Last Updated 2021/5/9
日刊リウイチ
TUNAGATTEIRUNOYO
「1998-1999年lain日記」

リウイチとは誰だ?
リウイチとは奴だ!

薄い髪に伸びた髭
趣味はアニメと女子サッカー

日刊リウイチとは
そんな胡乱な野郎の日々を
無限に綴ったページなのだ

ワーニングワーニング

(ホントはただの日記です)

◎積み上げた本の数が這々の体で1800冊に達した『積ん読パラダイス』だけど記念事業もなく、これからも地味に静かに増量方針。ライブドアブログの方で『積ん読パラダイスinBlog』なんてのも作ってみたけど誰が見ているのやら。
落ち行く世界で孤独な少女がロボットと出逢い、つかの間の交流を経てそれぞれの道を選ぶ。切なくも哀しく、そして愛おしい狩野典洋の短編アニメーション『ノアのハコ庭』に全人類よ、涙せよ。
【5月9日】 712人が感染して13人が亡くなった、ダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナウイルス感染症の拡大が上を下への大騒ぎとなった1年前から、状況は改善したというよりむしろ悪化の一途をたどっているにも関わらず、意識の方は逆に馴化が著しいといった感じ。神戸市にある介護老人保健施設で133人もの入所者や職員が感染し、25人とダイヤモンド・プリンセス号を上回る方が亡くなっているにも関わらず、神戸市は未だ事態を重大視している感じがないし、施設の方も会見とかせず対応に忙しいといった状況だ。

 内部から訴えかけていた人の声がようやくメディアに届いて、NHKが報じたから変化はあるだろうけどそこまで隠蔽されていたというより仕方が無いといった感じで流されていた事に、今の八方ふさがりの中で諦めがまん延している雰囲気が色濃く漂う。なるほど高齢者の上に認知症も患っていて感染の拡大が防ぎづらいという事情もあっただろう。その中で頑張ったと言えなくもないけれど、それでも病院に入って酸素吸入を受ければ助かったかもしれない人が、目の前で酸素投与と点滴だけで回復することなく命を失っていく様を目の当たりにして、どれだけ心が苛まれただろうかと思うとやりきれない。

 それすらも日常になっていきかねない恐怖もあるだけに、どうにかならないかと願うけどどうにもなりそうもないのが辛いなあ。大阪で50人とか41人とか東京をはるかに上回る人数が新型コロナウイルス感染症で亡くなっていて、その惨状に筋肉少女帯の名曲を引っ張り出して「大阪印度化計画」とか言っていたらそれを上回って「日本印度化計画」だなんてタグが出回り始めた。今のままでは2週間後にそれこそインドのような感染の拡大が見られるかもしれないという可能性。そうならないために水際での検疫だとか検査の拡大なんかが行われ始めているけれど、すでに広まり始めた変異株がわっと発症するのは避けられそうもない。その時に病床が不足して大勢の方が亡くなるかもと思うと心が痛む。どうしてこうなったとマジ思う。

 延長された緊急事態宣言を受けて映画興行もままならないのか、既に公開されていた作品が続映される感じの中でIMAXでのラージフォーマットによる「シン・エヴァンゲリオン劇場版」上映も続く上に上映館が拡大されて、千葉県でもこれまでの流山おおたかの森、松戸、成田に続いてちはら台での上映も決定。完全制覇を目指すならこれは行かずにはおられないと、京成電車を乗り継いでちはら台まで行ってUSシネマちはら台へと駆けつける。大昔に「ガールズ&パンツァー劇場版」の4DXを見に行って依頼で、駅から結構歩いたっけと思い出そうとしたけど浮かばない。まあ行けば分かるだろうと現地に到着。この階段は上るんだっけどうだっけってところで、前は上って引き返したから少し歩いたんだったと思い出した。

 普通に歩けば割と近いUNIMOちはら台の中にあるIMAXで鑑賞。せっかく大きなスクリーンで見るんだから最前列で見ようとしてばかりいたけれど、成田がどうにも調整が行き届いておらず映像にズレがあって最前列だとボケボケになっていたので、今回はやや引目にスクリーン全体を見られる位置に陣取ったら、音の割と全体から響いて聞こえて来た。音響もやっぱりセンターあたりに合わせてあるんだなあ。そんなIMAXは成田とは違ってしっかりと調整されていて、映像もクリアな上に明るさもあって見やすかった。視線を大きく移動させなくても、冒頭のパリかちこみ作戦で伊吹マヤのお尻を左右のどちらに出てもしっかりたっぷり堪能できたから、これはこれで良いのかも。次もセンターで見るかなあ、って見る気かよすでに11回も見ているのに。

 まあでも何度見ても面白いし発見もあるから見に行かざるを得ないのだった。パリかちこみ作戦での伊吹マヤのお尻だとか北上ミドリの「激ヤバですー」といった叫びを見たり聞いたするのはもちろん、第3村で寝返りを打つアスカのアンダーウエア姿だとか目にも嬉しいシーンが幾つもあるし、「VOYAGER」が流れ始めてからの展開は、手をかざして槍を受け止める碇ユイのポージングから微笑みから見て心が浄化されるのだった。パリが舞台のアバンとこのエンディングが連続上映されてくれれば10回転でも見に行くかなあ。BDが出たらそこらだけ繰り返し見そう。いつ出るんだろう。

 それにしてもやっぱり分からない鈴原サクラの突然のぶちキレっぷり。なるほど碇シンジへの愛情がズレてスレた果てに病んだ形で現れたって説も理解できるけれど、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」で14年ぶりに宇宙から戻って来た仮称碇シンジを見たのが実物には初対面で、そしてニア・サードインパクトを引き起こして日本をメチャクチャにした主犯なのにそこで一目惚れするかとうとちょっとあり得ない。おまけにあれだけ「エヴァにだけは乗らんでください」と釘を刺したのに、乗りくさってまたしても世界を滅ぼしかけた相手を憎んでこそすれ愛情を抱くなんてちょっと思えない。

 それでも兄の知り合いで世話を頼まれたんだとしたら面倒を見ようとは思うだろう。それ以上となるとどういった回路から進んでいくものなのか。そこが分からないからシンジが初号機に乗りに行くといった時、愛情から止めようとしたといった理解になかなか至らないのだった。そこは複雑な人間の心で、憎さが余って可愛さに転じて自分が面倒を見続けたいと思い怪我をさせてでも管理下に置こうとしたのかもしれない。

 あるいは同室の北上ミドリがどこまでもシンジを恨み続けているのを耳にして、すり込まれて無茶しようとするシンジをミドリの手を汚させることなく自分で処置しようとしたとか? そっちの方が納得性はあるかなあ、あの2人の関係ってどれくらいなんだろう、マヤとリツコくらい行ってる? そこは不明だしそもそもそうとも限らないけど、色々と想像をかき立てられるので何度も見返したくなるのが11回見てもまだ見たい理由かな。今度は川崎のLIVE ZOUNDかなあ。


【5月8日】 緊急事態宣言の延長に関連して演劇だとかライブだといったエンターテインメントに関しては制限に緩和があったみたいで、人数に配慮して開催が出来そうだけれどこれまでクラスターを出したという話のいっさいない、場内の換気も完璧に行われていて消毒も丁寧に行われているはずの映画館は、東京都について引き続き営業停止の措置がとられるみたい。1000平方メートル以上といった条件はあるもののやっぱり誰もが見たい映画はシネマコンプレックスでの上映が中心だけに、閉鎖は映画館にとっても映画会社にとってもやっぱり相当にいたいだろう。

 演劇とかライブとかについては業界が団体を挙げて声明なんかを発していたけれど、映画の世界からは果たしてそうした声は挙がっているんだろうか。映画館の運営会社で作る東京都生活衛生同業組合とか日本生活衛生同業組合なんかも、そして日本映画製作者連盟もサイトにそうした声明が掲げられている感じがしない。諾々と東京都の命令を受けているのが反骨の映画会社にしてはちょっと信じられない。これでかつての東映は岡田茂さん、東宝は松岡功さん、松竹は奥山融さんで大映は徳間康快さんがトップにいる頃の映連だったら東京都なんて飛び越して国に働きかけて興業を認めさせたんじゃなかろうか。それをしない映画界の及び腰が、日本映画の現況にも関わっているとしたらやっぱりってことになるんだろう。宮崎駿監督が上映にかかっていたらやっぱり何か言ったかな。

 大阪での新型コロナウイルス感染症による死亡者が41人も出たそうで、連日の東京を遥かに上回る死亡者数にいったい大阪で何が起こっているのか気になってくる。100万人あたりの死亡者数だとあのインドすら上回るというから大変な事態。人数ではケタが違うから比べるなんてと擁護する人もいるけれど、とりあえず先進国で医療だって設備だってそれなりに整っている大阪という日本で2番目の都市が、インド以上だなんて事態がやっぱり拙いんじゃないだろうか。

 だって4年後には万博をやろうって都市なんだよ、そこが防御どころかまん延すら食い止められないんだから、もしも新しい感染症が流行し始めたらとてもじゃないけど行こうなんて思えない。ここに来て府知事も大阪市長も本腰を入れて対策を打つかといえば、やっぱりテレビに出続け頑張っているふりをし続けるだけ。あとは近隣の県やら自衛隊に頼んで溢れた分の面倒を見てもらうだけというから能の無さでは日本で1、2を争うに違いない、誰とって菅義偉総理とだけど。東京だって緊急事態宣言に入って10日くらい経って大型連休を挟みながらも1000人以上の感染者を出している。死亡者こそ少ないけれどこの状態でオリンピックなんて開こうというのが無理な話。なのに未だに辞退も中止も言い出さないのは言い出せないからなのか。チキンレースの真っ最中だからなのか。そんな面子のために死んでいく人がいる。酷い国になったなあ。

 扶桑社がネットで展開していたニュース&オピニオンサイトのハーバー・ビジネス・オンラインが突然に更新を停止して廃サイトとなった。コンテンツ自体は見られるようにしておくし、連載もいくつかは扶桑社の他のサイトに移すみたいだけれど、どちらかといえば反権力で人によってはサヨクと小ばかにして呼ぶような記事が多くあって、政権だとか権力者とかライティな人には耳の痛い話も多く載っていたサイトだっただけに、今というこの権力が横暴を極め始めている時期に消えてしまうのは残念であり勿体ない。

 なるほど牽強付会も度合いが過ぎる感じの記事が結構あって、真っ当な議論の妨げになるケースも皆無ではなかったけれど、それも含めて問題を可視化する意義は持っていた。そんなサイトだっただけに、フジサンケイグループというどちらかといえば権力を向きがちなメディアグループで異端視もされていた。だからこその廃サイトなんだろうか、それとも昨今のコロナ禍で出版社自体の運営が厳しくなる中で、収益性とアクセス率の低いサイトを運営していく余裕がなくなったってことなんだろうか。産経新聞社の方もそういえばオピニオンサイトのIRONNAを止めてしまったからなあ。かくしてお金をかけてオピニオンとかコラムを集めるサイトは消え、情報を寝転がって右から左に流すコタツなコラムばかりが増えていくのでありました。やれやれ。

 最大75%オフとかいうネットの広告に唆されて久々にスレンダートーンを購入。といってももうちょっとオフ率は低い奴だったけどその分グレードが高くて値引き幅も大きかったから良しとしよう。どうやらスマートフォンとかから操作も可能みたい。振り返れば最初のは本体に電池を挿入するタイプでシンプルだったけどいつしか壊れて動かなくなった。その次のはコントローラーを充電して接続するタイプだったけど使っているうちに充電器が消えたりコントローラーが行方不明になったりで使わなくなった。今回はUSBから充電するタイプで電池の買い換えはいらなさそうだし、操作もスマホからと本体からの両方で可能。あとは効果の方だけれど過去に使っていた時と比べると、使っていない今が太っているならきっと効果はあったんだと思いたい。気休めでもやらないよりはマシってことで。マッスルマッスル。


