式市場は、損をする場にしてお
 けば良いとは・・・。。
 あくまでも、海の向こうの隣の芝生が良く見えるシチュエーションさえ提供しておけば、
 マネーは自然にドルやユーロや豪ドルに流れます。
 流れきって、そこが最後の結界。

 ここが理解されないようですね。





2007年12月02日
                 「オオタブチ」
                      
第84回
                       2007年11月30日
△------------------------------------------------------------------------

 さすがに野村の元重鎮のコメントは鋭いもの。
 日経「私の履歴書」には、ボルカーFRB議長を竹下さんに紹介したエピソードなども
 紹介されましたが・・・。
 今朝は、「アメッポン」の指摘。
 アメリカの軍事力に陰りが出れば、ペーパーマネーのドルの信認は低下。
 米国は原油・穀物などの実物資産を裏付けとする新しい通貨制度を考え出すのでは
 ないかと思う・・・とのコメント。
 日本だけで物事を考えることの無意味さが良く表現されていて含蓄があります。。
 もう一つ。
 最後には、ブラジルの港町サントスでの光景。
 「沈む夕日を瀬に奴隷の子孫の黒人が跪き、先祖の故郷アフリカに向かってお祈り
 する姿に感動した」。
 ふっと、かつて日興証券の経営者として天皇と呼ばれるほどに君臨した中山氏の退
 任の弁が甦りました。
 「灼熱の太陽から、静かな夕日のような気持ち」。
 どうも、証券界の人たちは、朝日ではなく、夕日が好きなようですね。
 生き馬の目を抜くといわれる世界だが、意外と心情はロマンチックなのかも知れませ
 ん。
 だから、外資に勝てないのかも知れませんが・・・。

 およそ浪漫とはほど遠い市場精通者のコメント。
 「来週は指数は停滞。しかし、売られ過ぎリバウンドは継続。
 テーマとすれば、消費者金融、メガバンク、不動産証券化関連の金融セクター。
 そして建設、不動産の建築基準見直しセクター。
 来週の上昇上位候補銘柄は不動産セクター、非鉄、金属、鉄鋼に続き、海運、半導
 体の市況関連セクターと見る」。
 夕日の美しさと現実の相場シナリオ、どちらが良いかといえば、シナリオの勝ちになろ
 うか。

 市場精通者からは「マーケットは『テーマ』では動いていない」との指摘。
 「良く見てみれば、動いた銘柄を集めてテーマ化しているが、テーマが先ではなく、
 大半は後付け。
 原発だって、原発ありきではなく、東芝の動きが原発に結びついただけ。
 その東芝はもともと原発で動いた訳ではなく、ポールソン米財務長官が来日して東証
 で西室氏と会談してから。
 そもそも株価は金利裁定とボラティリティで動いている。
 従って、これから市場関係者が喋りだすテーマは、意味がないといえばない。
 むしろ、来年のアメリカ経済のシナリオを読むほうがよほどためになる」。
 重要な視点となります。





2007年11月25日
              「4人目の登場人物」
                      
第83回
                       2007年11月22日
△------------------------------------------------------------------------

 「マーケットには通常3人の登場人物がいる」とは専門家氏。
 一人は、アビトラ(裁定)、一人はスペック(投機)、もう一人はヘッジ。
 結果的には、マーケットに与える影響は中立になるが、時間的ひずみが株価の変動
 となるというのが通説。
 ただ・・・。
 今回は正体不明の第4の人物が登場しているのではなかろうか、との指摘。
 これがマーケットの攪乱要因となっているとの観測。
 幽霊は正体が見えないから幽霊なんですが・・・。
 木曜の日経では店頭デリバティブの想定元本の合計は4京9300兆円。
 債券が5500兆円、株式が7200兆円と推定されるから、とめどなく大きい。
 逆に、そんなに規模があるのであれば、30兆円のサブプライム損などは小さいとも
 いえそうです。

 いずれにしても再びのネガマインドで日経平均は15000円割れ。
 それこそ「マーケットは飼葉がなければ育たない」ですが、もう水も飼葉も十分でしょ
 う。
 香港が悪い、上海が悪いと言ったところで、足元のマインドが弱ければ致し方なし。

 最近セミナーばかりの日々となってきました。
 先週末は信州・松本
 東京も木枯らしが吹いて寒いですが、更に強烈な寒さでした。
 やってきたことは、企業の社員向けファイナンスセミナー。
 来年から確定拠出年金制度を導入するということから「投資における自己責任・今後
 の資金運用・マーケットで起きていること」などで2時間。
 驚いたのは、質問が1時間。
 「どんな株が良いのか」
 「環境問題のこれからの影響」
 「原油はどこまで上がるのか」
 「これから有望な技術は?」
 などなど尽きることなく続いきまた。
 都合3時間、喋るほうも大変ですがが、聞く方も大変だったでしょう。
 でもFX取引を既にやっているエンジニア、株式を真剣に研究している女性などマーケ
 ットの裾野は広いことがよくわかりました。

 火曜日は麹町でセミナー。
 参加者の大半は女性で、しかもここ数年に株を始めた方ばかり。
 終了後の飲み会で出てきた話は「フォスター電機をMACDを基本にデイトレしている」
 とか「東芝を買いたい」とか・・・。
 従来型の株式投資家とは、やや違って、刻苦辛酸型ではなく、マーケットエンジョイ型
 の投資家であるように思えました。
 そして、多くの人がチャート重視型。
 ネット証券の情報提供の影響はやはり結構大きいものがあるみたいです。
 韓国・ムンバイ・上海など海外マーケットも当然ターゲット。
 「儲けたお金で絶対マーケットをこの目で見に行く」という声も聞かれました。
 新たな萌芽は着実に出始めている感。
 チャラついたファッション感覚でなく、地に足をつけた印象でした。





2007年11月18日
                「恩讐の彼方」
                      
第82回
                       2007年11月15日
△------------------------------------------------------------------------

 昨日の日経平均は大幅下落。
 15000円割れは1年4ヶ月ぶり。
 後場に売られたきっかけは109円台まで進んだ為替の円高傾向。
 その円高のきっかけは、官房長官の「日本経済が評価された円高」という発言でした。

 確かに、そうなのだが、場の雰囲気によっては格好の材料にされてしまいます。
 株式市場が大引けにかけてやや戻し基調になったのは、おそらく「給油法案」の可決
 が響いたと考えられます。
 安倍内閣辞任、小沢連立大構想など、このところの政局は「対米市場主義」。
 今週末の総理訪米のお土産にはなるのですが、それ以前に、世界マネーは株・為替
 で日本経済を揺さぶっているのではないでしょうか。
 「振り返れば、海部内閣からの課題」とは政界精通者。
 「湾岸戦争後の機雷掃海の任務を終え広島・呉に帰国をした掃海艇群をクエートの
 駐日大使は港に出迎えた。
 そして謝意を述べ、世界からも評価をされた。
 経済支援金の1000分の1の費用で我が国は汚名を返上した訳である。
 当時自民党幹事長だった小沢一郎氏は、こうした事態に強い懸念を持ち、日本も『普
 通の国』になるべしと提言し評価を高めた経緯がある」。
 要は単純にインド洋のガソリンススタンド経営の問題ではないということ。
 この問題が決着すれば、サブプライムも終息との観測も見られますが・・・。
 それにしても、まさに恩讐の彼方。

 久しく姿を見なかった元首相小泉氏がシンガポールに現われました。
 場面は、モルガンスタンレー主催の投資家向けセミナー。
 この情景を見ると「改革」が誰のための「改革」なのかが良く見えそうな気がします。

 野村や大和ではなく、モルガンとは・・・。
 結局5年半に及ぶ「構造改革」は「米国市場至上主義」が背景であったようです。
 この60年あまりに及ぶ「米国汚染」からはなかなか逃れられそうもありません。
 いつになったら「世界のキャッシュディスペンサー」と呼ばれなくなるだろうか・・
 ・とは元首相近辺の人の言

 ヘッジファンドと親しい友人からの話。
 浅草の酉の市にヘッジファンドのトレーダーと行ったら、派手な熊手を買ったそうです。

 そのココロは、「大きな熊(ベア)で儲けることは、11月末まで」。
 ベアを手仕舞い、もはや気分はクリスマスとも・・・。
 日本的に言えば「その後は餅つき相場」に期待していると言ったとも。
 引用された俳句は「春を待つ、事の始めや酉の市」(榎本其角)。
 来週末頃には決着する予定のヘッジファンドの決算対策が云々されますが、必ずし
 も売り戻しばかりではないことが窺えます。
 因みに、昨年は11月24日から年末大反騰が始まりましたが、記憶からは消えかか
 っているかも知れませんね。

 ===PR===
 そしあす証券で無料株式セミナーをします。

 ★11月28日(水)横浜・日石ビル14時30分〜
 第1部「ランドコムの成長戦略について」
 ランドコム代表取締役社長 青木俊実氏
 第2部「櫻井英明の株式透視論
 〜2008年の中核テーマと主役銘柄」
 ↓
 http://www.socius-sec.com/campaign_new/imgs/yokohama20071128.pdf

 ★12月6日(木)浦和・ワシントンホテル3F
 「櫻井英明の株式透視論〜年末年始の投資シナリオ」
 ↓
 http://www.socius-sec.com/campaign_new/imgs/urawa20071206.pdf

 ===今後の予定です

 11月20日(火)19時マネーアドバイスセンター株式セミナー
 ↓
 http://www.m-a-c.bz/modules/eguide/event.php?eid=3

 11月27日(火)18時かざか証券・兜町本店株式セミナー
 ↓
 http://net.sec.kazaka.jp/eigyouten/seminar/evening.html

 12月1日(土)かざか証券札幌株式セミナー
 ↓
 http://net.sec.kazaka.jp/eigyouten/seminar/071201.html

 12月12日(水)マネックス証券ネットセミナー
 ↓
 https://seminar.monex.co.jp/public/

 12月14日(金)株式新聞セミナー通訳
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/investinfo/kshp102-01.jspx

 12月15日(土)株式新聞福岡株式セミナー
 ↓
 http://ir.kabushiki.co.jp/personal/index.html





2007年11月11日
                  「歴 史」
                      
第81回
                       2007年11月09日
△------------------------------------------------------------------------

 11月8日まで東京市場は5日続落で日経平均16000円割れ。
 5日間の下げ幅は1200円。
 8月安値から10月高値までの上昇幅2226円の半分が帳消しになりました。
 しかも時価総額も500兆円割れ。
 市場では「陰の極」の声も聞かれますが、さて・・・。

 ある専門家氏の指摘。

 8月の値下がり上位銘柄は、10月反騰の際の値上がり上位となった。
 例えば、大平金(5541)は39%下落→42%上昇→32%下落。
 同様にパシフィック(8902)は40%下落→50%上昇→26%下落。
 住金(5405)は28%下落→27%上昇→25%下落。
 三菱マ(5711)は25%下落→33%上昇→19%下落。
 要は、やはり「ボラティリティ」が重要ということですね。
 歴史は繰り返すに違いありません。

 その歴史。
 日経「私の履歴書」での野村・大田淵氏の述懐。
 「『桐一葉、落ちて天下の秋を知る』という見出しでスターリン暴落を予言した株式新聞
 のコラムに感心した。
 ・・・株式新聞を速達で取り寄せてボロボロになるまで読んだ」。
 コラムの書き手は「独眼流」のペンネームの立花証券創設者の石井久氏。
 証券界では伝説的な話であるが、「ボロボロになるまで」という歴史に感銘しました。


 ===PR===
 そしあす証券で無料株式セミナーをします。

 ★11月28日(水)横浜・日石ビル14時30分〜
 第1部「ランドコムの成長戦略について」
 ランドコム代表取締役社長 青木俊実氏
 第2部「櫻井英明の株式透視論
 〜2008年の中核テーマと主役銘柄」
 ↓
 http://www.socius-sec.com/campaign_new/imgs/yokohama20071128.pdf

 ★12月6日(木)浦和・ワシントンホテル3F
 「櫻井英明の株式透視論〜年末年始の投資シナリオ」
 ↓
 http://www.socius-sec.com/campaign_new/imgs/urawa20071206.pdf





2007年11月04日
                  「いい月」
                      
第80回
                       2007年11月02日
△------------------------------------------------------------------------

 日経朝刊では「トヨタが超える」のコラム。
 サブタイトルは「異端取り込み限界突破」。
 考えていることは「子供でも運転できる絶対ぶつからない自動車」。
 あるいは「任天堂ならどんな車を作るだろう」。
 トヨタ発祥の地である産業振興記念館内に100年先を考える「コンポン研究所」を擁
 する
 同社ならではの発想です。
 ある先輩はこう指摘しました。
 「トヨタは、普通の主婦でも運転できるクルマつくりを目指した。逆に日産は、セミプロ
 ドライバー好みの3連メーターなどで専門的マニアックなクルマつくりを目指した。
 結果はトヨタの勝ち」。
 「誰もが、当たり前に、やさしく正しく理解できるコンセプト」。
 これは証券市場にも通じこととなってきます。

 日経朝刊「私の履歴書」は明日から野村証券元会長の田淵氏が登場。
 信越、ダイキン、ニコン、島津など過去の銘柄群のパフォーマンスが脳裏に浮かび
 ます。

 因みに今年芳しくない動きなのはセブンイレブンだけ。
 来月の「私の履歴書」は証券界、そしてマーケットにとって追い風となりそうな気配。


 ただ・・・。
 出鼻を挫かれたようなNY安。
 下げ幅は今年4番目となった。
 理由はカナダの大手金融機関によるシティ及びBOAの投資評価引き下げ。
 突然、カナダが材料になるあたり、どことなく作為的な姿勢が感じられてなりません。

 しかも「シティとエクソンとアメックスがNYの下げ幅の半分」とは専門家の指摘。
 「大変だ」と騒ぎ立てるマスコミや市場関係者の対極の態度でした。
 となると・・・。
 おそらく調整弁は今夜の雇用統計となるに違いないと見るんですだが・・・。


 11月17日にメイテックさんのセミナーで松本へ行く予定。
 土曜日なので、翌日松本でゴルフをして戻ろうとしたら、全部満杯。
 高地なので、もう寒くガラガラかと考えていたら、完全に思い違い。
 間が悪いことというよりは、地方は疲弊し、シャッター通りが増加中とはいうものの本
 当に?という気がしてくる。

 因みに・・・。
 今月も結構セミナーが多いです。

  3日(土)明治物産さんセミナー(水天宮前・TCAT)
  9日(金)株式新聞有料セミナー「遠ちゃん」の通訳(築地)
 13日(火)マネックス証券ネットセミナー
 14日(水)かざか証券株町辻説法(かざか証券本店)
 20日(火)マネーアドバイスセンターセミナー(半蔵門レポール麹町)
 27日(火)かざか証券株町辻説法(かざか証券本店)
 28日(水)そしあす証券横浜支店セミナー(日石横浜ビル)

 良い週末を・・・。





2007年10月28日
                  「変 化」
                      
第79回
                       2007年10月26日
△------------------------------------------------------------------------

 10月23日付株式新聞1面トップは「太陽日酸」。
 銘柄は別にして、これを見たある専門家氏は「チャートにそっくり」とのコメント。
 その意味は、「中国工業向け産業ガスの独占ガス供給」を材料として掲載された中国
 ・大連長興島の地図と同社の株価チャートがそっくりに見えること。
 確かに二番底をつけた長期上昇は瓜二つ。
 株式新聞の読者は多いが、そんな見方には初めてお目にかかりました。
 もっとも、この専門家氏。
 「日本海側から見た南アルプスの稜線は日経平均のチャートに似ている」との持論も
 あり、特殊例なんでしょうが・・・。

 今週は夕刻からセミナーばかり。
 火曜日はネット証券で「信用取引活用法」の手伝い。
 申し込みは1500人。
 水曜日は半蔵門で「ホントの新聞の読み方」という」テーマでセミナー。
 驚いたのは、出席者の大半が20〜40代の女性であったこと。
 従来、セミナーというと、比較的高齢者の出席が多かったので、女性ばかりは初めて
 遭遇。
 それにしても、新たな投資家層が芽生えてきたように思えます。
 日本の市場も捨てたものではないと痛感しました。
 因みに次回は11月20日の予定。
 ↓
 http://www.m-a-c.bz/modules/eguide/event.php?eid=3

 そういえば・・・。
 「外人は売り」についての市場関係者の見方。
 「外人の日本株離れが起きているなら裁定残高の増加が説明できない」と。
 ここを指摘する専門家はいないだけに正鵠。
 市場では比較的誤謬が正統とされることが多く、正論は異端と見られますが、誰が考
 えてもコレは正しい指摘に思えます。
 FOMCの利下げをようやく織り込んだマーケットはそろそろ反騰と見ていますが・・・。






2007年10月21日
             「ブラックマンデー通過」
                      
第78回
                       2007年10月19日
△------------------------------------------------------------------------

 マーケットはNYへ習えの状態。
 200日移動平均線からの上方カイ離が10%に近づいたNY。
 200日移動平均線をようやく上回った東京。
 近視眼的には海の向うもこちらもキーワードは「買い疲れ」。
 ただ、月末のFOMCを睨めば、展望は暗くないハズ。
 NYはFOMCまで堅調なら利下げ見送り、軟調なら利下げサプライズで上昇シナリオ。
 どちらに転んでも痛くはないハズ。

 それにしても真相を見ることが出来ないマーケット。
 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」はまだ通じそうです。
 海外動向が売り材料にされる歴史もまだ変わりません。
 2月の上海発世界同時株安は、結局サブプライムショックの前触れだったことは記憶
 に新しいところ。
 今度はインド発アジア株安や喧伝されるがこれも違います。
 挙句の果てには「ヘッジファンドがヘッジのため空売りを行い米国市場ADRが売られ
 た。
 しかし、SEBI(インド証券取引委員会)の意図は悪いものではなく、外国人の投資を
 避けさせようとするつもりではない。
 その場合ADRに魅力的な投資機会があるだろう」との見解も・・・。
 ただでは転ばないのがNYとも言えそうです。

 市場関係者や株式評論家は相変わらず「累積売買代金の重さ」や一目均衡表の壁を
 指摘します。
 累積売買代金とはいえ「買ったままでずっと待ったまま」の発想が変えられないみたい
 ですね。
 一目均衡表の雲も設定を変えれば変化します。
 マーケットの進化に追随できていないのは、多分市場関係者でしょう。

 日経の1面トップでは「キリンが協和発酵買収」の見出し。
 ブラックマンデーである10月19日にもしマーケット展開が弱ければ、このニュースを
 下支えにしようとしたとも考えられます。
 あるいは公「的年金の運用に新たに中小型株特化型が加わる」の報。
 しかも得意の中長期保有のスタンス。
 金額にしてわずか1000億円程度に過ぎませんが、これは少しだけビッグニュース。
 「年金運用の大型株偏重を見直す」ということは、運用会社も大型株でお茶を濁すこ
 とは出来なくなります。
 そして、「市場全体が値下がりしたからパフォーマンスが悪かった」という言い訳が通
 用しなくなります
 加えれば・・・。
 このニュースも今日でなければならなかった必然性を感じます。
 相場環境が悪ければ、見出しの活字はもっと大きかったに違いありません。

 日経平均はほぼ下値に到達。
 下値固めがスタートし反騰体勢の可能性は高いでしょう。
 来週初からは、月末FOMCでの連続利下げ期待の上昇が開始してくると見ています
 が・・・。





2007年10月07日
                「見事な演出」
                      
第77回
                       2007年10月05日
△------------------------------------------------------------------------

 米シティグループは日興コーディアルグループを買収すると発表しました。
 「虎視眈々」はいよいよ1550兆円の個人金融資産を目がけて牙を剥き出したという
 イメージ。
 しかも、サブプライムローンによる業績低下を発表し禊を済ませた上での上陸作戦。
 足掛け9年に及ぶ準備期間でしたから用意周到。
 民営化したばかりの日本郵政公社にとっても手強い競争相手となってきそうです。
 見事なばかりの演出。
 日興は来年1月に上場廃止となり、シティは年内にも東証上場予定。
 日興株はシティ株日本初の株式交換が行われることになります。
 割り当て価格は1700円とされており、今後シティ株の動きとのアビトラ(裁定取引)
 のターゲットともなるに違いありません。
 しかも・・・。
 ドルベースで相場を考えるには格好の教材ですね。

 10月5日付け株式新聞のコラム「攻防テクニカル」。
 赤間論説委員は「デノミ覚めるか、30年の眠り」。
 「ひょっとしたら、福田内閣はお化けの永い眠りを覚ますかもしれない」とコメント。

 福田パパ元総理は1977年8月に「デノミ発言」をしており、DNAとしてはありそうな
 話。
 デノミは単純な通貨単位呼称の変更ですが影響は大きいです。
 当時は、紙・パ、印刷、インクが急騰したというのが歴史。
 確かに、このところ紙も印刷もインクも意外と堅調。
 歴史は重要です。

 時として記憶は行動の阻害要因。
 10月にあったことは1982年のブラックマンデー。
 あの記憶がそれこそ甦り、どうも投資心理を不安定にするものです。
 日経平均は17000円台になってきた、でも・・・。
 ドルベースの日経平均は200日移動平均線にタッチした、でも・・・。
 日本企業の業績は好調、でも・・・。
 「でも」は記憶の裏返。

 記憶といえば、市場関係者は、都合の良いことは覚えており都合の悪いことは忘れ
 てしまう傾向が多い。
 ある評論家氏は「9月20日から買い指示を出した」と発言。
 氏は9月20日には「特に東京株式市場は世界で最も悪い形になっているので、なお
 さら注意が必要だ。
 目先はともかく、中長期的には大勢戻り売りという厳しい見方を変えていない」と発言。

 この「目先はともかく」が「買い転換」というのは凄いですね。

 「荒れる10月」は上にも下にも・・・。
 指数で物を論じれば、200日移動平均17290を超えてからが本格的秋相場と見て
 います。





2007年09月30日
                  「渦巻き」
                      
第76回
                       2007年09月28日
△------------------------------------------------------------------------

 「ここは金融株をとりあえず買って、急騰による反動安を待って追撃買いすることが望
 まれます」とは市場関係者のコメント。
 これは証券マンにしても、評論家にしても最低のコメント。
 そして、多くの市場関係者が犯す最悪の投資判断でもあります。
 まず「とりあえず買う」。
 銘柄を保有して株価に付くことは必要ですが、株は「とりあえず」買うものではありませ
 ん。
 投資家軽視も甚だしいもの
 自分でリスクを追わないから、こんな言い方が出来るとしか考えられません。
 そして、「急騰による反動安」。
 明らかに断定的判断の提供。
 きっとこの市場関係者は「金取法」はいざ知らず、「証取法」すら見たことがないに違い
 ありません。
 しかも「反動安」は滅多にリバウインドには結びつかないもの。
 「下げてから」は買いやすいですが、儲かるケースは少ないというのがマーケットの鉄
 則。
 そしてナンピンに向かえば、いずれ資金ショートでナンピンも続かなくなります。
 値ぼれして買いやすい銘柄に明日は少ないことを理解していないコメントとなります。
 こういうコメントを出す市場関係者が存在するから、マーケットは投資家からも外国人
 からもバカにされることになるのかも知れません。

 金融商品取引法施行の裏側で、悪質投資家に対する追求も出始めました。
 仮装売買や馴れ合い売買などで株価吊り上げを狙った投資顧問会社役員や生保社
 員などが逮捕。
 海外では貸し株を利用した相場操縦の容疑で証券会社員が逮捕され、国内でもOH
 T株の鉄砲商いでSECが動き始めました。
 「不正取引」「マネロン」「貸し株による売り浴びせ」などは許さないという日米共同歩
 調は、同時に日米同時株高の一部の背景でしょう。
 昨日の新興市場の大幅高の原因とも考えられる。
 市場関係者のコメントは「小型株を売り建てていたヘッジファンドの買戻しでの上昇」。
 その背景は貸し株に対する取り締まり強化であることには触れられていないのが残念。
 専門家氏は「様々な解説が加えられるが、『外資による貸し株利用の売りタタキ』が蔭
 を潜めたことだけはゆるぎない歴然とした事実。
 急速な見直しは必至。
 世界一の最悪パフォーマンスだけに、真空地帯を売り惜しみ、買い煽りでの急伸は必
 然となろうか」とコメント。
 事実はなかなか報道されないものである。

 先日、日本ユニコムさんのディーリングルームで見たのは、穀物相場の板・手口。
 板寄せ約定のセリは昔の特定銘柄と同じで大変懐かしい思い。
 しかも・・・。
 株式市場ではMM銘柄意外では見られない即時の手口。
 担当ディラーさんの職人芸のような売買発声も聞かれ、これは「やはり相場」の感。
 外資の強い要求で東証からは手口が消えたが、どう考えても復活するべき。
 そうすれば臨場感が高まるし、推理する楽しみが増加するハズ。
 無機質なアルゴ売買では市場人気は衰退してしまいます。
 投資の主体は人間であり、その決定要因は心理であることをもう一度思い出すべき
 だと思います。





2007年09月23日
                 「まだ暑い」
                      
第75回
                       2007年09月21日
△------------------------------------------------------------------------

 オイルマネーは踊っているようです。。
 対日投資が過去最高水準になったのは欧米マネーばかりではないのでしょう。
 そして日経では「産油国上陸」の見出し。
 紹介されているのはUAEのハリファ首相の「日本は値段が高い時も安い時も変わら
 ず原油を買ってくれた」という謝辞。
 そして、サウジの石油会社社長氏の「対日原油輸出量でUAEを抜き、やっとトップに
 なれた」の言。
 産油国も大変、消費国も大変ということですね
 起きているのは、その原油を使ってインド洋でガソリンスタンドを営み、有り余る郵貯
 マネーを筆頭に1500兆円の個人マネーが世界へ出ているということ。
 「灯台もと暗し」と「隣の芝生」が払拭されれば、東京市場は元気になる筈なんですが
 ・・・。

 週末にドル円が一時114円台。
 理由は、米FRBの大幅利下げとのコメント。
 これは変でした。。
 18日に発表された利下げが20日になって効いて来るとは考えられません。
 時にマーケットは不可解な動きをするもの。
 もしも先物主導での下落があれば、その後にあるのが先週から経験したような急騰と
 見ても不自然ではありません。
 下げなければ上がられない悲しさは依然存在しているということ。
 いずれ解消には向かうんでしょうが・・・。
 115円割れは株安傾向、116〜117円水準は株高傾向のシナリオでしょうね。
 恐らく為替が呼び水効果を発揮するに違いありません。

 アメリカでは証券会社の社員が貸し株に絡んだ不正取引の容疑で逮捕されたの報。
 国内でも貸し株関係や売り浴びせについては、さまざまな見方がありますが、海の
 彼方ではリベート疑惑も発生。
 投資家は自己責任を求められている以上、ブローカーやディーラーには厳格な立
 場が求められるの自明の利。
 だからこそ、ディーラーポジションを持った会社はアナリストレポートなど出すべきで
 はないという論理にもなります。
 「空売り市場の拡大に伴う副産物」との声も聞かれます。
 今回はアメリカのクシャミが日本に伝染して欲しいところ。

 話は変わりますが、この数日間、首都圏の電車は人身事故がかなり多くなっていま
 す。
 金曜午前中は東京メトロ千代田線と東武線。
 理由の如何は数多いのでしょうが、こう毎日続くと日本経済の先行きも心配。
 口さがない向きは「鉄道事故の多発は、相場底打ちのサイン」とも語りますが・・・。
 あまり見たくないサインです。
 ただし「今日の市場が甘くとも連休明けには期待感」とも・・・。

 土曜の午後は静岡まで遠征して株式セミナー。
 日曜は丹沢でゴルフ。
 ようやく酷暑の最後となってきそうです。
 良い3連休を・・・。





2007年09月16日
                  「辞 任」
                      
第74回
                       2007年09月14日
△------------------------------------------------------------------------

 伏線は12日日経2面の「寸言」。
 ランチタイムに何気なく眺めていたら「いや、大丈夫ですよ。でもチョッと風邪を引きま
 した。
 (首相が、予定より早く執務を切り上げ、そのまま公邸に引き上げたことで)」の記事。
 確かに、17時25分に公邸に向かっている。
 その後に何があったのかは藪の中ですが、後場寄り近辺に「辞任」の報。
 最初がロイター電、次がラジオNIKKEIの増井アナ。
 1時のNHKニュースからは特別報道体制となりました。
 所信表明演説で「洞爺湖サミット」を忘れたのは覚悟の行動だったとも見えます。

 株価は瞬間100円ほど上昇してからは少しだけマイナス展開。
 消化不良状態と言うか、無関心というか・・・。
 安倍政権の不人気が株安につながっているるとのアナリスト予測は多かったですが、
 さてというところ。
 基本的には、構造改革路線の負け。
 だったら逆のバラマキ路線に期待するしかないとの声も・・・。
 「初日をすっぽかす朝青龍と一緒じゃないか」との声も聞かれます。

 週末にかけてポスト安倍の動きが加速。
 麻生氏に加え福田氏も事実上の出馬表明。
 これで本筋となってきました。
 古賀派、山崎派、谷垣派も支持の方向とされ、一気に流れは傾いてきた感。
 昨年総裁選の不出馬は、今日を想定していたとしか考えられません。
 麻生氏の連想から漫画やネット関連銘柄の乱舞を見て、「市場レベルの低さ」を揶揄
 する声も聞かれます。
 そういえば、福田氏は石油会社の出身。
 80ドル台に突入した原油価格とは無縁とは思われますが・・・。
 因みに関連銘柄はコスモ石(5007)、イビデン(4062)とも。

 3ヶ月に一度のマーケット祭りであるメジャーSQも通過。
 米国ではSQを、魔女(Witch)の仕業にたとえWitching(ウィッチング)とも呼ぶそうで
 す。
 そのココロは「魔女のように魅力もあり、悪智恵が働いた波乱になる」という意味。
 いずれにしても通過することで、余計なファクターは一つ消えました。
 秋の気配ではなく、残暑感も漂いますが・・・。

 3連休は新宿のマザーズ企業へ社長取材。
 そして久々に飯倉・野田岩。
 合間は北方謙三の「水滸伝」三昧となりそうな気配。
 良い週末を・・・。





2007年09月09日
                  「韜 晦」
                      
第73回
                       2007年09月7日
△------------------------------------------------------------------------

 あるHPで市場関係者の文章を見ていて、どうも引っ掛かりました。
 何が言いたいのかほとんど理解出来ません。
 筆者の理解力の薄さのなせる業かも知れませんが、何度見ても分かりません。
 それは以下のような論旨。

 大勢売りと見ているが何とか落ち着きを取戻した。
 ↓
 大きな上昇トレンドに復帰はしていない。
 ↓
 FOMCの利下げ観測にマーケットは期待しているので空売りをするわけにはいかない
 ↓
 TOPIXも為替も明らかに大きな変化をした
 ↓
 相場は実態経済や企業業績などの目に見える変化よりも先に変化点を迎える
 ↓
 9月は国内中間決算、10月中国人民大会、11月はヘッジファンドの決算
 まだまだ気は抜けない
 ↓
 カラ売り水準ではないが、買いは日計り限定
 今しばらくは目先的な戻り局面継続を利用して買いで儲けよう
 ↓
 決して油断は出来ない

 これは強気なのか、弱気なのかが分かりません。
 「空売りは勧めない。買いは日計り狙いだが油断はできない」。
 となると・・・。
 何もするなということになるのでしょうか。

 おそらく、先行き下がれば「油断は出来ないと言ったように、その通りになった」のコメ
 ント。
 逆に上がれば「空売りではなく、買いで儲けようと言ったように、その通りになった」の
 コメント。
 どちらに転んでも正当化される筋書きに見えて仕方がありません。
 要は結論はないということなのでしょうか

 毎週ヒアリングしているある市場関係者も「お勧めするわけではありませんが」
 と常に免罪符。
 ただしそのとおりになれば、「先週申し上げたように・・・」。
 こういうケースは結構多いです。
 むしろ・・・。
 しばしば推奨銘柄が大幅下落して「ワシも会社側に騙されましたんや」とコメントする
 評論家の方が素直に見えて来ます。
 もっとも、だからこそ外国人がホクホク顔で市場を蹂躙できるとも言えますが・
 ・・。

 先週の下げの原因は「日証金」との指摘。
 SECは品貸し料の不当なつり上げを指摘して同社に検査に入っているとの報。
 この動きが下げの原因と指摘する向きもある。
 もっとも、日証金は日銀と近親関係。
 「もっと儲けろ」との方向があったかどうかは別にして、かつての大株主が村上
 ファンドであったことを考えると、不思議な因縁。
 日立造船がCB発行を嫌気して売られましたが、こちらも大株主は日証金。
 売り一巡後は反発シナリオと考えています。





2007年09月02日
                「どちら・・・」
                      
第72回
                       2007年08月30日
△------------------------------------------------------------------------

 日経調査によると、国土交通省が全国で建設中のダム149件の建設費は約9兆円と
 見積もりの1.4倍に膨らんだそうです。
 大半の理由は工期の遅延。
 例えば、奈良県大滝ダムは、1977年完成予定でしたが、今のところ完成予定は20
 12年。
 あるいは2000年完成予定の群馬県八ツ場ダムは2010年度へずれ込み。
 今に始まったことではないようです。
 ただ、もしも遅延した期間に予算を単純に預金していただけでも元利合計は優に3倍
 を超えるハズ。
 目くじらを立てるほどでもないでしょう、との声も聞こえます。
 おそらく構造改革系の景気刺激抑制策なのでしょうが・・・。
 ただし経済学の歴史は、米フーバー・ダムに見るように大型建設案件が景気浮揚に
 結びつくことを記録しています。
 でも・・・。
 ここが理解されません。
 因みに、9兆円という金額。
 日本が1年間に輸入する原油の金額とほぼ一致(2005年度)。
 そして年間税収の約2割。
 ダム建設費は過去何十年の蓄積ですが、大きいと見るかその程度と見るか。
 意見の分けれるところ。

 ところで・・・。
 石油は化石から生まれると習った記憶があります。
 これは有機由来説。
 古代の動物や微生物の上に地層が積み重なった重さと地球の中心のマントルの高温
 の影響で石油が生成されるというもの。
 この立場だと石油は有限。
 いずれ枯渇するというが常識となりまする。
 だからこその代替エネルギーなのでしょう。
 でも最近では石油無機由来説も出てきました。
 「それゆけ石油探検隊」というサイトに詳説してありますが・・・・。
 この説は旧ソ連の学者などが唱えていましたが、2003年にトーマス・ゴールド氏が
 論文を書いてから脚光を浴び始めたそうです。
 それは「惑星内部の炭化水素が高圧・高温を受けて変質して石油が生まれる」という
 もの。
 となると、石油は無尽蔵ということになる。
 確かに枯渇したノルウェーの油田が復活したことなどを見ると、あながち荒唐無稽で
 もなくなってきます。
 さてどちらが正しいのでしょう。

 それに・・・。
 地球温暖化という割には、凍死する人がいたり、水不足という割にはどこで水不足な
 のかはっきりしないし、電力不足の割には日本では停電はないし・・・。
 良く分からないことが多いですし、良く分からないことがテーマになるのがマーケット
 でもありますね。
 ただ・・・。
 最近良く分かるのは翌日の株価動向の読み方。
 先物とトヨタ、円相場の朝8時55分と後場2時55分、3時10分(先物)を見れば判ると
 の分析。
 引けで「為替円安傾向、トヨタ上昇傾向、先物上昇傾向」とくれば「今夜NY上昇、明日
 は東京上昇」となるハズという公式。
 確かに商いの7割以上が寄り引けに集中している相場では有効に見えてきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 週末は札幌と東京穀物取引所で株式セミナー。
 来週9月6日は、そしあす証券さんの60周年記念セミナー。
 ↓
 http://www.socius-sec.com/campaign_new/
 
 9月21日(金)東京証券会館・株式新聞主催有料セミナー
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/investinfo/kshp102-02.jspx?sub=070921
 
