洞松寺(小田郡矢掛町横谷)

 舟木山洞松寺は禅宗(曹洞宗)の巨刹である。応永十九年(1412)、猿掛城主元資が師の喜山性讃を招じて創建した。
 山号”舟木山”は、神功皇后の朝鮮出兵のとき、下道郡から通船の場で、皇后の御船の帆柱をこの山でつくらせたからという説や、安徳天皇が讃岐国屋島に御座になられたとき、この山の東麗から良材をきりだし船を造らせたことから、舟木山と勅号を賜わったという説がある。
 寺城には、本堂・庫裡・釣殿・禅堂などが建ち並び、規模はかなり大きい、本山は総持寺であるが、当寺自身の末寺、孫末寺も多く、一二七カ寺を数えられ、その分布は中国地方や中部地方にも及んでいる。
 庄氏の菩提寺だけに、貴重な中世(戦国期)の古文書が多く保存されている。

市川俊介著『岡山の神社仏閣』より

山門 全景 本堂