【5月7日】 「Baron von Ripper−off」とはよく言ったものだよワシントン・ポスト。日本の新聞だったらスポンサーになっていない中日新聞=東京新聞くらいしか書けそうにもない上に、そんな中日=東京であっても取材パスをもらうためには上目遣いで仕事をしなくちゃいけなくって、聖火ランナーをめぐるどんちゃん騒ぎを報じる時も撮影した映像や画像を定められた時間を超えて掲載できないという縛りを明かしつつ、逆らわないで取り下げている。

 ましてやマークを使って宣伝する権利をもらっている全国紙とか準全国紙とか道新に親玉中の親玉、IOCのバッハ会長を指して「ぼったくり男爵」だなんて書く勇気もないだろうし、そもそも思いつきもしなかっただろう。恐れ入ったよワシントン・ポスト。ところで、気になったのは「Baron von」という呼び方が英語なのかドイツ語なのかってことで、vonとあるからドイツ語っぽいけどドイツで出た「ほらふき男爵」はドイツ語でも英語でも「バロン・ミュウハウゼン」であってvonとかつかない。

 この場合、ミュ右派羽前のような固有名詞ではない呼称としての「Ripperーoff」に対しては、「と呼ばれる」的な意味合いのvonをつけるべきだったのかどうなのか。だったらプロレスラーのバロン・フォン・ラシクのラシクもなにかの呼称なのかと考えると夜寝られなくなりそうだったので、アメリカ人記者が考えるいかにもドイツ貴族っぽい表記の仕方が「Baron von」だったと理解することにしておこう。別にバッハ会長、元弁護士でアディダスで仕事をして成り上がった感じで、貴族の出でも叙勲を受けてもいなさそうだけど、そこはそれ、スポーツ貴族って意味合いで。

 そんなバッハ会長が、17日にも来日する予定だったのが昨今の新型コロナ情勢もあって吹っ飛びそう。いやいや現実において日本でいくつかの競技予選も開かれるようで海外から選手たちが来ていたりするか来ていたかしていたし、日本のオリンピック組織委員会だって選手には優先的にワクチンを接種させてコロナ対策は万全であることを満天下にアピールしようとしている。偉い人たちが全力をあげて日本安心安全をアピールしようとしているのだから、受けてIOCの超偉い人だってそんな日本を訪れて日本安全オリンピック大丈夫と世の中に向けて訴えかけるのが筋だし、そのためには何としでも来日してもらわなくちゃいけないはずだったのに袖にされたかご遠慮願ったか。まるで整合性がとれない。

 オリンピックではそれこそ9万人とかいう選手とコーチら関係者と大会の関係者とメディアが入国する予定で、それに観客も加われば百万人単位の流入があった訳でそれだけの数を入れようとしている国が、たった1人の来日すら成し遂げられないのだとしたらいったいオリンピックなんて開催できるのか、って思ってしまう。そこはそれ、男爵で貴族なのだから1人で9万人の選手やコーチや関係者やメディアの命よりも重たいものを背負っているって判断でもしたのかもしれない。

 1人が地球より重いのだから、バッハ会長の命はいったい地球何個分になるんだろう。それとも1銀河系分? やんごとないやんごとない。あるいはすでに中止が決まっている中で、来日して帰国してから中止となったら沽券に関わるといった判断が、双方になってここはご遠慮願ったなんて見方もできるか。その場合は中止か延期か。いずれ判断が出るだろう。延期となったらさらにいっぱいのお金が必要となって、バッハ会長も「ぼったくり男爵」から「ぼったくり子爵」に“出世”するかも。  一方の日本では緊急事態宣言の期間が延長されて11日で終わる予定だったのが5月の31日まで続く感じ。多少の緩和なんかもあるかと思ったもののTOHOシネマズを始め都内の映画興行はずっと閉まったままになりそうで、いろいろと公開される予定だった映画にも影響が出て来そう。「名探偵コナン」にしても「るろうに剣心」にしても大型連休という最大の営業チャンスを潰された上に、このまま最大の集金地である東京都内を潰されたままでどれだけの興行成績にたどり着けるのか。「コナン」とかそれでも50億円とか行っているのは凄いけれど、何もなければ100億円は突破できたポテンシャルを持っていただけに、1年も延期した東宝としてはこれなら去年のうちに公開しておけばといった思いもあったりするかもしれないなあ。

 一方で千葉とか埼玉とか神奈川では映画館も夜遅くはないけど興業は続いている様子。その上にIMAXでの「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の上映が期間延期となってそして新たな上映館も加わった。流山と松戸と成田でやっていたIMAXが新たにちはら台にも追加されたみたいで、完全制覇したと思っていた身に挑戦してきたのでこれはやっぱり行かねばならぬ。前に「ガールズ&パンツァー劇場版」の4DXを見に行ったことがあるので場所は知っているし、時間も昼前からなんでのぞいてこよう。成田のIMAXの上映環境が今ひとつで心残りもあっただけに、県下で最も新しいIMAXの実力とやらを見せてもらおうか。ついでにガルパンも観てくるかなあ


【5月6日】 成田のIMAXは調整が今ひとつだったけれどもそんな会場で見たことも数字に乗っかったようで、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が庵野秀明総監督作品としては「シン・ゴジラ」の82・5億円を上回る興行収入を上げてキャリア最高のヒット作になったとか。ここからあとは未踏の領域だけに見れば見るほど記録に貢献できるってことになるけれど、念願の100億円にはちょっとまだ遠くって再度のブレイクでもないとちょっと厳しそう。何か特典でもあれば駆けつけるって人もいるからここは伊吹マヤのお尻アップ場面を切り出したフィルムだとか北上ミドリの「激ヤバです」「エヴァっぽいなにかです」「超いっぱい」等々の雑だけど感覚的によく分かるオペレートを録音したボイスエッグでも作ってくれれば駆けつけるんだけどなあ。やらないかなあ。

 「BLACK LAGOON」について喋ることになったのでちょっとだけ作品について考えた。元をたどればOVAののアニメが好きで読み始めた「ジオブリーダーズ」の伊藤明弘さんが「ワイルダネス」をサンデーGXで連載していて、その流れで「BLACK LAGOON」の第1巻に帯文を寄せていたので存在に気が付いた。「ジオブリーダーズ」がリアルな銃器描写によるガンアクションに定評があって好きだったので、読んだらこちらは「ジオブリーダーズ」のポップさとは違った暗さと苦さにあふれた物語で好きになった。

 このころのサンデーGXは高橋慶太郎さんの「ヨルムンガンド」もほどなく始まってガンアクションが売りのマンガが3作品も読める面白いマンガ誌だった。伊藤明弘さんは闘病を経て¥「ワイルダネス」が復活。高橋慶太郎さんも女子高生の殺し屋たちがバトルする『デストロ246』の前日譚にあたる「デストロ016」の連載が始まってこれで「BLACK LAGOON」がそろい踏めば他にない圧巻のガンアクションバトルノワールマンガ誌として君臨できると思うのだった。

 作品については、普通に働いていたそれなりに優秀なサラリーマンが、会社の都合で切り捨てられて謀略のど真ん中に叩き込まれてあたふたする。流行りの異世界転生ではないけれど、ある意味で別世界へと"転生"させられた主人公が、どん底にあってしっかりとしがみついて生き抜こうとする様は、ただ堕ちていくだけの展開とは違って希望をあたえてくれた。

 あとはレヴィにしてもダッチにしてもロアナプラ出会ったものたちがそれぞれに過去を抱えながらも今を享楽的に生きている。そんなあり様にも惚れた。ガンアクションの描写はまるで映画を見ているかのよう。戦争映画もあれば香港ノワールもありウエスタンもあってと原作者が好きなバトルアクションの場面がロアナプラという架空の街でがっちりかみ合って成立している。これは発明だと今さらながらに思ったりする。

 そんな「BLACK LAGOON」がアニメになって、完璧以上の再現度に恐れ入った。声もぴったり。最初は豊口めぐみさんのレヴィ役にちょっと可愛すぎるかなとも思ったりした。どちらかといえば元気な女の子を演じていたから、レヴィという殺人すら平気でこなす女ガンマンを演じていたので意外に思ったのかもしれないが、だんだんとなじんでいった印象。そうした変化も含めてキャラクターに過去を与え生きてきた歴史を感じさせるようなキャラクターになっていった。

 表面的にただぴったりなことを求めていないような気がする。フィクションのキャラクターといっても、誰もがしっかりと過去を持ってそこに存在している。バラライカはオリンピックを目指していた愛らしい少女が泥沼のアフガンでの戦いと国家の崩壊を経てロシアンマフィアになった。それでも軍隊の矜持だけはどこかに忘れず持っていて、ロベルタとの闘いで爆発させる。すっかり悪に染まったように見せかけながらも、引きずる過去を持っていることがキャラクターに厚みをもたせている。それらをマンガに描き添えたアニメの工夫によって感じさせたところがすごい。

 日本編でのエンディングの変更には少し驚いた。屋台がならぶ境内で最初に雪緒と出会ったのだからそこで決着をつけさせる流れはとてもきれいだったが、やくざの家でドンパチして非常線がはられた街で、ロックやレヴィがゆうちょうに誰かを気にしているいる時間はない。雪緒だって銀次さんの最後の望みをかなえるために着物に着替えて決戦に臨む意味がない。というか銀次自身が自分の強いガンマンと戦いたいという願いをお嬢より前に出すはずがないなら、そこはお嬢の本願、バラライカとの決着をつけるためにレヴィやロックをとらえ、連れて行かせようとしながらも果たせずそこで決着をつけることになったという流れにしことで、物語がすっきりとしたし、無念さとはかさなさも際立った。

 Uボートの物語でも原作にはなかった乗艦者たちの日々、第2次世界大戦の中でナチスではないドイツ海軍の面々がどのような矜持を持って日々の任をこなし、戦っていたのかといった背景がわかって、なおのこと白骨になって転がってしまっている"今"の残酷さが際立った。そこに感情を乗せようとするロックと、ただのものとしてみるレヴィとの対比も鮮明になった。ロベルタ復活編の最後も、あれだけの狼藉を果たしてアメリカ軍の前からただ身を引いてすむはずもないのなら、壊れた存在とせざるを得ない。キャラクターとしては今後も残したいけれどここでしっかりと決着をつける。そこに現実を見極め地に足の着いた物語を作ろうとするリアリストとしての片渕監督の意識を感じた。なんてことを喋ろうとしてほとんど喋れなかったあたりに精進の足り無さを感じる。通おうかなあアナウンス学院。声優目指して(目指さない)。

 まさか莫迦は内閣官房だったとは。朝の鉄道が減便になったとかで今日から日常に戻って通勤通学に向かった人たちをさばききれずにホームが人でいっぱいになる事案が続出したとか。そりゃあ人を減らさず列車を減らせば当然に起こる事態なんだけれど、ど阿呆なのか内閣は列車を減らせば人も減るとか勘違いしていたみたい。それとも人も減るとでも思っていたんだろうか。調べによるとどうやらJRなんかを所管する国土交通省には相談もなく直接鉄道会社に働きかけたとかで、そりゃあ相談されれば国交省だって戯けじゃないから輸送に支障が出るって止めただろう。それをせずただ減便したという実績だけを得たいがために内閣官房が頭越しに先走ったのだとしたら、よくよく世間をしらない頓馬の集団ってことになる。その親玉が官房長官でその上が内閣総理大臣だとしたらこの国はトップからトロいってことになるなあ。どうしたものか。


【5月5日】 亡くなられたことにはお悔やみを申し上げるものの、やっぱり大晦日に宴席に出て症状がありそうな人の近くにいたりして、案の定発症してもすぐに保健所とかに連絡をとらず全身に痛みが出てからようやく大学病院に向かうという筋が違った道を選んで当然のように保健所に行ってくれと言われ、そこですぐさま向かうならまだしも怒り心頭、大学病院を批判しつつ家に籠もってそのまま病状ばかりを悪化させてしまい、遂には亡くなられてしまったことを新型コロナウイルス感染症における“医療崩壊”だと取りあげるテレビの報道には違和感がある。