 9月22日(土)静岡・かざか証券主催株式セミナー
 ↓
 http://sec.kazaka.jp/





2007年08月26日
              「始まりの終わり?」
                      
第71回
                       2007年08月24日
△------------------------------------------------------------------------

 ようやく出てきた格付け会社規制論。
 サブプライムローン問題を端緒としたリスク評価が不適切というのが理由。
 本来は、焦げ付きの懸念があるにもかかわらず当初の格付けが甘かったケースもあ
 るとの見解。
 今のところは海外での動きだが、いずれ国内でも論議されることになりそうです。
 それにしても、「ようやく」。
 遥か昔に山一證券を倒産に導いたのは、相次ぐ格下げだったことが甦ります。
 民間機関の格付けが企業の生殺与奪を握っていいものかどうかは、論議されないま
 ま来たのが歴史。
 縦横無尽に世界の企業を勝手に格付けしてきたトガメはサブプライム問題の責任な
 すりつけとはいえ、ようやく訪れそうです。

 今回のサブプライムショックの直接のきっかけは8月7日のフランス・銀行最大手BN
 Pパリバによる3本のファンドの解約停止。
 今回、同社は資産価値の算定を来週開始する方針を明らかにしました。
 因みに、解約停止以来の資産価値の低下は2−5%だそうです
 それだけ?と結構意外感を伴った数字。
 外資ではリーマンが日経先物の買い主役。
 こちらはヘッジファンドの買い戻し観測。
 SQに向けての戦い継続というところ。
 裁定買い残が2兆6000億円台とスカスカとなったのですから、買戻しは当然とも。
 さて、ココからですが・・・。
 昨年8月末の日経平均は16140円。
 ココが当面の下値の分水嶺。
 一方200日移動平均線は17276円。
 これ以下は依然売られ過ぎと考えられます。
 結論としては、基本は反騰継続ながらの乱高下と見ています。

 不思議な書き方だったのが先日の日経株式欄の場況。
 「大引け直後に夏の高校野球の決勝戦で佐賀北が逆転満塁本塁打を放ち、円相場
 も1ドル114円台後半に振れた」。
 佐賀北が勝つとノックインになるようなオプションが組まれてでもいたのでしょうか。
 為替相場と高校野球に連関性はないと思われるが、不思議な記載。
 これではクオリティは感じられないし海外勢から愚弄される市場の一因ともなってく
 るのでしょう。

 面白かったは、ある225先物専門の評論家。
 ある記者が取材に行く前に「日経平均の算出法を知っているかどうか聞いてごらん」
 と言ってみたところ・・・。
 戻ってきたら「知りませんでした。
 225銘柄の株価を足して、225で割ると日経平均になると言われました」とのこと。
 それでは絶対16000円前後にならず、日経平均は38万円程度になる筈。
 何のために日経新聞に序数が毎日載っているのかというところ。
 それにしても・・・。
 225先物の評論家は日経平均の計算方法を知らくとも存在できるから不思議です。
 もっとも・・・。
 1949年にスタートしたときは227銘柄だったということは知らなくても良いですが・・・。
 日経平均の算出方法を知らない市場関係者は意外と多そいんでしょうか。

 週末は東京ドームの都市対抗と酷暑予想の丹沢で連荘のゴルフ。
 良い週末を・・・。





2007年08月19日
                 「モタモタ」
                      
第70回
                       2007年08月17日
△------------------------------------------------------------------------

 サブプライムに関しての専門家の指摘。
 「近年4倍化した石油代金や膨れ上がった円キャリー資金が金融混乱の根源。
 その象徴は絶対金利ともいえる5.25%を超えた米国債利回り70ドルを超えた原油の
 高騰、そしてNYダウの14000ドル。
 どれもが『期待インフレバブル』の代表格であり、明らかに歴然とし過ぎた。
 そうなると、バブル潰しが行われるのは当然の成り行きでもある。
 ・・・口実とされたサブプライムは2月の処理で事態は実は収束済み。
 7月10日の格付け機関ムーディーズ、S&Pによるサブプライム債券紙くず化決定は
 米債、NYダウ、原油に照準を合わせたバブル潰しに過ぎない」。
 これが現実でしょうが、心理的には、それこそ「久しぶりの萎縮」ですね。

 統計や経済指標はあくまでも「いい加減」なもの。
 GDPが11%も狂うのが中国。
 誤差脱漏が実態を凌駕しているのがアメリカ。
 IMFやOECDに至っては作為的指標形成の感もあります。
 重要なのは、マネーを動かす心理を読むということ。
 極論すれば「誰が儲かりますか」で物事を判断することが重要ですね。

 これでもかという感じで株安・円高の活字。
 国内記事も欧米記事もアジア記事もほとんどが競うように「株安」の字。
 確かに世界的信用不安・株安であるから当然ですが・・・。
 当たり前のことはニュースでないということから考えると、株の大幅下落はニュース。
 ただ、新聞はあくまでも1日遅れのことしか書いていません。
 そして、明日の見出しは今日が終わらなければ見えません
 ただ、最悪期を通過中にはワイドショーまでが、悪材料を詳細に流すのもまた現実。

 ある意味でいかがわしいのは罫線だけを語る人たち。
 「ココを上に抜けるが下に放れるかが正念場」。
 「半値戻しをしたから全値戻し」。
 結論は提示されず自己責任原則に則ってあなた任せ。
 すべてがチャート通りに進めば苦労はしないもの。
 滅多にないから「教科書みたいなチャート」と表現するのかも知れません。
 そして・・・。
 狡猾なのは「ダマシ」の一言。
 加えて、どちらとも解釈できる分析。
 結果的に「間違う」ことは滅多にありませんない。
 しかも毎週のように変化日が存在すれば、どこかで変化するのは当然とも言えます。

 とはいえ、お盆も完了。
 そういえば、奇問逃甲の師匠は「8月はモタモタ。9月は上昇」といっていました。
 8月のモタモタはその通りになりましたから、今度は9月の期待感が芽生えてきますが
 ・・・。
 9月は2日新甫で13日の金曜日ですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・PR
 今後のセミナー予定です。
 場所とお時間が合えば

 8月31日(金)札幌・すみれホテル・株式新聞主催株式講演会
 ↓
 http://ir.kabushiki.co.jp/personal/detail/070831_s/index.html

 9月1日(土)東京・穀物取商品引所・明治物産主催株式講演会
 ↓
 http://www.meijibussan.co.jp/55seminar/index.html

 9月6日(木)14時東京証券会館・株式新聞主催講演会

 9月6日(木)17時QUICK大会議室・そしあす証券60周年記念セミナー
 ↓
 http://www.socius-sec.com/campaign_new/

 9月21日(金)東京証券会館・株式新聞主催有料セミナー

 9月22日(土)静岡・かざか証券主催株式セミナー





2007年08月05日
               「19656.80円」
                      
第69回
                       2007年08月02日
△------------------------------------------------------------------------

 イベント参院選挙は終了しました。
 関東地方は雷雨だったのですが選挙には行ってきました。
 結果は与党の惨敗。
 それにしても・・・。
 民主党小沢氏の巧妙な勝利でした。
 TVなどで見た農村部での演説は絶品。
 かつての小泉郵政選挙以上の参謀がいたに違いありません。
 小泉・安倍路線の対極が今後の日本に来ると考えると・・・。
 地方復権が浮かび上がってきます。
 それも・・・。
 トヨタ、キャノンなどのしばらく潤った日本経済代表企業群からの反対給付。
 格差是正はここにも現われてくるのでしょうね。
 すると東北や四国での工場新設などが視野に入ってきます。。
 そして「食の安全」をテーマとした農業振興。
 この国は、これから面白くなりそうになってきました。

 そして・・・。
 路線価は上昇。
 全国平均は8.6%の上昇幅で、2年連続は地価回復を再確認させてくれた格好。
 個別では東京・表参道や大阪・御堂筋などでの上昇率が40%超となり目立ってい
 ます。
 また北海道・宮城・福岡など地方中核都市への波及も出始めました。
 もともと不動産鑑定士などが鉛筆を舐めたように出てくる数字とも言われますが、ト
 レンドは上昇傾向であることは間違いありません。
 天気も東京は梅雨明け。
 明るくないのはマーケットだけということにもなりかねません。

 ラジオNIKKEIが行った「みんなで予想!日経平均」の結果。
 年末の日経平均は「19656.80円」との見通し。
 全体の44%が19000円〜20000円のレンジでの回答。
 不思議なことに、易学の見通しとも一致しました。
 だとすると・・・。
 8月はモタモタ。
 9月上昇のシナリオも生きてきそうです。





2007年07月29日
                  「花 火」
                      
第68回
                       2007年07月27日
△------------------------------------------------------------------------

 大手証券は日興を除き増益基調となりました。
 背景は投信の販売が好調だったこと。
 証券会社が株を利益の源泉としなくなってから久しく時間が経ちました。
 ですから彼らの収益源は以前から「投信と保険」。
 投信が売れれば利益が出る体質となっています。
 市場に左右されない経営という観点からは間違っていない路線です。

 ただ、良く考えてみると、証券経営に必要なのは、やはり「相場観」であることは否め
 ません。
 円高に進むときに外国投信・外国債券を販売しても顧客離れを招くだけ。
 金利の上昇局面で債券を販売しても、顧客に迷惑をかけるだけ。

 証券会社の多くは、相場師出身の経営者によって創設され拡大してきました。
 ただ、最近では相場を語る経営者は少ないようです。
 逆に「分散投資、長期投資」などのお題目は増加。
 顧客ニーズは確かに資金運用ですから、これも間違ってはいないのかも知れません。

 でも、相場を相手のビジネスモデルである以上、株が下がりそうな時は「売り」。
 円高になりそうな時は「売り」。
 そういう主張は必要ではないでしょうか。
 ただ、金融商品を取り扱うだけならば、社会的存在価値は薄いようにも思えます。
 そして・・・。
 相場観を語らない証券会社には一抹の不安を感じてなりません。

 市場は大きなネガモード。
 でも・・・。
 「変化はチャンス」。
 テクニカル指標は全て売られ過ぎ。
 ファンダメンタルからも売り込み過ぎ。
 NY株安の影響は受けるでしょう。
 でも200日移動平均線は17265ポイント近辺。
 これは下値抵抗地帯。
 基本は昨年高値(17563ポイント)が維持されるのではないでしょうか。
 「2月27日の再現」の声も聞かれる中、「突っ込みは買い」の格言を実行するのは心
 理的に難しいかも知れませんが・・・。
 市場筋からは「日経平均17750円が妥当、17270円は下げ過ぎ。
 週明け30日(月)は大幅反発の可能性大。
 ボリンジャーバンドは3月5日以来の3標準偏差に到達。大底から急騰シナリオはア
 リ」とも聞かれます。
 何より、円高傾向に変じた為替動向を見ると、「日本株への質への逃避」シナリオもア
 リと考えますが・・・。
 当面は3月5日以来の最大変化局面でしょうね。
 天気はそろそろ本格的な夏の気配。
 関東地方は土曜は晴れで日曜は曇り雨予想。
 一応選挙もありますが・・・。
 こんなときはいっそ山とか海を見に行った方がすっきりするかも知れません。
 土曜は隅田川の花火大会。
 2万2000発の花火がモタモタを吹き飛ばしてくれないものでしょうか。
 良い週末を・・・。






2007年07月22日
                 「蠢く人々」
                      
第67回
                       2007年07月20日
△------------------------------------------------------------------------

 メリルのFM調査は明るい雰囲気。
 「日本株が7ヶ月ぶりに人気一番」ときた。
 日本株が一番と見る向きは6月12%→7月23%。
 一方ユーロ圏は6月26%→7月13%と半減。
 背景は日本株の「出遅れ感」。
 いよいよ世界のコンセンサスともなってきました。
 というよりは、ここでこの調査結果が出てきたことがなんとも言えないタイミング。
 NYで何が起ころうとも、マネーが日本へと向かっている以上、過度の悲観は禁物。

 面白かったのはある評論家氏の指摘。
 「選挙の前には株は出来高が細り、動かなくなる」。
 ところが東証1部売買代金は鉄を主役に拡大基調。
 アルゴニズム売買が主流の東京株式市場には通じないセオリーも出てきました。

 ある市場関係者は「インテルへの期待が剥げ落ち、日本のハイテク株は出直りのき
 っかけを失った」と。
 先日までの「7〜8月はハイテク中心の大相場」論は消えてしまいました。
 不可解にもDRAM価格は上昇中。
 「ハイテク」という括りではなく、半導体関連は「市況産業」としなければならないで
 すね。

 別の市場関係者の指摘。
 「住宅バブル破裂後の米景気の下支え役は『原油価格のつり上げと日本からの資
 本流入』。
 『ドル高円安、米国金利と原油高止まり策による米国製造業回復時間待ち』が米国
 経済政策。
 だが、これももう限界。
 政策は株高演出による『資産効果』策へ転換した」。

 だからこその熱い夏。
 ご丁寧なことにモルガンのレポートは「真夏のバーゲン・ハンティング」。
 「鬼より怖い一文新値」を一気に超えた鉄の動きは別格。
 目標株価1270円を出しましたが、まだ「???」のようです。

 良い週末を・・・。





2007年07月15日
               「ひょっとして・・・」
                      
第66回
                       2007年07月13日
△------------------------------------------------------------------------

 月曜高、火曜の後場安、水曜変化、木曜高、金曜安というのが今年度の大まかな動
 き。
 ならば、金曜買いの月曜売りというのが効率的になりそうですが、なかなかそうは出
 来ないところ。
 きっと、邪魔をするのは「心理」。
 これがなかなかややこしいです。
 「まだはもう」は言い古された言葉ですが、後講釈では大抵が正しいもの。
 ならば・・・。
 下げの局面で買い向かえるかというと、これも意外難しいです。
 理由は「ひょっとして・・・」の悪魔の登場。
 「ひょっとして、明日も」。
 「ひょっとして、ダマシ?」。
 「ひょっとして」が脳裏に明滅します。
 だから・・・。
 押し目買いなど夢の世界となってきます。

 それにしても・・・。
 派手なのは木村化工機。
 木曜日に13連騰で一時ストップ高の1950円まで上昇。
 その後一転ストップ安で1379円売り気配。
 1日の値幅は571円。
 強烈なボラティリティです。
 どうして、東証は売り禁止を解かないのでしょうか。
 「ルールですから」といわれればそれまでですが・・。
 株主に特殊事情があるのかどうか。
 因みにトップは日証金。
 これは信用取引と名義を出せない人たちの集団。
 次は東レ。
 と考えてみたら、この相場は相当根が深そうな気がしてきました。
 ある市場関係者は「化工機は下降機にいずれなる」と揶揄していますが・・・。

 因みに木村化工機のコード番号は、6378。
 この株、上がり方がすごいのですが、下げもすごい。
 うまく乗り切れないと、どうなるでしょうか?
 答えは『6378』。
 『無(6)残(3)な(7)奴(8)』。
 この株、早晩、二段ロケットの燃料が切れて、一旦、失速。
 その後、第三段ロケットに点火!
 夏相場の、「花火」になる予感。
 もっとも、『点火』しないこともあるのが相場。
 そのときは責任を『「転嫁』とはある編集者でした。

===PR===有料株式セミナーのご案内===

 日時 7月20日(金)午後6時20分〜
 場所 東京証券会館9階

 第一部「櫻井英明の『株式透視論』・・・コレがラニーニャの夏の主役銘柄だ!」
 講師 株式新聞Weekly編集長 櫻井英明

 題二部「原発関連株の総点検」
 講師 経済ジャーナリスト 山本 伸

 詳しくは↓
 http://www.kabushiki.co.jp/investinfo/kshp102-02.jspx?sub=070720


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ 会社説明会&株式講演会のご案内
─────────────────────────────────────

 7月14日(土) 【東京】会場 JAビル 9階ホール
 ◇時間  13:20〜
 =第1部= 株式講演会
  株式新聞Weekly編集長  櫻井 英明
    「プロローグ ― 雨・曇・のち晴れ」

 =第2部= 会社説明会
  ソースネクスト株式会社(4344・マザーズ)
       代表取締役社長 松田 憲幸 氏
    「マイクロソフトを抜いたベンチャー企業の“ZERO戦略”とは?」

 =第3部= 会社説明会
  株式会社WOWOW(4839・マザーズ)
       取締役会長 廣瀬 敏雄 氏
    「WOWOWの現況とコンテンツ戦略について」

 =第4部= 株式講演会
  株式アドバイザー  北浜 流一郎 氏
    「まだまだ続く業績相場。東京市場の魅力とリスク」
 詳細はこちら
 ↓
 http://ir.kabushiki.co.jp/personal/detail/070714_t/index.html





2007年07月08日
                 「七 夕」
                      
第65回
                       2007年07月08日
△------------------------------------------------------------------------

 マーケットには「粘り腰」のイメージ。
 出来高は薄いんですが、何とか頑張っているという感じですね。
 日経「まちかど」に載っていたのケンミレ調査。
 個人化投資家1万人のうち64%は含み損をかけた株を持っているとの結果。
 ただ、株式投資で儲かった人は昨年35%に対し今年は65%。
 ささやかながらマインドは復活感というところでしょう。

 7月4日の独立記念日にマネックス証券でネットセミナーをしました。
 パソコンに向かって60分独演会は、聴衆が見えないだけに結構大変。
 ただ、アンケートの結果は意外と好評でした。
 ↓
 http://www2.monex.co.jp/lounge/benkyo/ondemand.html

 5日付け株式新聞では「不動産セクター人気再燃へ」の見出し。
 背景は東京再開発。
 今後可能性のある土地として以下のものがあると注目しています。
 
 芝浦・東京ガス技術研究所
 六本木ロアビル周辺
 南王・有明営業所周辺
 日本NCR旧本社ビル
 渋谷・アクサグループ旧本社ビル
 飯田橋・東京警察病院跡地
 芝浦・乃村工藝社旧本社ビル
 外神田・日通旧本社ビル
 青山マンション跡地
 有楽町・三信ビル
 日本橋・東京グリーンビル
 日本橋・東京建物ビル
 高輪郵便局周辺
 「主役は内需・不動産」という異端の説もメインストリームになりそうな気配ですが・・・。

 ファーストリテが起死回生の策に出ました。
 1100億円かけてアメリカのバーニーズ買収の提案。
 既に、ドバイの政府系ファンドが合意されており横槍を入れた格好。
 買収合戦になるのか、どうか、ここからの動きは興味深いです。
 ただ・・・。
 気にかかるのは、歴史。
 三菱地所が、ロックフェラーセンターを買収したのは、1989年12月。
 毎年クリスマスツリーの灯る場所であり、アメリカの魂を買ったとまで言われました。

 加えて「トラの尾」と踏んだとも・・・。
 因果関係はともかく、それ以降、バブルは崩壊。
 今回は、バーニーズだから、それほどの問題にはならないでしょうが・・・。

 週末は七夕。
 牽牛織女の出会いの日。
 牛にちなんでブルと行きたいところですが・・・。
 あるいは繊維セクター?
 そういえば、11日に北京から易学の先生が久しぶりに来日。
 彼が東京にいると、株式市場は上昇というのがアノマリー。
 楽しみは11日以降でしょうか。





2007年07月01日
          「インディペンデンスウィーク?」
                      
第64回
                       2007年06月29日
△------------------------------------------------------------------------

 水曜日のラジオNIKKEI「ファイナンシャルBOX」。
 北浜流一郎さんの番組に登場して「サブプライムは日本に関係ない、金利上昇・円高
 歓迎。株は底打ち来月半ばまで強い」と絶叫。
 それだけに週末の堅調さには、とりあえずはホッ。
 ↓
 http://market.radionikkei.jp/fbox/

 週末。
 ロンドンからは「日本空港ビル(9706)の空中戦」との声。
 売るファンドに買うファンドが入り乱れているけれど、ここは「天与の買い場」というよう
 な古風騒然とした指摘。
 しかも成田や羽田のEBITDAは世界標準に比べて割安とも・・・。
 自民党の航空インフラの整備にも合致します。
 それにしても・・・。
 ロンドンの外人の銘柄選択法はなんと、株式新聞HPの出来高急増銘柄情報とも言
 います。
 日本時間の夕刻から調査に入り、朝には出来上がり。
 まさに灯台下暗しでした。
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/technical/volumeincrease_tse1.jspx

 日経の「なるほど株式」では、アルゴリズム取引の解説。
 コンピューターが株式を自動売買するシステムのこと。
 昔はプログラム売買などと呼ばれたが、最近はアルゴとなっています。
 ただ・・・。
 最良のタイミングとは具体的には何なのか、何度読んでもよくわかりません。
 要は、コンピュータが勝手に銘柄・数量・ウリカイの別・タイミングをはじき出すという
 ことで。
 でも、分かったつもりになっても良く分かりません。
 これが意外と、マーケットに横行しています。
 ある編集者に「黄金率ってありますけど、白銀率って知ってますか?」と聞いたら
 「聞いたことがあるね」と。
 こういうことは結構多いものです。
 日経平均やSQ値はどうやって計算するのかを知らないで、滔々と日経平均やSQ
 を語る人の多いこと。
 この間までは、月足や週足は月初週初の寄り付き値を基準にするなんて誤解も横
 行していました。
 寄りは気配があるので、決まりは終値なんですが・・・。
 これを改めるのに半年かかりましたっけ。
 それにしても、アルゴ。
 姿かたちを変えて何度も出てくるのでしょうが、核心はきっと見えないと思います。

 自民党の国際協力委員会は外資規制の強化を提言。
 環境・ハイテク技術、資源などの海外流出を防ぐための外資規制強化や法人税率
 見直し、航空インフラの整備などを打ち出しました。
 いい意味でのナショナリズムの発露は、市場を元気にすることにつながりそうですね。
 モノを言わなかったから、蹂躙されてきた東京株式市場にとってはとても良い傾向
 です。

 来週は来週は、香港が返還10周年。
 そしてアメリカの独立記念日と休場が相次ぐ。
 そろそろ東京株式市場のインディペンデンス・デーも近いとの声も・・・。
 土曜日は鉄鋼会館でセミナー。
 日曜日は丹沢で棒ふり。
 来週月曜のラジオNIKKEい「株チャンネル」の共通テーマは「麦わら帽子は冬に買
 え」。
 季節もマーケットも真夏に向かっていますから、結構難しい宿題です。
 良い週末を・・・。





2007年06月24日
            「ダイハード4よりも・・・」
                      
第63回
                       2007年06月22日
△------------------------------------------------------------------------

 昨日の有楽町マリオン。
 夜の株式講演会の横では、「ダイハード4」の試写会。
 当然、試写会の参加者は多かったですが、それにも負けず株式透視にも300人近く
 が来場。
 ダイハードよりも株の方がいい方々の多さに敬服しました
 もっとも、市場は一時6連騰。
 マインドの温かさは半端ではありませんない。
 金曜の朝方聞いたラジオではMさんが「東京市場はこのまま年末まで一気に突っ走
 る」と強気連発。
 これが懸念でしたが今回も「Mさんの強気のアノマリー」は生きていたようです

 知人からのメール。
 「ところで『ウィー』といったら何を連想しますか?
 『酔っ払い』
 『』ハワイ出身の女子のゴルフプレーヤー』
 『ミシェル・ウィー?』
 『そうそう』
 『それに任天堂Wii』」。

 任天堂は、国内と欧州は堅調ですが、北米が弱い。
 そこで、ニューヨークとシリコンバレーにマーケッティングと広報を移管するそうです。
 昨年はDS、今年はWIIとヒット商品続出ですが、それでも手綱を緩めない姿勢は凄
 いです。

 任天堂の「Wii(ウィー)」。これが馬鹿売れ。
 アメリカでは変な健康器具よりも楽しく痩せられる健康商品としてヒットしています。
 同社の株価もヒット中。
 楽天証券は20日、任天堂のレポートを発表。
 目標株価レンジは6万〜62000円。
 株価は昨日年初来高値45000円を更新。
 昨年5月、中国でDSがトラック2台分盗まれたときは18000円台でした。

 西新宿のスリープロに社長インタビュー。
 パソコン教室の全国展開は、役に立っています。
 帰り際に降り出した雨に差し出されたのは、会社のロゴ入りのビニール傘。
 ここまで徹底した企業はなかなかお目にかかれません。
 これが19日の業績上方修正の背景かも知れません。

 土曜は丹沢でゴルフ。
 日曜は宝塚記念。
 本命はダイワメジャー。
 だったら「ダイワや大和」の社名からみ?
 それにしても、「金曜安のアノマリー」は復活の感。
 良い週末を・・・。

 ==PR===兜町でも講演会=====

 日時 6月30日(土)13時〜
 場所 茅場町鉄鋼会館

 株式講演会「夏相場のシナリオ解読法・・・参院選挙後の推奨銘柄はこれだ!」

 詳しくは

 http://www.meijibussan.co.jp/55seminar/investment_about.html





2007年06月17日
                  「嘆き?」
                      
第62回
                       2007年06月15日
△------------------------------------------------------------------------

 日銀株が新値更新中。
 16万円台に乗せてきました。
 マーケットで起きていることは金利上昇懸念。
 「株高暗示か金利上昇暗示か、あるいはインフレ暗示か」とは市場の声。

 先日の日経では王子製紙が「お願い」の広告。
 「人と紙のもっといい関係、ずっといい環境。紙値上げのお願い」のコピー。
 「値上げにご協力いただきました昨年よりもさらに深刻な状況にあり、2007年度の業
 績予想も対前年で大幅な減益見通し」と。
 あの王子紙がなりふり構わぬ「お願い」。
 もしも・・・。
 低株価で海外マネーに買われてしまうと、王子紙のあの膨大な山林資産も外資の所
 有になってしまうことになります。
 これは、結構ゾッとすること

 ある先輩氏の嘆き。
 「市場関係者は、日経平均の算出方法も知らずに日経平均を語ることが多い」。
 周囲の市場関係者(株式部とか市場部の出身者、あるいはマスコミ関係者にヒアリン
 グしてみたら、結構知らない人が多かったそうです。
 改めて確認すると・・・。
 日経平均は、昭和24年の東証再開時を100とした連続指数。
 日経平均採用225銘柄の株価(原則50円額面に換算)を積算して、序数(現在は2
 4.293)で割って算出します。
 これだけのこと。
 加えると・・・。
 2000年に30銘柄ほどが入れ替えになりました。
 その際に序数は10からいきなり20になったという歴史があります。
 当時、「日経平均はIT指数になった」と指摘されたが、今ではもう忘却の彼方。
 因みに、入れ替えがなかったとすると、日経平均は3400円ほどのゲタをはいている
 ことになります。
 実は今の日経平均は旧日経平均にすると21000円台となることはあまり論じられま
 せん。
 それに・・・。
 指数の連続性といいながら、京セラやファナックなどは昭和24年には存在していなか
 ったことも不思議なこと。
 先輩氏いわく「日経平均は先物売買のための指数。極論すれば架空の数字」とも。
 その割には、大きな顔で市場を徘徊しているようですが・・・。

 週末は、PCGH共催のニチレイレディースのさくらちゃんを見に美浦へ。
 明るい週末を・・・。

 ==PR==有楽町マリオンで講演会=====

 日時 6月21日(木)18時30分〜
 場所 有楽町マリオン11階スクエア

 会社説明会 ザッパラス(3770マザーズ)

 株式講演会 「櫻井英明の株式透視論
         ・・・兜町出世銘柄ストーリーの推論」
 詳しくは

 http://ir.kabushiki.co.jp/personal/detail/070621_t/index.html

 ==PR===兜町でも講演会=====

 日時 6月30日(土)13時〜
 場所 茅場町鉄鋼会館

 株式講演会「夏相場のシナリオ解読法・・・参院選挙後の推奨銘柄はこれだ!」

 詳しくは

 http://www.meijibussan.co.jp/55seminar/investment_about.html






2007年06月10日
                「ヘッジファンド」
                      
第61回
                       2007年06月10日
△------------------------------------------------------------------------

 決算を終えて、ヘッジファンドの連中は時間ができたようです。
 なぜなら、頻繁にメールが来るからです。
 例えば・・・。
 「中国社会調査所の調査では、上海市場に入ってきているマネーは大半が月給45
 000円程度の所得者のマネーという。
 雰囲気は競馬場に似てきている。
 因みにシンガポールの連合速報によれば、彼らの株式保有期間は平均で20日間。
 極論すれば究極のデイトレも存在する」との指摘。
 しかも、大学生も株式投資に熱中し始めたという。
 このエネルギーは凄いですね。
 金曜の日経でも「中国、膨張する株民」の特集。
 証券会社の店頭でトランプに興じる投資家の姿が写真で掲載されていました。
 フタ昔前の日本のイメージでした。
 当時はお弁当持参の投資家さんが、店頭で1日過ごしていたとは証券会社OB氏氏
 の弁。

 今週はシンガポールのヘッジファンド氏とミーティング。
 冒頭の質問は「なぜ日本の機関投資家はOwn Marketをwatchしないのか」と。

 海外へばかり目をやり、自国の市場を無視する姿勢は、考えられないと言われまし
 た。

 「もう上海みたいな、エレベーターみたいなマーケットからは既に逃げ出した」とも。

 そして・・・。
 「業績、インフラ、景気などを踏まえると、それこそ東京市場は美味しい」との見解。

 米大学基金などは虎視眈々と東京市場を狙っているし、このままだったら、大半の
 企業が「買われちゃう」とも。
 「それでもいいの?」とは、決してポジショントークとは考えられませんでした。

 木曜日。
 欧州系のヘッジファンド氏からは、NYSEの近くの例の牛(BULL)の像の写真がメ
 ールで送られてきました。
 加えて、モルガンの「中期的株高は終焉」のレポート付き。
 大変意味深なメールでしたが、結果は東京のSQ当日寄り付きの大幅安。
 牛の負けでしたが・・・。

 起きていることは世界的金利上昇。
 長期債利回りは上昇中で一時1.9%台。
 「今度こそは本格的」と窺わせる状況です。
 日本郵船、アサヒビールなど事業会社も債券発行を前倒しの傾向。
 おまけに配当利回りの高さが注目されて上昇してきたREIT(不動産投資信託)は、
 魅力が薄れて下落傾向。
 金利上昇は、何も東京だけではなく、アメリカは5%台乗せ、欧州は4%台乗せ。
 日本が、ここで2%台に乗せたとしても、まだまだ天井は高いですし、金利差は一
 向に解消しません。
 すると・・・。
 マネーの流れは債券から株式へとなってくるに違いありません。
 債券と株式は金額が極端に違うことから、この変化はいずれ大きく跳ね返ってくる
 でしょうね。
 もっとも、当面の株式市場は、一時休戦かも知れませんが・・・。
 月曜日のGDP改定値が楽しみです。
 良い週末を・・・。

 ==PR==新潟で講演会のお知らせ==PR==

 日時 6月13日(水)14時40分〜
 場所 新潟グランドホテル5階光波の間

 第一部「櫻井英明の株式投資論
      ・・・七夕までの兜町出世銘柄群」

 第二部 株式評論家植木靖男氏
    「年後半戦相場を斬る・・・出遅れ修正への期待」
 詳しくは
 ↓
 http://ir.kabushiki.co.jp/personal/detail/070613_ni/index.html

 ==PR==有楽町マリオンで講演会=====

 日時 6月21日(木)18時30分〜
 場所 有楽町マリオン11階スクエア

 会社説明会 ザッパラス(3770マザーズ)

 株式講演会 「櫻井英明の株式透視論
         ・・・兜町出世銘柄ストーリーの推論」
 詳しくは
 ↓
 http://ir.kabushiki.co.jp/personal/detail/070621_t/index.html 





2007年06月03日
                  「水無月」
                      
第60回
                       2007年06月01日
△------------------------------------------------------------------------

 さて6月になりました。
 市場全体を取り巻く雰囲気は明るくなってきました。
 もっとも、実は起きていることは先物中心での一斉高。
 踏み上げを狙った動きがどこまで続くかというところが主眼となってきます。
 ただ、不思議なのは、先物オプションについて触れる市場関係者が少ないこと。
 先物のポジション構築が株価形成の大きなテーマになっているのに、相変わらず、
 個別銘柄からのコメントが多いですよね。
 木から森は見にくいですが、森から木は見えてくると思うんですが・・・。
 当面心理的には18000円台回復がテーマ。
 水無月ながら利有月となってほしいところ。

 そういえば、株式市場で良く使われるのは「気配」。
 音で読めば「ケハイ」だが、訓で読むと「キクバ(リ)」となります。
 売り板、買い板、売買手口などに気を配れば、隠れていた利が見えてくる、とは
 ベテラン氏の弁。
 確かに・・・。

 先週は、日立が発電機で計5000億円をゲット。
 今度は三菱重工。
 アメリカから風力発電設備を788基受注。
 金額は2000億円というから、先日、日立がアメリカから受注した原発とほぼ同じ
 金額。
 両銘柄とも大発会の活躍銘柄。
 こちらは、さすがに・・・の感。

 円キャリートレードが浮かんでは消えていますが、また出てきました。
 今年3月までの1年間で外銀が国内から海外へ送金した金額は21兆9200億
 円。
 コメントは「円借り取引が増加した」。
 良く見ると、「銀行の海外からの借入金返済」や「事業会社の債券発行」などの
 要因がメインです。。
 加えて、個人の外貨建て投信購入拡大などの影響は当然あるでしょう。
 どうも、円借り取引がそれこそ妖怪のように徘徊しているように思えてきます。
 そのうち、円高の転じた時の免罪符に使われるのでしょうね。

 日経平均の上方4%かい離は18250円水準。
 ここを大きく越えての上昇には、まだ無理感がありますが・・・。
 懸念は証券スキャンダル。
 それさえなければ強気で対応の月。
 とりあえずは、SQまでは踏み上げ相場でしょうか。
 日経「私の履歴書」はニコン(7731)なので、期待しているんですが・・・。

 因みに、今月は13日に新潟でセミナー。
 21日に有楽町マリオン。
 30日が鉄鋼会館の予定です。





2007年05月27日
                 「シナリオ」
                      
第59回
                       2007年05月25日
△------------------------------------------------------------------------

 OECDの世界経済見通しが発表されました。
 実は、世界の株式市場は、概ねOECDの示した予測値のトレンドに動いていることが
 多いのでこれは大変重要な指標なんですが、あまり専門家は見向きません。
 日本とユーロ圏の今年の成長率がそれぞれ16年ぶりに米国を上回るというのが結論。

 今回の日本経済は「設備投資と輸出をけん引役に戦後最長の景気拡大を継続して
 いる」とのコメント。
 2007年度実質経済成長率は2.4%(昨年11月予測比0.4ポイント上方修正)と
 の予測。
 2008年は2.1%。
 米国は今年2.1%成長と半年前の予想(2.4%)を下方修正。
 住宅相場の下落による影響で昨年実績の3.3%を下回るという見方です。
 ただ、住宅投資の減少が収まれば、来年の成長率は2.5%へ回復し、日欧を再び
 追い抜くと予想。
 つまり米国は07年は停滞し08年に復活。
 欧州は07年は2.7%成長と、昨年11月時点の2.2%成長予想を上方修正。
 特に力強いのが輸出主導のドイツ経済で、イタリアも予想以上に回復しているという
 説明です。
 つまり先進国群で最高の成長の見通し。
 ならば・・・。
 NYは低迷。
 東京は元気。
 欧州はもっと元気。
 というシナリオが今年の株価形成の基本となってくるハズ。

 最近エイチエス証券主催の株式セミナーに頻繁に登場しています。
 質問は「アームはもう売りか」「オリコはどうなる」など個別銘柄に加えて、「オーストラ
 リアは?」「中国は?」などインターナショナル。
 国内株式投信の設定が鈍化し、海外投信の伸びが著しいことが顕著に理解できます。
 ただ・・・。
 投資家さんの熱気は強烈。
 以前のようなシラケと諦念モードは吹っ飛んだようです。
 日経調査では個人投資家の3ヶ月先予想は「18100円」とブルマインド。
 前回は17839円でしから、少し好転といったところ。
 3ヶ月先といえば丁度真夏の頃。
 秋口ならばもう少し上と見るんですが真夏となると・・・。

 元美人トレーダー氏から、それこそ久々に銘柄についての元気な電話。
 内容は「ベネッセがいい」。
 前社長の愛人問題などから下落が始まり、トドメは今期減益見通しでしたが、東京個
 別へのTOB発表からの反騰モード。
 中身は良くありませんが、売られた銘柄が買われる法則からいくと「仕込んでおくべき」
 との声も素直に受け入れる場面。
 このトレーダー氏は、20世紀終末には、あちらこちらのファンドマネーシャー氏に親炙
 し、一斉を風靡した御仁。
 目を怪しく輝かしての銘柄観には期待感というところでしょうか。
 ご丁寧に「任天堂に続く大阪市場銘柄とか、石油や為替に関係ないとか、じりじり上げ
 ていて集玉しているらしいとか。。。そんなの入れたらーー」とまで教示。
 だんだん尾上ヌイさんに似てきたかも・・・。

 6月1日(金)は金沢文庫でかざか証券の株式講演会。
 6月2日〈土)は明治大学校友会の埼玉西支部総会。
 6月13日(水)は新潟へ遠征。
 そろそろ夏ですね。





2007年05月20日
                  「コツン」
                      
第58回
                       2007年05月18日
△------------------------------------------------------------------------

 NYは強く、東京は疑心暗鬼。
 それでも大きく売り込まれることもないですね。
 貯まるのは欲求不満感。
 春の空は見えているんですが、時折雨に見舞われて・・・。
 スッキリしないのは天気ばかりではありません。

 日経平均採用225銘柄の予想1株当たり利益は5月16日時点で908.17円。
 3月末は855.82円。
 昨年5月末は799.65円であったので、年間増加率は現時点で13.6%。
 どこに文句の付けようがありません。
 PER20倍まで買えば、18000円はゆうに越えてきます。
 しかも・・・。
 日経も指摘していますが、25日線の騰落レシオは76.6%。
 こちらは昨年11月安値時点以来。
 指標的にはコツン。
 加えて昨日は新月。
 それこそ月替わりとしたい気持ちです。

 「GDPは醜い人」との声がありました。
 消費の300兆は「3」。これは原油価格の上昇が個人消費に転嫁しただけに過ぎま
 せん。
 次は住宅投資の20兆の「2」。
 そして設備投資の90兆の「9」
 さらに貿易収支の110兆の「11」。これとて円安効果での増加。
 あわせれば「32911」=みにくいひととなると。

 あまりに明るくないので、次は「増益企業」。
 こちらは「酒に油に金、化粧品」
 協和発酵、新日石、キッコマンに住友鉱そして資生堂の代名詞。
 続いて「ただの水」はタダノに栗田工。
 締めは「裸電球ぶら下げて」。
 これは松下に松電光と。
 株式市場で「増益銘柄を列挙せよ」なんで問題があれば使えるかも知れません。

 6月は金沢文庫で講演会。
 お近くならば・・・。

-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-■ セミナーのお知らせ ■+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

      株式新聞Weekly編集長の櫻井英明による
          かざか証券の『株式投資セミナー』のご案内
 ========================================================================
   ラジオNIKKEI「株式チャンネル」にて後場キャスターで活躍中の
   株式新聞Weekly編集長の櫻井英明氏による『ここだけの話』。
   オープンセミナー申込み受付実施中!

