源照寺(岡山市新京橋1丁目3-21))

本尊 阿弥陀如来

縁起

東本願寺派の真宗寺院で、寺記によると寛永五年二月の創立で、戦災前までは東中島町にあった。寺地百十三坪九号と記録にのこるが、この寺の近所に円常寺という浄土宗の寺があり、同寺が立退いた跡を買い足してこれだけの寺地にしたもので、それには町内の道心者に住居を与えるという条件がついており、元禄元年八月甘四日の藩の留帳に、
(前略)買添寺地表通り借家に仕町道心者を入置けり、円常寺跡屋敷表口八間弐尺裏へ弐間半の長屋を建、内壱間通り道に仕、残る分借家に仕道心者を置く、道心者は源照寺に在るによりて寺社奉公構となれり。
西中島・東中島は旧藩時代は旅篭町で、寺は東中島だけに三ヵ寺あり、また馬方屋敷もあった。源照寺はこのような町に建てられた真宗寺院で、明治以後遊廓が置かれると廓の女たちの心の拠り所ともなっていたが、岡山が空襲をうけたとき、東西両中島は電車通りの北側だけを残して焼失、この寺も他の教徳寺(真宗)霊巌寺も灰じんに帰した。戦後は元の地に再興することができず、源照寺は花畑(新京橋町)に移って再建した。