 そもそもが1月あたりならまだ保健所も対応してくれただろうし、入院だってできただろうから亡くなられた人がすべきは保健所に連絡を取るか救急車を呼ぶことだった。大学病院にいきなりいっても受診できないことは広く知れ渡っていたのだからそうしたルールに則り治療をうけるべきだった。そう注釈をして段取りを間違える人が今後出ないことを強く売ったつつ今はそうした訴えも届かないくらい大変なことを紹介すべきだったのに、そうはしない報道なりテレビのスタンスはやっぱりどこか人心から乖離してしまっている。センセーショナルな方が受けると思って入るんだろうなあ、報道であっても。

 そうした意識をどこかで改めないと、この国はセンセーショナリズムのメディアと夜郎自大の政治によって地獄へと連れて行かれてしまう。というかもうすでに地獄か。この大型連休で人出は高尾山とか江ノ島で、去年の大型連休時の4倍とか3倍とかになっているという。緊急事態宣言のまっただ中で大きく人出が減ったとはいえ7割減とかそんなものだったとするなら、その3倍4倍なら例年とほとんど代わらないってことになる。そんな人手を傍らに見ながら菅義偉総理は「人流は間違いなく減少している。効果は出始めているのではないか」と緊急事態宣言を自画自賛しているからやってられない。

 それでいて緊急事態宣言を1週間とか長ければ1カ月くらい延長しようと考えているらしいから本当はどっちなんだと言いたい気分。念頭にあるのは7月の東京オリンピックで、ここで1カ月伸ばして大きく減らせばほら大丈夫、オリンピックだって開催できますよって言えると思っているんだろうけれど、緊急事態宣言を解除した途端に大きく増えた過去を鑑みるなら撲滅には至ってないとみるのが必定。それこそワクチンの接種が全国民に行き渡って始めてニュージーランドのように5万人のライブだって開催できるんだけれど、それをしないで上っ面だけで収まったかのごとく振る舞えば、反動が出て秋から冬にかけて日本は地獄のさらに奥底へと叩き込まれることになるだろう。

 その時に責任を誰が取る? 総理が取る? 取ろうにもその地位にない可能性だってあるからなあ。本当に言うだけ番長by北上ミドリな政治家たち。そしてスポーツ界の大物も。選手村の村長を務めることになっている日本サッカー協会元会長の川淵三郎さんが、言うにことかいて「東京オリパラ開催に向けて組織委員会をはじめ多くの関係者が毎日ベストを尽くしている。中止が決定しない限り最大の努力をするのは日本を代表して世界に対応しているのだから当然の話。スポーツドクターや看護師にボランティアの呼びかけをするのもその延長線上での事。なぜこの事が批判の対象になるのか」なんてツイートをして非難を浴びまくっている。

 なるほどに開催に向けてスポーツドクターや看護師を募ること、それ事態は間違っていない。でもそんな組織委員会をはじめとした関係者の誰もが仕事として有償で仕事をしていて、その延長線上で大会の開催に必要なスポーツドクターや看護師を募っているのにどうしてそれがボランティアになるのか。必要ならばそれだけのコストを支払って雇うのが、同じ雇われ人としての真っ当な態度なのに一方のお仕事を認めつつ、一方には奉仕を求めるズレっぷりをどうして意識できないのかが分からない。それが突っ込まれていることすら分からないのだとしたら、いよいよもって乖離が激しくなってしまった。女子サッカーに光を当ててくれたことには感謝しつつ、そっとご退場を願おう。

 TOHOシネマズ流山おおたかの森に続いて松戸のユナイテッド・シネマで見たIMAXでの「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を、それなら千葉県下で最大のIMAXシアターで見てやろうと成田にある成田HUMAXシネマズまで出かけて鑑賞。なるほど巨大は巨大で池袋のグランドシネマサンシャインに次ぐ迫力を感じられたものの、どこか調整が悪かったのか映像にズレめいたものが発生していてアヤナミのプラグスーツの腕に出る文字が読めなかったりして気になった。エンディングだとはっきり分かって白い字から少しズレて赤い影みたいなのがかかっていて、これが上映中の映像全体をブレた感じにしていたみたい。明るさを出すために2つの映写機から映像を重ねるだけに、ズレてしまうのかもしれない。直るまではIMAXは池袋で見よう。この緊急事態宣言が終わったら「シン・エヴァンゲリオン劇場版」もまた上映してくれないかなあ。


  【5月4日】 女子高生が転がり込んできたらヤってしまうのが大人の物語における“常識”だとしても、そこで踏みとどまって何もしないまま女子高生がどうして他人のそれも若い男性の家に転がり込まざるを得なかったのかを考え、見守ってあげようと考えるのが生き方としての“良識”だったりする。そんな物語を嘘くさいと否定するべきかそれとも理想のビジョンと認めるべきか。問われる“見識”をしめさばさんの「髭を剃る。そして女子高生を拾う」(スニーカー文庫)は求めてくる。

 最初に読んだ時にはどうして吉田という会社員は女子高生を拾ったのならすぐに通報して家元へと返さなかったのか。追い出したら体を売ってまで放浪しようとするからしばらくは家に置いたとしてもそれが永遠に続くなんてことはない。社会が存在するならいずれ折り合いを付けなくてはいけない訳で、だったら早く社会に戻してあげるのが筋だろうという意識が先にたって受け入れられなかった。同時期に出たトネ・コーケンさんによる「スーパーカブ」(スニーカー文庫)の淡々としながらも一生懸命に生きている少女の、カブに出会って変わって行く自分と周囲の物語に惹かれて、その分「髭を剃る。そして女子高生を拾う」に厳しい意識を向けてしまった。

 巻が進むにつれて女子高生がどうして家を出たのかが明かされて、その仕方なさに家を出たことに同意せざるを得なかったものの、それもある種のモラトリアムであって直接の解決にはならないところに、やっぱりいつかは壊れる箱庭だったことが見えて来る。そんな箱庭でもしばらくの間、成立していたところに救いがあったのなら吉田というサラリーマンの“良識”も、決して幻想や虚構に塗れたものではなかったと言えるのだろう。同時に会社の同僚なり後輩なり先輩なり、女子高生のバイト先の同僚なりが示したその立場への“良識”に彩られた理解もまた、虚くさいと笑わずに認め受け入れることで自分なりの“見識”を示したい。次の巻で社会と向き合って果たしてどこに着地するのだろう。震えながら刊行を待とう。

 立命館大学の政策科学部だから別に感染症の専門家で医療に詳しい訳でもない学部の教授の人が、「東京オリンピックは開催すべきだ」と言ってワクチンの接種が広まらなくても開催できるんじゃないかと訴えていたりする。なるほど世界各地でスポーツ大会は開催されていてテニスの全豪オープンでは大坂なおみ選手が女子として優勝し、ゴルフのマスターズでは松山英樹選手が日本人選手として初優勝を果たすと言った快挙を演じた。そうした各所での感染に対するとりくみを、そのまま運用していくのなら日本でだってオリンピックは開けるといいたいんだろう。

 けれど、1週間くらいの期間にテニスコートなりゴルフ場といった限定された地域に“隔離”できる大会なら可能でも、関東一円からそれこそ北海道まで広がる東京オリンピックの大会を、開催するにはいったいどれだけの厳重な警備が必要となるのか。どれだけ厳密な隔離を維持できるのか。そのコストとその間に国民が被る迷惑と、そして選手や関係者が受けるプレッシャーを思えばむしろ開催しない方が良いんじゃないかと思えて仕方が無い。あと聖火リレーを自治体が中止するのは越権行為で、走者がウイルスをばらまいて走る訳じゃないので沿道に集まる人が密を作らなければ大丈夫というけれど、そんなことを言ってる先から密にならないでと沿道で呼びかけていた関係者が何人も、新型コロナウイルスに感染したことが明らかになった。

 何という出落ち感。リレー走者どうした淡々とトーチを受け渡して誰もいない街道をひた走る訳じゃないんだ。そこには関係者たちがいて周囲をガードしながら宣伝なんかも行いつつ動いていくんだ。たとえ沿道から人を排除したって集まる人が大勢いる以上は感染の可能性はゼロにはならない。そんな危険を避けようと道路の使用許可を与える権限を持った自治体が、拒否するのも理にかなっている。そんな見識すら持たずに東京オリンピックは開催できると嘯く人の文章を、掲げて平気な媒体があるっていうのがどうにも不思議でならない。どこかの漫画家は大々的なイベントを行った後で参加者が50人も集まり出せないはずの酒を出す場で宴会したことを喧伝していた。そこからクラスターが出たらどんな顔をするんだろうなあ。ましてや亡くなった人が出たら。寿命だったと良いそうだなあ。過激な逆張りで食える言論の世界に“良識”はあるのか。

 「みんな身内に甘すぎ。誰のおしっこかも分からない再生水と同じ。清めればいいと思ってる」と言ったのはAAAヴンダーで何をやっているのか分からないけど大切なことをやっている北上ミドリ。その言説をそのまま当てはめたくなるのが安倍晋三事務所で、「桜を見る会」とやらに大金を勝手に事務所費から支出したとして政治資金規正法だかに問われてクビになったはずの公設秘書が、間を置かずに私設秘書として再雇用されては隠れもしないで活動しているという話しがしんぶん赤旗によって明らかに。ほとほと身内への甘さが過ぎるというか、それは安倍晋三氏が総理大臣にいた時からの習い性でもあるんだけれどそうやってボロボロにされた国を率いて菅義偉総理が辻褄合わせに四苦八苦。自業自得ではあってもちょっと可哀想になって来た。ここを咎められないで何が自民党総裁かと思うけれど、何もできなんだろうなあ。かくして誰のおしっこか分からない人が清められたふりをして表通りを大手を振って歩きまくる。やれやれ。


【5月3日】 500人の看護師を募集する次は、200人ものスポーツドクターを募集するというから東京五輪・パラリンピック組織委員会の頭はどこかネジがぶっ飛んでいる。日本スポーツ協会公認スポーツドクターってのが今の新型コロナウイルス感染症のパンデミックにどんな対応を行っているかは知らないけれど、スポーツドクターといっても整体だとかが専門のトレーナーではなく、医療に関わる医師なのだとしたらやっぱり今ですら手一杯になっているだろう。

 そんな人たちを「ボランティアとしての活動になるため、交通費相当額などを除き謝礼は支給されない」条件で雇用しようだなんて無理も無体で無茶が無謀としか言い様がない。そんな施策をこんな間際で打ち出してくること自体がポン酢としか言い様がないんだけれど、今さら言うのが空虚なくらいにポン酢な施策の乱れ打ちなんでまたかやれやれといった気持ちしか浮かばない。ネットの求人サイトには今から参加者の中に感染者が出た場合の追跡システムなんかを作る人とかセキュリティを手がける人とかを募集していたりするくらい。すでに完全な仕組みが出来上がって当然なものが未だに途上というのも堂よな無様さに溢れている。これで開催されてもされなくても、永遠の歴史に刻まれる無様として語られ続けるんだろうなあ。

 新型コロナウイルス感染症といえばワクチンの接種が行き届けば、感染とかあまり恐れずに東京オリンピック・パラリンピックを開催できるって希望的な観測もあったりするけれど、そんなワクチンの接種で船橋市がスケジュールめいたものを発表していて、5月6日からいよいよ85歳以上の人に接種券が配布されることになったとか。接種は1回目が5月24日からで、2回目が6月中旬から7月中旬とオリンピック前になっているけれど、それで進むのはあくまで75歳以上。74歳から65歳で1回目の接種が7月上旬から7月下旬で2回目が7月下旬から8月上旬としっかりオリンピックにかかっている。2回目を接種して2週間でようやく抗体が出てくるワクチンの性質上、間に合わないと言う方が正解になる。