   2007年6月1日(金)午後6時〜午後7時30分(開場午後5時30分〜)
   入場料 無料 / 横浜市 金沢公会堂 

    >>セミナーの詳細に関しましては、下記を参照ください。▼
       http://kabu.livedoor.com/eigyouten/seminar/070601.html
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-++-+-+-++-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





2007年05月13日
                 「自 戒」
                      
第57回
                       2007年05月11日
△------------------------------------------------------------------------

 明るさが漂ってくると、マーケットには強気論が台頭。
 暗くなってくると、マーケットには弱気論が台頭。
 いつも後追いです。
 「FOMCがあるから様子見。G7までは動けない向きが多い」としていた専門家氏たち
 は「日本株出遅れ論」を振りかざし始める。
 NYが大幅に下落すれば「やはり調整入り」とのコメントが花盛り。
 現実を後追いし、トレンドを見極めてからのコメントは簡単です。
 「買わない理由を経済指標のスケジュールに落とし込む」術には長けていますが、買
 う理由は見つけられないのが専門家とも言えますね。
 一番最悪なのは、結論のない解説者。
 「上がるかも知れないし、下がるかも知れない」では聞かないほうがマシ。
 自戒を込めてそう考えます。

 先日、横浜そごうでセミナー。
 50人余りの投資家の方々は、口を揃えて「新興銘柄を損切り出来ずにホールドして
 いるがどうしたら良いか」と。
 余りの下落に売ることが出来なかったということ。
 しかも・・・。
 その間、大型ど真ん中は乱舞。
 それこそ・・・。
 いてもたっても居られないというところです。
 ここは「いいものはいい。だめなものはダメ」の戦略なのですが、その「いいもの」がわ
 からないというのが現実。
 単純に考えれば、現実の収益が出ている企業、純資産スレスレまで下落した企業は
 ホールド。
 本業を離れた世界での収益が拡大している企業、 初値の極端に高かった企業は損
 切りりなのですが・・・。

 連休前に朝日ホールで行ったかざか証券のセミナー。
 「商船三井はまだ上がる」とコメントしました。
 手前味噌ですが結果は正解。
 こういうこともたまにはあります。

 ところで・・・。
 市場の分かりにくさは、トヨタの株価に代表されます。
 2兆円の営業利益を上げましたが、株価は3月高値から15%の下落。
 どうして最高益企業が売られるのでしょう。
 考え方は2つ。
 一つは、ユーロ。
 がどこかで反転するのではないかという先見性が発揮されているという見方。
 欧州に強い同社にとって、未曾有のユーロ高は追い風の筈。
 でも、これが逆転するのではないかという懸念です。
 もう一つは、5月中間決算を控えたヘッジファンドの利益確定売り。
 ヘッジファンドの利益確定売りなどはないという見方はあまりにも皮相的。
 「配当課税逃れのための意図的な利益確定売りで基準価格を下げる」という観点は
 言及されていません。
 ココが重要な視点なのに・・・。
 因みに、電力セクターでも同様な動きは起きています。

 ではここからのスタンスは?
 結論は「波乱にチャンスあり」。
 目先の乱高下に惑わされないこと。
 ブレはあっても、テーマは変わりません。
 しかも・・・。
 NYは1927年以来の長期間上昇中でした。
 まだ東京市場の本格的調整までには時間的余裕がありそうです。

 石川島は造船所を再開し30年ぶりに増強の報。
 重工は400億円を投資。
 昨日の船井財産(8929)のアナリスト説明会。
 第1四半期時点での進捗率は経常利益で100.2%、純利益で92.7%。
 まだ上方修正はされていませんが、「中間決算まで待ってくれれば有難い」とは常務
 氏のコメント。
 しかも、春先に販売した不動産小口化商品は、あまりの人気に抽選を行ったといい
 ます。
 現実の足元は明るさだらけ。
 ただバーチャルない意味でのマーケットが暗い心理に傾かされているだけに過ぎ
 ません。






2007年05月06日
                 「住 友」
                      
第56回
                       2007年05月01日
△------------------------------------------------------------------------

 好天の日曜に厚木のゴルフ場へ行きました。
 メンバーの大手商社OB氏の紹介。
 世界最大級の鉱山会社の元社長さんですが、その粋なこと。
 何しろ・・・。
 ちょんまげでした。

 ゴルフ場の経営母体は住友鉱。
 理事長は別子の元社長氏。
 周囲には商社やら鉱山やらの現役OBが入り乱れ、結構不思議な雰囲気。
 元巨人の川上監督などもメンバーボードに載っており、歴史を感じました。
 聞けば、ジャイアンツV9のコンペの記念植樹もあるそうです、

 面白いのは、その開場の経緯。
 その昔、グネシウムの含有量に目をつけて山を買ったところ、品質が良くなかったので
 ゴルフ場にしたそうです。
 母体が別子だけに、フェアウェイには金?とはジョークでしたが・・・。
 だだ・・・。
 丹沢の麓のなかなかのコース。
 向い側に見える大厚木は、既にアコーディアに買収されています、
 近くの東名厚木はパシフィックゴルフの傘下。
 このゴルフ場がビクともしないのはさすが住友の感でした。
 GW後半は、那須の御用邸の近くでゴルフ。
 こちらは、打ち込んでしまうわけには行きませんが・・・。
 良い連休後半を・・・。





2007年04月29日
               「電車でGO!」
                      
第55回
                       2007年04月27日
△------------------------------------------------------------------------

 「最後は怖いくらい上がった」とは、元東証理事長の長岡実氏。
 バブル時代を振り返っての言葉ですが、確かに現場では、それこそ「熱狂的」な期待
 感が渦巻いていました。

 おそらく・・・。
 やや静かですが、今のNYも同じような状況なのでしょう。
 毎日毎日株が上がると、自然にマインドは「明日も明後日も株は上がる」となってきま
 す。

 その逆は東京市場。
 18年間も高値を更新できず、戻ってきたとはいえ、まだ高値の半分水準。
 時間が東京市場から「株は上がる」というDNAを奪い去ってしまった感。
 ただし・・・。
 もういいだろうとの見方も少しづつ拡大というところでしょうか。

 ある市場筋は「野も山も一面弱気なら、タワケになりて不動産、電鉄(銀行)を買うべし」
 として「千載一遇の買いチャンス到来」と完全ブルマインドに転換。
 「連休明けは181444円に向う可能性」として電鉄、不動産セクターに強力注目。

 「不可解な動きは日銀株」として銀行・地銀も要注目と。

 「うーん、そう来たか」というのがソニーの金融子会社上場の見出し。
 どこかで資金調達が必要とは見ていたが、増資ではなく子会社株式一部売却での資
 金調達額は3000億円。
 当然このマネーは、設備投資に充当。
 でも、3000億円ではまだ足りないとも・・・。
 まずは伏線ということでしょうか。

 先日訪問した秋葉原のMCJ(6670マザーズ)の高島会長。
 3000万円の借金を抱え、春日部の自宅のガレージでのパソコン組み立てから出発し
 たとは創業時のエピソード。
 まるでビルゲイツを彷彿とさせるが、今期は売上高1000億円に挑戦とのこと。
 エネルギッシュな語り口で「死なない坂本龍馬を目指します」とも。
 IT企業がすべてライブドアではありませんとは心強いコメントでした。
 しかも・・・。
 「ビスタ特需を一番受けているのは当社。でもどのマスコミもそうは書いてくれません」
 とも。
 顧客層がアキバ系のコアだけに、1月下旬のビスタ販売開始とともに需要は拡大中。
 「全体への波及は、今年1年かかるでしょうが」というものの、マインドはブル。
 「今はマザーズだが早急に1部へ昇格したい」というのも当然。
 「トヨタ、ソニーに入社したい人は多いが、トヨタ、ソニーを創業したい人は少ない」とは
 名言でした。

 ヘッジファンド氏からのメールは「電鉄」。
 「世界一の投資家ウォーレン・バフェットの鉄道株バーリントンへの投資が明らかにな
 ったのは4月初め。
 この株にしては史上最高値の近辺の81ドルでの取得。
 直近のバーリントンの株価は92.6ドル。
 1ヶ月余で11%強も上昇したことになります。
 バフェットの投資金額は32億ドル(約3800億円)ですら、短期でも大変な利益。

 バーリントン株買いが明らかになったときの、同銘柄のPER18倍、ROE(株主資本利
 益率)18.9倍、PSR(株価÷1株当たり売上げ)2.11倍。
 東京市場の電鉄株では因みにJR東海(9020)はPER24倍、ROE12.4%,PSR1.4
 5倍。

 日本の鉄道株は米国とは異なって不動産関連としての魅力的。
 かねて注目を始めたいと思っていたときだけに、バフェットに学んでJRや電鉄株の研
 究を考えたいと思います」。
 バーリントンに比べて指標面ではそんなに大きな差はない」。
 日米ともに、まだまだ「電車でGO!」は続きそうな気配です。

 連休は、セミナーとゴルフ。
 天気は良さげ。
 そして・・・。
 連休のハザマのマーケット展開には期待感なんですが・・・。





2007年04月22日
                 「四 季 報」
                      
第54回
                       2007年04月19日
△------------------------------------------------------------------------

 先日遭遇したこと。
 昼下がりの地下鉄銀座線表参道駅近辺。
 スーツ姿の中年男性の会話は「東京ミッドタウンが良く見える場所で、知り合いが静
 かに地上げをやっているから、終わったら買い付けを出す予定」。
 久々に聞く「地上げ」の言葉。
 イメージとしてありそうとは思っていましたが、現実に起こっているようです。
 その後訪問した渋谷の不動産セクターの社長も、「その話は間違ってはいません。
 確かに都心部では起こっています」と。
 もっとも・・・。
 「都心部に限ってですけどね」と。
 また、品川のIT企業の社長氏は「この辺も賃料が上がってきました」と。
 「当社は2.5万円ですが、最近は5万円台もあるそうです」。
 この不動産堅調路線は変わらないようですね。

 マーケットでは「ハイテクだ、内需だ」の論争。
 5月からの三角合併を考えると、外資が欲しいのは、技術や人ではなく、あくまでも
 土地なんでしょう。
 最近では「モルガンのホテルに泊まって、ゴールドマンのゴルフ場でプレイする」と
 いうジョークも聞かれますし・・・。

 昔、先輩に教えられた四季報の読み方。
 ポイントは3つ。
 まず、新春・春・夏・秋の各号どれが重要かというと・・・。
 来年の業績動向が明確になってくるのが12月発売の新春号、そして、それが確認
 できてくるのが3月発売の春号。
 すると、夏と秋は読み流しということになってきます。
 次に重要なのは、各銘柄の見出し。
 キーワードは「復配」、「最高益」、「絶好調」。
 復配銘柄は、機関投資家が組み入れられるようになるので買いサイン。
 最高益、絶好調は言わずもがなです。
 そして大株主欄の「日証金」。
 信用取引が多いということと浮動株が多いということは、業績にはあまり関係なく年
 に2回は相場になりやすいですね。
 付け加えれば、1株あたりの税引き利益が50円を超えてきた銘柄も要注目と。
 となると、記事やコメントなどは要らなくなってくるとも言えます
 そうなると困るので、こういうことは誰も言わないのかも知れません。

 また、先日赤坂ANAインターコンチネンタルホテルの「花梨」。
 20人くらいは座れそうな個室に3人だけは、とても贅沢。
 「朝まで株式」企画や「会社六期報」企画、「3日後の主役銘柄探し」企画など、面白
 さ満載でした。
 マーケット情報はいずれ変化すると確信。
 旧弊は消え、「わくわくドキドキ」が出てくるに違いありません。

 週末は、福岡にお泊り。
 日曜はフジサンケイレディス観戦の予定。
 良い週末を・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 最後に・・・。
 これから講演会「春のロード」が始まります。
 今のところ決まっているのは・・・。
 4月20日福岡ダブルヘッダー
 4月28日かざか証券
 5月1日東新住宅研修
 5月8日エイチエス証券横浜支店
 5月11日同日本橋支店
 5月16日同飯能支店
 5月17日同本店
 5月18日株式新聞社証券会館セミナー
 5月22日エイチエス証券立石支店
 5月24日同渋谷支店
 5月26日ビスタニュース本社
 5月29日エイチエス証券池袋支店
 6月1日かざか証券
 6月2日明治大学校友会
 どうも「日々是株式」となってきました。





2007年04月15日
                 「いろいろ」
                      
第53回
                       2007年04月13日
△------------------------------------------------------------------------

 週末にM&AとTOBについて、少し調査。
 どんな業種がM&Aのターゲットとなってきたかという点。
 1988年〜1990年つまりバブル絶頂期には、電機、不動産・ホテル、食品、化学、
 機械、サービスなどの業種が主な対象。
 潤沢な資金のある日本企業が輝いていた時代であったことが甦ります。
 直近の2004〜2006年では、ITの拡大を受けた格好でソフト・情報データ、電機、
 その他販売、化学、鉱業、輸送用機器などの業種が多いですね。
 もっとも、5月の三角合併解禁から外国企業が黒船として入ってくるとすると、多くの
 業種がターゲットになってくるに違いありません。
 ただ、日本は国家安全保障の観点から電力、ガス、通信、放送、鉄道、航空機、原子
 力などの業種、日本経済の運営に著しい影響があるという理由で、鉱業、石油、農林
 水産、 海運などの業種については外国資本による10%以上の投資の場合、事前申
 告が必要とされています。。
 何でもかんでも買えるという訳ではありません。

 ところで大企業のM&Aだけではなく、中堅企業の場合はどうなのでしょう。
 昨年数社の中堅企業を買収した国内A社のM&A担当役員B氏の言。
 「半分は買収と同時に収益化。半分は、1年経ってもまだお荷物という感じで、実はこ
 こに難しさがあります」。
 事業拡大を目指して多くの企業が買収に走るが、 その目標の実現のためには壁が
 多いというのが現実。
 またB氏はこうも言います。
 「上場企業は、会計というルールと戦う側面がありますが、未上場企業の場合、敵
 は税務署だけというケースが多いですね。
 どうせ税金を払うくらいなら、という感情で歴史的に無駄使いをしてきた体質はなか
 なか抜けないもの。
 かといって、買収側の基準に無理に合わせようとすると、今では社員が離れてしま
 い、業務そのものが回らなくなるケースもあります。
 組織が固まってないので、属人的に業務を行ってきているのが多くの中堅企業で
 すから、この点の融和には結構苦労することが多いです」。
 結論としては「社員がやる気をなくすことが一番怖いんです」。
 国内系企業による買収の場合、どうやら被買収企業にとっては、そんなに苦しみを
 感じるということはなさそう。
 日産自車に代表されるような「コストカッター」のイメージではここでは、 あまり感じ
 られません

 ところで、市場関係者は「いい加減」と思うときが、ままあります。
 例えば国内大手証券系シンクタンクの出したコメント。
 「米国企業の決算発表は、昨年第4四半期まで14四半期続いた2ケタ増益が途切
 れるのはほぼ確実。
 だが、これは織り込み済み」との見解。
 本当に織り込み済みなのでしょうか。
 どうも違うという気がします。

 あるいは、ある評論家氏。
 「今週からは強気に転じました。
 日経平均は、大上昇期を迎えました。
 中心はハイテクセクター」と。
 これも疑念。
 本当に大上昇期?
 日経平均の25日移動平均は17182ポイント。
 その4%上方かい離は17869ポイント。
 これは歴史的に一時的限界ラインと見れば、上値の重たさが意識される。
 従って投資戦略はリターン&リバーサル。
 だからこその鉄の上昇局面。
 鉄を見て、「相場は変化」とは稚拙過ぎの感。
 もっとも、これは市場関係者の大半の支配的コメントであることも間違いありません。
 そういえば・・・。
 最近、M氏は静かなモード。
 しばらくは無言で居て欲しいところ。

 因みに、日経平均の25日移動平均線の今年の高値は、2月28日の17672ポイント。
 その4%上方かい離は18378ポイント。
 今年の日経平均の高値はザラバで2月26日の18200ポイント。
 見事にこの範囲での動きは「山より大きなイノシシは出ない」ことの証拠でもあります。

 株式新聞「晴雨曇」の「翁」氏のコラムが面白いです。
 「レーティング情報等は、勝手格付けに過ぎない代物なのに、妙に崇め奉った報道が
 目立つ。
 『××証券の△△氏がレーティングを発表。
 氏の過去の実績は◎勝○敗です。
 格付け変更の最大根拠は・・・・。株価見通しは・・・・に基づいています』としたらどうだ
 ろう。
 レーティング情報は激減するに違いない」。
 確かに・・・。
 考えてみれば、レーティングは大半がファンダメンタルズに基づいているという誤解と
 錯覚は如何ともし難い点。
 大半は、テクニカル優位であるにもかかわらず、その面は隠されていることが多いの
 もまた事実。
 取ってつけたような業績見通しならば、チャートの方がまだ真実を表しています。
 ファンダメンタルズだけで株価が動くのならば、四季報や会社情報の業績を見ての
 投資の勝率は100%である筈なのに。
 もっとも一番大切なのは「投資心理分析」と「背景推理」なのですが・・・。

 今週は20日に福岡に行ってセミナーの予定です。
 お近くなら・・・。
 ↓
 http://ir.kabushiki.co.jp/personal/detail/070420_f/index.html


 





2007年04月08日
                    「黎  明」
                       
第52回
                    
2007年04月06日
△------------------------------------------------------------------------

 新年度。
 ヒヤッとした下げで始まり、結局は175の攻防戦。
 とはいえ、宴は花見と同様にまさに佳境を迎えてきました。
 ところで・・・。
 ある意味で、株式投資は未来予測。
 過去や今ではなく、明日や未来の相場欄、あるいは見出しを予測する世界。
 ただし・・・。
 過去もやはり重要。
 過去の値動き、株価の推移の歴史の中に、未来を推測する手がかりはある筈です。
 バックトゥーザフューチャーという映画がありました。
 タイムマシンで未来へ行って、30年間のスポーツの試合結果の載った年鑑を過去
 に持ち帰ります。
 それに基づいて競馬やMLBなどに賭ければ百戦百勝。
 荒唐無稽なストーリーですが、現状タイムマシンがない以上、過去の株価から未来
 を予測するというのが限界。
 それでも・・・。
 重要なファクターです。

 また「押し目」と「ナンピン」について。
 多くの専門家が押し目買いを口にします。
 テレビなどでは「良い銘柄を選んで、押し目買いに徹しましょう」という非常に抽象的
 なコメントが良く聞かれます。
 ただしそういうご本人の認識は高値を付けて下落した水準を押し目と言うようです。
 でも・・・。
 本来は上昇過程で空けたマドまで下落した水準が押し目のこと。
 どうも間違った認識が多いようです。
 そして「ナンピン買い」。
 こちらも、米相場の本間宗及翁は「ナンピン買い」も「ナンピン売り」も記載していまし
 た。
 現在残っているのはナンピン買いのみ。
 「下がればナンピン」は昔は、証券マンを手数料で喜ばせる手段だったに過ぎません。
 いずれにしても、押し目もナンピンも負け戦。
 ならば、新たな戦いの方が分があると思えます。
 「押し目」を口にする専門家は信用しない方が良いかも知れません。
 あるいは「ナンピン買い」を勧める営業マンも・・・。

 世界の市場には明るさ。
 アジアは下落前に戻り、NYは6連騰。
 株高基調を満喫できる良い機会でしょうか。
 マーケットばかりではなく、景気の良さも企業の積極的な業務拡大基調から感じら
 れます。
 「松下、ベトナムに拠点」。
 「中国・渤海沿岸の大規模工業区、丸紅が開発参加」。
 「鉄鋼原料船、商船三井が14隻追加」。
 「JR東設備投資3100億円」。
 などなど。
 どんどん使ってどんどん儲ける姿勢は鮮明。
 目標が明確化された時の日本企業は強いものでしたが。


 面白い動きになってきたのは日興の動向。
 今朝の日経では「みずほなど大手邦銀シティに1兆7000億円。融資枠、国内最大、
 日興買収向け」の見出し。
 その日興の株価は、TOB価格まで上昇。
 もしシティが1700円で全株を取得するならば、必要になるのが約1兆7000億円。
 マーケットは、1900円を要求する外資系ファンドの動きを意識し始めたようにも思
 えます。
 一方、マーケットでは東京スター銀行に対するシティの動きへの思惑もあり、この
 金融買収戦争の行方は、複雑に絡み合ってきました。
 それにしても・・・。
 シティへの融資は邦銀にとっては、利ざや稼ぎのチャンス。
 負けっぱなしではなく、久々に「漁夫の利」を狙って欲しいところ。
 イースターだけに東京株式市場復活といきたいところですが・・・。

 因みに、先日まで話題となったサブプライムローン。
 あるデータでは、昨年末のアメリカの家計における負債総額は13兆ドル。
 住宅ローンは10兆ドル弱。
 うちサブプライムは1兆ドル強とされます。
 サブプライムの1割が延滞債権とすると・・・。
 その金額は、約120兆円。
 かつての日本の金融機関の不良債権並みのレベルというところです。

 ところでセブン&アイは「連結営業益17%増」との報道。
 今月の日経「私の履歴書」は同社の鈴木会長が登場。
 味の素、ダイキンについでやはり私の履歴書は強いですね。

 さて、マーケットですが、基本はミニSQを控えて神経質な展開を予想。
 外需と内需の綱引き合戦ですが、最終的には内需の方向の可能性。
 目先人気は消費者金融と、低位建設の政治銘柄が乱舞ですが、本命は調整一巡
 の土地含みと読みたいところ。
 三菱マテ、別子などの資源セクター、地所、三井不動などの不動産セクターに注目
 です。
 個別は資生堂、ヤクルトの女性関連とも考えられますし・・・。
 ファーストリテ、カッパクリエイトなどからも目が離せませんね。





2007年04月01日
                    「主人公」
                       
第51回
                    
2007年03月30日
△------------------------------------------------------------------------

 ラジオNIKKEI東京マーケットライブ。
 パーソナリティの部屋で話したことは「主人公」。
 「主人公」は1978年さだまさし氏作詞作曲。
 意外と、株式投資にあっているように思えました。

 「“或いは”“もしも”だなんてあなたは嫌ったけど
 時を遡るチケットがあれば欲しくなる時がある。
 あそこの別れ道で選びなおせるならって…」。
 本当にこんなことは日常茶飯事。
 帝石を買っておけば・・・。
 DOWAではなく、日立だった?
 などなど。

 「勿論 今の私を悲しむつもりはない
 確かに自分で選んだ以上精一杯生きる。
 そうでなきゃ あなたにとても
 とても はずかしいから」。
 これは言い換えると、「自分で選んだ以上、精一杯儲ける。そうでなきゃ、銘柄にとて
 もとても恥ずかしいから」。
 全身全霊を傾けて出した結論で買った銘柄に対するベクトルは、数分後にいとも容
 易く変身するのがマーケットですね。

 「あなたは教えてくれた
 小さな物語でも
 自分の人生の中では
 誰もがみな主人公。
 時折思い出の中で
 あなたは支えてください
 私の人生の中では
 私が主人公だと」。
 これは・・・。
 「小さな投資でも、自分の投資の中では、誰もがみな主人公。
 私の投資の中では、私が主人公だと」。

 なかなか主人公になることはありません。
 せいぜい成人式や結婚式程度。
 でも・・・。
 株式投資は、それこそ誰もがいつでもどこでも「主人公」。
 例え、1株でも1000株でも発注のボタンを押した瞬間に、自分の注文は「板」となっ
 て登場します。
 それから約定。
 この数秒間は、その注文は東京市場という劇場の主役を演じているんです。

 それと・・・。
 投資家は、いつも主役を追い続けていたいという願望がある筈。
 自分の持っている銘柄が活躍して、報道されることも、大きな楽しみ。
 だから、いつも「主役探し」をしていると解釈できます。

 いずれにしてもネガマインドと欲求不満状態は期末で終焉と決めれば、春爛漫の明
 るさが漂ってきます。

 週末・月末・期末は通過。
 週明けは、「待っていました」となりそうな気配。
 主役は「電鉄、電力、NとJ」。
 良い週末を・・・。

 ===PR===

 ラジオNIKKEI「櫻井英明のココだけの話」

 4月2日は「今だけキャンペーン」。
 通常1050円→105円になります。
 ↓
 http://www.radionikkei.jp/kokodake/

 株式新聞Weekly」編集長・櫻井英明が毎週、力をこめてお届けする投資情報番組!
 長年の取材経験と鋭い分析力で繰り広げられる15分間、そこは「ココだけ」でしか聴
 けない話ばかり。
 ワンオーワン(101)・・・10日で一割のパフォーマンスを目指す注目銘柄には、毎回オ
 マケもついて楽しみ一杯です。
 「東京マーケットLIVE!」でお馴染み内田政美が進行役で、毎週月曜日の午後8時に
 番組内容を更新してお送りしています。
 (月曜が祝日の場合は翌日に更新です)===PR====

 ===PR=== 

 4月28日(土)午後に東京の浜離宮朝日ホールで無料株式講演会を行います。
 主催はかざか証券さん。

 題目は「櫻井英明の『株式透視論』…マネーの流れから読む最強の銘柄選択」。

 以下のURLからのお申し込みとなり350名様ご招待です。
 (※座席数を超えるお申込みがあった場合には抽選となります。)
 ↓
  http://kabu.livedoor.com/

 詳しくは同社営業企画部へお問い合わせ下さい(TEL03−3666−1434)。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ――――話題騒然! 毎日読めば、力がつく「マーケットの推理力」。

              デイリー・メールマガジン
                兜┃町┃物┃語┃  
                ━┛━┛━┛━┛
           ☆平日の午前・午後の2回配信☆
     http://www.kabushiki.co.jp/charge/kshp186.jspx?sub=kabuto

 期末。
 昨日の小幅高は172〜173を意識した動きと考えられる。
 昨年4月、そして今年の大発会の終値近辺を今年度の終値としたいところか。
 先週の外国人は4086億円の買い越し。
 先物を含めれば6100億円。
 3週間で売った分の半分を1週間で買い戻したことになる。
 ただし「今週は明らかに売り越しているもよう」とはある外資の観測。
 そろそろ気になるのは5月解禁の「三角合併」。
 外人マネーがM&AやTOBへ向かうのなら、それまでは株安歓迎。
 そして円安関係。
 しこたま仕込んだら、株高・円高シナリオとの見方もある。

            <3月30日前場編「茅場町交差点」より抜粋>  
     
─────────────────────────────────────
 ★4月2日(月)〜6日(金)『兜町物語・サクラの季節・5日間無料試読キャンペーン』
─────────────────────────────────────
 桜咲く季節に、マーケットも満開となるか。
 話題の株式新聞ウィークリー編集長・櫻井英明が春相場の真理と心理の推理を
 毎日お届けするデイリーメールマガジン。どうぞお楽しみに!

 お申し込みはこちらにアクセス↓
 http://www.kabushiki.co.jp/charge/kshp186.jspx?sub=kabuto
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





2007年03月25日
                    「春がきた」
                       
第50回
                    
2007年03月23日
△------------------------------------------------------------------------

 先日ラジオNIKKEIの内田アナウンサーに差し上げた本は「最後の相場師」(津本陽
 著、角川文庫)。
 読後の感想は、「兜町ってこんなに生き生きとしていたんですね」。
 主人公は、あの別子相場を操った是川銀蔵氏。
 トジ金に賭けたその姿は、兜町でも見かけられたしNHKでも放送されました。
 あれから20年余り。
 「仕手」という言葉は消え、代わりに「ファンド」や「外資」が幅を利かせるようなりました。
 そんな人間臭さがなくなった兜町を見回すと・・・。
 確かに、あんな時代が信じられない思いとなります
 象徴的なのは「過ぎ去った時間は二度と戻って来ない」。
 「あるいは、もしもだなんて」は、兜町では通用しないということ。
 先週あの株を買っていれば・・・。
 誰しも考えるに違いありません。

 先週末は札幌でセミナー。
 投資家の方々からの質問は「鉄は、住金は、石川島は?」。
 誰でも知っている銘柄のオンパレード。
 確かに、新興信仰だった昨年とは大違いとなってきました。
 ソフトバンクとソニーのSSコンビが新年度の主役のイメージですが。
 
 最近目に付くのは東芝の記事く。
 「大幅増配」に「HD−DVD、欧州で機種拡充」それに「エタノールから水素製造」。

 何が何でも東芝の感。
 やはり西室さんが東証社長というのは強い。

 来週は年度末。
 株価欄の「昨年来高値」は自動的に「年初来高値」になります。
 きっと風景は違って見えてくる筈。
 来週はともかく、新年度相場は花水木の頃までとは、市場のコンセンサス。

 週末は丹沢でゴルフ。
 温かいので2〜3輪のサクラ開花に期待感。
 そしてBirdyにも・・・・。
 ハゲタカの最終回もありますね。
 読み物は、週刊新潮。
 そのココロは「自分の顔が載っている」(筈)。
 記事ではなく、ラジオNIKKEIさんの広告ですが。
 良い週末を。

 ===PR====

 最後に、お知らせです。

 4月28日(土)午後に東京の浜離宮朝日ホールで無料株式講演会を行います。
 主催はかざか証券さん。

 題目は「櫻井英明の『株式透視論』…マネーの流れから読む最強の銘柄選択」。

 3月26日以降、以下のURLからのお申し込みとなり350名様ご招待です。
 (※座席数を超えるお申込みがあった場合には抽選となります。)

 http://kabu.livedoor.com/

 詳しくは同社営業企画部へお問い合わせ下さい(TEL03−3666−1434)。


 ===PR===





2007年03月11日
                 「BUY JAPAN」
                       
第49回
                    
2007年03月09日
△------------------------------------------------------------------------

 3月5日の大幅安に驚いたマーケット。
 振り返ってみれば「円キャリートレード」や「SQ」などの見えない影に怯えた平家の
 大群のようでした。
 マスコミや専門家の論調は「世界同時株安と危険な円高」。
 それが、金曜日になると、「日経平均大幅高」「個人投資家参戦」などなど。
 ネコの目以上にめまぐるしく変化するのは、基本的な大局観の欠如としか考えられ
 ません。
 今年の相場は春先までは順調、夏場は休養、秋から大上昇というような基本シナリ
 オさえ確りしていれば右往左往する筈はありません。
 SQ通過後のマーケットは「宴のあとのドレッシング」モード。

 兜町は風は冷たいものの、春の陽射し。
 平成通りのサクラの蕾もふくらみ加減。
 サクラ吹雪のサライの空には、まだ程遠いですが、マーケットは再び花見期待感が
 漂っています。

 3月6日付け日経朝刊では「次世代エネルギー源『メタンハイドレード』天然ガス換算
 14年分を確認、経産省、太平洋海底で」の報。
 日本領内の近海には、合計で100年分の埋蔵量があるとの推計もあり、経産省は
 春以降、海底下調査の範囲を日本海にも広げて埋蔵量の把握を急ぐといいます。
 何気ない記事ですが、天然ガスの埋蔵量が14年分というのは相当なニュースバリ
 ュー。
 資源の少ない日本が資源国になり得る可能性が出たきたということ。
 それこそ「BUY JAPAN」の背景ともなってきます。
 銘柄としては、三井造船(7003)や石油・ガスの生産設備を製造する三井海洋開発
 (6269)などに注目とは7日付け株式新聞の記事。

 そう言えば・・・。
 先日、取材にいったGDOの石坂社長。
 国内のゴルフ人口も消費も拡大は望めず、消費は横ばい。
 だが、アジアという観点で見ると、市場は明らかに拡大するとの見通し。
 加えて、地方の空港などのインフラも活用できるとの見方。
 そう考えると・・・。
 たかがゴルフ、されどゴルフ。
 週末は丹沢のゴルフで構想を練るというのが習慣ですが・・・。





2007年03月04日
                   「お水取り」
                       
第48回
                    
2007年03月02日
△------------------------------------------------------------------------

 調整は早めにやって来てしまいました。
 予定では、東京のサクラ開花予定の3月19日ごろだったんですが・・・。

 考えておきたいのは、落としどころ。
 満月は欠けますし、新月は満ち必ず満ちます。。
 東京市場だけで考えれば、SQの通過までにのポジ。
 因みに春弥生は奈良・東大寺の修二会のスタート。
 12日のお水取りが過ぎれば、季節は本当の春。
 長くてもそれまでには調整完了と考えたいところです。

 日経には、「上場企業、経常益13%増」の見出し。
 全体の動きにかき消されていますが、これが現実。
 「ハゲタカはいらないから、ペンギンが欲しい」との声も・・・。

 一つの仮説。
 あまりにロシアや中国と親密に見える日本に対する脅迫ではないかという見方。
 ロシアの首相が来日して海底ケーブルの敷設が決定。
 自民党の丹羽総務会長の訪中団は、医療支援の方向。
 それならば・・・。
 というのが米市場を通じたメッセージとする可能性も考えられます。
 アメリカがこよなく愛してきた日本のインディペンデンスデーはまだまだ先というサイ
 ンとも・・・。
 だからこそ「マエストロ」グリーンスパン氏がわざわざ香港でのリセッション発言とも。
 もっとも、これでは陰謀史観になってしまいますが・・・。

