高貴山 菩提寺(勝田郡奈義町)
この寺は、法然ゆかりの高貴山菩提寺は、氷ノ山後山那岐山国定公園の一つ那岐山中腹にある。うっそうとした杉木立に囲まれ、古びた本堂や素朴な石積みなどは、千数百年の霊地としての伝統がひしひしと感じられる。
この寺は持統天皇のとき役行者が霊場を求めて堂を建て道場としたしたのが始まりといわれる。その後、行基が全国行脚の途上、ここにたちより十一面観音菩薩像を刻んで安置し、伽藍を建てたと伝えられる。
法然は九歳のとき、母の弟のこの寺の住職観覚にあずけられ、十三歳で比叡山に登るまで修業した。法然が逆にさしたといわれる銀杏の枝が芽ぶき、大銀杏(国指定天然記念物)となっている。現在、二回の火災で大伽藍は夢と化し、本堂だけがひっそりとたっている。
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山門 | 本堂 | 大銀杏 |
市川俊介著『岡山の神社仏閣』より