 横浜だと予約の受付が始まったんだけれど50万人もいる75歳以上を対象に電話だとかネットで早い者勝ちで受け付けるという、およし前時代的な仕組みを使っては回戦をパンクさせてこの日の受付を中止せざるを得なかった。全員に行き渡るまでにはそれこそ10年とは言わないまでも1年2年はかかりそうな雰囲気で、オリンピックなんか開催できるわけないだろいうとう思いも強まっているのに政府も組織委員会も未だに撤退中止延期といった方針を打ち出さないでいる。どうなっているんだろう。言い出したら負けといった空気が漂っているんだろうなあ。そんな最中に小池百合子都知事が5月10日も何か言うとかいった噂が漂う。この日も結構な数の感染者を出して止まらない拡大に、怯える感情を思えば中止を言いだした方が支持されるて感触を得たのかな。ちょっと注目。

 アメリカのマスタ・マガジントというウエブマガジンが日本のアニメ映画歴代トップ100ってのを発表していて1位は大友克洋監督の「AKIRA」でやっぱりな世界的人気ぶりを感じる。2位は宮崎駿監督の「戦と千尋の物語」で以下、6位に「風立ちぬ」、9位に「となりのトトロ」、12位に「もののけ姫」、24位に「風の谷のナウシカ」と30位までに5作品を叩き込んでこちらもやっぱりな支持を見て取る。そんな中にあって5位に「パプリカ」、7位に「PERFECTBLUE」、17位に「千年女優」、そして30位に「東京ゴッドファーザーズ」と存命中の映画4作品をすべて入れてきたのが今敏監督。美術として携わった「メモリーズ」も23位に入っていたりして、新作はなくてもいつまでも見られ続けるクリエイターになっているって実感を得る。それだけにやっぱり死去が寂しいし悔しいなあ。

 意外な作品では39位の「インターステラ5555」って作品があって、これはなにかと調べたら先だって解散を発表したダフト・パンクが、松本零士さんとコラボレーションして作った「ONE MORE TIME」から始まる例のアニメーションPVの集まりだった。まとめて見ると1本のストーリーになっているみたい。海外版のBDなかはあるけれど日本ではどうやったら見られるんだろう。気になる。あとは70位の「ギョ」。ご存じ伊藤潤二さんの漫画を平尾隆之監督が映像化した、ufotableのアニメ文庫の1作品だけど日本でだって一部にしか知られていない作品を良く見ているもんだ。
< BR>  これも知らない84位の「Sweat Punchi」はスタジオ4℃による短編集らしいけど日本ではパッケージ出てたっけ。1991年の「注文の多い料理店」は川本喜八郎さんの作品だから、これもまあよく見ていると感心。全体にプロダクションIGと押井守監督と大友克洋さんとスタジオジブリ今敏監督スタジオ4℃新海誠監督細田守監督マッドハウスが強いかなあ、「REDLINE」も入っているし、ってそれがやっぱり海外から見た日本のアニメーションの風景か。ここにMAPPAが加わってもやっぱりマッドハウスの系譜と思うとその歴史的な意義はやっぱり抑えておく必要があるんだろう。「この世界の片隅に」はないのが残念無念。世界では知られてないのかなあ。


【5月2日】 どうやら昨日に東北で深度5強という割と強めの地震が発生したみたいだけれど、こちらでは寝ている時にゆらっと来たくらいで大きい揺れにはならなかった。東日本大震災で震度4クラスの余震を立て続けに喰らっていたから、それ以下の震度だとほとんど気にならなくなっていたりしてずっと寝ていたけれど、じわじわと大きくなっていった揺れがガクンと強くなる可能性もあるから油断は禁物。とりあえず目が覚めたら意識をはっきりとしてすぐに起きられるようにはしておきたい。それなら積み上げた本をさっさと整理しなさいな。それだできれば苦労はしないって。

 そんな地震に続いて昨日、松戸から帰ってきたら空からゴロゴロと雷の音が。夜を経て朝になっても鳴り響いていて春雷というにはすでに季節は初夏な空を、どんな形で走っているかを見に出たいものの億劫なんでそれはパス。それにしても地震に雷と来たら次は火事とかだったらちょっといやなので、暖かくなって暖房器具はほとんど使わなくなっているけれど、コンセントとかには気をつけて漏電なんかを起こさないようにしなくっちゃ。その次に来るのは親父よりも恐ろしい感染か。こっちはこっちで万全の体制を。だったら出かけるなって? それはそれで。

 いよいよNetflixで配信が始まった湯浅政明監督の「映像研には手を出すな!」を見始めたら止まらず一気に12話分、最後まで見てしまう。冒頭の浅草氏金森氏に水崎つばめが加わる展開から、新しい部活動を立ち上げて予算をもらうために作品を作り上げるまでを1続きのエピソードとして、続くロボット研のプロモーションのためのアニメ作りから、同人誌即売会でDVDを売るためのアニメ作りまでの3つのエピソードに時間を割り振って見応えのあるストーリーとそして何よりアニメーションを語っている作品ならではのアニメーションを見せてくれる。原作自体が現実から浅草氏の申しへとシームレスに入っていってSFの世界へと流れていくイリュージョンにあふれた作品だけに、それがアニメになると余計に変幻が楽しく今いる現実がするりとそちら側に流れていくような感覚を味わえる。

 すでに実写版の映画の方は見ていてこちらはCGによるVFXが現実を改編して浸食しSF特撮映画の世界に引きずり込まれるような感覚を楽しめたけれど、やっぱりアニメーションがテーマの作品ではアニメーションがどのように表現されるかが重要。そこをやっぱり天才的なアニメーターである湯浅政明監督だけのことはあって、どうやたら面白いアニメーションになるか、そしてどうやったら手間がかかる部分を削ってギリギリの労力で最大の効果を出せるかを描いてみせてくれていた。ズームインしていったりして枚数を減らすとか。でも解像度が足りないからそこは原画から再スキャンする必要があるとか。個人でアニメーションを作っている人には学べるところも多いだろうなあ。

 ずっと評判になっていた伊藤紗莉さんの浅草氏ぶりはなるほどあのキャラクターの持つ面倒くささとしつこさをしっかり再現していた。実写の斎藤飛鳥さんもしっかり演じてはいたけれどもやっぱりアイドルだけあって可愛らしさが底に残ってしまていた。それもまた嬉しい演技であはったんだけれど、そのものだったソワンデ役のグレイス・エマさんに持って行かれちゃってたからなあ。金森氏の梅澤眉波さんは長身ぶりがしっかり役にハマってたし山下美月さんの水崎氏もアイドルだけに読者モデルらしさが出ていた。そんな2人のうちの金森氏を声で演じた田村睦心さんはさすがにしっかり金森氏。男の子を演じることが多いけれどもここでは大人っぽさを感じさせる女性が実に感じられた。

 なにより水崎氏の松岡美里さんが良くって天真爛漫な上に琴線をひっかくような声音がとても響いたんだけれど、経歴を見るとまだそれほど多くの主役級を演じていないのがちょっと不思議。そこは愛らしい声が引っ張りだこの世界で特徴を持った声が避けられる傾向でもあるんだろうか。でもまあきっといずれ出てくる人あと信じて待とう。「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」にミヘッシャ・ヘンスという役で出ていたらしいだけに公開延期はちょっと残念。アニメの方は12話で終わっているんだけれど原作ってあの後まだ続いていたっけ。貯まってくれば第2期とか期待したいけれど、湯浅監督が「犬王」のあとちょい休息に入ってしまうからあっても数年先かなあ。これをやって「日本沈没2020」も作って「犬王」に行ける湯浅監督はやっぱり凄いなあ。

 仕事もかねてふんころりさんの「佐々木とピーちゃん」(MFブックス)をつらつらと。中堅商社で働く40歳近い男性サラリーマンが無聊を慰めようとペットショップで文鳥を買ったところこれが異世界の賢者が転生したもので、魔法の力で異世界へと行き来できたり魔法を振るったりといった能力を見せては佐々木の人生を変えていく。まず異世界へとおかしやらボールペンやら紙やらを持って行かせて取引させてはお金を得させ、居場所を得させつつ魔法を教える。そんな魔法の力をふとした拍子に放った佐々木を国家機関が見つけて対超能力者の組織に引っ張り込む。

 現世では警察として超能力者を相手にした仕事をしつつ異世界では商人として稼ぎつつ子爵ら権力者ともお近づきになっていってやがて国をめぐる政争から国家間の紛争にまで巻き込まれていく。そんな隙間でアパートの隣に暮らしていて、親からネグレクトされて食べ物もろくに与えられていない中学生の少女に食べ物を与え続けたことから関心めいたものを向けられているといった具合に、いくつもの要素が絡み合って重なり合って進んでいくストーリー。「ひげを剃る。そして女子高生を拾う」だけでも1本の話になるのに異能バトルと異世界成り上がりのエピソードも絡み合っているといったところか。そんな中心いなりながら野心がなく淡々としている佐々木のキャラクターがホッとする。いつか生きていたら彼のような幸運に巡り会えるかなあ。とりあえず文鳥飼ってみるか。


【5月1日】 一昨日は流山で観たわ。今日は松戸。明後日は成田は流石にないか。ってことでNHKオンデマンドで「さようなら全てのエヴァンゲリオン 庵野秀明の1214日」を見てからIMAXレーザーのある新松戸のシネプレックスへと出向いて「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。9度目か10度目。もはや数えていなければ覚えてもいない。いろいろ気になったところも出てきたのが冒頭のパリへのカチコミ作戦でリツコが踏み下ろした足と、終わりがけの第3村から近い水辺に残された足跡の対比だったり、加持がニア・サード・インパクトを止めようと乗ったVTOL機と第3村でシンジがケンスケに連れ回されている時に残骸として転がっているVTOL機の対比だったりと間を置いて引っ張り出されるモチーフの関係性か。

 加持の乗機が落っこちて乗っていた加持はどっかで生きてて岬カヲル司令とともに還って行ったりしたのかとも妄想したけどそれはさすがにないか。あとゲンドウにシンジがDATを返す場面、尻ポケットから取り出す時に紙片が挟まっていたように見えたけど気のせいか。アヤナミがヒカリ宛てとは別に書いたメモが挟まっていたりしたのか。とにかく色々と気になるのでBDが出たら見返そう。あるいは配信が始まったら。

 手前に大きなものを置いて億に小さく並べるアングルの多様についてどうしてそこまでともやっぱり思ったけれどこれ、見ていて気持ち良いんだよなあ、格好良くて。おかげでマヤのピチピチスーツでのペタンと座ったお尻を左右からでっかく見られたり、タラップを降りてくるミドリのお尻越しにマヤたちがパソコンを叩く姿を楽しんだり、梅干しを下から眺めるアヤナミの不思議な表情を拝めたりしたから良いんだけれど、これを現実のカメラで撮るとなるといったいどういった配置が必要なのかと考えつつ、単純に絵で描けばできるものでもないからいろいろと実写カメラで撮ったりCGで角度を変えたりしながら見いだしていったんだろう。そんな試行錯誤によってベストを切り出していった積み重ねだからそりゃあ、何度見たって飽きないわけだ。また行こう。

 帰りがけにショッピングモールで1500円のシャツを2枚購入。シャンブレーとオックスフォードのボタンダウンならまあそれなりにシュッとした格好になるだろう。同じショッピングモールの自転車屋で「バーリントン」というブランドの自転車を発見。三角形のクロモリフレームにカンティブレーキで650Cという懐かしくもスタンダードな構成な上にギアが内装5段とちょっと珍しい。バーはドロップではなくフラットなオールラウンダーでもなくミドルアップで背筋を立てた姿で走れそう。これでサドルをブルックスに替えたら良い雰囲気で軽く走れるバイクになりそう。470ミリとは小さいけれど大きくて大変なよりはコンパクトで良いかなあ。乗りたいなあ。でも運べないし。悩みます。