 余談ですが・・・。
 昼の築地近辺で猫がクシャミ。
 花粉症も結構厳しそうな気配を見ると、ユニチャームにも食指が動いてきます。
 マーケッターは、ソフトバンク(9984)と住友チタ(5726)に注目とも。





2007年02月25日
                    「増 資」
                       
第47回
                    
2007年02月23日
△------------------------------------------------------------------------

 忘れていた単語は「転換促進」。
 バブルの頃は「ファイナンス銘柄」という言葉とセットになっていたことが甦ります。

 今回は新日鉄。
 昨年11月に発行した同社のCBは3000億円。
 転換価格が740円。
 株価の上昇とともに転換が進むとすると、殆どゼロコストのマネーが動き回ることに
 なります。
 バブルの頃は、増資資金=財テク資金として、株式市場に出てきましたが、このシナ
 リオは今では不可能。
 なにしろ説明がつきません。
 昨今は増資などの際に、「希薄化」が取り沙汰され、一旦、株価は売られれます。
 でも・・・。
 「促進」や「販売」という観点からは、「好材料期待」に変化します。
 新日鉄は好事例。
 すると・・・。
 増資銘柄、ファイナンス銘柄などは、発表時点で売り込まれたら買いというシナリオ
 もアリですね。
 因みにホンダは売り出し、東レは20年ぶりのCB発行を発表しています。

 ところで・・・。
 マーケットの当面の主役は新日鉄であることに異論はないでしょう。
 市場関係者のコメントは「個人は、もう鉄についていないし、持っていない」。
 本当でしょうか。
 ある証券会社の幹部も言います。
 「新興市場の追憶に浸っているうちに、市場は遥かに進んでしまった。
 相場の方向性を語らなかった証券関係者の責任は相当重い。
 『なぜ鉄を勧めてくれなかった?』の怨嗟の声も聞こえてくる」と・・・。
 しかし、機関投資家や外国人だけの注文で相場が形成される筈はありません。
 その証拠にネット証券の売買手口上位には必ず顔を出しています。

 最近言われるのは、「1982年」との酷似。
 1982年は「大化け銘柄続出の年」でした。。
 「前半の内需株、後半にかけての優良株、その間隙をぬっての小型材料株」でもあ
 りました。
 同年の東証1部値上がり率上位は、乾汽船、東京鉄鋼、東京製鉄、共栄タンカー、
 ホウスイ、タクマ、三菱鉛筆、合同製鉄、共同印刷、オカモトなど。
 大証1部ではローム、三菱信託、住友信託など。
 加えて翌年には「企業の資金調達2年連続最高額を更新・・・国内CB、増資、海外
 W債が主流」の見出し。
 いつか来た道、温故知新の反復感は拭えないようです。

 土・日は京都。
 来週はもう弥生。
 東京のサクラ開花予想は3月19日。
 丹沢でゴルフ三昧に惹かれますが・・・。
 余談ですが、昨年末に買ったゴルフ会員権は買値の倍近くに上がってきました。
 もっとも投資ではなく、プレー権確保が目的なので、あまり関係ありませんが・・・。
 良い週末を・・・。






2007年02月18日
                  「華麗なる一族」
                       
第46回
                    
2007年02月02日
△------------------------------------------------------------------------

 2月如月。
 衣更着、あるいは着更着または生更木とも書くそうです。
 寒さで着物を重ねて着るからという説が有力ですが、草木が生え始めるとの説の方が
 良さげです。
 1月は月足陽線。
 とりあえず好スタートでした。

 久々に奇問遁甲の株式透視。
 「1〜2月は安定的。
 春から夏にかけて法律に関係ある問題が発生する。
 株式市場全体は1年を通じては『まあまあ』。
 今年はそれほど波の大きさはない。
 安定的な1年となろうか。
 結論は・・・。
 1〜2月高い。
 3月盛り上がっているが、虚偽の情報や『実は違う』というころアリ。
 4〜5月少し安い。
 5〜6月少し不安定。
 6〜7月少し低くなる。
 8月不安定。
 9月以降年末まで上昇」。

 日経では「不動産ファンド投資加速」の見出し。
 「都心部に過熱感」ともコメントされています。
 相変わらす「我が世の春」。
 銀座に出没する外資系不動産マンと言う構図も変わりません。
 その昔、株屋と言われた証券マンは、アメリカに倣って地位が上がりました。
 その昔千三屋と言われた不動産屋は、やはりアメリカからファンドやノンリコの輸入で
 地位が上がりました。
 そのうち不動産マンと呼ぶのでしょうか。
 屋がマンになるだけだが、大きく違いそうです。

 2月入りとともにコメントされ始めたのは2月15日発表予定の国内GDP。
 大和総研は「実質が前期比+0.9%(年率換算+3.8%)」。
 前回は+0.2%であり、ややポジ予測。
 外資は「されどGDP」とのコメントで前期比年率+4%の見通し。
 背景は
 (1)7〜9月に一時的に停滞した個人消費持直し。
 (2)非製造業も含む設備投資拡大。
 (3)対アジア輸出を中心とした外需堅調。
 そして2月利上げ説も復活してきました。

 「華麗なる一族」は言うまでもなく、TBSの日曜ドラマ。
 かつて主役を演じた田宮次郎氏が、作品そのままの最後を遂げたことでも有名です。
 題材となっているのは、関西の都銀下位行と特殊鋼メーカー。
 今では三井住友と山陽特殊鋼ですね。
 ドラマでは、銀行再編と高炉再編という監督官庁の方向性に揺れ動く民間企業が描か
 れていますが、現実もまさにその通り。
 依然として、経済産業省や財務省の監督権と方向性は圧倒的な強さです。
 とすると・・・。
 やはり、マーケットで重視しなければならないのは「国策」であることは変わりません。

 因みに山崎豊子氏の著作を改めて検証してみますと・・。
 「白い巨塔」→阪大医学部からアンジェス
 「不毛地帯」→伊藤忠商事
 「大地の子」→新日本製鐵
 「沈まぬ太陽」→JAL
 「運命の人」→毎日新聞、沖縄返還交渉
 どうも、最近マーケットで目だつ銘柄群が多いような気がします。

 では、また来週。





2007年01月28日
                     「三 菱」
                       
第45回
                    
2007年01月26日
△------------------------------------------------------------------------

 ダヴォスが始まりました。
 支配的なのは「世界経済は、今年も拡大する」という楽観論。
 PWCの集計では、世界の主要企業の経営者の9割以上が「向こう1年間の売り上げ
 成長」を見ています。
 中国系経営者は「非常に自信がある」との回答が6割。
 一方、日本人は30%。 
 「羹に懲りて」はまだまだ改善されていないようですね。

 そのダボスに現れたのは竹中平蔵氏。
 「エコノミストとして言えば日銀は2月に利上げするべきではない」の発言。
 どうも、「円キャリートレードの収縮は、アメリカやヘッジファンドにとって良くない」と聞
 こえて仕方がないのですが・・・。
 ダボスといえばトーマス・マンのノーベル賞受賞作「魔の山」の舞台。
 やはりデモーニッシュが潜んでいるのでしょうか。

 「1月第3週、外国人5430億円買い越し」の報。
 ある女性トレーダーの分析は「黒目の換算がないじゃない」。
 黒目とは、日本の機関投資家などのロンドン経由の買い物のこと。
 こういうところがまだ不明瞭。
 あるいは、日々誰もが口にする「外資系動向」。
 本当に、正しいとは限りません。
 ストップ安指値の買い注文やストップ高指値の売り注文まで反映されている場合もあ
 ります。
 逆に、かつての4社動向などは、「目の子」で発表していたこともあります。
 迂闊に信用は出来ない数字にもかかわらず、影響力は大きいもの。

 「三菱」の活字はよく活字になります。
 少し前までグループの中核である三菱重工は祟られていました。
 リコール問題で揺れた三菱自動車や三菱ふそうは、三菱重工の関係会社。
 最近では三菱自動車も「自動車用電池」などで明るくなってきましたが・・・。
 以前は重工の長崎造船所では火災が頻繁に起きていたことは記憶に新しいところ。

 因みに三菱重工は、航空機・ロケット・原発などアメリカの基幹産業とフィールドが同じ。
 防衛産業という観点からも、重要な企業の一つ。
 そして原発。
 荒唐無稽ですが、M&Aの可能性は否定できないと見る向きも多いです。
 三菱の歴史は、明治以降の日本の歴史でもありますが・・・。

 そういえば・・・。
 敗戦以降、アメリカの対日方針は「改革」だったのが、ある時点から「復興」に変化した
 そうです。
 そして、旧ソ連とアメリカの冷戦構造のハザマで、自国の地政学的重要性に気がつか
 なかったのが日本とも・・・。
 歴史が繰り返すならば、「改革」はいずれ「復興」に向かうに違いありません。
 もっとも国土が荒廃しているわけではありませんから、経済的復興ですが・・・。

 まもなく節分。
 格言は「節分天井」なんですが、いつも「今年こそは関係ない」がマーケッター。
 「業績は良し。需給は裁定が重いけれど、さほどの懸念なし」。
 湯島天神の梅も綻んだことですし、「そろそろ春が」の感も。
 そして「そろそろみずほ」と考えています。
 休養十分な「オリジン電気(6513)」にも注目しています。





2007年01月21日
                   「私の履歴書」
                       
第44回
                    
2007年01月19日
△------------------------------------------------------------------------

 
「追加利上げナシ」。
 読み間違えました。
 しかし・・・。
 マーケットは堅調。
 ブルマインドの拡大は新興企業群にも及んできました。
 アレから1年。
 長い道程でした。

 1月の「私の履歴書」。
 結構読みにくかったのですが、今考えると、解は「ソニー」。
 登場人物はノーベル賞の江崎博士。
 ところが、学識者ではなく背景はソニーでした。
 1月17日(水)付けではこう書かれています。
 「当時、東京通信工業は、従業員400人程度の活気に満ちた前進を続けるベンチ
 ャー企業」。
 それが50年後のソニー。
 新興企業の成長の軌跡のお手本でもあります。
 この成長を買うのが新興市場なのに・・・。
 短期的売買のターゲットにしたところに、錯誤があるに違いありません。
 さらに問題は・・・。
 公募価格の高さ。
 これは引き受け責任でもあり、この是正は必要でしょうね。
 すべての投資家が「割高なIPO銘柄は買わない」という強い姿勢を持てれば良いの
 にと思います。

 先週、新横浜の新横浜のチップワンストップへ取材に行きました。
 半導体部材、電子部品のネット販売企業で「秋葉原のネット通販」という企業。
 社長の言は「エレクトロニクスが日本の柱」。
 ワンストップで調達された電子部品で開発されたエレクトロニクスが、日本を変える
 とのコメントには納得しました。
 電子部品では、特にコンデンサが元気で、村田製作所や日コンは元気印とも。
 「いずれは、新横浜から東京へ?」の質問には「いや、新横浜は電子部品関連企業
 が多いのが魅力」とも。
 「それに、京都に行くのも便利だから・・・」。
 安倍清明神社ばかりではなく、ハイテク産業集積地としての京都は、今年のテーマ
 ともなります。
 ところで、電子部品。
 ミツミにしても、日コンにしても、その動きの激しさは、株式投資の醍醐味。
 「これがあるから止められない」という声も聞かれる。
 もっとも、信越化学の第3四半期決算。
 半導体シリコンウェハーの進捗が顕著だが、マーケットは「通期据え置き」を重視。
 純利益で前年比35%増は素晴らしいと思われるのですが・・・。





2007年01月14日
                  「トレンディドラマ」
                       
第43回
                    
2007年01月12日
△------------------------------------------------------------------------

 トレンディドラマ「ハケンの品格」第1回を見ました。
 「アンフェア」で磨かれた篠原涼子の好演が目立ったのはともかくとして、時代性は抜群。
 政治面では中川幹事長と菅代表代行の非正規社員を巡る「サヤあて」が取り上げられ
 ているし、経済面では「派遣255万人過去最多」の見出し。
 加えて「派遣社員の事前面談解禁」の報。
 これは、単に社会経済現象ではなく、厚労省をからめた政治の問題。
 さすが読売を背景にしたテレビ製作という気がします。
 フリーターの拡大が懸念されたのは2005年でしたが、「人材」は大きなテーマ。
 先日取材したフジスタッフの幹部氏は「派遣する人材確保が喫緊の課題」とコメントされ
 ていました。

 そういえば、昨秋、行ったメイテックの社員研修の様子が同社社内報に掲載されました。
 「講師はすてきなおじ様」という表現。
 確かに、おじ様という年齢ではありますが・・・。

 それにしても、、新年のドラマ群は結構面白そうです。
 TBS日曜の「華麗なる一族」では、山陽特殊鋼が思い浮かびます。
 CX火曜の「秘密の花園」からは幻冬社。
 月9の「東京タワー」は東武ですし、木10の「キラキラ研修医」はナガイレーベン?。
 NHK大河ドラマ「風林火山」の山梨中央銀行よりは、良さげでです。

 「ハケンの品格」を本歌取りしたあるベテランのH記者。
 「国家の品格」の本を貸してくれとの依頼。
 貸すのは吝かではありませんが、同記者の言は「以前、本屋さんで手にとっては見たけ
 れど単行本は重たくて・・・」。
 ちなみに同書は新潮新書。
 記者とか評論家などの市場関係者は株屋よりもいい加減であることの証拠です。
 もっとも・・・。
 個人の資質が寄与するところ大ですが。

 別の編集記者からは、「風林火山は『山中』(8360)ではなく『山武』(6845)でしょう」と
 の指摘。
 確かに、山の中よりは山の武士の方がイメージがあう。
 しかも・・・。
 「取材したら絶好調の様子が窺えました」との言。
 上記のようないい加減さがないことを願いたいところです。

 それではまた来週・・・。

 =====PR===========
 【2007冬季特別株式講座&録音テープ(有料)】

 一足先に、“Wサクラ”が相場の春を告げる。 
 「個人投資家の心理」と「機関投資家の眼」を読み取る力を貴方に・・・・。

 日時:1月19日(金)18時20分〜
 場所:東京証券会館9階会議室

 第1部「櫻井英明の『ココだけの話』・・・『金利・円・株』高のシナリオ。マーケットの光と影
 を活用した銘柄戦略」。
 第2部「櫻谷光司の『ニューウェーブの旗手たち。新波動入り間近の銘柄を追う』
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/investinfo/kshp102-02.jspx?sub=07winter





2007年01月07日
                      「変」
                       
第42回
                    
2007年01月05日
△------------------------------------------------------------------------

 
【謹賀新年】

 あけましておめでとうございます。
 旧年中は、お付き合いいただきましてありがとうございました。
 多くの方々から、お年賀状も頂戴しており、改めて御礼申し上げます。
 ・・・・マーケットは陽光まぶしい局面での大発会。
 そして「ヒヤッとしたその一瞬」の3連休控えの金曜日となりました。
 1年は長いですが、亥年のパワーアップに期待したいと考えております。
 2007年のテーマは「マーケットの光と影」。
 M&Aも富の偏在解消もすべて織り込んでくることでしょう。
 基本シナリオは「金利上昇、円高、そして株高」。
 「初めよければすべて良し」となってほしいものです。
 相変わらず、「楽しくなければ株じゃない」がキーワード。
 マーケットに必要なのは、複数の意味での「やさしさ」ではないでしょうか。
 理解不能も困りますし、冷血も好ましくありません。
 もちろん刻苦研鑽は必要ですが・・・。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 株式新聞Weekly編集長 櫻井英明

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
元旦の日経トップは「富が目覚め、経済回す」。
 この富とは、マネーと不動産という見方。
 家計における不動産の価値が高まり、これが究極的に個人消費に結実するという理
 論。となると、今年は不動産セクターに再度期待感ということになりそうです。
 「新市場生む源泉に、秘めた力は世界一」。
 失われた自信を取り戻そうということでしょうか。

 恒例の年始アンケート。
 例年通り年末高値予想が多く、平均的には19500円前後の見通し。
 やや迫力にかける見通し。
 最高値予測は大和の鈴木社長の22,000円。
 最安値予測は信越の金川社長とキッコーマンの茂木社長の14,500円。
 有望銘柄はトヨタ、キャノン、信越化学。
 きっと今年年末の風景は違ったものになっているに違いない。

 年末訳あって京都へ。
 森閑として雪の降る古都の趣きの中、堀川今出川の安倍清明神社に足を伸ばしてみ
 ました。
 陰陽道が流行ったことから人気化しています。
 宝くじを入れておく財布などを売っていましたが、持ち株の上がるお守りなどもあれば
 良いのに・・・の感。

 週末のニュースを読みながらいろいろ考えさせられました。
 世界の株式時価総額は、50兆ドル=約6000兆円に迫る勢い。
 NYが世界の約4割。
 東京は世界の1割。
 これでは勝てません。
 ただ・・・。
 最近流行の「時価総額至上主義」。
 ある記者氏の質問は「ホリエモンの方向性とどこが違うのでしょうか?」。
 考えてみれば、ホリエモンは悪の枢軸とされ、重厚長大企業の時価総額は拡大を迫
 られています。
 確かに、どこか変。
 時価総額拡大に必要なのは、株価の上昇か株式の増加。
 ならば・・・。
 もっと簡単に、「株価の上昇が必要」という論調にはならないものでしょうか。

 「最近見慣れない」と表現されたのは、日立と重工。
 「低迷大型株」という烙印まで押されてしまいました。
 しかし・・・。
 300円台が定位置だった日立が2040円の高値をつけたのが88年8月。
 重工のCBが200円台の初値をつけて話題になったのは、確か85年。
 加えれば、東京電力が仕手株的動きとなり9420円の高値を付けたのは87年4月。
 かつては、それぞれ主役であり、バブルの火付け役。
 市場の中心は、鉄・トヨタ・ソフトバンクばかりではありません。
 そして・・・。
 郵政公社の投信販売残高は5000億円を突破。
 1年2ヶ月でのこの募集。
 ノルマ達成至上主義というかつての大手証券的動きも喧伝されますが、今年はさらに
 拍車がかかるでしょう。
 すると・・・。
 やはり、ど真ん中・01銘柄・高配当のキーワードは外せません。

 お粗末なのは、債券市場のコメント。
 「日銀が1月にも利上げに踏み切るとの見方が一段と強まり売られた」。
 何を今更・・・の感。
 この間までは「利上げ見送りの公算高く一段高」の論調。
 豹変というよりは、風見鶏。
 惑わされてはいけません。

 懸念はむしろ政治。
 昨日、鳥居の下をくぐる安倍総理そして民主党の小沢代表の映像が放送されていま
 した。
 酔眼で思わず「あれ靖国?」と勘違いしてしまいましたが、鳥居は伊勢神宮。
 年末年始の総理は六本木のハイアットに宿泊。
 これも、イメージはホリエモンにつながって悪印象。
 おまけに、「私の内閣で憲法改正」の発言。
 「私の」には、まだ早いの感。
 そして・・・。
 朝日が執拗な松岡農水相。
 どうも短命の気がしてなりません。

 因みに・・・。
 もう一つは箱根駅伝のアノマリーに関する水戸証券のレポート。
 過去の箱根駅伝で、往復完全優勝が実現した年と順天堂大学が総合優勝を飾った
 年の日経平均株価の推移がまとめてあります。

 それによると・・・。
 1966年+2.42%。
 1979年+9.46%。
 1981年+7.95%。
 1982年+4.36%。
 1986年+42.61%。
 1987年+15.31%。
 1988年+39.86%。
 1989年+29.04%。
 1999年+36.79%。
 2001年−23.52%。
 2001年意外は皆上昇。
 しかも、平成バブル時の4連勝。
 そしてITバブルの99年と節目には登場しています。
 すると、今年も、の期待感となるのですが・・・。

 さてマーケット。
 1月利上げアリとシナリオを決めうちすれば・・・。
 銀行セクターとなる可能性。
 平成バブル時は、住友信託銀行(8403)の狼煙からスタートした記憶もありますが・・・。





2007年01月01日
                    「追 想」
                       
第41回
                    
2006年12月29日
△------------------------------------------------------------------------

 そろそろ今年1年を振り返ってみると・・・。
 まずは昨年大晦日から節分まで。

 12月31日「不動産融資の監視強化」
 1月1日  「反転:強い時代が始まった」
 1月3日  「鉄鋼大手4社:高級鋼材6000億円投資」
 1月4日  「医療情報開示義務付け」
 1月7日  「松下1600億円投じ新工場」
 1月8日  「再生機構解散前倒し」
 1月9日  「ケータイ投資家膨らむ」
 1月12日 「シャープ液晶2000億円追加投資」
 1月13日 「東証処理能力7割増・・・1500万件可能に」
 1月14日 「基礎的収支改革継続で黒字化」
 1月15日 「上場企業借り入れ拡大へ転換:設備投資やM&A」
 1月16日 「日生、予定利率上げ。21年ぶり」↓
        ライブドア事件発生:同時にヒューザー小嶋社長証人喚問
 1月21日 「米産牛肉の輸入停止」
 1月22日 「サーバー型放送2007年度に」
 1月24日 「堀江社長逮捕」
 1月25日 「6品目で首位後退:DVDレコーダー→ソニー」
 1月26日 「ソニー・サムソン液晶新工場建設へ」
 1月27日 「ソニー営業黒字1000億円」
 1月28日 「日経平均569円高」
 1月29日 「家電、省エネ義務強化」
 1月30日 「日通、全国で信書配達」
 2月1日  「銀行貸出金利さらに低下」
 2月2日  「トヨタ、第一汽車と開発」
 2月3日  「主要企業、業績上方修正相次ぐ」

 改めて見てみると、昨年大晦日から今年の不動産マーケットの堅調は予測されました。
 不動産融資の監視を強化するということは、当時ネガ材料視されたが、実は不動産が
 動いているということ。
 その実証がREITの上昇となりました。
 そして元旦は「強い時代」。
 これは、そこまで強くなりませんでしたが・・・。
 鉄鋼大手、松下・シャープ。
 これはその通りの推移。
 もっとも東証の処理能力増強は、市場の拡大を予測させましたが・・・。
 そして一番大きなポイントは、ホリエモンショックをかき消してくれたのは明らかにソニ
 ーでした。
 節分には業績の上方修正の記事。

 4月新年度入り以降の見出しから。
 3月31日 「第一三共大衆薬ゼファーマを買収・・・首位の大正製薬追う」
         「潜在成長率1.3%に。内閣府試算、10年ぶり高水準」「日経平均17000
        円回復」
 4月1日  「トヨタ全クラスにハイブリッド」「時価総額40%増。17年ぶり最高」

 4月2日  「50年国債発行を検討。金利上昇に備え。年金など長期運用ニーズ」
        「株主に10兆円配分」「来春の採用はや過熱」
 4月3日  「KDDI、光通信、東電と統合」
 4月4日  「ATMでの振り込み10万円までに制限。資金洗浄を防止」
 4月5日  「パート待遇改善で戦力化」
 4月6日  「指名競争入札を原則廃止」「名目4%成長、増税抑制」
 4月7日  「携帯電話、松下・NEC米ITと合弁」
 4月8日  「民主新代表に小沢氏」
 4月9日  「国際石油帝石、豪でガス田7000億円投資」「潜在成長率1%台後半に上
        方修正。日銀内閣府試算を上回る」
 4月11日 「不動産の取引価格公表。市場を透明化」
 4月12日 「NHK受信料、不払いに罰則検討。総務庁値下げも視野に」
 4月13日 「設備投資中小へ波及。車・家電けん引。昨年度26%増」「ソニー前期収益
        拡大」
 4月14日 「アイフル全店営業停止。違法取立てで」「粗鋼生産30年ぶり高水準」

 4月15日 「中国、対外証券投資を解禁。外貨の流出制限転換」
 4月16日 「郵政公社、投信販売目標3倍に。残高5兆円に」
 4月17日 「賃上げ率1.65%に上昇。自動車・電機けん引」

 4月1日のトップは「トヨタ」。
 これも、上場来高値を更新中で、今年後半のヒーロー。
 その萌芽がありました。
 採用過熱で人手不足が感じられ、不動産取引は透明化され、設備投資がけん引する
 方向性が窺われます。
 トドメは「郵政公社、投信販売目標3倍に。残高5兆円に」。
 ど真ん中で高配当の銘柄が継続して買われた背景がここにあります。

 第2四半期以降の見出しから。
 7月1日(土)  「薄型TV、1インチ5000円に」「日航最大5000億円調達」「税収5兆
           円に」
 7月2日(日)  「電子カルテ共有容易に」「山パンが東ハト買収」
           「企業在庫・設備を評価し売買。動産担保融資世界最大手ゴードン日
           本へ」
 7月3日(月)  「60歳超の社員企業の9割が再雇用」「滋賀県知事に新人・嘉田氏」
 7月4日(火)  「ゼロ金利解除、条件着々と。設備投資2ケタ増、物価も上昇」
 7月5日(水)  「日銀、株売買、役員は禁止」「GMとの提携交渉、調達・安全軸に」
 7月6日(木)  「政府、非難決議案提示へ。北朝鮮ミサイル7発目発射」「上限金利
           20%へ」
 7月7日(金)  「テポドン再発射警戒」「実質2.1%成長の上方修正」
 7月8日(土)  「基礎収支、2011年度に黒字。骨太方針2006決定」
 7月9日(日)  「北朝包囲網、硬軟交え」「CO2排出権企業の取得3.5倍へ」
 7月11日(火) 「新IP網、設備含め開放」「北朝鮮制裁決議案採決先送り」「いすゞ、
           ロシア生産」
 7月12日(水) 「上場企業、海外営業益21%増、米・アジアが好調」「株価変動の夜
           間取引所」
 7月13日(木) 「ゼロ金利明日解除へ。誘導目標0.25%に」「イスラエル軍、レバノン
           に侵攻」
 7月14日(金) 「BS放送、最大42チャンネル追加」「原子力推進を決議。サミット」
           「夏のボーナス2・0%増加。首位は任天堂168万円」「ゼロ金利きょう
           解除へ」
 7月15日(土) 「ゼロ金利解除。連続利上げ意図せず」「ロシア国営石油株式公開.1.2
           兆円」
 7月16日(日) 「松下、薄型TVロシア・ブラジル生産」「安保理北朝鮮決議案採択へ」
 7月17日(月) 「北朝鮮非難足並み。サミットも声明」「サミット原油消費抑制で一致」
           「新日鉄・ミタル提携継続」
 7月18日(火) 「雇用保険65歳以上新規加入可能に」「陸自イラク撤収」
           「カラープリンター価格破壊。米デル、日本で直販」
 7月19日(水) 「短プラ6年ぶり上げ」「日航×全日空、値下げ合戦最大8割引き」
           「日経平均14500円割れ」
 7月20日(木) 「A級戦犯靖国合祀、昭和天皇が不快感」「追加利上げ慎重に判断、
           FRB議長」
 7月21日(金) 「郵政事業化計画、民営化時の損保販売」「リース税制減価償却扱い
           を検討」
 7月22日(土) 「自民総裁選、安倍氏優位決定的に。福田氏が出馬見送り」
           「三菱商事、北越紙の筆頭株主に」「ダイエー丸紅が再建主導」
 7月23日(日) 「ホンダ、ハイブリッド車で新工場。三重鈴鹿」「上場企業のROE過去
           20年で最高」
 7月24日(月) 「北越製紙、王子が敵対的TOBへ」「首位交代、倍の9品目、松下、
           全日空」

 村上ファンドの村上氏の逮捕で、ひとまず幕を閉じた市場不安感。
 それでも7月はまだまだの感。
 「日経平均14500円割れ」の活字が痛々しい。
 読み取れるのは「ゼロ金利解除」と「人出不足」、そして「M&Aの拡大」。
 この後、マーケットは10月までとりあえずは安定した推移となりました。

 ついでに第3四半期以降は・・・。
 9月1日(金)  「ホンダ・日産、中国で現地調達8割」「家計の株・投信、値上がり益最
           高62兆円」「2016年東京五輪、東京国内候補に」
 9月2日(土)  「自民総裁選、『成長と歳出削減優先』」「ダイエー不動産39件売却、
           800億円」「銅急騰、収益膨らむ。住友鉱山、予想比2.5倍」
 9月3日(日)  「ASEAN統合新段階。非関税分野の拡大」「投信1兆円ファンド続々」
 9月4日(月)  「製造業、高まる収益力。損益分岐点率80%切る」「ニート就労支援
           拡充」
 9月5日(火)  「新日鉄、韓国ポスコと提携拡大」「内部統制ルール、振興上場企業
           にも適用」
 9月6日(水)  「国産ジェット機、2012年度に商業生産。官民で1200億円拠出」
           「サハリン2停止求める」「紀子さま、きょうご出産」
 9月7日(木)  「自動車各社、欧州輸出、中印を拠点に」「プレステ3欧州発売延期」
 9月8日(金)  「レアメタル安定供給へ備蓄増強」「ブレア首相退陣へ」
 9月9日(土)  「電子部品、携帯向け一斉増産。TDKやオムロン、パソコン向け低迷
           補う」
           「1400億円ファンド、米証券化商品向けに投資:住友信託」
 9月10日(日) 「みずほコーポ銀、韓国大手2行と提携」「大型液晶TV、東芝ポーラ
           ンドに工場」
           「日比首脳、看護師、介護福祉士、初の労働開国」
 9月12日(火) 「地上デジタル、ネット配信規格統一へ」「JR貨物、韓国鉄道公社と
           提携」」
 9月13日(水) 「赤字地方債解禁を検討」「日野自、スカニアと提携」「悠仁さま命名」
 9月14日(木) 「固定電話の全国網維持費、全利用者が一律負担」「ダイエー負債
           2,000億円圧縮」「投信残高、最大の61兆円。個人マネー流入」
 9月15日(金) 「ブラジル国営石油会社、日本の製油会社買収へ」「北朝鮮金融制
           裁月内に発動」「銀行融資、首都圏での増加鮮明」「東芝と三菱電機
           増配」
 9月16日(土) 「灰色金利、ほぼ3年で廃止。」「日立最終赤字550億円」
           「設備15年ぶりに若返り、新規投資増映す」「フォード、ホワイトカラ
           ー削減」
 9月17日(日) 「東証、株価変動制限を緩和」「海外生産トヨタ500万台規模。国内と
           逆転確実」
           「G7会議、成長持続へ潜在リスク。エネルギー・インフレ・保護主義」
 9月18日(月) 「国の税収、法人税依存が鮮明に。所得税と逆転へ」
           「公共工事落札価格の下落続く」「野村ロシアに拠点」
 9月19日(火) 「基準地価3大都市圏16年ぶり上昇、全国平均2.4%下落」
           「サハリン2、工事承認取り消し。LNG日本輸出に遅れも」
 9月20日(水) 「半導体最先端材料、信越化学、2工場増設。1200億円投資、世界
           首位守る」
           「タイでクーデター」「BRICs企業、M&A急拡大、昨年の1.4倍」
 9月21日(木) 「自民新総裁に安倍氏」「JFE中国に新工場、500億円投資」
           「トヨタ単独営業益8割増、2008年世界販売980万台」

 目立つのは、やはりトヨタ。
 営業利益2兆円超は、やはり秀逸。
 銅の急騰が資源セクターを潤す一方で灰色金利の廃止が消費者金融セクターに大
 打撃となりました。
 締めくくりは安倍内閣の成立。
 わずか、3ヶ月前のことながら、色あせて見えるのは気のせいでしょうか。
 不動産が強く、投信が拡大し、株価変動制限緩和は将来への布石とも読めます。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 本年もお付き合いいただきましてありがとうございました。
 来るべき亥年には、さらにパワーアップしてマーケットの息吹と見解をお届けしたいと
 考えております。
 そして…。
 2007年のテーマは「マーケットの光と影」。
 ゲーテの「もっと光を!」は、あながち虚構の世界ではないことを信じて…。
 来年もよろしくお願い申し上げます。


 株式新聞Weekly編集長 櫻井英明
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





2006年12月24日
                  「大納会に向けて」
                       
第40回
                    
2006年12月22日
△------------------------------------------------------------------------

 タイはたいしたことなかった。
 というのが先週の感想でしょうか。
 何で今さらタイなの?
 ムンバイだって、上昇時には話題にならず、下落時は大騒ぎ。
 他力本願きわまれりの感でした。

 札幌への株式セミナー。
 登場したJALはガラガラ。
 ANAは混雑。
 この違いが目に染みました。
 サッポロビールのジンギスカン食べ放題、ビール飲み放題で見かけたのはアジア系
 の観光者に混じったアメリカ人。
 いかにも「今年は儲かった」というイメージでのバカンス気分。
 外人投資家のクリスマス休暇の実証でした。
 その札幌株式セミナー。
 ある来場者からワインのプレゼント。
 「クリスマスがお誕生日とお聞きしたので」と。
 立派な十勝ワインでした。
 札幌まで言ってお誕生日プレゼントを頂戴して感激というところ。
 予断ですが、誕生日がクリスマスだと、バースデーケーキには滅多にお目にかかり
 ません。
 生涯で1回だけ20才の誕生日に目にしただけです。

 さて本間さんが辞任。
 証券優遇税制廃止の線を打ち出した頃に「悪代官の相」と言いましたが、それこそ、
 何か別の力が働いた様子。
 後任が東大なのか、一橋なのか、猟官運動は盛んな様子。
 学界も象牙の塔ではなくなってきました。

 HOYAとペンタックス合併の報。
 2007年を先取りする動きはまた出てきました。
 どう考えても、M&Aは外せないし、単なる三角合併対策だけでは収まらない。
 また、国土交通省は企業の不動産売買の指針を作成するといいます。
 こちらも来年のテーマ「不動産」となってきた感。

 出来るようで出来ないのが大局観。
 囲碁でも麻雀でも勝負事では必要なこと。
 言い換えれば「ベクトルの方向性の認識」でしょうか。
 大局観が合えば、どんな銘柄も上昇するし、下落します。
 問題は銘柄ではなく、大局観なのですだが・・・。
 これが意外と理解できません。
 例えば麻雀。
 場の空気がこちらに傾いた局面では、鳴きタンだろうと食いピンだろうと大三元だろう
 と上がれます。
 ところが、場の空気が異なれば、何をやってもダメ。
 ・・・というようなこと。

 個別銘柄にしても重要なのはタイミング。
 いつでもどこでも買い場面ではない。
 大勢上昇局面では、どんな銘柄も上がる。
 逆もまた真。
 マーケットがマーケットを語ってくれることもあります。
 その意味では大局観が重要です。
 当たり前ですが・・・。

 個別では、京セラ(6971)、資生堂(4911)に注目。
 新年は新興市場と不動産・銀行・半導体と読んでいますが・・・。
 全体は年内新値更新と見ているのですが・・・。





2006年12月17日
                     「忠臣蔵」
                       
第39回
                    
 2006年12月15日
△------------------------------------------------------------------------

 12月14日は旧暦では忠臣蔵討ち入りの日。
 205年前に本所の吉良邸に赤穂浪士が乱入した日です。
 おそらく現代日本ではこんなことは起こらない筈。
 忠義は消え、残っているのはせいぜい「武士道」の端程度でしょうか。
 石原慎太郎氏は「NOといえる日本」と揶揄したが、文句言う日本人は消えてしまった
 の感。
 だから、マーケットではやられ放題という見方もできます。

 「このままでは、日本の個人金融資産は、ほとんど外資の略奪にあう」とは、著明なマ
 ーケッターの言。
 「上がった、下がった」と浮かれているだけでは、何の進歩もない。
 そして・・・。
 「もはや魅力を奪いつくした都心の不動産を静かに売っている外資も」とも。

 「2007年はいのしし年。
 過去は岸内閣、佐藤内閣が活躍した年回り。
 でも・・・。
 共に翌年ねずみ年の総選挙を期に退陣」との指摘。
 消費税その他のスケジュールを考えると、安倍氏の先行きも明るくはなく見えなくなり
 ます。

 このところ、ゴルフの会員権を調べているますが、底値からの上昇率の高いものが結
 構あります。
 特にバブル時に数千万円していたものの戻りが急。
 あるいは一度再生したもの。
 例えば神奈川県の清川カントリー。
 更正前後の数年前は24万円。
 今年の高値は700万円台。
 厚木インター利用で、都心から近く、ジャック・ニクラウス設計のコースは高評価。
 要は「いいものはいい」。
 そして、一般人のは他が届かないものが上昇する構図。
 確かに、格差社会。
 逆に総じて安いのは、外資系に身売りしたコース。
 こちらはいいものも上がっていないので、株式市場とは対照的。

 あるマーケッターの分析。
 「年末にかけて17700円というシナリオはあり得る。
 逆に、なければ来年のマーケットは絶望的。
 それは、昨年末の日経平均の10%上の水準だから・・・。
 示現すれば、来年の2万円が見えてくる」とも。

 「利上げ年内見送り」の見出し。
 喜ぶべきか、悲しむべきか。
 心境はそれこそハムレット。
 目先筋は喜び、心あるマーケッターは悲しむというところ。
 「消費・物価力強さ欠く」とは日銀の見解。
 というよりは・・・。
 政治に負けたの感。

 明るいのは「新卒採用意欲増加」の報。
 富士通が600人超、ユニクロが450人、牧野フライス、キリン、
 キャノン、コマツなどマインドは超強気。
 加えて、産業用ロボットの生産は来年も最高との見通し。
 それこそ課題は「ヒト」となってきました。
 丸の内の賃料は上昇基調。
 鉄スクラップは26年ぶりの水準に上昇継続。
 背景は整ってきたようです。
 なぜ利上げがないかが不可解でもあります。

 ところで・・・。
 どうしてSQは第二金曜なのでしょうか。
 誰も怪訝に思いませんが・・・。
 新月が概ね第二金曜前後。
 新月に買い、満月に売るというセオリーからは、第2金曜が望ましいのかも知れません。
 不可解・理不尽なことは、わかるまで追求するという姿勢がマーケットでは必要なよう
 です。

 クリスマスを目前にして、銘柄的にはBS(5108)、NECトーキン(6759)、ヤマハ(7
 951)に注目しています。
 週明け月曜は、16890程度?

 △▲△▲==PR=======△▲△

 株式セミナー
 「櫻井英明の『ここだけの話』・・・大納会まであと6日。『亥固まる』の戦略論」

 12月21日(木)14時45分札幌・すみれホテル3Fヴィオレの間
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=061221_s





2006年12月10日
                  「いつか来た道」
                       
第38回
                    
 2006年12月08日
△------------------------------------------------------------------------

 為替は一時114円台への円高傾向。
 シナリオは円高→株高へと向かってきたようです。
 次は金利上昇。
 安倍さんと福井さんが定例の会談を行った後にマーケットが下落したところを見ると、
 まだマーケットは織り込んでいない気配。
 まもなく、というところでしょうか。
 外遊する安倍さんとしては、早めに釘を刺したいとも読めます。

 あるマーケッターの指摘。
 「金利が上昇傾向になると、企業は本気で設備投資に走り出す。
 そして増資。
 すると、各企業とも好材料が飛び出してくる筈。
 だから株高。
 そして、これはいつか来た道」と。
 確かに・・・。
 おまけにアメリカのアダムズ財務次官は「日本のデフレは終わった」と発言。
 個人消費には?があるが回復は時間の問題。
 ファンダメンタルズは良好。
 企業部門は健全で年末商戦も良好な展開。
 加えて、為替市場に04年3月から介入していないことを歓迎するという骨子。
 これは結構サインと思えるのですが・・・。

 モルガンが「バーゲンチャンス再来」と強気のレポート。
 「日本株は6月以来のバーゲンハンターの季節となった」というのが骨子。
 ・日本株は割安に放置されており、デフレ終焉を織り込んでいない。
 ・東証1部企業の中間決算は上半期に経常利益で11.9%成長にもかかわらず、
 下半期世同は2.4%と保守的。
 →急速な冷え込みは想定しにくい。
 ・1月の四半期決算で利益への疑いは晴れる
 ・12月短観やクリスマス商戦が下値切り上げを促進する。
 ・リスクは早すぎる利上げや米国の再利上げ。

 木曜夕刻のラジオNIKKEI「ファイナンスボックス」。
 突然の出演で話したのは「金利高・円高・株高」のシナリオ。
 パーソナリティの深野氏も賛同だったが、まだまだ浸透はしそうもありません。

 アメリカのアダムズ財務次官は「日本のデフレは終わった」と発言。
 個人消費には?があるが回復は時間の問題。
 ファンダメンタルズは良好。
 企業部門は健全で年末商戦も良好な展開。
 加えて、為替市場に04年3月から介入していないことを歓迎するという骨子。
 これは結構サインに見えるのですが・・・。

 にもかかわらず・・・。
 野村HDはインドへの進出を加速との報。
 銀行貸し出し残高の伸びている日本なのですが・・・。
 依然隣の芝生は良く見えるようです。

 市場筋はホンダ(7267)、キャノン(7751)、京セラ(6971)など
 の優良銘柄に注目。
 そういえばパールハーバー記念日でした。
 逆襲継続ということになるのでしょうか。
 任天堂DSに続いて、ソニーのプレステも盗まれたのが気になります。





2006年12月10日

          
        「ウーマノミクス」
                       
第37回
                    
 2006年11月24日
△------------------------------------------------------------------------

 ライブドアの全金融事業は投資会社に売却されることになりました。
 新聞は「堀江被告らが築いた事業モデルは崩壊する」と決め付けていますが、
 もともとホリエモンに証券を含めたビジネスモデルがあったとは考えにくいもの。
 単に、売上高を伸ばすための証券業買収だったのではないでしょうか。
 また、買収当時70億円弱だった買収金額も、それこそ「想定外」の高さ。
 誤魔化されてはいけないの感。
 ところで・・・。
 似たようなモデルで走ってきた楽天はどうなるのでしょう。
 興味深いところです。

 アジアでは欧米マネーが勢いの報。
 「世界的な株高が続く中、インド株や中国株をはじめアジア株が突出した値上がりを
 示している」と。
 マネーに限界がある以上、どこかが増えればどこかが減るというゼロサムゲームに
 なるのは否めません。
 もっともマネーが減るのが東京というのが気にかかりますが・・・。

 それと、UAE中央銀行のスウェディ総裁。
 「湾岸6カ国の域内単一通過を2015年には完全変動相場制に移行」の提案。
 加えて、外貨準備をドルからユーロへとの意向を示しました。
 現在2%のドル比率を将来50%まで引き上げるといいます。
 アメリカの逆襲がどんな形となるのか、こちらも興味深いところです。

 ある編集者の述懐。
 「個人投資家が傷を負いすぎている。
 『金魚鉢で酸素を求めてプカプカしています』
 『こんなに下がるなんて、どうしたいいのでしょう』
 『冬来たりなば、春遠からじ。株価が戻るまで待ちます』などといった皆様方の思い
 を頂いている。
 あぁ、いつもの繰り返しかな」。
 確かに・・・。
 チャートの大家の見通しは「引けは16000円手前。ただ、下値も厚いが、上値も
 厚い」。
 正念場ということなのでしょう。

 神奈川県のゴルフ場の会員権を買って気がついたことがあります。
 女性の入会がフリーなゴルフ場の評価は高いということ。
 やはり消費の決定権は女性のセオリーは生きているようです。
 となると「ウーマノミクス」健在の感。
 女性のお誕生日にはハガキが届く「サンマルク」(3395)の動きが良くなってきてい
 ますね。

 新日鉄ソリューションズ(2327)にも注目しています。





2006年11月19日

          
           「冬 場」
                       
第36回
                    
 2006年11月17日
△------------------------------------------------------------------------

 
松井証券が無期限信用取引の手数料ゼロを撤回しました。

 実はホッとしています。
 理由は二つ。
 手数料をゼロにするということは、証券会社としての立場を放棄し、貸金業に徹すると
 いうこと。
 ならば、証券会社の看板は必要ありません。
 もう一つは、無期限信用取引を利用する投資家が少なかったということ。
 信用取引は、本来数日から数週間の利用にするべきもの。
 未来永劫、借金で株式取引をするのであれば、オプションや先物の方が気が利いて
 ます。
 そして・・・。
 手数料の下げ競走も、ようやく終焉を迎えるかとの予感。
 証券会社が本来の立場に戻ってくるのかも知れません。
 もっとも、従来型の「売り手の論理」での大量販売ではなく、「投資家の相談」に乗ると
 いう意味においてですが・・・。
 世の中の投資家は、相談相手がいないことで、寂しさを感じているのも事実。
 類推するに、これは手数料の高さや低さの問題ではありません。
 「貯蓄から投資」へが国策ならば、「自己責任原則」を踏まえた相談システムを完備す
 ることが必要です。

 楽天の7〜9月期業績は21億円の経常赤字。
 依然として新興の業績懸念は燻っています。
 そして・・・。
 豚肉脱税問題の企業から安倍首相への献金問題。
 逮捕された和歌山県知事の談合献金問題も燻ります
 あるいは、ベンチャー投資会社の脱税問題。
 いつもダーティな問題は冬場に発生するのが不可解です。
 前回は1月でしたけど・・・。

 マーケットに関係はありませんが若槻千夏氏が入院。
 「ウマッチ」などでの過労が原因だそうです
 直接の関係はありませんが、昨年出したムック版「すっごくよくわかる日本経済」の
 表紙を飾っていただけに、何となく気になります。
 もっとも倒れるまで仕事が出来れば本望という気もしますが・・・。

 11月14日付け株式新聞1面では「ヘッジファンド実像を斬る」の特集。
 公式な統計は存在しませんが、ある調査によれば、その数は世界で約9000。
 資金規模は約1兆3000億ドル(154兆円)とも言わます。
 ただし、日本を含むアジア向けのファンドの資金規模は3〜4兆円程度。
 従って、今後増加の余地が大きいという見方。
 面白いのはヘッジファンドは遅行指数との見方。
 「短期的にはヘッジファンドが日本株を買うから日本株が上がるのではない。
 日本株が上がるからヘッジファンドのパフォーマンスが良くなり、資金流入が起こる」
 という解釈はD総研のT氏。
 具体的には「日本株を対象にしたヘッジファンドのパフォーマンスが上昇してから3ヶ
 月程度の時差」とされています。
 そう考えると・・・。
 無機質に見えるヘッジファンドも、やはり「人」の介在するものと思えてきます。
 加えれば、「見えない影に怯える必要はない」ということでしょうか。

 11月15日付け株式新聞には「クアドリガ・スーパーファンド・グループ」のバハ創業者
 が登場。
 1996年にスタートした同ファンドの運用資産は1800億円、顧客数は5万以上。
 氏が誇らしげに語るのは「上昇率506%」。
 テクニカル中心の運用だそうですが、運用努力もさるころながら、「天の利、時の利」
 の影響大と思えます。
 基本的には「価格の上昇・下落パターンに追従して収益機会を捉えている」とのこと。
 ちなみに、現在は日経225先物をロングポジションとも。
 専門のリサーチチームを編成し、流動性の高い日本株に注目し始めたというのが骨
 子なんですが・・・。
 因みに「バハ」とはスペイン語では「下の」、アラビア語では「僕」という意味。
 ヘッジファンドのオーナーとしては相応しいネーミングです。
 それにしても・・・。
 アラビア人やメキシコ人やロシア人など、マーケットはいろいろな人種で構成されて
 いるものです。

 冬の到来。
 もうすぐ師走ですが、マーケットは曇り時々薄日。
 見えない影に怯える必要はないでしょうが、どうもマインドは低下気味。
 「カイバ」の提供場面になるのでしょうか。

 個別では、三井造船(7003)、任天堂(7974)、逆張りのヤマダ電機(9831)という
 ところでしょうか。





2006年11月12日

          
           「背 景」
                       
第35回
                    
 2006年11月10日
△------------------------------------------------------------------------

 米中間選挙は民主党圧勝。
 かすむブッシュ。
 躍り出たヒラリーというイメージが漂います。

 ただ・・・。
 東京マーケットにしてみると、民主党優勢のアメリカは疫病神というのが直近の歴史。
 クリントン政権の8年間に行われたのは、徹底的な東京イジメであったという記憶だけ
 が残っています。
 勿論、東京市場固有のバブル崩壊という事態もありましたが、政経一体となったマネ
 ー主役体制が、アジア通貨危機などの誘因でした。
 歴史が繰り返さないことが願望となります。
 もっとも・・・。
 最終的な回収を担ったのはブッシュ政権でしたが。
 それにしても・・・。
 ラムズフェルド氏の退任会見後、背中をポンと叩くブッシュ氏の姿は印象的。

 今後は民主党の掲げる政策に沿って各種報道が先行する「ヘッドライン・リスク」に
 より株価が神経質に動く展開も今後十分予想される・・・とは外資の見方。
 因みに1950年以降の中間選挙後のNYダウ騰落率。
 政党が大統領と議会を握った場合はプラス11.22%。
 「ねじれ」が起こった場合はプラス19.5%。

 国内では、NECの職員がゴルフの競馬で書類送検の報。
 1回200円の掛け金で1位、2位を当てる仕組みですが、3回のゴルフコンペで動い
 た金額が10万7400円だそうです。
 確かに賭博であるので、悪いことですが・・・。
 問題はどうしてNECが?ということ。
 どうも不自然。
 これで書類送検なら、見聞きする限り、上場企業のコンプライアンス部門は超多忙
 にならざるを得ません。
 背景は何なのでしょう。
 同業他社のリーク?
 業績悪化中のNECをそこまで叩く必要はなかろうというのがコンセンサス。
 すると、防衛関連としての何らかの作用が?
 とはある市場関係者の見方。
 一過性のものであると考えたいのですが・・・。
 数年前の、三菱重工の火災事件と通じるものがありそうな気もします。
 真相は藪の中・・・。

 識者の指摘。
 「バブル時、地所はロックフェラーセンターを買わされた。
 そして見事なマネーの搾取に遭遇した。
 今回の民主党優勢は、日本から何を持っていくのであろうか。
 それは原爆・水爆の押し売りではなかろうか」と。
 あながち荒唐無稽ではない気がします。

 さてマーケット。
 騰落レシオは78.22。
 そろそろ仕込み場とは衆目の意見。
 加えてRSIは35%。
 こちらも9月27日以来の低水準。
 「買い信号灯る」との声もきかれますが・・・。

 アメリカの流れを見ると、再びテーマは「美と健康」の感。
 ヤクルト(2267)、味の素(2801)、ニチレイ(2871)なんて感じでしょうか?
 逆張りでサプリのファンケル(4921)なんて言う声も聞かれますが・・・。
 ではまた来週。






2006年11月05日

          
           「霜 月」
                       
第34回
                    
 2006年11月02日
△------------------------------------------------------------------------

 11月。

 「霜が降り始める」というのが語源とされますが、、まだまだ温かい陽気。
 神無月の終了で、神様は戻ってきたとも言えるかも知れません。

 日銀の福井総裁は、「景気、息長く拡大続く」の発言。
 年内利上げ説は遠のいたとはいえないところが、何とも言えないところ。
 ただ、失業率は4.2%とやや悪化。
 雇用と人材のミスマッチが背景とされるが、足踏み感。
 9月の景気先行指数は、3ヶ月連続で50%割れ。
 こちらも減速感。

 ネット証券は「急減速」の報。
 これは想定の範囲内ながら、対応の遅れが目立ちます。
 手数料競走が臨界点に達するのは、ネットトレーディングのスタート時から予測されて
 いたこと。
 未だに対応できていないのは、明らかに手抜き。
 アメリカの同行を見れば、手数料引き下げの次に来るのは、ネット証券の寡占・集約
 化。
 そして、対面の復活。
 「売り手の論理」で無用な投資商品を売るのではなく、真摯に、まともに投資家の相談
 に乗ることが早道と思われるのですが・・・。
 これが、なかなか着手されません。
 逆に言うと、誰かに背中を押して欲しい投資家は、依然多いということ。
 マーケットは、マーケットのプロを求めているに違いありません。

 日曜日のよみうりホール。
 定員1100名だが、立ち見も出るほどの超満員。
 行われたのは「個人投資家イベント、『株リッチ頂(サミット)』」。
 パネラーはDAIBOUTYOU氏、石田高聖氏、うり坊氏。
 それぞれ、カリスマデイトレとして燦燦たる成果を上げた投資家たち。
 プロデューサーは株式評論家の北浜流一郎氏。
 出席者は、通常の株式セミナーとは異なり20〜40歳台が中心。
 それも、女性投資家の多さが目立ちました。

 感じたのは、世代交代。
 投資家の世代交代は着実に進展。
 デイトレ氏の言葉は「迷ったら買い」。
 にもかかわらず、「値動きだけではなく、勉強も必要」とのコメントも。
 特に「人に聞くよりは、考える」のコメントは大賛成。
 まさに、必要なこと。
 ひょっとすると、人に聞くだけの投資家はマーケットでの少数派になっていくかもしれ
 ないとの予感。
 これは、市場の成熟に必要ですね。
 市場関係者のキーワードは「団塊世代の取り込み」。
 でも、現実はさらのその先へ進んでいるようです。

 興味深いのは「日本船主協会」の意見広告。
 「日本と外国には、海運の税制に大きな違いがあります」がキャッチコピー。
 世界標準は、船のトン量に税金がかかります。
 だが、日本では利益に対して法人税がかかる仕組み。
 これが大きいもの。
 もしも、「トン数標準税制」になったとすると、税金はある程度一定。
 しかも・・・。
 日本の海運会社にとっては、減税要因。
 これは推進されるべき問題。
 でないと、魚のように他国に持っていかれる製品などは、もっと増加傾向に。

 ポジショントークかも知れませんが、ジョージソロス氏は週刊現代11月4日号に登場。
 「今こそ、日本の株式市場は買いだ」。
 センセーショナルな見出しですが、内容はいたって簡素。
 日本株買いの理由は消去法となっています。
 一つは、アメリカの景気減速。
 貿易赤字額を遥かに凌駕する8000億ドルの住宅ローンを抱えたバブルがはじけ、い
 ずれはドル安に。
 エネルギー問題も、原油依存度の高さ(60%超)も懸念。
 「世界のマネーは消費経済のアメリカに吸い込まれていますが、この消費過剰に歯止
 めがかかると世界経済は需要不足に悩まされる」とも。
 そして中国。
 近い将来、中国では環境問題と関連して深刻な危機が訪れるかも知れないとの見解。
 アメリカと中国の見通しが良くなけらば、浮上するのは日本というのが結論。
 どうもリップサービスとポジショントークの匂いが漂うが、「ま。いいか」でもあります。

 その日本。
 住宅金融公庫の長期固定ローン金利が引き上げられました。
 35年長期ローン「フラット35」は3.05%に。
 こちらは「ジワジワ」。
 そして、需要がなければ本来、金利は上がらない筈であるから、不動産の堅調は裏
 付けられます。
 大阪梅田北ヤードの再開発は三菱地所連合が落札したとの報。
 日経の「最近の大型開発事業」では三井不の圧倒的強さが読み取れます。
 汐留、日本橋タワー、豊洲、六本木・東京ミッドタウン、川崎などで殆ど主役。
 1985年が甦る感。
 株式新聞1面では「青天、事業環境」の見出し。
 「信用倍率は0.4倍。
 買い方の攻略いかんでは、売り方が締め上げられ、予想以上の騰勢の可能性も」の
 コメント。

 マネーの流れでポジ材料は、韓国ソウル新聞による「バンコ・デルタ・アジア」の北朝
 鮮関連口座の凍結解除の報。
 6カ国協議への導入線とはいえ、マネーには弾みの感。

 懸念は裁定残。
 初の5兆円乗せは過去最高。
 10月27日現在の裁定取引に係る現物ポジションでは株数(ネット)は2週ぶり、金額
 (ネット)は6週連続の増加。
 裁定残(ネット)は約28億2千万株、金額は約5兆823億円との5兆円突破。
 これは2000年以降、過去最高。
 こちらも「ジワジワ」。

 ベトナムに熱視線の声。
 三井住友アセットは「ベトナムファンド2006−11」を設定すると発表。
 新興国の中では政治的に安定しており、原油・金・石炭などの天然資源は豊富。
 既に日本電産は、2010年までに1100億円を投資することを決定しています。
 ポスト「インド」としては最適の感。
 スケジュール的には、WTOへの加盟、安倍総理訪問(経団連ミッションも同行)など、
 何かと話題になりやすい。
 株式新聞は関連銘柄としてJUKI(6440)、サカタインクス(4633)、日本電産コパル
 (7756)、ホンダ(7267)、ベスト電器(8175)、エーザイ(4523)などを挙げていま
 す。






2006年10月29日

          
           「風 水」
                       
第33回
                    
 2006年10月27日
△------------------------------------------------------------------------

 先週の易学風水セミナー。
 六本木の泉ガーデンで住宅風水中心に2時間のセミナー。
 「現地も見ないで、風水なんてありえない」とも。
 有名なドクターK氏などがコテンパンであった。
 印象に残ったのは、出席者の熱心さ。
 株式セミナーも結構熱気に溢れるが、それこそほぼ全員がメモ取りまくり状態。
 毎週のように全国で講演を行っているリフォームプランナーのE先生は「私のセミナー
 でもこれくらいメモ取って・・・」と。
 不思議だったのは、終了30分後くらいに主催者にかかってきた電話。
 セミナーにお出席された建築専門の大学院生。
 「風水」を論文テーマに選んだところ担当教授が「NO」で悩んでおられましたが・・・。
 他の大学院から移籍OKが出たとの連絡。
 ん〜。

 その易学の先生に個人的に「この忙しさはいつまで続きますか」と聞いたところ、即座
 に「定年まで」。
 こちらも、ん〜。
 まあ、定年まで無病息災ということなのでしょう。
 加えて一言。
 「12月は株式市場はよくないです」。
 世間の楽観論はどうなるのでしょうか。
 それにしても・・・。
 外資系のM氏が強気のレポートを作成すると敬意を評して下げるのが不思議です。

 そういえば、先日、桂扇生師匠の「宿屋の富」。
 大尽を装った一文無しの主人公が富くじで千両当たって震えるさまが絶妙に表現。
 株の世界の「ストップ高」も、そういう面があると妙に納得。

 29日日曜日はよみうりホールへ「株リッチ頂(サミット)」の取材。
 プロデューサーは北浜さん。
 なぜか自民党本部でお会いしたのは1年前のこと。
 自民党総裁の椅子に座られてご満悦の姿が甦ります。
 それにしてもこのセミナー。
 定員1100人のところ数千人の申し込みとの話。
 凄いエネルギー。

 さてマーケット。
 テーマとしてのバイオマスを考えてみると、こんな見方というところでしょうか。
 ・・・・地球温暖化対策やエネルギー安保の視点から、政府は2006年3月に、バイ
 オマスの利活用推進に関する具体的取組や行動計画を定めた「バイオマス・ニッポ
 ン総合戦略」を閣議決定。
 バイオマスへの国家的な取り組みが本格的に始動している。
 「バイオマス・ニッポン総合戦略」のポイントは、
 @京都議定書目標達成のためのバイオマスエネルギーの導入、
 A未利用バイオマスの利用促進、
 Bバイオマスタウンの加速――の3点。
 中でも@では、バイオマス熱利用を現状の68万キロリットル→2010年に308万キ
 ロリットルへ、バイオマス輸送用燃料を現状のゼロから2010年に50万キロリットル
 に引き上げることが掲げられている。
 バイオマスへの取り組みは日本だけでなく世界的に進んでいる。
 すでに、ブラジル、米国などではバイオエタノールの生産が増加。
 日本の自動車メーカーもバイオエタノール対応車の開発を促進。
 ホンダは年内に、トヨタは来春にもブラジル市場に投入予定だ。
 因みに以下の銘柄群が注目されている。
 バイオエタノールではアサヒ(2502)、新日鉄(5401)、月島機(6332)、大成建(1801)。
 バイオマス燃料ではシナネン(8132)、日立造(7004)、川重(7012)、カナック(1750.
 大A)。
 バイオプラスティックでは東レ(3402)、王子紙(3861)、三井化学(4183)、ダイセル(4
 202)、大ガス(9532)。
 バイオマス発電では中外炉(1964)、宇部興(4208)、JFE(5411)、タクマ(6013)、荏
 原(6361)、三井造(7003)、FESCO(9514.M)。





2006年10月22日

          
           「ビスタ」
                       
第32回
                    
 2006年10月20日
△------------------------------------------------------------------------

 19年目のブラックマンデーは12000ドル台乗せで通過.。
 来週から奇問遁甲の先生が来日することも追い風の感です。
 何しろ彼が来日すると、株高という流れなもので・・・。

 先日から話題になっていた「きっこのブログ」の爆弾発言。
 骨子は、アパグループも偽装を行っていたとのイーホームズ藤田社長のメモ。
 アパグループの元谷会長が安倍総理の「安晋会」の副会長とのコメント。
 結果的にはマスコミ的には全くの黙殺となった。

 以下はウインドウズ・ビスタについての予定稿。
 ↓
 PC(パソコン)市場は販売競争に伴う低価格化が著しく、縮小傾向に歯止めが掛から
 ない。
 そこで再拡大の起爆剤として期待されているのが来年1月(ビジネス向けは今年11月)
 に発売予定の「ウインドウズ・ビスタ」だ。
 ビスタはPC向けOS(基本ソフト)「ウインドウズ」の最新版で、現行の「XP」に次ぐもの。
 新OSではPCをより快適に動かすための最新プログラムをはじめ、さまざまな新機能
 が追加される。
 それを十分に堪能するためには高水準のPC環境が要求される。
 このため「PC本体から周辺機器までさまざまに買い替え需要が発生し、市場全体に
 拡販効果が及ぶ」(業界関係者)。
 その意味で、ビスタに密接に関連し、その恩恵を享受する関連銘柄としてまず挙げら
 れるのはNEC(6701)、東芝(6502)などのPC本体メーカー。
 周辺機器で考えると、OSをビスタに乗換える際に必要な最低メモリ容量が大きく、増
 設の必要も出てくるためメルコホールディングス(6676)やアイ・オー・データ機器(6
 916・J)の出番が増える。
 さらに、ビスタでは電子ペンなどで画面をなぞって入力できるタブレットPC機能が搭
 載されるため、液晶タブレット製品の需要が拡大する可能性が高い。
 同製品世界首位のワコム(6727)が台頭しよう。
 また、ウイルスとの戦いはPCの宿命。
 ビスタではスパイウェア対策などセキュリティ強化が図られるが、トレンドマイクロ(47
 04)などセキュリティ関連企業が活躍する場面もあるだろう。
 他方、PC内蔵部品に目を向けると、DRAMメモリのエルピーダメモリ(6665)、リード
 フレーム・パッケージの新光電機工業(6967)といった半導体関連も挙がってくる。 
 ・・・楽しみが近づいてきたの感。

 あとはPRということで・・・。

 ===PR===

 ダウンロード専門有料番組「櫻井英明のココだけの話」今日からスタート!
 キャスター/櫻井英明(株式新聞Weekly編集長)
 進行役/内田政美(東京マーケットLIVEパーソナリティ)
 毎週金曜夜8時更新。
 聴取料/税込み1050円。
 企画・製作/たんぱプラニング
 ↓
 http://www.radionikkei.jp/kokodake/
 ===PR==============================================================
 ☆★☆★☆新刊のお知らせ☆★☆★☆

 ◎「いちばんわかりやすい金融商品取引法のポイント」櫻井英明著
 (中経出版刊、1365円)
 ↓
 http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31790489

 ◎「日本の経済これからどうなるの」櫻井英明著
 (日本実業出版社刊、1365円)
 ↓
 http://www.njg.co.jp/shinkan_goannai.php?dfrom=2006%2F09%2F18&dto=2006%2F10
 %2F18&sort=3a&page=4
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 『ヨウ学声氏、住宅風水セミナー〜中国3500年の歴史が編み出した風水易経学!
 !〜』

 【テーマ】「あなたは間違っている!!開運!実例で示す中国風水の真実」
 【講 師】経営コンサルタント・中国風水易経鑑定師 ヨウ学声 氏
      (ゲスト) 建築家  江口 惠津子氏 (株式会社ヴェルディッシモ代表取締役)
 【司 会】放送作家・小説家・コラムニスト 関 秀章氏
 【日 時】2006年10月25日(水)18:30〜20:30
 【場 所】南北線 六本木一丁目駅直結 「泉ガーデンタワー7階 コンファレンスセンター」
 【定 員】150名
 【入場料】2,000円
 本場中国の風水師 ヨウ学声氏が、風水の成り立ちから現代社会における風
 水の価値、
 さらに日常生活のヒント・ 実用風水学について、実例を挙げてお話しします。
 ↓
 http://www.stockweather.co.jp/kabujo/uranai/index.html





2006年10月15日

          
           「火 山」
                       
第32回
                    
 2006年10月13日
△------------------------------------------------------------------------

 「今の相場は、火山のてっぺん。
 燃えさかっているのは、頂上付近の超優良銘柄だけ。
 ただし、次第に裾野は広がってくる。
 ゼロイチから二番手、三番手。
 そして新興へと」とはベテラン編集者の弁。

 そして・・。
 「相場を調整から救い出してくれるのは、神様しかない。
 でも今は神無月」とも・・・。

 山の頂上はそろそろ紅葉。
 時とともに、紅葉は裾野を降りてきます。
 紅葉は「赤」。
 赤札はプラス。
 だから、相場は堅調・・・。
 こじつけの好きな世界です。

 経済財政諮問会議の提言が出された。
 前提は向う5年間程度で新成長経済への移行の完了。
 この先2年間は離陸機関とされた。
 提言の内容は・・・。
 (1)イノベーションによる生産性向上
 (2)労働市場の効率化
 (3)世界、特にアジアに向けたオープンな経済政策
 (4)農業分野など民間企業の活動領域拡大にむけた規制改革
 (5)医療・介護など政府の関与が必要な分野でも市場をベースにした制度の再設計
 (6)資産の効率的運用への転換
 (7)地方の自立性を高める分権改革
 こうみると、マーケットに関係しそうなのは、人材派遣、食料、農業機器、介護関連、
 金融などのセクターでしょうか。

 週末に流れた「神様はパ・リーグがお好き」とのメール。
 「過去9年間、不思議と、パ・リーグ所属チームが優勝した年は相場が高く、セ・リー
 ク所属チームが優勝した年は相場が安い」とのコメント。
 ↓
 1997年 ☆ヤクルト 4―1 西武
         年末日経平均 1万5258円(▲4102円)

 1998年 ☆横浜   4―2 西武
         年末日経平均 1万3842円(▲1416円)

 1999年  中日    1―4 ☆ダイエー
         年末日経平均 1万8934円(△5092円)

 2000年 ☆巨人   4―2 ダイエー
         年末日経平均 1万3785円(▲5148円)

 2001年 ☆ヤクルト 4―1 近鉄
         年末日経平均 1万542円(▲3243円)

 2002年 ☆巨人   4―0 西武
         年末日経平均  8578円(▲1963円)

 2003年  阪神    3―4 ☆ダイエー 
         年末日経平均 1万676円(△2097円)

 2004年  中日    3―4 ☆西武
         年末日経平均 1万1488円(△812円)

 2005年  阪神    0―4 ☆ロッテ
         年末日経平均 1万6111円(△4622円)

 2006年 ?中日   ?―? ?日本ハムorソフトバンク
         年末日経平均 ?????(?????)