 1262人とはまた増えたなあ、大阪府の新型コロナ感染者数。死亡者も41人で数日前の44人に近い数の方がお亡くなりになってしまった。東京だって多いことは多いものの1040人に留まり死亡者は6人と大阪にくらべて随分と少ない。重症者の規準があるいは変えられていたりしたとしても、死亡者にそうした作為が入れられないからやはり少ないんだろう。それだけ救命の体制が整っている一方で、大阪は入院すらできず自宅だとかで療養中に無くなったり悪くしたりしてしまう人が多いのかも。そんな状況にしてしまった責任について未だ認めようとせず、44人って1日の数字じゃないと嘯くポン酢ぶり。だったら何の数字だよ。発表しているんだから1日の数字だろうに。そんな状況がまだ続いたら大阪封鎖なんて事態も起こりえるかも。

 猫猫が薬剤師なら桃花は検死官ってことで同じ後宮にいながら役割はちょっと違うけど、でもやることはそんな知識を活かしての謎解きといったところで小野はるかさん「後宮の検屍女官」(角川文庫)は日向夏さん「薬屋のひとりごと」と同様にやっぱり面白い。後宮だけに出てくる男性っぽいキャラはやっぱり宦官で、後宮にいる少女の才能を見極め後宮で起こる不思議な事件に挑ませる。まず起こったのは皇帝の妃嬪が懐妊したことで寵愛を受けている別の妃嬪のいじめをうけた果てに死んでしまったものの、棺桶の中で出産をしてその子が母親への恨みを晴らそうと化けて出ては死王として後宮を徘徊しているという。

 噂が立つのは拙いと後宮から女官たちが警備にあたることになって、孫延明という宦官の下にかり集められた女官の中にまったく怖がらず「死体が分娩することなんて普通だ」と嘯く。耳ざとい宦官が聞きとがめた直後に後宮で新たに苦悶の表情を浮かべたままで女官が死亡。やっぱり死王が徘徊しているのか。そして始まる桃花の検屍からの大推理。ひとつひとつの事件で発揮された果てに全体に通底した事件の裏にあったある出来事が浮かび上がって来る。すごい美少女だけれどふだんはぐうたらで寝るのが大好きで寝てばかりだったりするけれど、検屍となると眼が覚めるギャップがなかなか楽しい。妃嬪に好かれて守られているって感じじゃなく、勘気に触れれば処分だってされかねない立場はちょっと珍しい。そんなヒロインと屈託を抱えた宦官によるバディ関係が誕生した角川文庫キャラクター小説大賞の大賞受賞作が、次にどんな展開を迎えるか。続きが楽しみ。


【4月30日】 やることなすこそすべて間抜けというのもなかなかないよな、この国家。東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中、500人の看護師が必要だってことで応召しようとしたものの世間的には「ないわー」って反応だった。それも当然で逼迫する医療体制の中で休みもとらず働き続けている看護師さんたちの、どこに500人を派遣する余裕があるんだってことで、だったらと看護師の学校で学んでいる人たちを繰り上げ卒業して応召するなじゃないかと“学徒動員”の可能性を想像してしまった。

 そんな予想の上を行くように菅義偉総理は「現在休まれている方もたくさんいると聞いている。そうしたことは可能だ」なんてことを言い出した。つまりは予備役招集。お務めを果たして退役して今は自分たちの生活を守っている人たち、あるいは戦場で力を使い果たして今は休息を求めている人たちを赤紙によって徴用しては最前線に投入するというアレをこれからやろうってことみたい。つくづくこの国はあの戦争から何も学んでないというか、負け戦に向かって突っ走っている感じがアリアリで、そうこうしているうちに変異株の絨毯爆撃を喰らい最後は超絶変異株の核弾頭が炸裂だなんて未来が何となく見えてしまう。

 届いても接種に向かわないワクチンを待つ間、せめて自宅に引きこもらせつつ補償をたっぷり行って拡大を防ぐのが国にできることなのに、そこは夜の酒場だけを狙い撃ちにして学校も企業も通い放題な状況を維持。なおかつそんな通勤通学の客が利用する時間帯の列車を減らして逆に大混雑を招くチグハグぶりではかえって感染が拡大してしまうだろう。大型連休に入って少しは人流も減るからそこは大丈夫って踏んでいるのかもしれないけれど、街に出れば相変わらず大勢の人が歩いて喋って座って寝てる。明けて効果がまるで見られなかった、そして変異株が猛威を振るって感染者が拡大したら政府は次に何をやるのか。総玉砕かなあ、やっぱり。

 うわああああああん。大型連休明けの楽しみだった「ゴジラvsコング」の公開が延期になってしまった模様。ただでさえ北米とか世界で公開されて情報が入りやすくなっているのに、日本だけがお預けを食らった状態でどんどんとネタバレが入ってきて楽しみが減ってしまいそう。気になる口ではないけれど、驚きがあるならやっぱりそれを味わいたいから。代わりにだったらと「シン・エヴァンゲリオン劇場版の上映が長引くのならそれはそれで幸い、まだちょっとある100億円の興行収入達成まで盛り上げて持ち上げて、庵野秀明総監督を「100億円の男」にするために、ゴジラとコングが道を譲ってくれたのだとしたらこれを受けない理由はないから。

 100億円という意味では「映画名探偵コナン 緋色の弾丸」と「るろうに剣心 最終章 The Final」も狙える作品なだけに、公開直後の非常事態宣言入りは辛いところだろうなあ、とりわけ「剣心」は公開してすぐ東京都の劇場が閉まり関東一円も遅い時間帯の上映がなくなっている。マーケットのど真ん中がぽっかりと抜けてしまっては稼げるものも稼げない上に新味はだんだんと減っていくなら、非常事態宣言明けにあらためてスタートダッシュとはなかなかならないだろう。それだけのポテンシャルを持っている映画ではあっても。

 「コナン」の方は少しだけ早かった分、稼ぎは得られたけれどもやっぱり大型連休中の家族連れを失ってしまうのが辛い。とはいえこのタイミングで公開しないと来年になってしまうなら、やっぱり稼げる時に稼いでおかないとってことで「ゴジラvsコング」の枠を使って大展開をしてくるのかなあ、直前に上映されていた赤井一家のダイジェスト映画もまた上映してくれないかなあ、「緋色の弾丸」を見て改めて興味を持った人も多いだろうし。あとはやっぱりジブリの出動か。去年も開いたスクリーンを生めるべく「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「戦と千尋の神隠し」「ゲド戦記」を送り込んできて、それなりの稼ぎを得たから。

 事情はさらに悪化している今年は、もっと稼げる「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」でどうだって行きたいところだろうけれど、これをやってしまうと次がないから抑えて「ホーホケキョ となりの山田くん」「借りぐらしのアリエッティ」「猫の恩返し」「かぐや姫の物語」なんてどうだって、それは個人的には嬉しいけれど観客としては……ってなるからもうちょっと一般にも降りつつ「紅の豚」「耳をすませば」「思い出のマーニー」「コクリコ坂から」でどうだろう。「ポータブル空港」「space station No.9」「空飛ぶ都市計画」の一挙上映でも嬉しいな。


  【4月29日】 「ないわー」と蜘蛛子なら叫んで暴れ出しそうな大阪府の新型コロナウイルス感染症による死亡者数。44人とはさすがに東京でもなかった数字だと思うけれど、それだけの人数が1府で出てもなお日本では東京オリンピックを開催することが既定路線になっていて、あとは観客を入れるかどうかってところが選択肢になっているだけというから阿呆なのか戯けなのか莫迦なのかまるで分からない。これで森喜朗元総理が組織委員会の会長に座っていたら、墓場まで持っていく覚悟で自分をさらけだして中止を言い出し英雄然とするだけの余裕を見せようとしたかもしれないけれど、橋本聖子会長では主体となって責任を取って中止を言い出し、残る政治生命もかなぐり捨てる訳にはいかないと、どこまでも進み続けることだろう。

 だったら菅義偉総理はと言えばやっぱり政治家だから政治生命のすべてを支払うようなことはしないだろう。結果としててIOCがこれはもうダメだと言い出すか、アメリカ合衆国あたりが日本は危険だから選手団は派遣しないと言い出すかすれば流石に外交問題だからと中止に踏み切るかもしれないけれど、いずれにしても主権国家が自分の責任を果たすような態度は見せられなさそう。そんな政治家なりリーダーの浅ましい姿を見た国民も子どもも誰も信じられないまま、成長してニヒルでシニカルな感性の大人となった未来の日本は、情熱も向上心も潔癖さも持たない人が溢れて流されるままに生きて死ぬ繰り返しの果て、滅び去っていくのだろう。そんな分水嶺にある今、誰が歴史を変える決断ができるのか。見守りたい。

 参議委員議員の公設第一秘書といったら議員の分身とも言える存在で、私生活まではさすがに干渉はできないまでも法律に反するような行為があれば個人の責任を超えて雇用主である国会議員の人を見る目も含めて責任が及んで当然だろう。ましてや殺人未遂だなんて重犯罪を犯したのだから雇用主である国会議員の責任は重大。にも関わらずそんな議員と同じ日本維新の会に所属する別の議員が「夜中の2時に起きたイザコザ。秘書といえども、そうなるまでは他人。国会議員に限らず、責任取れといつ言われるか解らない生きた心地しない時代になりました。これ、みずほさんの責任ですか?」とツイートまでして擁護していて気分の悪さが頂点に達する。

 女優ではあってもキャスターとして政治に関する話題なんかも繰り広げられた番組に出演していた人なんだから、世の常識なり良識といったものは持っていて当然だと思っていたけれど、自分のところの秘書が犯罪を犯しても個人の責任だから私は知らないと言って平気な感性なのだとしたら、そんな人に国を預けたとしても自分たちを守ってくれないと思えて仕方が無い。頼れないしすがれないボスに誰が信頼なんてできるのか。考えればすぐに分かるだろう思考がまるでとれない人間を、処分もできずに野放しにし続けるのだとしたら政党の方も政党だってことになるけど、そんな政党だからなあ、44人もの死亡者を出してもなお頑張ってるふりをし続ける代表を仰ぎ見る。やれやれだ。

 庵野秀明総監督を100億円の男にするべく千葉ではまだ開いている映画館で、再上映が始まったIMAXレーザーでの「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を見に流山おおたかの森にあるTOHOシネマズおおたかの森へ。船橋から柏でスイッチバックするように大宮行きへの路線へと乗り換えずに進む快速なんてあったんだと気付く。早いなあこれ。でもって8度目くらいになる「シン・エヴァンゲリオン劇場版」ではやっぱり伊吹マヤのお尻が左右に出る冒頭のパリかちこみ作戦を堪能したり、アスカのパンツや北上ミドリのギャル語やらを存分に楽しみつつラストシーンで宇部新川駅から空撮となる場面で、現実にはないらしい大塚家具だかの建物が建っているのを確認する。映画「式日」に出て来た建物なんだなあ、その時の恩を返したってことなのかなあ。

 Netflixで配信が始まったオリジナルアニメシリーズ「Yasuke−ヤスケ」の全6話をイッキ見る。織田信長に使えた黒人奴隷で後にサムライの弥助を主人公にした歴史ドラマかと思ったら、冒頭からロボットが跋扈し超能力が飛び交う時代SFファンタジーアクションバトルで腰を抜かす。それでいて中心にあるのは侍の矜持といったもので、それを古い感覚では女の侍も黒人奴隷の侍もなかなか認められなかったものが、弥助という実直でなおかつ強靱な男の存在を通して認めざるを得なくさせるところに強い主張が感じられた。手が飛び首が切られ体がまっぷたつになるハードな描写も満載だけにこれはテレビでは見られそうもないけれど、そんなチャンバラの迫力に黒人の権利向上といったテーマもあって世界でもヒットしそう。反応を探っていこう。