 懸念はトヨタの「強制減速実験」。
 株価に冷や水とならなけらば良いのですが・・・。
 ま、まだまだ続く神無月の元気さと言ってよいと思います。






 2006年10月08日

          
           「神無月」
                       
第31回
                    
 2006年09月30日
△------------------------------------------------------------------------

 神様は出雲に集まるから神無月。
 日本全国の神様が、年に1回支店長会議に集まるようなもの。
 0月のパフォーマンスはあまり良くないというのがお約束ですが・・・。
 今年こそ、の期待感。

 先日。茅場町で大手証券のOB氏とミーティング。
 福岡の大手会計事務所の重鎮氏は「福岡では、なかなかゴルフが取れない」との話。
 景気回復が、露骨に伺われる話でした。
 加えて、話題は「何を買えばいい?」。
 支店長とか地区担当役員という証券営業最前線を経験したOB投資家でも心理は同
 じものみたいです。

 日経では「主要30業種の動き」。
 晴れは「鉄鋼・非鉄」、「マンション・住宅」、「プラント・造船」、「産業・工作機械」、「通
 信」、「精密機械」、「ネットサービス」、「人材派遣」。
 見出しは、「旅行・ホテル、年末年始の客足期待」、「通信、『番号継続』で特需も」、
 「電力、産業用の需要伸びる」。
 雨や小雨はゼロ。
 ついでに、「小売店から見た『これは売れる』」の調査も・・・。
 見出しは「新型ゲーム機主役。衣料品、冬物で回復なるか」。
 任天堂のWiiにDSLiteが主力。
 そして女性用のフィットネスウェアに期待感。
 加えてロングコートが流行るとも。
 異色は、カギ付きキャリーバッグにホーロー鍋。
 消費マインドがくすぐられるかどうかが問題。

 木曜日に福岡でベスト電器(8175)の社長インタビュー。
 「ウチは量販店ですが、修理サービスを9月からスタートしました。
 これが想定外の成績。
 顧客ニーズと合致しました」との話。
 未来は明るそうでした。





 2006年10月01日

          
           「匂 う」
                       
第30回
                    
 2006年09月30日
△------------------------------------------------------------------------

 ーーしばらくご無沙汰しました。
 すみません。
 週末がバタバタとしていたもので・・・。
 先週は、メイテックさんの長野地区ファイナンスセミナーで松本。
 先々週は、本の追い込みで缶詰。
 今週は、久々に休めるかと思ったら、最終校正。
 「ゆっくり休みたい〜」。

 ソフトバンクの資金調達の報。
 しかもキーワードは「証券化」。
 買収したボーダフォンの携帯電話事業の収益を事実上の担保に、「証券化」と呼ばれ
 る手法で複数の金融機関から1兆4500億円を調達すると報じられました。
 事業そのものを証券化するのが日本では珍しいこと。
 また規模の面でも過去に例がない巨額調達。
 貸したがっていた外資は多いから、「やはり」の感。
 以下は外資のコメント。
 「懸念されていたエクイティファイナンスがなくなったことで、現在4400万株ある信用
 売り残が買い戻しに入る可能性もある。
 信用倍率(買残/売残)は直近で1.5倍程度。この水準は昨年ソフトバンクがラリー
 に入る前の10月以来の水準」。
 少し匂うと思ったら、やはりブル展開。

 「吉田虎禅」。
 ご存知の方も多いでしょう。
 戦前、戦後を通して「兜町の神様」として一世を風靡した投資戦略家。
 昔のラジオたんぱなどに良く登場されていたことが記憶に甦ります。
 そのご子息氏とたまたま昨日ご一緒させていただきました。
 席上聞いた話。
 「父は言ってました。
 株は、将来何が流行るかを予測すること。
 そして、その流行る業界のトップ企業は何であるかを決めること。
 それだけわかれば、あとは勝手に相場になる」。
 確かに・・・。
 ですが、凡人には「それだけ」が、なかなか見えないもの。

 そしてまた「チャートは心理の集合体」とも。
 ここは理解できるような気がします。

 バブルの絶頂期、外国人記者の取材を受けての弁は・・・。
 「次はアメリカの天下だ」。
 当時ボロボロのアメリカを取り上げられて、外国人記者は面食らったそうです。
 だが、事実はその通りになりました。
 やはり「兜町の神様」だったのでしょう。

 もっとも留学経験豊富な子息氏のコメント。
 「父はアメリカのことなんてチットモ知らなかったんですけどね」。
 ん〜。

 10月はアノマリーの神無月。
 そのココロは、「10月は暴落」の月。
 2000年以降、9月と10月は日経平均の前年末比騰落率でワーストトップ。
 10月は−3.9%で最も悪く、続いて9月が−3.0%。
 暗黒の木曜日もブラックマンデーも10月。
 収穫の時期だけに、「物が出回り価格は下がる」というのは市場の通説。
 だが、結構説得力はあります。
 もっとも、元気な市場では、かき消されてしまいますが・・・。

 個別ではやはりソフトバンクと新日鉄。
 ときどき当たり、ときどき外れる櫻井ですが・・・。

・・・・・・・・・宣伝も・・・・・・・・・

 ・・・株式新聞Weeklyをリニューアルしました。
 22ページフルカラー。
 中身を盛りだくさんにしました。
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/charge/kshp184-01.jspx

・・・本が2冊出来上がります。
 「日本経済これからどうなる」(日本実業出版社)
 「いちばんわかりやすい金融商品取引法のポイント」(中経出版)
 10月20日頃書店に並ぶ予定です。

・・・福岡でセミナーです。
 ★★=PR==福岡・無料株式セミナー====★★

 「櫻井英明の株式透視論・・・これがマーケット錬金術の読み方だ!」

 日時 10月5日(木)午後2時〜
 場所 福岡・エルガーラ
 (会場の都合により、満席の場合はご参加いただけない可能性があります)
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=061005_fu

・・・・相場ドットTVがまもなく始まります。
 ↓
 http://www.cf-pilot.com/soubatv/

 ではまた来週。




 2006年09月17日

          
         「ベンチマーク」
                       
第29回
                    
 2006年09月15日
△------------------------------------------------------------------------

 株式投信の残高が増加している。
 残高48.9兆円は史上最高。
 60年代の高度成長期や平成バブル時のように株が目だって上昇しているわけでは
 ありません。

 マネーの流れが低金利を嫌気しただけのこと。
 だが、「貯蓄から投資へ」の動きは、序々に拡大しています。
 もっとも、国債が投資とは思えませんが・・・。

 課題はベンチマークに固執する専門家たち。
 「ベンチマーク」とは、もともと「測量の水準点、判断や判定のための基準・尺度」のこ
 と。
 投資信託などの運用の世界では、運用の目標。
 例えば、ベンチマークであるTOPIXが10%上昇したら、投資信託の運用成果も10
 %を下回らないような運用をしています。
 とすると・・・。
 ベンチマークが下落した時は、当然、「TOPIXは、この1年間で20%下落したが、当
 ファンドは10%しか下落しなかった」というようなことが起きます。
 ここが変ですね。
 結論は1年間で元金が1割も減少しているのに、「良い運用」とはいえません。
 専門家はそれでも真剣な顔で「良い運用だった」とコメントするに違いありません。
 ベンチマークが上がろうが、下がろうが損をしないように運用するのが専門家の運用
 と思われますが・・・。

 雇用保険の料率は、来年度14年ぶりに0.25ポイント下がるとの報。
 雇用情勢の大幅な好転が背景とされジワジワと景気回復の感。
 OECDの事務総長は、「日本経済上向きに転換」のコメント。
 そろそろ日本株の短期的調整期間は終了。
 秋の株高へ向けてのラブコールというのは読み過ぎでしょうか。

 マーケットでは沖電気(6703)。
 業績悪は脱して、IP電話などが好調と聞きます。





 2006年09月10日

          
          「SQ通過」
                       
第28回
                    
 2006年09月08日
△------------------------------------------------------------------------

 レアメタルの備蓄増強の報。
 クロム、タングステンなど「産業のビタミン」と呼ばれる31種類の希少金属が将来供給
 不足に陥る可能性があるといいます。
 クロムの供給が3割減ると、高級鋼材が作れなくなり、日本のGDPは6%減少との試
 算。結構重要です。
 因みにクロムの輸入相手国は南アフリカ、カザフスタン。
 ニッケルはインドネシア、ニューカレドニア。
 タングステンは大半が中国。
 モリグデンはチリ、中国。
 マンガンは南アフリカ、中国、オーストラリア。
 パナジウムは南アフリカ、中国、ロシア。
 コバルトはフィンランド、オーストラリア。
 小泉氏がASEMでフィンランドへ行ったからこのニュースが出てきたと読むと、背景が
 見えてくるように思えます。

 商品面は今日も「上昇」のオンパレード。
 「パソコン用液晶反発」「LME非鉄軒並み上昇」「ラード7%値上げ」。
 そして「内航海運、市況再浮上へ」のコラム。
 「用船料は13年ぶりにの水準。
 ・・・92年度に458隻と建造のピークを迎えた内航貨物船は15年が更新のメド」との指
 摘。効いてきそうです。

 先週の株式新聞「晴雨曇」では「マラドーナ理論」についてのコメント。
 1968年のメキシコワールドカップ。
 アルゼンチンのマラドーナ選手は、5人抜きでシュート。
 守備陣が勝手に華麗なドリブルを推測して左右に動いたが、マラドーナはまっすぐ走っ
 ていただけとの話。
 結論は、あれこれ考えず「マラドーナ理論」で「ど真ん中」を狙うのも一手と。

 マーケットでは、10月安値から年末高のシナリオが支配的になってきました。
 10〜11月高値、年末安のシナリオは少数派。
 美人投票だけに微妙なマインド。
 だが「人のいく裏に道あり花の山」の諺もあります。
 固執の挙句に203高地では、仕方がありませんが・・・。
 それにしてもアノマリー。
 前場は一時180円安。
 後場は一時80円高。
 3ヶ月に一度のセレモニーとなるのでしょうか。

 さてマーケット。
 イベントは通過したものの、機械受注とG7待ち。
 個別はなかなか面倒な局面。
 あえて癖の悪さでカーリット(4271)に注目します。





 2006年09月03日

          
           「潮 目」
                       
第27回
                    
 2006年09月01日
△------------------------------------------------------------------------

 先週は、北海道講演ツアーで休ませていただきました。
 社台でダービーのキングカメハメハやネオユニーバースに会って感激。
 富良野の「森の時計」のコーヒーも美味でした。

 さて・・・。
 面白いのはマイクロソフトの「ウィンドウズビスタ」発売開始の時期の一挙手一投足。
 1月発売予定となると、資源価格が下落し、また延期といわれると資源価格が反騰。
 見事なまでの連携と見えてきます。

 ある投資顧問からのメールは潮目の予感。
 飛び込みで妙齢の女性が来社。
 結局、運用資産は2ケタ億円で契約成立したとのこと。
 マーケットでの新陳代謝は少しづつ進んでいるとの感。

 今日のところ市場展開は甘いが、どうもここが潮目と思えて仕方がありません。
 登場人物も主役も脇役も入れ替えが起こったのではないでしょうか。
 ここまで新興市場でやられた向きが小休止。
 そうではない新たな投資家層の参入の可能性があるように思えます。

 7月初に聞いた易学の株価指数予測。
 7月末15600円。
 8月末16800円。
 結局、月末には届かずで終わりました。。
 でも大台は7月15000円台、8月16000円台。
 すると・・・。
 9月末見通し18600円は18000円台と読めてくる。
 3度目の正直ですが・・・。

 さてマーケット。
 テーマは電池、造船、お誕生。
 最終的にはハイテクに行きたい気持ちはありありとイメージ。
 ラグビー・トップリーグの開幕戦は国立競技場での東芝対NEC。
 優勝候補は、両社のほか、トヨタ、神戸鋼、非上場ですがサントリー。
 意外とマーケットの企業とパラレルになるのが不思議です。

 PS.本を2冊抱えて苦しんでいます。
 上梓の際は、ご覧下さい。(10月中旬の予定です)。





 2006年08月20日

          
           「主 張」
                       
第26回
                    
 2006年08月18日
△------------------------------------------------------------------------

 ヨイショではありませんが、お盆の間の日経「株式往来」の論調が結構面白いもので
 した。
 いつもは無味乾燥淡々としたものですが、人の心が入っていたようにも得ました。
 例えば8月15日(火)。
 「朝方は首都圏で大規模停電が発生、午後は日経平均株価の算出が停止するとい
 う二つの『停』で様子見が強まった」。
 そして「投資家は暗闇で矢を放つような取引を強いられた」
 「この日、話題になったもう一つの『停』はイスラエル」などなど。
 マスコミ受験の三題話の延長線上ですが秀逸な場況でした。

 16日(水)のテーマは「安倍氏」。
 「小泉時代を象徴する銘柄が銀行株やオリックスだとしても、『夫人の父が元社長を
 務めていた森永かなあ』という感じだ」。
 そして「次期政権の関連銘柄といっても具体性は乏しいが、想像力をたくましくすれ
 ば安倍氏が著書『美しい日本へ』で訴えている『小さな政府の推進』は一つのヒント。
 政府の資産売却が加速するから、不動産株は買いという理屈も成り立つ」。
 珍しく主張がありました。

 06年度実質2.5%成長。
 07年度実質2.1%成長。
 インドネシアの6%や中国の11%と比べると見劣りしますが、成熟した国家としては
 まあまあ。
 この国の成長は止まっていない・・・というのが調査機関の見方。
 しかも牽引役は設備投資。
 追い討ちを欠けるような見出しは18日(金)の「デフレすでに脱却26%」。
 「地方でも景気好転との見方が全体の6割。景気回復と脱デフレの動きが全国に拡
 がりつつある」とのコメント。
 しかも、首都圏では、「デフレ脱却派」が82%。
 そして「地価は上昇する」が半数を占めています。
 これは「9月デフレ脱却宣言」への布石となるに違いありません。
 すると・・・。
 安倍政権のお誕生日記念品に充てられるということになりそうな気配。
 そもそも・・・。
 お盆休み明けのこの時期になぜこの記事なのでしょうか。
 かなり政策的であると読まざるを得ません。

 話題になるのは新日鉄。
 三菱UFJFGは、同社の発行済み株式数の6.3%を保有していることが判明しまし
 た。
 保有目的は「政策と純投」とのコメント。
 本音はどちらなのかと問いたいところ。
 どうもキナ臭さを感じます。
 紙でトレーニングした後は鉄ということなのでしょうか。
 鉄鋼セクターは、9月7日の神戸鋼を皮切りに会社説明会が相次ぐ予定。
 業績の好調さを再確認したいところ。

 先週の火曜日後場2時にコメントした篠崎屋(2926)が16日ストップ高。
 「決して業績は良くないが、少し先の未来への期待感」でしょうか。
 今週の火曜日後場2時にコメントしたフジスタッフ(4721)が続騰。
 「女性力の活用と配当利回り3%台」への評価。
 マインドは明らかにブル優勢の感。
 そして・・・。
 6月のドリコムから始まった社長インタビュシリーズのパフォーマンスが結構良いと
 ころが「午後2時の怪」となっています。

 外資系のコメント。
 「外人は、薬品などを売って、電機、ネット関連、証券株などを買いまくった。
 電機、証券などは、相場が上がると見た時のベータを高めるために、外人が増やし
 てくる代表的なセクター」。
 この見方は正しそうです。
 A氏は、「東京株式市場9月〜10月暴騰」説。
 そのココロは「男子ご生誕」。
 こちらもありそうな気配・・・。

 さてマーケット。
 16000円台回復はサマーラリーの序章。
 個別ではミツミ(6767)に注目しています。
 そのココロは「ゲーム機用部品の好調」。
 クセの悪い動きの銘柄だけに用心は必要ですが・・・。
 ではまた来週。





 2006年08月06日

          
           「運 用」
                       
第25回
                    
 2006年08月04日
△------------------------------------------------------------------------

 最近リゲインのTVCMを良く目にするようになりました。
 「黄色と黒は勇気のしるし!!24時間戦えますか?」のアレ。
 バブル時に証券会社に勤務していましたが、当時妙に心に残るフレーズでした。
 まだまだ牧歌的ではありましたが、日本時間夜のNY市場でATTやAMDなどを売買
 していたことが甦ってきます。
 稼ぎよりも時間が重要という贅沢な時代でした。
 このフレーズの復活はそれこそ景気復活宣言に思えてなりません。
 そういえば、マックは黒字に転換。
 キーワードは「少し高め」。
 換言すれば「チョイ贅」ですが、もはや「65円」は過去の幻影。
 ここにも「いいものはいい」が復活してきたようです。

 マーケットでは四半期決算で一喜一憂。
 興味深かったのは東レ(3402)の動き。
 960円近辺で推移していた株価は発表直後に950円まで売られ、その後981円
 まで買われる展開。
 短時間で決算書類を読むために瞬時の判断で「売り」と考えた投資家がいたのでし
 ょうか。
 よく吟味してからとは思いますが少しでも先取りしたい向きはスピード競争。
 その典型的な例でもあります。

 東洋的ですが、高島暦がこのところ結構明解。
 1日は「高下激しく結局保合」。
 2日は「押し目買い方針良し」。
 3日は「転換日となること多し。引け尻に注意」。
 意外と重要な気がしてきます。

 あまり評価されていませんが、「厚生年金2年ぶりに黒字」の見出し。
 サブタイトルは「株高で8兆9500億円。国民年金も赤字抜け出す」。
 「今後も好調な資産運用が続けば、保険料引き上げ幅の圧縮など制度改革に影響
 を与える可能性」とのコメント。
 この「運用」の部分が年金論議に欠落しているとは以前から指摘してきました。
 少子化や高齢化ばかりがクローズアップされていますが、年金の資金運用は軽視
 されているようです。
 受託者責任が問われなければ、それこそ埼玉・ふじみ野市の市民プールのように
 「無責任」となってしまいます。

 ・・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。
 8月8日のFOMCでの金利打ち止めが確定すると・・・。
 日本株はサマーラリーの可能性。
 基本は新日本製鉄(5401)。
 年初来高値479円抜けからが早そうです。
 そしてデンヨー(6517)。
 海外の停電やハリケーンは可搬型発電機の需要拡大と見ています。
 決算発表は8月8日の予定。
 では、また来週。





 2006年07月30日

          
           「お化粧」
                       
第24回
                    
 2006年07月28日
△------------------------------------------------------------------------

 月末接近でだいぶマーケットも強まってきました。

 振り返れば、7月3日の終値は15571。
 7月18日の安値は14437ポイント。
 そして週末28日は15342ポイント。
 エネルギーは2億株2兆円割れと減少していましたが、確かに3日新甫は荒れたよう
 です。
 あとは易学の予測15800ポイントへの期待感ですが・・・。
 あと1日。

 買い物が出てきたの背景は何だろうと考えてみると・・・。
 出てきたのは、麻生外務大臣の動き。
 26日は、クアラルンプールのトイレで中国の李外相と連れ会談と親密さを強調。
 27日は、日中が6カ国協議再開へ連携の方向。

 同時に韓国の潘外交通商相とも会談。
 北朝鮮問題については「可能な限り協力」の姿勢。
 小泉外交の不安定だった北東アジア部分がいくらか補われたことになります。
 これは大きい。
 企業業績は好調。
 対米外交、対欧外交も好調。
 問題は東アジアの地政学リスク。
 この日本経済の弱点補強がなされるとすると、海の外の目は「日本買い」に自信が
 芽生えることになりませんか。

 加えて谷垣氏の立候補宣言。
 ポイントは「近隣諸国との関係正常化」と「消費税10%」。
 こちらも消費税ですら、弱い政府の補強と捉えられるようになります。

 ダイエーの処理が進展し、産業再生機構は1年前倒しで解散の報。
 おまけに35社の処理で300億円の利益になるとの試算。
 「発足時に利益は誰も予測していなかったことから利益配分ルールがない」というの
 は今では笑い話。
 ここにも日本経済の変身があります。
 でも・・・。
 残念ながらこれを評価するマーケッターは見られません。
 あまりにも近視眼すぎませんか。
 外から見れば、立派な材料でなんですが・・・。

 ソニーもキャノンもコマツもキャノンも京セラも富士通も好決算。
 あとは投資家のマインドの問題ともいえます。
 そこで・・・。
 気に入らないのは日経連載「試練の新興株市場」。
 締めは「成長の虚飾に踊った投資家が新興市場から離れたことが大きいのかも知
 れない」。
 確かにそうです。
 でも「踊った」のではなく「踊らされた」部分もあることは否定できません。
 2000年ITバブル時に、マスコミは警鐘を鳴らしましたか?。
 IPOについての迎合はしませんでしたか。
 まだまだ「投資家不在」と「奢り」があるように思えます。

 7月27日付け株式新聞「一刀両断」は指摘しています。
 「06年3月期の全産業ベース(金融を除く)での売上高経常利益率は5.1%。損益
 分岐点比率は73.8%。いずれもバブル経済や過剰流動性相場を上回り1966年
 以降最高。
 企業収益の実像を映し出す『鏡』である株価がこのまま曇り続けているとは考えにくい。
 ・・・・8月8日発表の4〜6月GDP成長率は14年ぶりに米国を上回る可能性も出てき
 た」と。
 梅雨はまもなく明けそうな気配。
 そして、久々にソニーとソフトバンクのシェア競争が見られ始めました。

 ・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。

 四半期決算も出揃い始めました。
 期待感がなかっただけに、上方修正は好感されます。
 月曜日の鉱鉱業生産指数は恐らく良いでしょうから、8月サマーラリーの序章となる
 かも知れません。
 期待感は「東レ」。
 第1四半期決算発表は8月2日の予定です。





 2006年07月23日

          
          「モンスーン」
                       
第23回
                    
 2006年07月21日
△------------------------------------------------------------------------

 ヨーロッパは熱波です。

 ロンドンは7月の最高気温を90年ぶりに更新する36.3度を記録。
 日本で考えると、たいしたことはありません。
 が・・・行かれたことのある方はご存知でしょうが、もともと涼しいヨーロッパでは大変な
 こと。
 因みにロンドンの7月平均気温は21度。
 フランスでは2003年の猛暑で15000人が亡くなっており警戒感は高いようです。

 それに対して・・・。
 モンスーンに熱波が常識のアジアは強い筈。
 DRAMメーカーのエルピーダメモリが最先端工場を台湾に建設する方向といいます。
 台湾の優遇税制重視だけではなく、東アジアで半導体ユーザーの電子機器産業が急
 発展している点が背景。
 エルピーダの動きは、アジア広域で生き残りのための最適立地を探るものとして注目
 されそうと見られます
 思い起こせば、先週台湾国民党の馬氏が来日して、サンプロに登場していましたが、
 来日はその布石だったのでしょうか。
 おまけに太平洋では軍事演習も・・・。
 これは中国にとっては「少し痛い」かも知れません。
 2008年問題が迫ってきます。

 アメリカでは6月の住宅着工件数が前月比5.33%減少。
 いよいよ住宅バブルも終焉の兆し。
 すると・・。
 シナリオは資源とハイテクとなってきます。
 ただ・・・。
 ブッシュ大統領はES細胞の研究開発に拒否権を発動する方向。
 議会は可決しましたが、キリスト教保守派の票が欲しいブッシュ氏としては悩ましいと
 ころ。

 OECDのグリア事務総長の記者会見。
 「日本経済は『失われた10年』と長期にわたるデフレを脱却した」として景気が回復軌
 道に乗ったと発言。
 日本が再びデフレに戻る懸念要因は、原油価格の高騰と中国景気の先行き不透明
 感としています。
 その上で「幅広く課税することが財政再建に貢献する」とコメント。
 おまけに、欧州諸国などと比べ「日本の消費税率5%はかなり低い水準」と指摘した
 ところはまさに小泉応援団の感。

 7月19日の株式新聞の見出しは「二番底探る」。
 地政学リスクと日米企業の業績不安が下落の背景と・・・。
 ここにきて、ネット証券経由の平均買い単価が売り単価を上回っているとも指摘してい
 ます。
 「ソフトバンクの2000円割れが目先の底入れシグナルか」とのコメントです。
 同日の日経のコメントは「内憂外患」。
 中東緊迫→原油高→米株安=外国人の売り活発の方程式。
 そして「株主不在の公募増資相次ぐ」の見出し。
 暗さのデフォルメはいらないのですが・・・。

 そういえば・・・。
 先週火曜日の引け際。
 東証アローズに下落した数字のボードを撮影に来たTVカメラを目にした職員氏たち。
 いつもは、テキパキと電話をする姿など見たこともないのですが・・・。
 初めてそういう姿を目にしました。
 引けた後にはそれこそ仕事はないにも関わらず、市場の職員がこれでは・・・。
 408円安も致し方なしの感。

 ・・・・・さてマーケット。
 市場では「『ソロスがそろそろ買い戻し』とか『梅雨明け千言』という声も聞こえてきます
 が空耳でしょうか。
 因みに昨年の梅雨明けは7月18日でした」との声も聞こえてきます。
 全く注目されていなかったHOYAの決算が好調で、三菱電機は67%増益の見込みと
 の日経報道。
 「保守的」に遮られていた企業収益が、出てくる度に堅調さが見え始めました。
 任天堂(7974)のDSには依然として注目。
 また船井財産は20日に上方修正をしましたが、中間期での進捗率は経常利益で96
 %、純利益で103%。
 これは凄いと思います。
 では、また来週。





 2006年07月16日

          
           「グルメ」
                       
第22回
                    
 2006年07月14日
△------------------------------------------------------------------------

 先日かかってきた電話。
 「あの記事は何頁に出ているのでしょうか?」
 「ホームページに出てます」
 「ホームページは何頁目でしょう?」
 こういうネット投資家も存在しているところがマーケット。

 ゼロ金利は解除されました。
 市場関係者のコメント。
 「歴史的視座に立てば、70年代、80年代には利上げが継続して5回行われた。
 そのうち3〜4回目までは株価は上げ続けた。
 時代背景は異なるが今回の利上げはまだ1回目。
 05年度に主要企業の金融資産が有利子負債を上回ったと報じられた。
 利上げが実施されれば、有利子負債が生み出すデメリットを金融資産からのメリット
 が吸収し、さらに利益が得られることになる」。

 一方で、メタルの世界ではマーケットで吸収できないほどの資金が流入してきている
 との事。
 これは・・・。
 マネーに国境も人格も無い以上、いずれ株式市場でも起こるに違いありません。
 しかも日経225Miniもスタート。
 制度の新設は懸念材料ですが、とりあえずは儲からないことには参加者の増加も期
 待できません。
 だから・・・。
 当初は買いから入って儲けさせるのが胴元の心理・・・とは読みすぎでしょうか。

 今週はグルメチック。
 兜町でビッグファームの先生と会う用事があったので、伝統的な風情の「松よし」で鰻。
 創業昭和23年(1948年)の老舗の鰻屋。
 兜町に生息する株屋さんには馴染みの店。
 古には「株が上がれば松よし。株が下がれば長寿庵のかけ蕎」というジンクスがあっ
 たと
 も聞きます。
 兜町に東京証券取引所が出来たのが昭和24年。
 日本の戦後の経済を最初から見守ってきた店でもあります。
 もっとも鰻自体は飯倉の「野田岩」や神田の「きく川」に軍配が上がりますが・・・。
 もう一つの感動は、赤坂TBS裏の「あかさか弥市」の焼き岩牡蠣。
 10センチくらいの身がそれこそジューシーな味わいでした。
 「チューボーですよ」の巨匠としての登場は伊達ではありませんでした。

 懸念材料は、地下鉄の広告でみた週刊誌の見出し。
 「外国人投資家が本気で買ってくる日−ゼロ金利解除前夜の東京市場」そして「ゼロ
 金利解除後<買い>はコレ!−東京市場 」。
 どうも週刊誌の強気は、信じられない気がします。
 ちなみにこの週刊誌・・・。
 6月初めに「世界同時株安」の見出し広告と同時に、株価は底打ちしました。

 月刊文春8月号でキャノンの御手洗会長は述べています。
 「キャノンの株主は外国人が5割を超えている。
 全体の約4割がアメリカの年金ファンドだから、社の幹部研修会でも『我々の株はお
 年寄りの老後を支えているんだ。目先の業績や株価でいい気になる』と繰り返し伝え
 ている」と。優等生キャノンだからこその発言とも思ますが「確かに・・・」です。
 これだけの意識を持つ経営者は素晴らしい。
 「ウチの株はアメリカのお年寄りの生活に役立っている」と真摯に考える経営者という
 ことになります。
 もっとも・・・。、
 アメリカばかりではなく、日本の老後もある意味で支えているのですが。

 付け加えると・・・。
 株価ばかりではなく、金利も同様。
 長期債や預金金利も、年金などの運用対象。
 それこそ、個別企業の株価以上に、高齢者の生活をジカに影響します。
 とすると・・・。
 これまでの低金利は、高齢者福祉というテーマを放棄したに等しいもの。
 日銀は、その責任は問われません。

 ・・・さてマーケット。
 週末は「当然下がるよね」の合唱でしたが・・・。
 基本的には心理的きっかけ待ちでしょう。

 シナリオは3つ。
 その1。
 東京都心でも33度と今年1番の暑さを記録するなど全国的に厳しい暑さが発生。
 気温が高いとドリンクなどの飲み物の売上にも弾みが付きコンビニにはメリットとい
 う見方が出てきた。
 セブン&アイHD(3382)サークルKサンクス(3337)などに期待感。
 その2。
 プラントを建設するには大量のステンレスが必要→ステンレスを作るにはニッケルが
 必要→ニッケル価格の高騰は住友鉱山(5713)にメリット。
 そして地政学リスク関連の本命とも・・・。
 その3。
 貸金業に対する上限金利が引き下げられた場合、信用力のない消費者には消費者
 金融会社も融資しなくなる→働こうというフリーターが増える→人材不足に悩んでい
 る人材派遣会社も漁夫の利を得る可能性。メイテック9744)やフジスタッフ(4721)、
 パソナ(4332)などに期待感が出始めました。

 それではまた来週・・・。





 2006年07月09日

          
           「見通し」
                       
第21回
                    
 2006年07月07日
△------------------------------------------------------------------------

 7月は文月。
 七夕を機として、和歌や書の上達を願ったことから名づけられたという説があります。
 別の説では、陰暦の7月には稲穂が膨らむ月であることから「穂含月(ほふみづき)」
 「含み月(ふくみづき)」から転じたとの説も・・・。
 市場関係者としては、七夕よりも稲の方が明るい気がしてきます。

 新日鉄が過去最大の自社株買い。
 総額1000億円はほぼ2億5000万株。
 市場の注目は「M&A]のための金庫株。
 でも・・・当たり前ですが「買収防衛策」がメイン。
 世界はM&Aの修羅場の前哨戦で来年からは本格的M&A時代。
 日本企業は、明らかにそのターゲット。
 ミタルの欲望はとどまるところを知らないと見たほうが良いでしょう。。

 一方で・・・。
 別子の話。
 商社マン氏の指摘。
 「海の彼方では米国産銅会社のフェルプスドッジ社PD)がカナダのニッケル、銅生産
 者大手のインコとファルコンブリッジの買収に基本合意。
 PDの銅におけるパートナーが別子で、又、インコのニッケルにおけるパートナーも別
 子。
 PDとインコが一緒になると別子にも結構なメリットの筈」。
 かつてNYで鳴らした辣腕プレイヤーの言だけに重さが違います。
 残念ながら証券界にこの指摘はまだ見られません。
 加えて現役プレイヤー氏の指摘。
 「パラジウムの世界の先物ポジションは2005年9月以来の低水準。
 価格は18ドル上がって315ドル。
 ロングがこれだけ減少して、どうして価格が上がるのかまったくもって不可解」。
 日々繰り広がられている光景です。

 原油は史上最高値更新。
 ホルムズ海峡のキナ臭さも指摘されているが・・・。
 金も銀も大幅上昇
 背景はミサイルによる地政学的リスクの高まりと安全資産志向。
 でも・・・。
 良く考えると、住宅バブルからITバブルへのつなぎに資源を使いたいアメリカにとって
 はまさに「朗報」。
 しかも「ミサイル防衛網拡充」のおまけ付き。
 よくよく考えてみると、結果的に北朝鮮はアメリカに「敵に塩」となったことになりません
 か?
 世界は、難しい。
 でも・・・。
 マーケットから世界が見える気もしてきます。

 ある罫線の大家との話。
 「黄金比率はみな語るけど、黄銀比率は知られていない」と。
 そこで聞いてみると・・・。
 これは√2のこと。
 すなわち昔懐かしき1.41・・・。
 こちらはコピー用紙の比率でもります。
 「今の相場は、こっちの方が説明がつく」とは罫線の大家の言葉。
 バックトゥーザヒューチャーの「ドク」のような語り口は奥が深い。

 そして・・・。
 罫線の大家の指摘。
 「バーナンキは、理論通りのことをしているに過ぎない。
 間違うのは解釈の間違い。
 6月16日にNYの10年国債利回りは5.060%。益回りは5.06%。
 差し引きゼロとなって株価は底を打った。
 ブラジルのボスペパ指数など、6.82。
 こちらは上がる筈がない・・・」。
 こういう指摘がマーケットでなかなか見られないところが残念です。

・・・さてマーケット。

 今週末は、福岡広島に出張中なので簡単に・・・。
 易学の大家による今年の日経平均見通し。
  7月末15800円。
  8月末16860円
  9月末18890円。
 10月末19890円。
 11月末18900円。
 12月末16500円。
 これだけですが・・・。
 中身が濃いような気がしますが・・・。
 ではまた来週。





 2006年07月02日

          
         「世界では・・・」
                       
第20回
                    
 2006年06月30日
△------------------------------------------------------------------------

 「ハゲタカの饗宴」は全く面白くなかったピーター・タスカ氏。
 だが、ドレスナーの「ブラック・マンデー・ブルース」はなかなか面白いです。

 まず「日本と米国が同時に好況を謳歌したことは殆どない」。
 1985年〜87年→日本は円高不況に苦しみました。
 1987年〜90年→ブラックマンデー後遺症のアメリカを横目に日本は好況。
 1990年〜03年→米国は戦後最大の景気拡大、日本はデフレの泥濘。
 この2年間は、両国の内需がそろって好調。
 その説明は・・・。
 高い貯蓄率の日本で内需が低迷すると、資本がだぶつく→それが米国の個人消費を
 支える
 日本の内需が好調になる→日本の資本の値段が上昇→アメリカの経済活動の足を
 引っ張る問題は日本の資本コスト。
 これは世界水準から驚くほどかけ離れています。
 結論→日本の金融引き締めは世界的混乱を惹起する可能性があるということになり
 ます。
 多分にポジショントークの香りがしますけど・・・。

 外資系の友人からの指摘。
 「新興国も含めた世界的なインフレや資産高騰などをハードランディングで終わらせ
 るのは危険だ。
 少なくとも貧富の差が著しく、いつ暴発するかわからない中国が、オリンピックを終え
 るまで今の環境を続けないとオリンピックどころではなくなる。
 よって、景気の減速が解っていても、ある程度のお金の流れが維持され続けるので
 はないか。
 その場合、金利上昇が続く米国も欧州も買えない」。
 ↓
 「7月から一部外国ファンドはアジアに投資再開といううわさ(為替筋からの話)という
 事でやっぱり
 買えるのはアジアしかない。
 アメリカはソフトランディングをひたすら目標とするが、世界的な流動性供給維持の
 為にも、日本には追従してほしくない。
 日銀を力で押さえつける方法は・・・」。
 氏の結論は「プライドからの特攻状態になった総裁氏が、利上げと辞任で相殺」でし
 た。

 氏の指摘で面白いのは海外の価格比較。
 「ロンドンのシテイーでは10ポンド以下で昼食を取るのは無理。
 普通のホテルで朝食を取ると22ポンドも取られる。
 比較的物価が安いと言われているパリでも地下鉄料金は1.40ユーロ、日本の160
 円と比べても25%高い。
 高級ホテルのリッツホテルは650ユーロから、単純比較は出来ないが日本の高級ホ
 テルは35,000円からとしても、それよりも2.7倍高い!」。
 確かに、タバコも300円に値上げされますが、NYでパリでもシドニーでも香港でも台
 北でもポートビラでも700円〜1000円程度。
 これは、M&A以前の問題。
 これでは日本が買われてしまうという現実感が迫ってきます。

 雨も上がって小泉氏を歓迎してくれたアメリカでは新米ポールソン氏が経済政策の方
 針を打ち出しました。
 日経のコメントは「無難だが、独自性には乏しい」と陳腐でしたが・・・。
 兜町の識者の見方は違います。
 「ネオコンから市場至上主義への移行」。
 ネオコンの強引な手法は消え去り、明解な至上主義が跋扈し始めるとの見方です。
 「米経済の競争力を維持・強化することに焦点を当てたい」。
 これがすべてを物語っているようです。
 すると・・・。
 課題は資源セクター。
 原油の7日連騰も傍証になるのでしょうか。。

 木曜夜の「医龍」の最終回。
 心臓外科のバチスタチームは、成功してハッピーエンド。
 だが・・・。
 株式市場のバチスタへの道は本当に遠く感じられます。
 「株式市場のバチスタ目指して・・・」。
 夏のテーマにしようと思います。

 ・・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。
 FOMCの25ベーシスはお約束でした。
 週明けは日銀短観。
 これも先行のロイター短観のポジ材料を見れば、明るい筈。
 となると・・・・
 7月は「3日新甫で荒れる」のシナリオ。
 月初高の月末安となると見ます。

 結構難しい展開なので悩ましいのですが・・・。
 ドイツ証券の「海の家のラーメン銘柄」をご紹介します。
 そのココロは「まずいと思って食べたけれど、意外と旨かった」。
 ディップ(2379)、ライオン(4912)、タカラバイオ(4974)、日立(6501)、NEC
 エレ(6723)、ケンウッド(6765)、ミツミ(6767)、富士重(7270)、メディ・パル
 (7459)、丸紅(8002)、セイノーHD(9076)、アサツーDK(9747)。
 これだけ銘柄が上がればどれかは上がるとも言えるが・・・。
 いっそのこと、倍化したドリコム(3793)にあやかってナナロク世代若社長銘柄群
 でも作ってみたら良いかも知れません。
 では、また来週。

 PS・・・。
 来週は6日に六本木で奇問逃甲のセミナー。
 7日に福岡、8日に広島へとセミナーの行商です。
 お近くならば是非・・・。
 あるいはお知り合いの方にご連絡を・・・。

▲△▲---PR--発売中の“PRESIDENT”最新号にも紹介されています。-▲△▲


 「本場中国の未来透視学!!」無料セミナーのご案内
▲△▲--------------------------------------------------------▲△▲
 日時 7月6日(木)15時〜17時
 会場 泉ガーデンタワー7階 コンファレンスセンター
    (地下鉄南北線六本木一丁目駅直結)
 第一部 「日本の未来を予測する」
       中国風水易経鑑定師(奇問遁甲スペシャリスト) Rao Xue Sheng氏
 第二部 「日本経済と株式予測」
      株式新聞Weekly編集長 櫻井英明

 http://www.brain-storming.net/rao/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
△▲△▲==PR=======△▲△

 株式セミナー
 「櫻井英明の『株式透視論』・・・報道最前線から読むマーケット戦略」

 7月7日(金)15時福岡・西鉄ホール
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=060707_fu

 7月8日(土)15時広島・ワシントンプラザ
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=060708_hi

==PR===============△▲△

◎●●◎==株式新聞社夏季特別講座PARTV(有料)のご案内==◎●●◎

 《この夏、「個人投資家の心理」と「機関投資家の心理」で推理する。》

 7月21日(金)午後6時から茅場町東証会館にて

 第1部 「激変する世界金融事情と投資戦略」
      ドイツ証券東京支店 副会長兼CIO 武者陵司氏

 第2部 「櫻井英明の『株式透視論』・・・『読み』だけでなく『創る』シナリオへの
 インビテーション」
      株式新聞Weekly編集長 櫻井英明
 ↓
 http://www.kabushiki.co.jp/investinfo/kshp102-02.jspx?sub=06summer3





 2006年06月25日

          
         「大国の論理」
                       
第19回
                    
 2006年06月23日
△------------------------------------------------------------------------