【4月28日】 1260人とはまたなかなかな多さの大阪府における新型コロナウイルス感染症の感染者。東京よりも多いのはやっぱり何も対策が講じられていないからなのか、それとも東京の数え方が大阪とは違っているのか、分からないけれどもいずれにしても“猖獗を極める”感じが漂ってきて新幹線で京都から向こうへと行きづらい気分が漂う。駅から降りていきなり感染するなんてことはないだろうけれど、今の第4波における変異株の流行は、今までのように用心をした人なら感染は避けられる状況を変えた感じがあるみたい。いつどこでもらうか分からないという気分で、生きていくにこしたことはなさそうだなあ。

 仮に今の緊急事態宣言下で人流が抑えられ、感染者が減ったとしてもそれが東京都や大阪府で300人くらいになった段階で、解除して元の状態に戻してしまっては1カ月後くらいで元に戻ってしまいそう。それは6月上旬の日本を雁字搦めにして東京オリンピックなんて開催できない状態に追い込むんだけど、それでも気付かないふりをして解除を維持してオリンピックを開くのが今のこの日本って感じだからちょっと厄介。まさに“猖獗を極めた”状況下であっても、IOCが止めろと言わない限りや自分たちから止めるとは言わずに突っ走ってしまいそう。

 そうまでして開催が可能かが目下の関心事。感染が拡大する一方でワクチンの接種がまるで進まない国に、たとえ自身がワクチンを接種済みであってもリスクが高いと選手が嫌がれば各国のオリンピック委員会だって選手の派遣を取りやめるだろう。だいたいがどこの国もどの協議もろくすっぽ予選が行われておらず代表すら決まっていなかったりするし、すでに決まっている選手達もこの環境下でトレーニングができずトップコンディションにはほど遠い。そんな状況でも金メダルがとれば出たいし、ウイルスがまん延する日本に行きたいと思うのか否か。そうした部分をまるで考慮せずに選手にはPCR検査をしてもらう、看護師を500人あてがうと言ったところで安心なんてしてもられない。

 下手をしたら誰も選手たちが来ない中、日本の選手たちだけで競技が行われてあらゆる種目で金メダルとなって史上最多のメダルサッシュに湧くなんて光景が見られたりするのかも。それを果たして世界が見てくれるかというと、無理だと投げ出す一方で放映権料を払わないテレビ局が出て運営に還元されずどこもかしこも大赤字といった史上最低の大会に、東京オリンピックがなったりするのかもしれないなあ。そのまあパンデミックで衰退し滅んでいった先、歴史の教科書にいったいなんてのるんだろう。ナチスドイツの勃興を喧伝したベルリンオリンピック、黒い九月のテロに塗れたミュンヘンオリンピック、ボイコットの連鎖が起こったモスクワオリンピックのロサンゼルスオリンピックよりも悲惨な大会として歴史に残ったりして。それもまたユニークな話ではあるけれど。

 マンガ大賞に続いて朝日新聞マンガ大賞の新生賞を「葬送のフリーレン」が獲得したそうでファンとして喝采。選考委員を務めた秋本治さんによれば初連載とは思えないくらいの作画の技量とユーモアを交えながら丁寧に物語を構成する原作のマッチングが素晴らしく、新ジャンルへの挑戦もあるといった評価からの受賞となったみたい。超絶ベテランからそう評されると一般の漫画好きが投じた票で選ばれたマンガ大賞とはまた違った喜びが、作者たちにもありそう。あとはいつ、小学館漫画賞を獲得するかだな。

 こちらの方の大賞は山下和美さんによる「ランド」が受賞。読んだことがないので詳細は分からないけれど、封建時代の農村が舞台と思わせて、時代ものから時空を超越したSFへと発展していくみたい。聞くとそれこそ日本SF大賞にだって相応しそうな気がしてきた。こちらはこちらで「進撃の巨人」という大巨人もいたりするだけに、候補になるかすら見えないけれども時間を見て読み直してどうするか考えよう。話題沸騰の「鬼滅の刃」は作品での受賞は逃したけれど、作者の吾峠呼世晴さんが特別賞を受賞。漫画として最も売れたし映画としても最も売れた作品だったら何か受賞しないという法はない。当然と讃えたい。

 朝にZoomでインタビュー取材をして日米のアニメーション事情なんかを聞き、昼にフレッシュネスバーガーへと籠もってミステリマガジン向けの原稿を仕上げてから帰って打ち合わせなどをして、寝ておきて書評の原稿を1本仕上げたら午前ざまになっていた。ここから眠って29日の休日にも原稿を書いて、時間があったら同じ千葉県内にあるTOHOシネマズおおたかの森まで「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のIMAXレーザー版を見に行くかどうか迷うところ。すでに全国的に上映が終わりながらも昨今の公開延期もあってか残っている弾ですぐに回せて動員が期待できる作品ってことなんだろうなあ。すでに7回くらい見ているけど、あと3回は見て伊吹マヤの尻と北上みどりのギャル後とマリの「乳の大きな良い女」というセリフを楽しみたいのだった。そういう風に出来ている。


【4月27日】 へそが見えるサイズのタンクトップにホットパンツで口には煙草をくわえ髪を後に縛って手に銃を持つ姿は「ブラックラグーン」のレヴィといった雰囲気。さすがに2挺拳銃は使わず人殺しもしないところは舞台がチバ・シティだからか。新宿あたりで大騒乱があって都心部から人が逃れて暮らしている日本にあって、環境建築都市(アーコロジー)と呼ばれるチバ・シティは治安こそあまり良くないものの、最先端のテクノロジーが取引されていて金を目当てにいろいろな奴らが集まっていた。

 そんなチバ・シティで運び屋をしていたのがレヴィではなく青龍寺天という少女。機関義肢とよばれる高度な義手や義足を運ぶ仕事を終えた天をなぜか怪しい奴らが付け狙って追ってくる。もうこれまでかとなったところに2人組の美女が現れ天を助けて連れて行く。諜報機関SIAに所属する七世涼と岬京子は天をSIAへと引きずり込んでチバ・シティで暗躍する地下組織に挑むことになる。

 ハードボイルドな展開とガンアクションにサイキックバトルも盛り込まれたサスペンスが山口隼「ガンンナー・ガールズ・イグニッション Case1.フェイタル・インシデント」(オーバーラップ文庫)。スラムのような場所で危険な仕事を押さない頃からこなしてきた天が権力の側に回るという展開が少しユニーク。天はサイコキネキスを使えて岬は日を操るといった具合に超能力を振るえるのにはなにか理由があるのか。そんな謎を探る展開もあり、また味方のようで敵でもあったりするダブルスパイ、トリプルスパイが暗躍して誰が敵で味方か分からないスリリングな展開もあって楽しめる。ラストにちょっと寂しい出来事があったけど、でもエンディングで驚きもあったみたいだからきっと続きも出るだろう。読んでいこう。

 政令指定都市ならぬ精霊指定都市とされる街を舞台に、精霊が見える少女が出会う不思議な出来事を描いたのが我鳥彩子さんの「精霊指定都市 精霊探偵者《So Sweet》と緋色の総帥」(集英社オレンジ文庫)。幼い頃から不思議なものが見えまくって気疲れも多い花森だりあだったけれど、16歳になってよりはっきりと見えるようになって騒々しい声も聞こえたりして登校すら難しくなったことから、母方の曾祖母に相談するとある場所に行けという。たどりつくとそこは探偵事務所。それも精霊が専門らしく赤いスーツを着た人物が「総帥」とだけ名乗ってだりあを従業員として受け入れる。

 近くに立っている楓の精霊がかけてる電話で呼び出されては行き倒れていた精霊を助けたり、悪い空気に染まりかけていたフルートの精霊を弾む会話によって浄化したりとそれなりに活躍。自分がずっと気に病んでいた不思議な力が役立つことによって、だんだんと自分に前向きになれたみたい。金木犀の精霊をパートナーに生きてきた女性に幼なじみの男性が近づいて、自分が引っ張り出さないと引きこもりになってしまうとお節介を焼く様がどうにも鬱陶しいく、金木犀の精霊にこらしめられれば良いとも思ったけれど金木犀の精霊の方も人間みたいになろうと精気を吸いまくっていたりするからどっこいどっこい。そんな、吾こそが面倒を見るんだと言った男たちの圧力を暑苦しいとはねのけ、自分の意思を持つにいたった女性に拍手。

 東京オリンピック・パラリンピックの面倒を見させるために看護師を500人差し出せと言い出した組織委員会。とてもじゃないけど今の医療体制が逼迫している中で看護師も医師も出せるはずがないだろうから断ったとしたらきっと急ぎ看護師学校の生徒を繰り上げ卒業させて資格も持たせてろくに防護の知識もないまま最前線へと叩き込んでは感染拡大なんて事態を引き起こすんだろうなあ。投入の前にはオリンピック縁の新国立競技場前で行進なんてしたりして。そして50年後にあの時に戦場へと赴き散った看護師たちをしのぶ碑が、出陣学徒壮行の地の記念碑の横に立てられるんだ。

 ツイートが流れて来て4月11日に同居家族から新型コロナウイルス感染症の陽性者が出た家でほとんどの家族に症状が出始めたって書かれていたのがすぐさまおばあちゃんが入院したりお父さんが入院したりしてそしておばあちゃんがなくなり、お父さんも亡くなってしうまでがだいたい2週間。あまりの急展開に考えがおいつかず嘆くばかりの娘さんの言葉を見ていて心が苦しくなって来た。KalafinaやFictionJunctionのファンだというからとても親近感も湧くだけに、そんな人を瞬く間に不幸へと陥れる新型コロナウイルス感染症の大変さ、厄介さを改めて思い知る。

 若いから症状が出ても重くはならないからといって、外で遊び回ってウイルスをもらって持ち帰って家族にうつせば、年齢や既往症によっては死に至るのが新型コロナウイルス感染症という病。実際にそれで1万人もの亡くなられた方が出ているにも関わらず、若い人は死なないんだからどんんどと罹れと吠える漫画家がいて、心がないんじゃないかと思えてきた。自分だけが大丈夫なら良いってものじゃないんだ。家族を失ってしまうかもしれないんだ。自分が感染源となって家族を殺してしまうかもしれないんだ。そんな絶望感に若い人は耐えられるのか。それに1万人の亡くなられた方には、それぞれに見送った家族の悲しみがあるんだ。その悲しみに思いをはせず数字だけ取りあげインフルエンザより少ない(本当は多いけど)と嘯く神経に漫画家が尊ぶ大和心はないのか。ないんだろうなあ。やれやれだ。


【4月26日】 もう30年以上離れているから今さら名古屋市民面はしないけれど、それでもやっぱり気になる地元の市長選で散々っぱらリコール運動にのめり込んでは不正な署名だなんてものを生みだし、民主主義に脅威を与えた河村たかし市長が当選を果たしてしまっていった、何を信じて良いのか分からなくなっている。他に取り柄があるかとうと口先ばっかりで新型コロナウイルス感染症の対策も遅れに遅れておおぜいの感染者を生みだした。何よりあいちトリエンナーレにおける事実に反した難癖が、今回の当選によって既成事実として認められかねないのが厄介極まりない。そうではないところを改めて裁判を通して証明しつつ、リコール運動のけじめもつけてその上で、とどまれるならその地位にあって最前の施策をとって欲しいもの。とりあえず愛知県警、全力を振るう時間です。

 一切の特別な権利を得ている訳でもないのに、別の鉄道の写真を撮ってた子どもに対して突っかかっていった輩の凶状を証拠にもなるように撮っていた子どもに対して、80万円とかするらしい高価なレンズを取り付けたカメラを持っている人間が、にじり寄ってははたいて倒して頭蓋骨を骨折させたなら、そこに一切の同情も情状の酌量も存在しない。するはずがない。そうでなくても相手を怪我させておきながら、その場から逃げたのならもはや撮り鉄のルールなんてものとは無関係に、傷害事件であり犯罪であって即座に通報されて捕縛されるべきだろう。