 6月22日(木)ロンドンを皮切りに野村証券の海外キャラバン隊がスタートしました。
 テーマは「日本株再評価」。
 昨年のような跳ね返り?に期待したいところです。

 一方で、ある外資系投信会社は、欧米の機関投資家に日本の中小型株ファンドを行商
 しています。
 アメリカの大学基金やロンドンの年金などがターゲット。
 評判は上々といいます。
 それにしても、アメリカの大学基金とは・・・。
 村上ファンドが叩かれ、その受け皿としては格好の存在。
 素晴らしい商魂。
 久々に「馬の目を抜く」証券関係者に遭遇したかの感。
 もっとも、ジェイコムやアドウェイズに群がった買い物にはかないませんが・・・。

 いつになく混雑していたブラジル線終了直後の田園都市線。
 重苦しい沈黙は、やはりワールドカップの結果ということなのでしょう。
 ワールドカップ陰謀説(ドイツ大会は、日本びいきなので決勝進出)は見事に外れました。
 でも別の見方もあります。
 FIFAが一番大切にしているものは広告。
 従って、広告費をたくさん払ってくれる国を優先させるというもの。
 と考えると・・・。
 オーストラリアの決勝進出は当然。
 あるいは・・・。
 躍進している国が優先されるという説。
 2002年の韓国は、ITで躍進中。
 2006年のオーストラリアは、資源で躍進中。
 だから・・・・。
 オーストラリアもブラジルも当然という見方。
 諸説入り乱れて、これからも論議は続くに違いありません。

 ところで・・・。
 ベテランの市場関係者との話題。
 「原油高はアメリカを苦しめないし、アメリカはインフレを嫌っていない」との説。
 そもそも・・・と。
 アメリカのシナリオは、まず住宅、そして原油などの資源を足がかりにしての成長継続。
 だから、適度なインフレは当然のこと。
 狂った要因は二つ。
 バーナンキ氏が前任のグリーンスパン氏の韜晦的話法に比較するとあまりにも学者肌
 で率直に話をする人物であったこと。
 おまけに地区連銀の総裁連中がインフレを認めてしまいました。
 これはかき消さなければならなかったからこその一時的株安という見方。
 考えてみれば、NY安に関する懸念の気配は全く感じられなかったことから首肯できる
 話です。
 そして・・・。
 原油など資源関連の後は、ハイテクそれも半導体でつなぐというシナリオ。
 これも狂ったのは、新OSの発売延期。
 起爆剤の投入時期がずれたことからマーケットも上昇基調に陰りが出来たという見方。
 考えてみれば、半導体やパソコン部品は既に絶好調。
 この説も首肯できます。
 結論は、資源は上がる、株も上がる。
 既にNYは底打ち完了との指摘になりました。

 一方の東京。
 史上最高値上がり銘柄数でありながら、出来高は極薄。
 指数が動かされているだけというイメージ。
 要は「誰も買っていない」局面と見られています。
 そして・・・。
 景気拡大の経済でゼロ金利はあり得ないという常識は無視され続けているようです。

 ロシアがアメリカに対して強気。
 「ルーブル高を容認、外貨準備での比率5割に下げ」の見出し。
 「ドル建ての表示と支払いを取り締まるべき」と意見も出始めたそうです。
 これは、結構高姿勢。
 「大国復活」をキーワードとしたロシアとおちょくられたアメリカの対立はますます深刻
 になってきました。
 この影響は結構大きいそうです。

 もっとも・・・。
 世界的に見れば、円は116円台に下落。
 背景はテポドンと福井氏。
 決してサッカーの結果が理由ではありません。
 また、世界的なリセッション観測から南アフリカのランドが29ヶ月ぶり、トルコリラは3
 年余りぶりにの安値。
 これはロシア対するアメリカの報復の巻き添えとも言われます。。
 つまり「世界的リセッション」は「ためにする理由」ということになる訳です。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。

 兜町の下落の理由は「FOMC」の結果待ち。
 待つのは良いのですが、結論は25ベーシスの上げ。
 もし50ベーシスであっても、これは一時的天井感を醸し出す筈。
 ならば・・・。
 本来は理由にならない理由。
 むしろ「買い物がないところの小幅な売り」とでもした方がわかりやすくなります。
 マスコミや専門家は、理由を探し出してきては間違うことが多いというのが大切な事実
 です。

 目下の懸念材料は、むしろ7月18日から上場する「ミニ日経平均」。
 投資単位は、現在上場している日経平均先物の10分の1。
 最低売買単位は100万円程度ですが「個人投資家が売買しやすい」というのが強調
 れます。
 東京株式市場は、制度の変更があるたびに下落してきたのが歴史です。
 平成バブル時の「日経平均先物」。
 ITバブル時の「日経平均構成銘柄入れ替え」。
 すべて外国人投資家が利益を得て、国内個人投資家が損をしてきました。
 今回の「ミニ」がその歴史を敷衍しないことは切に望まれる局面です。

 個別では、アドバネクス(5998)に注目しています。
 同社は各種精密バネの大手。
 2001年7月に社名変更する前は「加藤スプリング製作所」。
 今期はワンセグ開始に伴う対応携帯端末需要の回復が見込まれています。
 今期連結経常利益の会社側見通しは、前期比26.9%増の22億円、純利益は同
 26.7%増の8.4億円と回復基調。
 特にタングレス・コイルスレッドは、独自技術を用いており欧米での生産・販売が拡大基
 調。
 航空機関連などでの需要に期待感が高まっています。
 ストロベリーコーポレーション(3429)などグループ企業群のシナジー効果も拡大基調。
 ちなみにストロベリーの時価総額は150億円。アドバネクスの時価総額は150億円。
 アドバネクスはストロベリーの大株主(持ち株比率47.7%)ですが、株価には織り込ま
 れていないように思われます。





 2006年06月18日

          
           「主人公」
                       
第18回
                    
 2006年06月16日
△------------------------------------------------------------------------

 さだまさしの「主人公」の一節が脳裏に浮かんだ下落でした。
 ・・・♪『或いは』『もしも』だなんて あなたは嫌ったけど
 時を遡る切符(チケット)があれば 欲しくなる時がある
 あそこの別れ道で 選びなおせるならって…… 。

 1週間を振り返って影響が大きかったのは著名なヘッジファンド投機家であるジョージ・
 ソロス氏の発言。「商品は恐らく、調整の時期に入った」。
 そして「日本銀行は金融機関から約2000億ドル(約22兆8800億円)相当の流動性
 を引き揚げた」と指摘しました。
 「その多くは新興市場(エマージング・マーケット)など海外に投資されていた資金だ」と
 述べたと言います。
 また資産として最もリスクが高いのは世界の不動産だとも・・・。
 おまけにドルの下落も予想。
 「強いのはドルではなくて、(ドル以外の)現金だ」というのが結論でした。
 結果的には・・・・。
 ソロスの逆は大もうけ。
 ということは・・・かなりのポジショントーク(ためにする説)であった可能性が高く思われ
 ます。

 NYはようやくの上昇。
 市場関係者の心理は、久しぶりに明るくなったようです。
 金曜夕方証券会館での株式セミナーは当日になって申し込みが一気に増加しました。
 これはわかりやすい投資心理です。

 日経1面の苦しいコメント。
 「5月の米消費者物価はコア指数の上昇率がアナリストらの平均予測を上回ったが、
 前日までの株式市場の下げ幅が大きかったため買戻しが入っている」。
 CPIの悪化予測が下げの原因というコメントはどこへ行ってしまったのでしょう。
 識者や専門家のコメントを一途に分析すると辻褄の合わない論理に結構遭するもので
 す。

 別の視点からのコメント。
 「株価が高値から半値以下まで下がったある新興企業の経営者の言。
 『最近、機関投資家の訪問が多くなっています。また、株主数が減ってしまう』。
 ・・・個人が投げた株をすばしっこい機関投資家は拾っているような動き。
 多くの個人は、投げさせられています。底値圏と分かっていても、投げさせられている
 のです」。
 加えて「登山は、ひとつの峰を登ったら谷を下り次の峰を目指します」。
 確かに・・・。

 基本的には「金つくり」の季節。
 奇問遁甲の師がわざわざ北京から届けてくれた伝言は「何も変わっていない。秋口ま
 では駄目」。
 一喜一憂・付和雷同を避けて、ひたすら熟機を待ちたいところです。

 余談ですが・・・。
 今春就職した長女が昨夜久しぶりに帰宅。
 「父の日」の日のプレゼントとして持参したのはワイン。
 良く見てみるとオーストラリア産。
 「買ったのは試合の前だったから・・・」と。
 おまけは「クライアント紹介してね」と一言。
 結構逞しいものである。
 その仕事の話・・・。
 勤め始めた会社は、全国の支店で障害者を雇用しており、既に手話を覚えたとのこと。
 株価にはほとんど反映していないが、業績は最高益更新と絶好調。
 この銘柄は買いだと直感的に感じました。

 ・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。
 こんな時には冷静に・・・。
 株式新聞1面の「決算ランキング」が優れもの。
 13日付けのテーマは「連結増収率ランキング」。
 エプトヨ(6708)の115.9%と筆頭に以下のランキング。
 URBAN(8868)、コンベヤ(6375)、カカクコム(2371)、Sサイエンス(5721)、
 フェイス(4295)、
 日立プラ(1970)、旭テック(5606)、豊田通商(8015)、川島織セル(3009)、フー
 ジャーズ(8907)。
 14日付けのテーマは「連結経常増益率ランキング」。
 小松精練(3580)の12.3%を筆頭に以下のランキング。
 スカパー(4795)、紀陽HD(8415)、日ハム(2282)、ウッドワン(7898)、日本化
 (4092)、
 木村化(6378)、川島織セル(3009)、URBAN(8868)、テンアライド(8207)、ト
 ウペ(4614)。
 それぞれベスト50までがランキングされいます。

 会社四季報は夏号が発売。
 以前は鉛筆を舐めながら数字を作っていたという述懐も聞こえるが、今は昔の話。
 今回もキーワードで切ったレポートが流れてきました。
 その1【絶好調】
 伊藤園(2593)、ダイソー(4046)、ゼオン(4205)、タイガースポリマー(4231)、
 ADEKA(4401)、
 エステー化(4851)、MARUWA(5344)、富士機械(6134)、キャノン(7751)、
 ヤマトインダストリー(7886)、
 藤森工業(7917)、エフピコ(7947)、HS証券(8699)。
 その2【増額余地】
 高砂熱学(1969)、日本フェルト(3512)、特殊塗料(4619)、富士興産(5009)、
 AOCHD(5017)、
 アサヒプリテック(5855)、アマダ(6113)、旭ダイヤモンド(6140)、プロデュース
 (6263)、石川島機械(6321)、東洋エンジニア(621)、東洋エンジニア(6330)、
 日機装(6376)、新興プランテック(6379)、宇野沢組(6296)、川重(7012)、石
 川島(7013)、住友商事(8053)、レイコフ(8941)、アークランドサカモト(9842)、
 松屋フーズ(9887)。
 その3【保守的】
 明星食品(2900)、コーセー(4922)、三井金(5706)、同和鉱(5714)、電波工
 (6779)、NOK(7240)、
 スズキ(7269)、東京精密(7729)、日電産コパル(7756)、忠(8001)、紅(800
 2)、物産(8031)、商事(8058)、
 東京建物(8804)、東宝(9602)、応用地質(9755)、日伝(9902)。
 その4【最増額】
 トスネット(4754)、浜ホト(6965)、フジ・コーポ(7605)、東誠不動産(8923)、レ
 イコフ(8941)、ダイセキ(9793)。
 結局は、「見」というところでしょうか。

・・・今後のセミナーのお知らせ・・・・

▲△▲---PR-------------------------------------------------------▲△▲
「本場中国の未来透視学!!」無料セミナーに登場します。
▲△▲-------------------------------------------------------------▲△▲
日時 7月6日(木)15時〜17時
会場 泉ガーデンタワー7階 コンファレンスセンター
   (地下鉄南北線六本木一丁目駅直結)
第一部 「日本の未来を予測する」
      中国風水易経鑑定師(奇問遁甲スペシャリスト) Rao Xue Sheng氏
第二部 「日本経済と株式予測」
      株式新聞Weekly編集長 櫻井英明

http://www.brain-storming.net/rao/

△▲△▲==PR=======△▲△

株式セミナー
「櫻井英明の『株式透視論』・・・報道最前線から読むマーケット戦略」

7月7日(金)15時福岡・西鉄ホール

http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=060707_fu

7月8日(土)15時広島・ワシントンプラザ

http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=060708_hi

==PR===============△▲△

◎●●◎==株式新聞社夏季特別講座PARTV(有料)のご案内==◎●●◎

《この夏、「個人投資家の心理」と「機関投資家の心理」で推理する。》

7月21日(金)午後6時から茅場町東証会館にて

第1部 「激変する世界金融事情と投資戦略」
     ドイツ証券東京支店 副会長兼CIO 武者陵司氏

第2部 「櫻井英明の『株式透視論』・・・『読み』だけでなく『創る』シナリオへのインビテ
      ーション」
     株式新聞Weekly編集長 櫻井英明





 2006年06月04日

          
           「失 脚」
                       
第17回
                    
 2006年06月02日
△--------------------------------------------------------------------------

 「文学をやるためには、江戸を知らなければならない」と言ったのは、若き日の遠藤周作
 氏。
 これは、「市場や経済のためには江戸を知らなければならない」にも通じるに違いありま
 せん。
 例えば、柳沢吉保。
 将軍綱吉の抜擢で、一躍時代の寵児となりましたが、結局は失脚。
 同時に御用商人も押しなべて没落しました。

 現代に置き換えると・・・。
 9月には小泉政権が任期満了退陣。
 小泉内閣の「「市場中心改革主義」の尖兵でと目される向きは、次々とスキャンダル的に
 なりつつあります。
 「村上ファンド」にしても然り。
 金曜の朝刊は大きな活字。
 ライブドアアフェアーの本丸は村上ファンドであったのかの思いです。
 加えて、ヒューザー事件は、終幕の感。
 東京地検特捜部も限られた陣容である以上、優先順位はある筈。
 すると、どちらかというと小嶋氏案件の方が痛みが多いということなのでしょう。

 個人的には小泉氏の幕引き行為の一貫と見ています。
 改革路線でやってきたことの終焉。
 権力者は、政治でも企業でも、最後には側近を切ることが多いとされます。
 取り巻きなどこの5年間に活躍した人物たちへのレクイエムが聞こえるような気がします。

 それにしても・・・。
 海の向うから見れば、東京は依然として閉鎖的な市場に映るでしょう。
 それはそれで、悪いことではありません
 でも・・・。
 世界的なマネーの流れの対極の動き。
 この評価を見定めたいところ。

 歴史に戻れば、この国を自立させて来たのは、実は鎖国体制であったというパラドックス
 もあります。
 欧米列強に窓を開けず、必死に切磋琢磨してきたことが、「日本恐るべし」のイメージを植
 えつけたというのは、藤原正彦氏も同様の説。
 別に窓を閉ざす必要はありませんが、「決して媚びない」は大切。
 考えてみれば、1945年以降の「媚びた」姿勢への評価が今から下されるということでしょ
 うか。

 さて6月。
 旧暦では「水無月」といいます。
 梅雨の季節に水が無いのは怪訝な思い。
 ですが・・・。
 「無」は連体助詞の「の」であるので、実は「水の月」のこと。
 知ると知らないでは大違いとなります。
 ならば「株無月」は「株の月」となる道理。
 戦後の6月相場の歴史は38勝19敗と成績は1月についで良好。
 過去10年では8勝2敗です。。
 季節は衣替え。マーケットも衣替えといきたいところ。

 ただし・・・。
 あちらもこちらも悩みは深いもの。
 「年末へかけてのシナリオは上昇で一致。
 ただし問題は6〜8月のシナリオ不在。
 最初に手を上げたシナリオへの付和雷同が予測される」とはベテラン記者の言。

 逆指標と考えているM氏のレポートのテーマは「懐疑の今こそ買いチャンス」。
 これはやや危ない指標。
 これでS氏もとなると・・・。
 危機感は去りません。
 しかも・・・。
 今は「懐疑」ではなくまだまだ「悲観と絶望」と考えたいところです。

・・・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。

 先物清算SQを週末に控えているので神経質な展開は続きそうです。
 迷ったら「衣食住」。
 すると・・。
 東洋水産(2875)。
 業績は好調。米国が原料高の影響でコスト増懸念は残ってますが、和風ブームに乗った
 即席めんも好調で、水産の不調をカバー。
 無菌米飯の販売数量拡大も注目ポイント。
 どうもこのところの買い物は外人からのような気がしてなりません。
 成田で引越ししたANA(9202)にも惹かれますが・・・。
 それではまた来週。

---PR---------------------------------------------------------
 「本場中国の未来透視学!!」無料セミナーに登場します。
---------------------------------------------------------------
 日時 7月6日(木)15時〜17時
 会場 泉ガーデンタワー7階 コンファレンスセンター
    (地下鉄南北線六本木一丁目駅直結)
 第一部 「日本の未来を予測する」
       中国風水易経鑑定師(奇問遁甲スペシャリスト) Rao Xue Sheng氏
 第二部 「日本経済と株式予測」
       株式新聞Weekly編集長 櫻井英明
 ↓
 http://www.brain-storming.net/rao/

■PR□■━━マネックス@銀座・株式セミナー━━■PR□■

 6月17日(土)  12:00〜
 「櫻井英明の『株式透視論』・・・東証アローズの報道現場からの推論」
 ↓GO
 http://www2.monex.co.jp/lounge/lounge/seminar/index.html






 2006年05月28日

          
        「デモーニッシュ」
                       
第16回
                    
 2006年05月26日
△--------------------------------------------------------------------------

 水曜日の関東地方は強烈な雷雨。
 自然が相変わらずたくましいことを思い起こさせてくれました。

 雷というと日本人は何らかの不安な暗示を覚えます。
 例えば、源氏物語の「明石」。
 須磨にいて毎日続く雷雨に心細さを感じていた光源氏のもとに都から来た使者は「京も
 雷。これは何かの暗示」と伝えます。
 そこで光源氏は住吉の神に一心不乱に祈りました。
 雷は鎮まります。
 その後、明石に向かった光源氏は明石の君という娘と知り合い、権大納言に就任する。
 ・・・・という他愛ない話。
 雷の後には良いことがあるという解釈も出来なくはありません。
 ただ・・・。
 口の悪い市場筋は「まだ人身事故で電車が止まっていない」として、底打ち感はないと
 指摘します。
 そして「中央線が5回は止まらないと・・・」。こちらは物騒な話です。

 ネット証券の企画マンの話。
 「待機資金はジャブジャブ。とにかく利喰った向きは虎視眈々」。
 あちらもこちらも複雑に絡み合った糸模様となっているようです。
 こんなときは、宮尾登美子氏の「櫂 」でも紐解くほうが良いかも知れません。
 「弱々しそうだが実は芯が強く、忍耐強く、まっすぐ」と表現される主人公。
 東京マーケットを転写したいものです。

 このところの株式の下落を「誰が得をしましたか」セオリーで考えてみると・・・。
 得はしていませんが東京株式市場の下落の影響をもっとも受けているのは日銀。
 ゼロ金利解除の時期を探っていましたが」明らかにマインドは後退。
 短期金利上昇の火消しに躍起になったのは木曜日。
 日銀のトラウマは速水氏時代の2000年8月のゼロ金利解除。
 1万6000円だった日経平均は半年後に1万1433円まで釣瓶落としとなりました。
 結果的にはあの7607円を迎えることになったのは記憶に新しいこと。

 今回も日銀はゼロ金利を解除したい。
 でなければ主役の座を取り戻せない。
 これは切実な願いの筈。
 しかし、下落が続く株式市場を見るにつけトラウマが甦るというところでしょうか。

 その反対側でにっこりしているのはアメリカとみることも可能です。
 日本の金利が上がらなければドル下落は避けられます。
 そして安い金利で円を借りて世界中で暴れることが続けられます。
 だったら、日本の金利を上昇させないように株で攻めておくというのも一つの手。
 ついでに世界新興市場にかこつけてロシアも叩いておけ〜。とも。
 とすると・・・。
 穿った見方では、「東京市場の下げの主人公はアメリカ」とみることができます。
 事実5月第3週の外国人は3500億円余りの大幅売り越し。
 外人も意外と芸が細かいですね。

 非鉄関係者による資源セクターについての見方。
 「東工取がストップ安になって売れなくなったら、株式市場でヘッジしている人、ひょっと
 したらいるかも知れない」。
 マネーに人格や障壁がない以上、当然の見方です。
 株式市場関係者は、どうも市場内で物事を考えがち。
 テクニカル、需給などの説明は異常に詳細。
 でも・・・。
 もっと広い視野が求められているので、もはや「シマ」だけ成り立たなくなくなってきたよ
 うです。

 今年もモナコGPの季節。
 ニースのけばけばしいネグレスコホテルから海岸沿いを走って向かったことがあ
 ります。
 国境のない国でした。
 地中海を眺めながらの思考法は明らかに東京湾を見ているのとは違うように思えます。
 一言でいうと「デモーニッシュ」。
 これだけは日本人が理解できないものに他なりません。

 ・・・・・さてマーケット。
 過去の実績から増額修正期待の大きい銘柄をピックアップしてみます。
 ちなみに7期連続で期初計画を期末実績が上回った銘柄は以下のようなもの。日清食
 品(2897)、アイシン精(7259)、住商リース(8592)、東急不(8815)、
 東武(8005)、中部電力(9502)など。
 「内需関連3点セット」は「みずほ、ドコモ、JR」。
 裏側は「三菱UFJ、KDDI、ANA」でしょうか。
 外資は「「株を買うチャンス到来」などの強気が目立ちます。
 騙されることなく「いいものはいい」と考えて「ここは買い下がり」という局面と見ています。
 ではまた来週。

 5月31日はJAホールでセミナー。
 定員450人ですが600人を目標にしています。
 是非ご協力を・・・。

 ■PR□■━━会社説明会 & 株式講演会━━■PR□■

 5月31日(水)   【東京】会場 JAビル 9階ホール
 ◇時間  14:00〜

 =第1部= 会社説明会
 GMOペイメントゲートウェイ株式会社(3768・東証マザーズ、1株)
       代表取締役社長 相浦 一成 氏
 「拡大する非対面クレジットカード決済市場と当社の成長戦略」

 =第2部= 株式講演会

 株式新聞Weekly編集長 櫻井 英明
 「櫻井英明の株式透視論・・・『枕草子』式推論法」
 ↓GO
 http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=060531_t

 ★奇問遁甲のセミナーの詳細が決まりました。

---PR---------------------------------------------------------
 「本場中国の未来透視学!!」無料セミナーに登場します。
---------------------------------------------------------------
 日時 7月6日(木)15時〜17時
 会場 泉ガーデンタワー7階 コンファレンスセンター
    (地下鉄南北線六本木一丁目駅直結)
 第一部 「日本の未来を予測する」
       中国風水易経鑑定師(奇問遁甲スペシャリスト) Rao Xue Sheng氏
 第二部 「日本経済と株式予測」
       株式新聞Weekly編集長 櫻井英明
 ↓
 http://www.brain-storming.net/rao/





 2006年05月21日

          
           「学 問」
                       
第15回
                    
 2006年05月19日
△--------------------------------------------------------------------------

 「ヒヤッとしたその一瞬を忘れるな!」

 交通事故のことではありません。
 東京株式市場のこのところの下落のこと。
 フジテレビ木10の「医龍」ではバチスタ手術中の坂口憲二が言います。
 「患者の心臓を触ってみろ。この感触を忘れるな。これが変性部位(患部)だ」。
 株式市場も同様です。
 下げを知らないから徒に狼狽する。
 この下落の感覚は絶好の教科書と思えてなりません。
 上昇は誰でも記憶できるもの。
 下落は記憶から忘却させてしまいたいもの。
 でも・・・。
 この数日間は忘れてはいけません。

 以上は市井の言い方です。
 学者が分析すると以下のようになります。

 例えば日経朝刊の「やさしい経済学」。
 滅多に読むことはないでしょうが、今回の「投資家と株式市場」は面白いもの。
 登場しているのは名古屋大学の加藤英明教授。
 昨日のサブタイトルは「損失の確定はイヤ」。
 アダム・スミスもマーコウィッツも「人間が損と得の抱く感情は対称ではない」と述べた
 そうです。
 そして・・・。
 「人間は利益よりも損失に対して敏感に反応する。
 1万円から得られる喜びの大きさは1万円を失うことの悲しみほどには大きくない」。
 これは損失回避といわれます。
 また・・・。
 「プロスペクト(見込み)理論」。
 株式投資における「参照(基準)点」とは、本来は購入時点の価格。
 しかし、実際は時間の経過とともに過去1年の最高値や最安値だったりと自分の都合
 で変化させます。
 それによって損失の確定を先送りさせたり、利益の確定を優先させたりするそうです。
 当たり前のことを、学問的に分析しているところがいいですね。
 だからこそのノーベル経済学賞ともいえますが・・・。

 5月19日のテーマは「過信は災いのもと」。
 対面・電話取引からインターネット取引に移行した投資家は移行直後に投資成績が悪
 化するというデータがあるそうです。
 その分析。
 「インターネットで膨大な情報を手に入れることによって、自分は専門家と同じ力量があ
 ると錯覚してしまうのかも知れない。
 十分な情報があったとしても、それは必要条件に過ぎず、それらを分析する能力が要
 求される」。
 学者の見方は手厳しいですが・・・。
 だが、真理です。

 7月6日に六本木の泉ガーデンタワーで「本場中国の未来透視学」のセミナー。
 第1部は「日本の未来を透視する」。
 第2部は「日本経済と株式予測」。
 奇問遁甲ワールドが展開される予定です。
 こちらは楽しい学問となりそうです。

・・・さてマーケット。
 これは難しいの一言に尽きますが・・・。
 「休むも相場」「株を買うより時を買え」という格言もあります。
 とはいえ・・・。
 考え方は二つ。
 下げの主役のリバウンド(反発)狙いか好調展開銘柄の追っかけ。
 前者はURBANとなりますが、これは禁じ手。
 むしろ下げきった感のあるファンケル(4921)に注目。
 株価は25日移動平均線から8%も下。
 要は売られすぎ。
 消極的な理由ですが・・・。
 「株価は悲観のなかで生まれ・・・」と考えたいですね。
 ではまた来週。

 来週末は宇都宮へ遠征します。
 お近くなら・・・。

 ■□■━━株式講演会━━■□■

 5月27日(土)   【宇都宮】会場 中原証券(株)宇都宮支店5階ホール
  ◇時間  10:00〜11:30
  ◇講師 株式新聞Weekly編集長 櫻井 英明
 「櫻井英明の株式透視論・・・報道最前線から見た当面の戦略と最新投資家動向」
 ↓GO
 http://www.nakahara-sec.co.jp/index.htm

 ■□■━━会社説明会 & 株式講演会━━■□■

 5月31日(水)   【東京】会場 JAビル 9階ホール
 ◇時間  14:00〜
 =第1部= 会社説明会
 GMOペイメントゲートウェイ株式会社(3768・東証マザーズ、1株)
       代表取締役社長 相浦 一誠 氏
 「拡大する非対面クレジットカード決済市場と当社の成長戦略」

 =第2部= 株式講演会
 株式新聞Weekly編集長 櫻井 英明
 「櫻井英明の株式透視論・・・『枕草子』式推論法」
 ↓GO
 http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=060531_t





 2006年05月14日

          
          「自虐的に」
                       
第14回
                    
 2006年05月12日
△--------------------------------------------------------------------------

 大引け直後に大手町のJAビル。
 400人の投資家に緊急ミニセミナーを10分。
 「投資家のための株式新聞Weekly編集長としては、たまらず駆けつけました」と言って
 スタート。
 ほとんど選挙演説状態でした。
 それにしても・・・。
 投資家の不安感は最大に膨張していました。

 そうとう自虐的な週末を迎えた投資家も多いのでしょう。
 5月17日安値説の呪縛も解けてはいないようです。
 しかし、良く考えてみると・・・。
 2004年5月17日安値10489円→7月1日高値は11933円。
 2005年5月17日安値10825円→2006年4月7日高値17563円。
 それこそ5月17日は絶好の買い場でした。
 すると・・・今年も?の期待感は膨らみそうです。
 しかも騰落レシオは77ポイント。
 バックトゥーザヒューチヤーの目で見れれば良いのですが・・・。

 こんな週末は俳句でも・・・。
 「暮れ際の紫紺の五月来りけり」(森澄雄)。
 「春風の日本に源氏物語」(京極紀陽)。
 「笈も太刀も五月にかざれ紙幟」(松尾芭蕉。
 「あいまいな空に不満の五月かな」(中澤敬子)
 「夏場所やもとよりわざのすくひなげ」(久保田万太郎)
 「蝶低し葵の花の低ければ」(富安風生)。

 専門家のMさんと罫線屋さんのSさんの強気転換が「売りシグナルだった」とは老獪な
 記者の言。
 確かに・・・。
 いつも結果的に反対指標を提供してくれているようです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。

 船井財産は純利益で前年比4倍。進捗率81%。
 予定通りいい四半期を出してくれました。
 ここは格好の仕込み場面。
 来週はど真ん中。
 銀行のみずほ。鉄鋼の住金。そして自動車のトヨタ。
 2ショットでキリン買いのサッポロ売り。物産買いの商事売りなども検討できそうです。
 それでは・・・・。

 因みに月末はJAホールでセミナーをじっくり。
 お時間があれば・・・。

■□■━━会社説明会 & 株式講演会━━■□■

 5月31日(金)   【東京】会場 JAビル 9階ホール
 ◇時間  14:00〜
 =第1部= 会社説明会
 GMOペイメントゲートウェイ株式会社
    (3768・東証マザーズ、1株)
      代表取締役社長 相浦 一誠 氏
 「拡大する非対面クレジットカード決済市場と当社の成長戦略」

 =第2部= 株式講演会
 株式新聞Weekly編集長 櫻井 英明
 「櫻井英明の株式透視論・・・『枕草子』式推論法」
 ↓GO
 http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=060531_t





 2006年06月07日

          
          「美しき5月」
                       
第13回
                    
 2006年05月07日
△--------------------------------------------------------------------------

 GW最後の日曜日は雨。

 最大9連休の疲れ休みには最適ですね。
 ところが、午後からはマネックス証券で株式セミナー。
 不思議と参加者が結構おられる。
 株病は、方々に蔓延しているようです。

 ところで・・・。
 振り返って見ると、5月1日の日経トップは「労働力人口8年ぶり増加。女性・高齢者活
 用進む」。
 そしてサブは「企業年金利回り最高、23%。株高で運用好調」。
 この二つをあわせると、「漠然とした将来の不安感」は相当減少してきます。

 少子高齢化社会の到来。
 労働力の減少。
 年金に対する不信感。
 これが、日本社会の不安感の根源。
 しかし、高齢者の労働場面が増加。
 年金も運用の巧拙の問題で、問題が減る。
 となると・・・。
 個人消費も拡大する方向。
 明るい将来展望も描けてくるような味な見出しの配列でした。

 追い討ちをかけるように2日のトップは「普天間移転2014年完了」。
 在日米軍再編は玉虫色の合意。
 60億ドルのグアム移転負担金は明確になりました。
 総額は見えません。
 溜め込んだ米国債を流用すればいいとの見方もあります。
 が・・・。
 良く見ると。60億ドルはボーイングが東レの炭素繊維を買ってくれるのでチャラ。
 例え総額は3兆円になったとしても、重工や川重なども控えている。
 傍証のように7日の日経トップは「超音速旅客機、米と研究」。
 3兆円でも5兆円でも株式市場はウェルカムとと楽観的に見る向きも多いようです。

 GW明けは2年連続の5月17日安値の呪縛。
 でも・・・。
 今年は、どうも違うようです。
 NYの高値更新は、アシストのように思えてなりません。
 将来不安が消え、安全保障が確固となり、企業業績最高の日本経済。
 加えて、商品市場に見られるようにマネーの流れは傷ついていません。
 「美しき5月」。
 ポジな筆者は、どうしてもそう考えてしまします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、マーケット。

 「私の履歴書」は信越化学の金川社長が本当に久しぶりに実業界から登場。
 昨年来、学者、政治家、文化人が続いていましたが、ようやく企業人。
 そろそろ実業界が望まれていましたが、11期連続過去最高決算が見込まれる信越と
 いうのはうなずけます。
 因みに決算発表は5月15日の予定。

 ではまた来週。





 2006年04月30日

          
             「枕」
                       
第12回
                    
 2006年04月28日
△--------------------------------------------------------------------------

 
連休控えの1週間。

 上値の重たい展開が続きました。
 背景は円高、金利上昇懸念、業績の事前予想よりも下方サイドへの修正。
 数え上げれば、理由付けは何でもあり。
 でも、面白かったのはある美人トレーダーの話。
 「田中宇氏のレポートが結構話題になってます。
 中身はブッシュ政権によるイラン核攻撃予測。
 事の真偽は定かではないですが、決行が4月28日という説もあります。
 これがネガ要因に働いているから外人買いも細っている」との見方。
 「4月でなければ、7月」とも言われているそうです。
 底流にそういう流れがあれば、上値は当然重たくもなります。

 それと・・・。
 市場参加者の少なさ。
 世界中で日本だけが、1週間余りのバカンス。
 事前にポジションをはずしておくのは為替も株式にも共通したディーラーマインド。
 この年中行事からは逃れられそうにもありません。

 そして・・・。
 市場に出回り始めた信用取引規制説。
 何を考えているのかと言いたいところですが、可能性としては否定できないところです。

 そんなこんなで日本列島総休み。
 連休明けに期待しながら、ゆっくりと自然の美しさでも満喫したい局面です。

 ・・・さてマーケット。
 動きづらいことこの上ありません。
 強いて、注目するならば・・・。
 船井財産(8929)。
 土地持ち資産家と株持ち資産家の財産コンサルが主。
 先日は、ステーキや焼き鳥の「うかい」をTOBするなどM&A戦略は拡大の一途。
 ただ、ホリエモンやMファンドと異なるのは、地に足が着いた点。
 本業を乖離しないM&A路線は評価できます。
 アナリスト発表会が5月11日に予定されていることも期待材料。
 ただ、マザーズ銘柄で新興市場が気にかかりますが・・・。
 ではまた来週。





 2006年04月23日

          
         「イリュージョン」
                       
第11回
                    
 2006年04月21日
△--------------------------------------------------------------------------

 ソニーの2ページカラー広告が目を引きました。

 キーワードは「はじめまして、ボードPC」。
 スリムなボディに機能的な素材感は、さすがにトランジスタラジオやウォークマンのDN
 Aです。
 高度成長期に消費者が抱いた「ワクワクドキドキ」が喚起されそうなイメージ。
 デジタル一眼レフ「α」も登場。
 そういえば、ソニーショックからはほぼ3年。
 駄目だ駄目だと言われ続けたソニー復活の感がしてなりません。
 松下は「パナソニック」ブランドで小雪を採用。
 こちらもカラー2ページ。
 古のトリニトロン戦争、あるいはVHSベータ戦争が思い起こされます。

 一方でUSENが営業利益91%減で急落。
 インデックスは下方修正でストップ安。
 市場コンセンサスは、ニューフェイスよりもトラッドを重視しているようです。
 玉石混交の新興市場のイリュージョンにようやく気がつき始めたというところでしょうか。
 遅すぎるという気がしないでもありません。

 投資家は「売った株が更に上がった」と嘆くことが多いもの。
 だが、これは当たり前のことでもあります。
 株を買うときは成り行きでも売る時は指値が多いもの。
 指値であるから、当然現値よりも上になる。
 その指値で売れるのであるから、相場の勢いは強い。
 だから売れる。
 売れるから上がる。
 レトリックにも聞こえるが、意外と真理である。

 重要なのは嘆かないこと。
 「売れた後の利益は他人のもの」と思えばいいのですが、なかなかこれが出来ません。
 「利他」という経営理念があります。
 実践するのは神様でもない限りなかなか難しいのですがでも、そのほうがストレスは少
 ない筈です。

 出版社の役員氏は競馬が趣味とのこと。
 でも土曜日のレースしかやらないといいます。
 理由は「「疲れるから」。
 真剣に1日競馬と対峙すると、疲労困憊になるとも言います。
 株も同様でしょう。
 真剣に1日マーケットに向かうと、かなり疲れるもの。
 でも多くの投資家や競馬ファンは日々向かっています。
 なぜでしょう。
 物欲は当然存在しています。
 でも・・・。
 面白いから。
 楽しいから。
 その側面は否定できません。