 しっかり動画も撮られて出回っているから、頭蓋骨骨折なんて重症を負わせた人間はすぐにでも特定されるだろう。そう感じたのなら即座に出頭すべきなのに、出頭したって話がまだ届かないからあるいはしでかしたことの軽重が分かってないのかもしれない。分からないからこその子どもに対するいきりであり、暴力だったのかもしれない。これをもって撮り鉄がとは言わないけれど、ちょっと前には鉄橋に入り込んで撮影していた輩が現れ列車の走行を止めた事件も起こっていたりするから、どうにもやりたい放題の度合いが上がっている感じ。そこまでして撮って得られる承認異常の特別な対価でもあるんだろうか。個人の満足だけではそうまでいかないと思うんだけれど。謎肉。

 新型コロナウイルス感染症の死亡者が4月26日で1万人を超えて来た。2020年の終わりで3000人とかそんな感じだったから、この4カ月で7000人くら増えてしまったってことになる。残る8カ月でワクチンの接種が進まない可能性もあったりするから、2万人くらいまで増える可能性も考えておかないといけなさそう。変異株は若年層での重症化も取り沙汰されていたりするから、今までの考え方では想像できない死亡者が出たりするかもしれない。それでもまだ新型コロナウイルス感染症は風邪のそれも軽いものに過ぎないといって、出歩いたりマスクをしないで喋りまくったりすることを称揚する人がいたりするのは、逆張りが言説が商売になることが広まってしまったからなんだろうなあ。やれやれ。

 第93回アカデミー賞が発表になって作品賞にクロエ・ジャオ監督による「ノマドランド」が輝いた。クロエ・ジャオ監督は監督賞も受賞し他にフランシス・マクドーマンドが主演女優賞も獲得と、主要なところをかっさらっていった。去年は「パラサイト 半地下の家族」で韓国のボン・ジュノ監督が作品書うと監督賞をかっさらっていって、アジアにルーツを持つ監督の連覇ということで来年はだったら日本出身の監督が受賞できるかというと、それだけの下地が今はまだないって感じ。アカデミー賞の作品賞に名を連ねられる作品を日本人監督が誰か今撮ってるって感じじゃないからなあ。あるとしたら長編アニメ章くらいだけれど、そこに来年、名を並べられそうなのって「竜とそばかすの姫」の細田守監督くらいか。見守りたい.

 今回の長編アニメ映画賞はピクサーの「ソウルフルワールド」で、アニー賞に続いての受賞ってことはやっぱり凄く良い映画だったんだろうけれど、日本では劇場で公開されていないから見た人も少なそう。どうせだったら今のこの新作映画の公開延期が相次ぐ中で、アカデミー賞凱旋上映とかいって劇場公開してしまえばネットで稼ぐより以上の興行収入も得られるんじゃなかろうか。劇場スルーされた恨みからどこの劇場もかけてくれない可能性もあるけれど、背に腹が変えられないならここはグッと耐えて上映して欲しいもの。それがないと劇場は「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」と「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を上映し続けないといけないぞ。「映画名探偵コナン 緋色の弾丸」でも良いのかな、ってか緋色の弾丸しか上映するものがなさそうだしなあ。


【4月25日】 (承前)として4月24日に見た「富野由悠季の世界:ロボットアニメの変革者 ガンダム、イデオン、ダンバインからGのレコンギスタまで」に関してつらつらと。「機動戦士ガンダム」から劇場版3部作とそして「逆襲のシャア」を経て紹介は「重戦機エルガイム」へと移って永野護さんによるキャラクターのデザインだとかヘビーメタルのデザインなんかが飾られていて、まだきっと若かっただろう永野さんのそれでも圧倒的なザイン力(でざいん・ちから)に感じ入るところ大。ダバ・マイロードがまだそういう名前ではなかったけれど、キャオもアマンダラもアムもレッシィも姿は後のアニメのまんま。当初から高い完成度を持っていたってことなんだろう。

 ヘヴィーメタルについてもエルガイムがいてオージェがあってバッシュも来てと後の「ファイブスター物語」のモーターヘッドに至るデザインの源流がすでに高い完成度でもって存在していた。直前の「聖戦士ダンバイン」で宮武一貴さんとか出渕裕さんが見せていた昆虫的で有機的なデザインとはまた違ったメカメカしさを持ちながらもスタイリッシュなヘビーメタル群は「機動戦士ガンダム」からの流れでもやっぱり異色で偉大だったよなあ。ガンダムシリーズがどこまで行ってもガンダムから逃れられないのと違って独自性があった。それは「ダンバイン」も「伝説巨神イデオン」も同様か。

 「イデオン」ではとくにバッフ・クランの重機動メかに特徴があってジック・マックだとかいろいろなメカのトライポッド感は後に「戦闘メカザブングル」の飛び跳ねる感じのメカにも受け継がれているって感じ。あるいはかがみあきらさんがデザインするようなメカにも。その意味でかがみあきらさんが存命だったら富野アニメのメカもちょっと違っていたかもしれない。進めていたらしい企画は展覧会には存在しなかった。どこかに今も資料は残っているんだろうか。いつか尋ねてみたい。怖いけど。戻って「エルガイム」は版権セル画の大人レッシィがエロかった。あれは今だとどこかで見られるんだろうか。

 「イデオン」なんかは第2会場の方に展示があって先だって見た劇場版の「発動篇」のラストシーンがながされ見ていて癒やされた。元気出して行こうと思わされた。「聖戦士ダンバイン」の部屋だとチャム・ファウがショウ・ザマに絡んで蹴りを入れたりするシーンが流されていたけどそこで2人が良きパートナーに将来なり得る可能性を見せていたって解説が。そうなんだろうか。喧嘩しているようにしか見えないけれど、短いシーンでありながらショウが付こうとしているドレイク・ルフトにまとわりついたイメージ、そしてチャム・ファウが付いているゼラーナの一派のイメージが善悪の対比で何とはなく感じられるところが巧いって言えるのかな。第1話を何の知識もなしで見てそう感じられるか、今となっては分からないのだけれど。

 「ターンエーガンダム」の部屋では最終話のシーンが流されていてキエルとディアナの関係めいたものがそこからふっと浮かんでそういうことかと思わせた。過剰でなくても平穏な日々に戻った中で選んだ道を歩む2人の決意めいたものが感じられたシーンだった。「Gのレコンギスタ」はほとんど見てないから見所がちょっと分からないや。解説だと田園回帰なところがあった「ターンエー」に比して似ていながらも「Gレコ」は逆のベクトルを持っているってことになっていたかな、田園めいた風景はあってもそれを称揚はしてない、と。そういった違いを図録なんかを読み直すことで改めて知り、そして映像を見ることで確かめながら富野由悠季というクリエイターが1作1作を情熱と企みをこめて作っている様を感じたい。

 三内丸山移籍なんかを見て回ってからバスで青森市内へと戻りルートイン青森にチェックインしてすぐに睡眠。起きて朝食を摂ってからもう十分な「富野由悠季の世界」はパスして映画「いとみち」のロケ地にもなった弘前市へとさくら祭りを見物に行く。「ふらいんぐうちっぃ」にも登場した場所で壕にサクラがかかって散った花びらが水面を多いさながら花びらの筏のようになる名所。昨日の風雨で咲いてるサクラは散ったけれどその分、水面の花びらもしっかりあって美というものを愛でられた。弘前城の中にある売店で、さくら祭りのマスコットになっている桜ミクがいっぱい描かれたガイドブックを確保。中に「いとみち」のロケ地マップや映画の紹介、そして相馬いとと桜ミクのコラボイラストもあって作品への期待も少ないことを感じさせてくれた。

 歩けば街の門門に映画のポスターも貼ってあって、6月の公開を待ち遠しくさせる。文庫版の解説を3冊とも手がけてはいるけれど、主人公がどういう場所で育ったかはまるで分からなかった。平原が続いて遠くに岩木山を望む弘前やら奥羽本線、そして春先でも寒さが感じられる青森の市街などを改めて見たことで、もしかしたら作品の印象に少し変化が出てくるかもしれないし、映画を見る目にも親近感めいたものが生まれるかもしれない。まずは小説判を読み返してみようかな。弘前城では天守に昇ったり北側の壕脇を歩いたりして桜と岩木山を堪能。帰りがけに弘前れんが倉庫美術館に寄ったらタカノ綾さんの新作が展示してあった。りんご娘もいたりする少女たちの躍動が感じられる作品。変わらずご活躍のようで幸い。


【4月24日】 出来ることは全てやるという割には10万円に続く給付金はまるで考えてなさそうな政府による緊急事態宣言を受けて、続々と大型連休中に予定されていたイベントが会場ごと中止になっていく。東京ソラマチで開催予定だった「ふしぎの海のナディア展 放送開始30年記念」が早くに中止を発表したと思ったら、松屋銀座で開催中の「アニメージュとジブリ展」も会場となっている百貨店への休業陽性が出たこともあってやっぱり中止に。会期がそもそも大型連休の終わりまでだったからとりあえず解除日と言われる5月11日を過ぎての再開とは行かず、次の宮城会場へと持ち越しになった。

 幸いにして前々日にのぞいていたから「ジブリとアニメージュ展」のために遠征はせずに済みそうだけれど、「ふしぎの海のナディア展 放送開始30年記念」は新潟での開催まで待って足を運ぶ必要がありそう。展示に特徴があってなおかつセル画とか原画とかが展示されているならこれはやっぱり見ておきたい。どういう風に整理がしてあれば即座に取り出し必要なカットを要求通りにならべられるのか。これは収蔵している時から考えておかないと、やっぱり嬉しくないことだから。「国宝 鳥獣戯画のすべて」はもとより行く予定がなかったらとりあえず安心。東京都現代美術館の「ライゾマティクス展」も会期が長いから開けたら行こう。

 これはさすがに休止にはならなかったけれど、緊急事態宣言下で東京から出ようとすると埼玉県境で検問を受けて射殺されてしまうかもしれないから、青森県は青森県立美術館まで「富野由悠季の世界:ロボットアニメの変革者 ガンダム、イデオン、ダンバインからGのレコンギスタまで」を見に行かなくちゃと、朝は午前5時に起きて支度をして総武線から東北新幹線を乗り継いで新青森へ。家から現地までが間の乗り換え時間なんかも含めると4時間30分なのは大昔の、上野発の夜行列車で青森駅に降りて明け方の青函連絡船に乗り換え函館に向かった時と比べると、遙かに早くて便利で近い。文明という奴は確実に進化していると思わされた次第。

 駅でホタテが乗ったソバをかき込んでからねぷたん号とかいうシャトルバスで10分ほどかけて青森県立美術館まで。以前から話題になっていた奈良美智さんの巨大な犬の像があるはずなんだけれどもそれは見ないで中に入って「富野由悠季の世界」を見出すとこれがなかなかに長かった。会場自体が神戸だとか静岡だとかに比べて広くなっているそうで、そこに富野監督の幼少時代から学生時代を経て大学生の頃に描いていた絵だとか撮ってた映画なんかがまず置かれ、あれで演出家である以前に美大生としてしっかり絵は描ける方なんだということを教えられる。

 実際に、中に入って飾られている絵コンテの絵はどれも巧みでなおかつ躍動感もあってアングルもばっちり。映画的素養の上に漫画的な素養もしっかりとあってこそのアニメーション監督。そこをすっ飛ばしてアニメで見た格好良かったり可愛かったりするキャラクターを並べていったところで映像になんてなるはずがないんだ。当たり前のことだけれど大量生産されていく中でこちらも次第に慣らされて、それで良くなっているところに昔ながらもアングルもストーリーも骨太で精緻な富野演出の画が来ると、情報過多で圧倒されて最初は拒絶感すら出てしまうものなのかもしれない。庵野秀明監督はそこを快楽に寄せて見たい絵、見せたい絵でもって構成しているから追っていけるんだ。お尻とかお尻とかお尻とか。あと股間とか。