 市場はど真ん中オンパレード。
 誰もが「質への逃避」の言葉を持ち出し始めました。
 債券マネーが株式市場へ流れ込んでくると、この動きは自然。
 「トヨタやホンダやソニーでは・・・」との声も聞かれますが、だからといって中小型・新興
 市場では、間違う可能性が高いというのが「読み」。
 投資家は「自分だけが知っている」を望みますがそんな僥倖は滅多にありません。
 素直にマーケットに対峙する局面と読みます。
 やはり「いいものはいい」なんです。

 ・・・・・さてマーケット。

 一つはいすゞ(7202)。
 排ガス規制を背景に4月は第2週まででトラックの売れ行きが前年同期比4〜5割増。
 3月がやや売れ行き減だったこと反動もあるとはいうものの、絶好調の様子が窺えます。
 しかも2008年3月期の海外販売台数は30万台にお見通し。(2005年3月期は15万
 台)。
 足元の明るい話。
 「いすゞだけに、投資家がすずなりに・・・」(業界関係者)との声も聞かれます。

 もう一つは川重(7012)。
 造船や二輪車などに強く、航空機や機械、プラントなど総合的に手がけており材料は豊
 富。
 造船は世界的に30年ぶりの活況を迎えています。
 世界の新造船手持ち工事量(暦年ベース、ロイズ調べ)によると、05年は1億6000万
 総トンに達したもよう。
 「造船各社のなかでは安定感があり、空と海に絡んだ製品群に期待したい」との声も聞
 かれます。

 ではまた・・・。





 2006年04月16日

          
           「進 化」
                       
第10回
                    
 2006年04月14日
△--------------------------------------------------------------------------

 ある朝、数年ぶりに次女と一緒に乗った満員の田園都市線。

 朝の日経を拡げると、「船井財産うかいをTOB」の見出しが酔眼に飛び込んできました。
 資産コンサルの会社が焼き鳥屋さんの料亭うかいを買収とは・・・。
 船井財産の銘柄コードは8929。
 語呂合わせは「焼き肉」。
 共通するのは、「肉」だけ?
 しかも鳥インフルエンザの時期になぜ?
 そこで考えてみました。
 船井財産はもともとは企業再生と不動産コンサルの会社。
 うかいは広大な土地を持っている。
 とすれば・・・。
 それこそ有効活用などの本業のコンサルに結びつきます。
 朝日では村上ファンド主導で阪神が阪急になる可能性。
 TOBも奥が深いもの。

 これも久しぶりに終電で終点の長津田駅。
 バブル時にはタクシー待ち1時間がお約束でしたが、待つことは殆どなし。
 街角景気の実態は、やや先行しているような印象でした。

 業界紙の先達の言葉。
 「考える投資家が増えなければならない」
 「無機質な兜町の将来は期待できない。人の匂いが必要」
 確かに・・・。
 そして、報道からシナリオを考えることを広めたいと。
 例えば、在日米軍のグアムへの移転費用を日本が持つ話。
 良く考えれば、グアムに道を作る会社に発注が来ると読めます。
 その先回りではNIPPO(1881)が思い浮かぶといいます。
 面白い見方。

 ある企業トップA社長のところへ赴きく。
 受付で待っていたら、リクルートスーツの女子大生が二人。
 同行者は思わず「まだ、就職決まらないの?」の質問。
 卒業式が終わっても就職が決まっていないとの思い込みでした。
 答えは「いえ、4年になったばかりです」。
 確かに街中リクルートスーツで溢れています。
 もっとも・・・。
 A社長いわく「今年の就職戦線は、売り手が圧倒的に強い」。
 不採用にした人材でも2〜3社の内定を貰っているといいます。
 人材採用面から見ると、それこそ日本経済復活です。

 「物価は上がった」。
 「オフィスの空室率は9ヶ月連続で低下」。
 「株式投信残高45兆円に」。
 見出しは十数年前を髣髴とさせてくれます。
 言ってみれば「前夜感」。
 ただし、「夜明け前」どころではなく、「暁」のようです。

 IMFは「産油国は、慎重な資金運用を」と訳のわからないことを提言。
 「持続的な経済成長や生活水準の向上に振り向ける」とは、米国債を買えということな
 のでしょうか。
 持って回った言い方はわかりにくいもの。

 債券市場は5年7ヶ月ぶりの水準。
 新発10年もの国債は一時1.980%。
 アメリカの5%、日本の2%。
 新聞には「長期金利上昇スパイラル」の活字。
 債券のマーケット規模が株式にも登場する日が近づいてきたようです。
 目先の東京株式市場は甘い展開だが、ワクワクドキドキの妙な予感だけが先行の感。

 モルガンのレポート「不動産業界展望」は「ブルマーケットが持続」の見出し。
 資産デフレは終わった模様→不動産ブルマーケットはまだ3〜4合目
 →土地取引件数の拡大、大都市圏への人口移動の加速
 →大手総合不動産各社と、資産流動化各社に有利な展開。
 ここも「力強い」。

 良く考えると、M&A推進に邪魔だったライブドア、不動産セクターの躍進に邪魔だった
 ヒューザー。
 だからこその、年末からの動きとするとスッキリしてきますね。

 ボーイングが中国から80機受注したとの報。
 主な関連銘柄は以下の通り。
 東邦テナックス(3403)、住友チタニウム(5726)、ジャムコ(7408)
 東邦チタニウム(5727)、日本航空電子(6807)、東レ(3402)、三菱レ(3404)。





 2006年04月02日

          
           「奇問遁甲」
                       
第9回
                    
 2006年03月31日
△--------------------------------------------------------------------------

 新年度あるいは新学期。
 市場もフレッシュマンの季節となりました。
 眩い陽光のハッピーニューイヤーの到来です。
 先週、茅場町交差点の証券会社でミーティング。
 初日営業をまだやっているとの話でした。
 会社によって「一日営業」とか「月替り営業」など呼び方は異なりますが、要は月初に予
 約商いを取って株式の手数料を拡大すること。
 今では殆ど廃れてしまっていますが、まだまだ存在していたようです。
 営業マン氏いわく「投資家も営業マンもどこかで踏ん切りをつけるためには必要な制度」。
 横で聞いていた女子社員がニコリ。
 「確かに踏ん切りは欲しいです」。
 兜町の古き良き?伝統です。

 路上に追いかぶさるサクラの元で、有名なトレーダー氏と一献。
 「新年度はバブル時を凌ぐディーリング相場」との言。
 そのココロは「債券で育った金融系ディーラーが株のポジションを持ち始めました。
 債券で勝ちクセがついているから、買い方も半端じゃないです。
 だって1000億円単位の買い決めオーダーがザラですよ。ケタが一つも二つも違います」。
 そして、「4月からはロングロングになります」。
 そのココロは「1月から大型ショートで新興市場ロングのポジションを組んでやられたファン
 ドが、皆双方ロングのポジションを取り始める筈」。
 因みに、ロングは買い、ショートは売りのこと。
 そして最後に「強烈なディーリングになると思います」。
 こうなると・・・。
 「開花」どころではありません。散らないサクラとなりそうです。

 北京から易の先生が来日。
 奇問遁甲を実務的に扱える数少ないプロ。
 「春日大社のお告げ」がなくなって以来数年経ちました。
 毎月の動きを予見してもらおうとして、東証でその場所の吉凶を占ってもらいました。
 奇問遁甲の師と東証をぐるり。
 一般見学者の入り口が西側にあるのが今年は良くないとのこと。
 夏には「大きな損失がある」との見方もありました。
 株での損なのか、債券での損なのか。
 この解釈は難しいものです・・・。

 ただ・・・。
 「この建物に入る時は、北側の正面玄関を使いなさい」とのこと。
 これは実践しようと思います。
 というのは・・・。
 4月3日からラジオNIKKEIの新番組「東京マーケットLIVE!」の月・火キャスターをする
 ことになりました。
 場所は東証アローズですので、正面玄関から出入りすることにしました。

 ところで・・・。
 結論は、「4〜6月は強含みの持ち合い。7〜8月にはかなり悪いことが起きる。10月から
 は年末に向けて爆騰」とのこと。
 「奇問遁甲のお告げ」とでも名づけようかと考えています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、マーケット。

 今期を振り替えてみると、この欄で取り上げた銘柄は、「ときどき当たり、ときどきはずれ」と
 いったところでしょうか。
 新年度入りからは、ボリュームアップが考えられます。
 外資もTOPIXの2000ポイント、指数の18000円とイケイケモード。
 当面、4月は順張りで良さそうです。
 個別では住友鉱(5713)、昭和シェル(5002)など資源セクター。
 暫くは続きそうな気配です。
 では、また来週。





 2006年03月26日

          
           「落 語」
                       
第8回
                    
 2006年03月23日
△--------------------------------------------------------------------------

 先週、噺家の某師匠に弟子入りが叶いました。

 「株と落語」の融合に話は盛り上がり、結果師匠いわく「一席の落語になりそうな話ばか
 りで、それだけ株や金融の世界が浮世離れしてるって事ですかね」。
 うーん。
 そして「株式相場が落語的と言うのは『浮世離れ』したところもあるようで、且つ又それだ
 け人間の気持ちがよく出ているって事でもあるんですね」。
 云い得て妙である。
 そして・・・。
 「株式を落語調で語る?櫻井さんのお話がそのままぴったり当てはまる表現じゃないで
 すか!」とのご宣託。
 救われたような、悩ましいような・・・微妙な気持ちです。

 ところで・・・札幌に行きました。
 札幌は海の幸の多いところ。
 どこを見回しても、カニ・イクラ・ウニのオンパレード。
 幸せな場所です。
 もっとも吹雪だけは、慣れませんが・・・。
 すすき野の居酒屋「たかさご屋」。
 ホームページなどでは「札幌、旨い店」で検索すると上位に出てきます。
 が・・・。
 店主いわく「お客さんはそういうけれど、私は見たことがない。ホームページもつくれとい
 われるが面倒くさい」。
 歴史を感じさせる薄暗い店つくりではありましたが、本物。
 キンキもルイベも絶品でした。

 マーケットはお化粧時。
 機関投資家の買いに12時半過ぎのヘッジファンドの仕掛けの交錯。
 楽しさ倍増。
 明るい日本経済です。
 春爛漫は、まもなく。
 地価公示もGDPも、日本経済の健康表示は「強烈に健康」を表現しているようです。

 ある営業マン氏はこう語ります。
 「毎日、益出しの売り切りを毎日行っている。売ってみると、相場の強さが良くわかる」と。
 相場に疑問があるなら売ってみればいいとの分析。
 そのココロは「スパスパ持って行かれる」。
 まさに「世の中は三日見ぬ間に桜かな」(大島蓼太)です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。

 北の国から南の果てまで行商の連続の週でしたので、ネタ情報には苦労してます。
 そんな中、団塊世代のお金使いのコメントに心惹かれました。

 団塊の世代の個人消費がターゲットとなっています。
 確かに、あの人たちはおカネを使い始めました。
 ゲバ棒を振り回した挙句に見事に日本経済の尖兵となり、核家族を推進した人たちが
 お金をばら撒き始めたのです。
 まるで、桑の葉を食べ尽くした蚕が、糸を吐くかのごとく・・・。
 マーケットはこれを「ポピュリッチ(富裕層)」と表現。

 メルクマールは「吉永小百合」。
 彼女の出ているCM企業が話題になり始めました。
 例えば・・・。
 シャープ(6753)、カゴメ(2811)、三井ホーム(1868)、浜ゴム(5101)など。
 意外な変貌を遂げる可能性は否定できません。
 いわく「サユリストック」です。

 ということで・・・また来週。





 2006年03月19日

          
           「質 問」
                       
第7回
                    
 2006年03月17日
△--------------------------------------------------------------------------

 先週、黄昏時の赤坂TBS。
 お洒落に着飾った女性が多く、妙にきらびやかな雰囲気。
 同じマスコミでも新聞社は、紙の匂いに囲まれた男の世界。
 結構違うものです
 セミナーでの質問。
 「日銀の量的規制緩和解除の意味がどうしてもわからない。
 証券会社のセミナーで質問してみたが、ますますわからなくなった。
 講演していた証券マンによくよくきいてみたら、実はよくわからないとの回答でした」。
 これは、この証券マンだけではなく、ひょっとすると、多くの証券マンに言えるのかも知
 れません。
 言葉だけの一人歩きは良くあること。
 誤解と錯覚で物事が進むことも良くあること。。

 証券会社の誤発注は全体の9割に及ぶの報。
 個人投資家は「え?」。
 ギョーカイ人してみれば「何をいまさら」。
 それこそ日常茶飯事。
 見ると聞くでは大違いなものです。

 ある日、西新宿へ赴きました。
 高層ビルが以前よりも林立。
 NYほどではありませんが、ほとんどコロラド州デンバーとかテキサス州ヒューストン
 状態。
 どことなく、バブル時のような躍動感が感じられ始めたようです。
 そういえば、日本のバブルは新宿の証券会社から発生したという話もあります。
 時は昭和60年代初め。
 新宿のある不動産業者がX銀行新宿支店から数十億円の不動産担保融資を受けて
 株の大商いをしたのが端緒との説。
 当時、担当していた営業マンはY氏は破竹の勢い。
 今でも東京市場をリードする営業マンとして兜町に君臨しています。

 週末はソフトバンクが主役となっての上昇。
 「暑さ寒さも彼岸まで」の通りになりそうです。
 今週は、週初が札幌、週末が福岡。
 行商の週。
 気温差にして約20度。
 広い日本そんなに急いでどこへ行く?ですね。

・・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット。

 彼岸底からのお化粧展開。と見れば、主役はコア30セクター。
 個別では日本電設工業(1950)。
 あちこちの駅での工事を見れば、「儲かっているな」と実感できます。
 それでは・・・。また来週。

 PS。今週はメルマガ「兜町物語」の「サクラの季節・無料試読」キャンペーン。
 よろしければ・・・。
 ↓GO
 http://www.kabushiki.co.jp/charge/kshp186.jspx?sub=kabuto




 2006年03月12日

          
          「久しぶり」
                       
第6回
                    
 2006年03月10日
△--------------------------------------------------------------------------

 テレ東のWBS。
 寡聞かも知れませんが、久しく画面でお目にかかっていなかったリチャード・クー氏が出
 演していました。
 90年代後半から、2000年バブル崩壊頃までは、毎日のように露出していた御仁。
 反竹中の姿勢から、しばらくナリを潜めていたように見受けられますが、どうやら啓蟄に
 なったのかも知れません。
 同時期にやはり露出度の高かった植草氏は、手鏡事件で消えざるを得ませんでしたが、
 クー氏は見事に生き延びたことになります。
 と考えると・・・。
 どうも、権力構造の大きな変化が起こっているとも読めます。
 クー氏出演の翌日には、日銀が金融緩和の解除。
 それこそ局地的に竹中氏の負けとなりました
 水面下での蠢きは大きくなるに違いありません。

 10年以上前の花見時。
 手鏡の植草氏と、当時の与党重鎮のファミリー企業の資金運用コンペでバッティングし
 たことがあります。
 向うは植草氏、元政調会長のN代議士、そして証券会社役員氏のそろい踏み。
 当方は1人だけ。
 当然負けを覚悟していましたが、結果は数億円のアビトラを受注。
 個人的には、正々堂々とした、結構誇らしい商いでした。
 四谷の土手のサクラ吹雪が脳裏に鮮明です。
 が・・・これは余談.

 木曜日の前場寄付直後。
 「解除あり」の確定ニュースをつかみ、四方八方へ連絡。
 結果は・・・。
 ご存知の通り。
 まさに「1秒の戦略化」でした。

 ところで・・・。
 いつも感じるのは「わかりやすさ」と「やさしさ」。
 業界の大家のセミナーには多くの人が集まりますが横文字と専門語が多く、本当に理
 解することは難しいもの。
 残るのは有名人に会ったという満足感ということが多いようです。
 これではマーケットは楽しい筈がありません。

 そんなことから、落語家の桂某師匠に弟子入りすることにしました。
 株と落語を結びつけようという試みです。
 齢40代にして修行の日々。
 株の神様のご褒美に期待したいところです。

 それと・・・。
 4月からラジオNIKKEIの「マーケットトゥディ」の月曜と火曜の後場のキャスターをする
 ことになりました。
 インターネットでも聞けますので是非・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さてマーケット。
 メジャーSQも無事通過し、楽しくなってきました。
 4.5兆円の貸し株の返済も迫ってきています。
 基本は配当取りと業績好調銘柄の物色。
 「春が来た」です。
 セクターでは、不動産。
 20日過ぎの公示地価の発表が視野に入ります。
 京急(9006)などが面白そうです。
 あとは食品・小売といったところ。
 では、また来週。






 2006年03月05日

          
           「弥 生」
                       
第5回
                    
 2006年03月03日
△--------------------------------------------------------------------------

 3月弥生。
 サクラ前線の北上も早そうな気配です。
 10日までは年金の売り、それ以降は配当取りを含めた積極的展開という指摘もあります。
 期末の貸し株解消もポジ。
 気候も市場も「春遠からじ」となってきましたが、残るのは欲求不満感というところですね。
 3月の日経平均株価指数動向は昭和24年以降33勝23敗。
 陽線率58.9%と12ヶ月中4番目。
 ちなみに2000年以降は4勝2敗と率で首位
 ジャスダックは11勝9敗 陽線率は55%で第7位。
 歴史は期待感を持たせてくれます。

 市場は「待ち」状態。
 鉄鋼の業績発表を待ち、国内消費者物価指数を待ちました。
 そして日銀会合、SQと待ちの理由は幾らでもあります。
 ただ・・・。
 市場は「待った」ことで良くなった例は多くありません。
 上司が営業マンに言う言葉は「後始末よりも前始末」。
 でも・・・。
 「後始末」をしてくれる専門家は少ないが・・・。

 先週木曜日の夜のセミナ参加者のメールが市場を回りました。
 「昨夜、19時から21時まで都内大手町のサンケイビルでマネックス証券主催の株式セ
 ミナー。
 講師は株式新聞社。
 個人投資家が集まる講演会に出向いたのは初めての経験。
 時間が遅く、平日だというのに、参加者がどんどん来ること!
 講演が始まってからも、まだ人が来るので定員350名でも、席が不足する勢い。
 私は関係者として見学させてもらったのだが、参加者はマネックス証券に口座を持って
 いる人が限定されていた。
 場所柄なのか?
 30〜40代の女性投資家が多いのにビックリした!
 個人投資家のパワーはまだまだ強いと感じられる」。
 巷は「ひな祭り」シーズン。
 女性投資家のますますの隆盛が感じられます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・さてマーケット

 鉄は457円を更新しましたが結局479円までで行って来い。
 来週も「待ち」に泣かされそうです。
 週末に取材に行ったカルピス(2591)は連日の新値追い。
 業績は好調。
 アミールSの血圧効果は春の欧米学会で発表予定。
 L−92のアトピーへの展開。
 飼料添加物「カルスポリン」が世界最大の食肉加工メーカー「タイソン」に採用。
 日本コカコーラとの健康・機能性分野での共同プロジェクトなど期待度満載でした。

 では、また来週。





 2006年02月26日

          
           「主人公」
                       
第4回
                    
 2006年02月24日
△--------------------------------------------------------------------------

 マーケットについては、「誰が得をしましたか」で考えると、非常にわかりやすくなること
 が多いようです。
 例えば9.11。
 世界貿易センターはグラウンドゼロになりましたが、その後のアメリカ経済は躍進しま
 した。
 世界の「戦争経済」は継続しているとの指摘もあります。
 例えば、ブッシュ政権の軍事費。
 ブッシュ政権の国防予算は2001年の2945億ドルから2006年5139億ドルに増加。
 このばら撒きは大きいもの。
 また、アメリカは「モノをつくらないマネーゲーム国家」との分析も見られます。
 確かにGEの利益の5割、GMの利益の大半は金融。
 考えてみればライブドアもこの方向性でした。

 ところで・・・。
 2月第3週の外国人の株式売買は買い越し。
 シェアは8カ月ぶりの50%台回復。
 これが現実です。
 追証に追われ鉄道事故が相次ぐ中でも、外人は買っていました。
 基本は「日本株が欲しい」なんです。
 刹那的にこのことが忘れられるから、疑心暗鬼が頭をもたげますが、物事は常に「誰
 が得をしましたか」で動いているもの。
 ライブドアもヒューザーも同様です。

 NYも欧州も最高値更新。
 欧米亜と諸国株高の中で、なぜ今東京だけがネガターゲットとならざるを得ないので
 しょうか。
 一つには、ホリエモン騒動に見る世界でも稀有な潔癖性への嫌気。
 一つには、「買いたいのだけれど値引きして・・・」という要請・・・と見る向きは多いよう
 です。
 20数年前。
 別子相場のとき、いい加減な評論家は鹿児島菱刈まで取材に赴き「長靴に金が付く
 ほど・・・」とコメントしていました。
 科研薬相場のとき。ある証券会社の株式部長氏は「イチジクから制ガン剤が出来た」
 と豪語。
 バブル相場のときは、東京湾岸の地図が埋め尽くされました。
 東急電鉄は大手証券主導の「お告げ」で買われ、人工血液が評価されたミドリ十字
 はなくなりました。
 相場にはいろいろな歴史があります。

 最後にオリンピック。。
 上流社会のスポーツであるフィギアスケートでようやくの金メダル。
 これは大きい。
 スポーツとはいえ、戦争です。
 スケートなどは、得点に主観的要素が大きいもの。
 だから、国家間のパワーがメダルに与える影響は大きいんです
 そこで活躍できる日本は本物となったとみることも出来るようになりました。
 ワールドスポーツとワールドマーケット。
 プレイヤーの盛衰は同じもの。
 もっとも、どちらも「主人公」を演じなければなりませんが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて今週は?
 春弥生の始まりです。
 桜吹雪のサライを目指すとすると・・・。

 熊が逮捕。
 その他は再逮捕。ライブドアフェイアーはマーケット的には落着。
 そして・・・。

 信用の評価損率はマイナス11.31%。
 過去マイナス10%以上になると底打ち反転となったケースが多いとの見方をもと
 に北浜のベテラン氏は指摘します。
 「ライブドアで下げたのだから、新興市場がリード役となっての戻り。成長率40%
 以上の企業に注目する」。
 として、デジガレ(4819)、カカクコム(2371)、ソネットM3(2413)、一休(245
 0)、ファンコミュ(2461)。

 大所では、新日鉄(5401)。457円からが買い局面となりそうです。

 それでは・・・。






 2006年02月19日

          
           「仙 人」
                       
第3回
                    
 2006年02月17日
△--------------------------------------------------------------------------

 木曜日に名古屋でセミナー。
 定員250名のところ300名超出席で大盛況でした。
 今まで何回も株式講演会を行ってきましたが初めての体験がありました。
 いつもセミナーの最後に注目銘柄をいくつか挙げて説明します。
 トヨタや鉄などは常識的なところ。
 通常、それだけでは出席者の方が満足しないので「ハラハラドキドキ」銘柄としていくつ
 か取り上げてコメントすることにしています。
 名古屋でも3銘柄ほどコメントし「3月もまた来ますので、成績査定をしていただきます」
 といって終わりました。
 その後参加者の方々と名刺交換。
 ある方の名刺を見て、目が点になりました。
 名刺には、取り上げた銘柄の社名が記されており、タイトルは「社長室長」。
 「弊社をよくご理解されておられ、ありがとうございました」とのコメント。
 そして「早速社長に報告し、弊社の会社説明会の際には、講師をお願いします」とのこ
 と。
 世の中広いようで狭いもの。
 それにしても、注目銘柄の重職がセミナーに参加されていたのは初体験でした。

 ここ数日、嫌な傾向は、朝の鉄道事故。
 東横線、JR線など毎日のように発生。
 兜町の面々はライブドアの株価の影響とも言います。
 追証などの発生と時期は符合するのだと言います
 兜町の予測どおりではないことを願いたいところ・・・。

 週末は神保町で孤高のチャーチストとミーティング。
 結論は「全体は当面頭打ち」との話。
 ただし「当面」とのこと。
 それより何より「投資家が求めているのは売り場の情報」という指摘には納得させられ
 ました。
 考えてみれば「注目銘柄や推奨銘柄」はあちこちにありますが、「持っている株の売り
 場探し」は誰もしてくれません。
 理由は簡単・・・。
 誰も明確にはわからないからに決まっています。
 でも仙人のような容貌のチャーチスト氏は言いました。
 「まだ、誰も気がついていないし、活字にもなっていないがそれがある。
 マーケットアナリストの99%は必要なくなる法則だけど・・・。
 君は勉強する気はある?」。
 90分間チャートの話を聞いていただけで頭が痛くなったのに・・・。
 本当に株は「奥が深い」と思わざるを得ません。
 でも仙人になろうとは思わないんですが・・・。
 そして、出来るならば、結論だけを教えてくれればいいんですが・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて今週は?
 難しすぎます。
 「休むも相場」という格言もあれば「人は語り得ないことについては沈黙を保たねばな
 らない」
 (ヴィトゲンシュタイン)という箴言もあります。
 でもそれじゃプロじゃない。
 という勝手な自負心からは・・・。
 SANKYO(6417)の7000円台に着目。
 1月30日高値は8130円。調整十分からの反騰期待。
 もっとも「ハラハラドキドキ」ですが・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 3月は大相撲同様に巡業になります。
 お近くでしたら、是非・・・。

==株式新聞社主催「個人投資家のための会社説明会および株式講演会」==

 「櫻井英明の『株式透視論』・・・すっごくよくわかるマーケット推理の鉄則」

 ○3月6日(月) 14時・大阪・アパホテル
 ○3月10日(金)14時・名古屋・アパホテル
 ○3月20日(月)14時・札幌・すみれホテル
 ○3月24日(金)10時・広島・メルパルク
 ○3月24日(金)14時・福岡・国際ホール
 ↓詳しくはGO
 http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-01.jspx

 東京は・・・。

 ○TBSラジオ遊学舎セミナー
 「櫻井英明の楽しくなければ株じゃない・・・マーケットから世界が見える」

 日時 3月15日(水)18時開場、18時30分開演〜20時終了予定
 場所 赤坂TBS放送センター・セミナールーム(定員60名)
 講師 櫻井英明(株式新聞Weekly編集長)
 参加費 無料(事前申し込み制・応募者多数の場合は抽選になります)
 ↓GO
 http://www.yugakusha.net/

 ○株式新聞Weekly編集長講演会
 「マーケットストーリー読解の鉄則・・・これがプロの情報収集法だ!」

 日時 3月2日(木)18時30分開場、19時〜21時
 場所 大手町サンケイプラザ4F(定員350名)
 講師 櫻井英明(株式新聞Weekly編集長)
 主催 マネックス証券(マネックス証券に取引口座が必要になります)
 参加費 1000円(当日先着順にて受付)
 ↓GO
 http://www2.monex.co.jp/lounge/benkyo/joho.html




 2006年02月12日

          
          「勘と度胸」
                       
第2回
                    
 2006年02月10日
△--------------------------------------------------------------------------

 冴えない週末でした。
 日脚は長くなり、春の気配を感じていていたところへ、なごり雪というイメージでしょうか。
 機械受注のプラス6.8%や三菱重工の大幅増額修正はほとんど響かず。
 ライブドアの上場廃止やプーチン大統領とハマスの接近などが悪材料と認識された格
 好。
 おまけにマーケットでは「次のライブドア探し」が横行。
 売りたい放題の週末でした。
 「株は上がったり下がったりするもの」
 頭ではわかっていても、下げ基調になると、どうしても憂鬱モードとなってしまう習性は
 治らないようです。

 朝から夕刻まで株価ボードと向かい合っていると、そのうちにマーケットの囁きが聞こ
 えるようになってきます。
 ある時は「私を買って」。
 あるときは「手を出さないで」。
 そしてある時は「この売り物をどけたら上がれるんだけど・・・」。
 妖精のような、あるいはメフィストのような囁きです。
 マーケットの囁きは殆ど間違うことはないようです。
 困るのは、いつも聞こえるわけではないこと。
 囁きが聞こえないときは、それこそ「勘と度胸」に頼ることになります。
 専門家は、この「勘と度胸」を野蛮な株屋の典型例として嫌がります。
 でも・・・。
 勘は記憶力の産物。
 度胸は推理力の結晶。
 そう考えると、法則化は難しいものの、結構高尚な投資理論なのではないでしょうか。

 ところで・・・。
 小泉さんは太宰府天満宮の巫女を迎えて「梅咲けどウグイス鳴けど一人かな」。
 孤立無援の思想となってきたようですが、マーケットは「溺れた犬」は叩く世界。
 ややいただけない感じです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 先週は新日本建物がズバコンでした。
 月曜の増額修正にストップ高。
 シナリオ的には、決算発表日が決まっていて、それまでに業績好調の報道がされてい
 たのですから比較的イージーでした。
 絵に書いたような「3連単」を当てたようなもの。
 昨年はディープインパクト、今年のフサイチジャンク???。
 図研とメイテックでは洒落にもなりません。

 さて今週。
 FRBの新入生「バーナンキ」の試験中であるだけに、上へ下への大変動。
 従って結構難しいところ。
 電話と通信の融合を考えると、近いうちに有線電話から無線LANへの進展が見込ま
 れます。
 コスト的には光回線の半分以下といいます。
 あのライブドアが手がけているスカイプも似たようなものですが、無線LAN基地に必
 要なのは京セラ(6971)の部品。
 だからこその外資系の投資評価引き上げだったのでしょう。
 ゴールドマンもクレディスイスも目標株価は12000円。
 そういえば創業者稲森さんが「私の履歴書」を連載したのは5年前でした。

 ハラハラドキドキは荏原(6361)。
 キーワードはポンプ。
 中国もアメリカもポンプを切望しているそうです。
 なにせ自然災害にはかないませんから・・・。
 町の投資顧問まで注目し始めました。
 ではまた来週。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以下はPRです

◎TBSラジオ遊学舎セミナー◎
「櫻井英明の楽しくなければ株じゃない・・・マーケットから世界が見える」

日時 3月15日(水)18時開場、18時30分開演〜20時終了予定
場所 赤坂TBS放送センター・セミナールーム(定員60名)
講師 櫻井英明(株式新聞Weekly編集長)
参加費 無料(応募者多数の場合は抽選になります)

http://www.yugakusha.net/

◎株式新聞Weekly編集長講演会◎
「マーケットストーリー読解の鉄則・・・これがプロの情報収集法だ!」

日時 3月2日(木)18時30分開場、19時〜21時
場所 大手町サンケイプラザ4F(定員350名)
講師 櫻井英明(株式新聞Weekly編集長)
主催 マネックス証券
参加費 1000円(当日先着順にて受付)

http://www2.monex.co.jp/lounge/benkyo/joho.html

■□■━━会社説明会 & 株式講演会━━■□■

 ◇2月16日(木)   【名古屋】会場 アパホテル名古屋錦4階「旭」
 ◇時間 14:00〜
 =第1部= 会社説明会
  日立システムアンドサービス株式会社
    (3755・東2)
     執行役社長 中村 博行 氏
     「日立システムの特色及び今後の戦略について」

 =第2部= 株式講演会
  株式新聞Weekly編集長 櫻井英明
  「櫻井英明の『株式透視論』・・・すっごくよくわかるマーケット読解力増強法」
↓GO
http://www.kabushiki.co.jp/ir/kshp089-02.jspx?sub=060216_n

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 2006年02月05日

          
         「初めの一歩」
                       
第1回
                    
 2006年02月03日
△--------------------------------------------------------------------------

 株式新聞Weekly編集長をしている櫻井英明と申します。
 肩書きは編集長ですが、もともとは株屋。
 マーケットを日々眺めながら感じたことなどを徒然と書かせていただく予定です。
 基本的なポリシーは「楽しくなければ株じゃない」です。
 楽しいマーケット談義を展開していきます。

 2月2日(木)に大阪でセミナーを行いました。
 東京を出発したのが午前11時半。新大阪到着が2時過ぎ。
 その間にマーケットの展開から離れること約3時間。
 なんとも言えない焦燥感にかられました。
 「株式病」の典型的な症状です。

 その話をしたところ、ある投資家は「わしもなんや」と。
 「株は麻薬みたいなもんやで・・・」。
 皆さんはどうでしょう。
 朝から晩まで動きを見ていると、それこそ「離れられなくなる魔力」が株にはあるようです。

 ところで、もう節分。
 マーケットは十分春ですが、季節も追いついてきたようです。
 ある専門家は指摘しました。
 「外資系のレーティングで、妙に大袈裟なのが目立ってきた。3600円のダイエーに650
 0円目標とすれば、みんな飛びつく。外資系証券に近い市場関係者筋では、外資系証券
 は本社からの要請でレーティングの引き上げを行なっているという。 理由は過剰流動性
 のダブついた世界の資金を日本株式市場へどんどん呼び寄せるためだと・・・」。
 確かにそうです。

 それと、外国人が欲しいのは「買う理由」。
 日本株を買いたいが、稟議書のためには「理由」が欲しい。それが外国人投資家のスタ
 ンスです。
 毎日毎日ソニーを買っているマネーは、数知れません。
 面白いことに日経の1面を見ていると、ソニーのあのサプライズは見えていました。
 1月25日、「松下、ソニーなどに主役交代」
 1月26日、「ソニー、サムソンと生産力強化」
 そして27日の上方修正。
 その週の株式新聞Weeklyは4900円でソニーを注目銘柄にしましたが、27日には60
 40円の昨年来高値を付けました。(偶然という声も聞こえますが・・・)。

 評論家やセミプロは「人の知らない」小さい銘柄を「私だけが知っている」として注目した
 りします。
 でも、そうではないと思います。
 公表されたニュースだけでも、「推理推論」は十分可能。
 推理だけでも十分楽しい週末は過ごせる筈です。
 まるで競馬のように・・・。
 そして儲かればさらに楽しいは筈なんです。

 最後に。
 マーケットの主人公は皆さんなんです。
 ファンドマネージャーもトレーダーも扱っているのは所詮人のお金。
 自分のお金で株式運用をした経験は殆ど、ありません。
 筆者もトレーダーとして何億株ものオーダーを執行してきました。
 でもいつも「他人のお金」でした。
 専門家や評論家は、株を取り扱わない人という認識が正解なんです。
 その点、個人投資家は違います。
 自分のお金を自分で運用するプロ。
 マーケットの主人公は、個人投資家ということを早く常識にして欲しいもの。

 そんなマーケット談義にお付き合いいただければ・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 今週のワクワクドキドキ銘柄は「新日鉄」(5401)。
 信用残は重いですが、昨年9月の高値457円を抜けてくると面白そうです。
 個人的には1株あたり利益の10年分に1株当たり純資産を足した数字。
 すなわち47円(2006年3月期)×10+202円=672円までは買えるのではないかと
 思います。
 チャート↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/54/5401T1a.html

 これでは面白くない向きは、新日本建物(8893・JQ)でしょうか?こちらはハラハラドキ
 ドキ候補ですので、お間違えなく。
 チャート↓
 http://www.stockweather.co.jp/sw/mei/88/8893Ja.html

 ではまた来週。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 以下はPR

 株式新聞Weekly

 http://www.kabushiki.co.jp/charge/kshp184-01.jspx

 メルマガ兜町物語
 ↓GO
 http://www.kabushiki.co.jp/charge/kshp186.jspx?sub=kabuto

 セミナーのご案内

 株式新聞Weekly編集長講演会
 「マーケットストーリー読解の鉄則・・・これがプロの情報収集法だ!」

 日時 3月2日(木)18時30分開場、19時〜21時
 場所 大手町サンケイプラザ4F(定員350名)
 講師 櫻井英明(株式新聞Weekly編集長)
 主催 マネックス証券(マネックス証券に取引口座が必要になります)
 参加費 1000円(当日先着順にて受付)
 ↓
 http://www2.monex.co.jp/lounge/benkyo/joho.html






 Homepageへ戻る