 展示は記憶だと「鉄腕アトム」あたりから始まって当時の絵コンテがあって手塚治虫さんに脚本なんかない状態で絵コンテを切ってセリフも乗せて手塚さんに感心された話が添えられていて、やっぱり凄い人だったってことが窺えたけれどそこで1軍的な働きをしたかというと、メインから外れたところで活動をしていたのは天邪鬼な天才故か。そんな人だからこそあの徹底的にシニカルでショッキングな「海のトリトン」が生まれたんだろう。

 その絵コンテなんかを経て「勇者ライディーン」や「無敵超人ザンボット3」「無敵鋼ダイターン3」なんかを見せられ、「闇夜の時代劇 正体を見るの糸から毒めいたものを垂らされ口に入れられそうになった忍びの緊張しながら身もだえる演技、そして正体を見せて乱舞するくノ一のなまめかしさに卒倒。「闇夜の時代劇 正体を見る」は絵コンテからしてエロティックで、そのタッチに絵のうまさを感じる。

 そうこうしているうちに「機動戦士ガンダム」が登場して安彦良和さんによる原画やら大河原邦男さんによるメカニックの原案やらが一緒に並べられる中、富野さんの企画書が置かれてそこにしたためられた時代から状況から科学から含めた考証と構想の豊かさに驚く。ペラで適当に書き殴った企画書なんかもないでもない中、本当にひとつの世界をそこに作り上げ、キャラクターたちを於いてその背景まで練り上げた上にドラマを載せて作品として送り出す。

 そうまでするから物語自体に重みが生まれキャラクターたちにも深みが生まれる。誰かが作った漫画を原作にしたアニメが増えている中、オリジナルをやる大変さといったものを見せ、何者にも媚びず阿らないで自分の考えを形にしてきた富野監督というクリエイターの偉大さって奴がそこから強く感じられた。オリジナルだった「新世紀エヴァンゲリオン」が今に残っているのもそんな、原作とかに左右されない独自性がクリエイターの存在とともに語られ続けているからなんだろう。

 「機動戦士ガンダム」では第1話「ガンダム、大地に立つ」が上映されつつ安彦良和さんによる、ガンダムがビームサーベルと左手に持って飛び上がり斬りかかろうとするレイアウトを見ながら、同じシーンをアニメで見るという喜びを味わう。レイアウトでの迫力があってスピード感も躍動感も持った描線が、アニメでもしっかり動きとなって残っているのは原画の力か演出と撮影の賜か。それらがかみ合ったからこそのあの迫力になったんだろうなあ。

 劇場場3部作の展示もあって、第3部「めぐりあい、宇宙」でセイラさんがシャアから金塊とともに受け取った手紙を読んでベッドの上で上を向いて涙をこらえ倒れ込んで枕に顔を寄せる場面も原画があって映像も見られてあの絵にしてこの映像といった繋がりを感じさせる。アムロ、セイラ、シャア、ララアの4人が1枚の絵の上に分割されて描かれるカットも原画があって映像も流れて1枚の原画から4人分を抜いて撮影して編集してあのインパクトのある4人の邂逅を表現してのけたのは、そう支持をして演出をした富野さんの感性の賜って奴か。出崎統さんの繰り返しショットとかとはまた違った、ロボットバトルにキャラを切り出し重ねる手法も含めて富野さんの見せ方に迫れる展示だったけれどもここまでで1時間半以上が軽くたっていた。まだまだ続くのに……。


【4月23日】 持ち上がったと思ったら速攻で引っ込められたサッカーの欧州でのスーパーリーグ構想。UEFAが主催しているチャンピオンズリーグに不満があるらしい各国のビッグクラブが集まっては新しいクラブチームによるリーグ戦を立ち上げようって話だったけれども、日本のプロ野球とかアメリカのMLBなりMBAなりNFLと似てほとんどがチーム固定となってて一部は入れ替え制みたいな感じで、それこそ中堅サッカー国のリーグに所属するクラブチームがリーグで優勝なりして予選に出て、そこも勝ち抜いて本選に出るようなドリームは起こらず、すべてのチームが名目上はビッグイヤーに繋がっているという希望を断ちきられるという意味合いもあって、ビッグクラブのエゴだといった反対が起こっていた。

 なるほど確かにこの仕組みではイビチャ・オシム監督に率いられたSKシュトルム・グラーツが予選を勝ち抜いて本選に出てレアル・マドリードだとかインテルだとかと戦うようなドリームはまず起こらない。一方でレアルだとかにしてみれば中堅国のクラブチームをホーム&アウェイで戦う“面倒”を割け観客動員だとか中継だとかから得られるお金を減らさずに済むといった“利点”がある。そうしたことを考えた強豪クラブチームが寄り集まって、自分たちだけでリーグ戦をやろうと考えたのがきっかけだろうけれど、それでは1枚岩のUEFAなり上位のFIFAによる一元管理が崩れてしまう。もしもスーパーリーグに参加したなら既存の大会から閉め出すと言われ、あるいは出場した選手は国際大会からの登録すら抹消される可能性もあっては参加する方が無理だろう。

 脅しなんてなくても一枚岩のサッカーという組織の伝統にのっとり、自分たちは参加できないといった姿勢を見せたドイツのブンデス・リーガだとかフランスのリーグ1だとかは賢かったと言えそう。結果として英国のプレミアリーグからの参加がなくなり、イタリアのセリエAからもACミランやインテルの参加がなくなって、リーガ・エスパニョーラのスペインリーグの一部が未練を残す程度ですぐの立ち上げはなくなった。まあ当然。

 とは言えやっぱり燻る不満をどうするか、ってところでチャンピオンズリーグの改革も進んで、今のような4チームごのとホーム&アウェイによる本選1次リーグの形を改め、10試合による成績上位を上に上げるような形になって強豪チームどうしの対戦を増やし、それぞれに満足いくようにするとか。日本で中継を見ている訳ではないからそれがどれだけ嬉しいかは膚感がないけれど、とりあえず伝統は護持されつつ改革もあるところが欧州らしい。日本じゃ女子サッカーある意味でプレミアなWEリーグが立ち上がるけど、入れ替え等を含めた一枚岩な感じは担保されるのかな。我らがジェフユナイテッド市原・千葉レディースはWEリーグに参加するけど、J2に落ちてもう10年以上の男子とは違っていつまでも最上位リーグで頑張って欲しいなあ。

 飲酒禁止だなんて本質からズレた施策でもって本来の原因となっている大勢での飲食そのものは制限せず、個人でひとり飲んで食べて変えるような無害な飲酒飲食の道まで閉ざして批判も起こっている東京都の小池百合子都知事が、アル・カポネ時代の禁酒法に続いてまたしてもオールドファッションの施策を投入して東京都民に過去を思い出させて悶絶させている。夜の繁華街を出歩く人が減るようにと、街頭は残しつつネオンだとかイルミネーションだとか看板だとかの光を落とせと灯火管制をやるよう打ち出して来た。

 これでB−29なら街が暗くて爆弾を落とす場所が分からなくなるところだけれど、それでもそこが東京なら落とせばどこかに当たると焼夷弾をばらまけたように、新型コロナウイルスは場所も時間も気にせず拡散してはまん延するだけ。夜にいくら人の流れを抑制したところで、昼間に会社に行ったり学校に出かけたりする人が大勢いる以上は人の流れは減らせない。昼になれば大勢で連れ立って会食をするし、カフェだの夕方からの宴席だのがなくなるものでもないなら、結果はたいして変わらないだろう。ましてや本屋だとか映画館だとかクラスターの発生にこれまで関与していなかった業種を休業に追い込んで何になる。まったく訳が分からない。

 そうした本質に迫らず印象だけで試作を打ち出しやった気になる傾向がは、それを支持する人がいるから起こるもの。分かりやすさで持ち上げたり落としたりする心の浮動を抑えない限り、ポピュリズムは蔓延ってこの国はどんどんと王道を逸れていくことになるだろう。落ちるのはどこだ? それは国全体も同様か。夜に菅義偉総理大臣が会見をして自身では再びだけれど実態は3度目の非常事態宣言を行って理解を求めようとしたものの、夏のオリンピックに関しては止めるとは言わずどうにもチグハグなところを見せている。ゴールデンウィークだなんて短期間だけ止めたところで、宣言か解除されれば3月と同様に会食も宴会もカラオケだって増えて患者数は増加するだけ。6月には今と代わらないかそれ以上の感染者数が出るだろう。

 そうなっても直前だからと開催を強行するのか? それも手としてはありだけれど、国民にほとんどワクチンの接種が進んでいないウイルス修羅の国にたとえワクチンを接種したからといって選手を送り込みたい国があるのか、行きたい大会役員やメディア関係者がいるのか。野口英世が南米やアフリカに乗り込んでいったような覚悟が必要ならさすがに行きたくないとボイコットが始まり、結果として一部の国とそして日本人選手が観客もいない中を走って投げて競技する、東京国体めいたものが開かれるだけなんじゃないかなあ。早速オーストラリアの水泳連盟は高飛び込みのプレ五輪大会への参加をボイコットして来たし。早く決めないと恥は何倍にもなると知れ。
 何度かインタビューをしたことがあるから、萩尾望都さんお口調はある程度感じているけれどもどういった思考までかはなかなか伺い知れなかった。大泉で他の少女マンガ家たちとわいわいやっていた時代にあった出来事について振り返った「一度きりの大泉の話」(河出書房新社)を読んで、萩尾さんがあらゆることに冗談だとか衒いだとかいったことはなく正直に向き合って、あまりに向き合い過ぎていて言葉によって説明したり理解を求めたりすることがなかった中で、受けた反応に対してスルーもできずかといって反論もしづらい中で溜め込んで、心を痛めてしまったんだなあってことが見えてきた。なるほどこういう性格の方だったんだ。そうした心境が50年、積もってしまった今からだとやはりどうしようもないんだろう。それにしても創作家2人がぶつかり合うと起こることはアルルでのゴッホとゴーギャンと同じだなあ。難しい。


【4月22日】 やっぱり見ておかなくちゃと松屋銀座で開かれている「アニメージュとジブリ展」へと言ったら10時半からという時刻がさらに細分化されていて、11時40分からの入場だったので近所を歩いてキヤノンのショウルームでカメラを見たり吉野家で頭大盛りの牛丼を食べたりして時間を潰してから再び松屋銀座の8階へ。まだちょっと時間があったので陽射しが気持良いテラスで呆然としていたら、眠りそうになったので気合いを入れ直して会場へと出向いて、少し並んでから中に入る。「アニメージュ」の表紙だあ。

 1980年代あたりがやっぱり多くてだいたい見知ったものばかり。憧れだったマチルダさんが表紙の奴とかは手に入らなかった記憶だけれども「超時空要塞マクロス」が流行り始めてからのリン・ミンメイが仰向けになった表紙だとか、早瀬美紗さんが電話をかけている表紙だとかは確か買って持っていた。早瀬さんのは何しろあのマクロストランプが付属していて美樹本晴彦さんによるイラストがカードの枚数だけあってもう当時はお宝だった。アニメ的な表現とはまた違った、けれども漫画的でもない独特なタッチの美少女だとかイケメンはやっぱり新しかったなあ。貞本義行さんよりもやっぱり僕は美樹本晴彦さん派って感じかも。

 展示ではアニメージュの中吊りがやっぱり楽しい。通っていた地下鉄なんかでよく見かけたっけ。「風の谷のナウシカ」がプリントされた紫色の中吊りは確か外して頂戴して机の上に透明シートの間に挟んで入れていたけどその後どうなっただろう。トランプもだ。中吊りを全部持っていたらそれこそ数千万円で売れたかもしれないなあ。それくらい素晴らしい絵柄とデザインの中吊りだった。ほか「ルパン三世カリオストロの城」があり「天使のたまご」があって「風の谷のナウシカ」「機動戦士ガンダム」と重鎮たちによる代表作が並ぶ展示室には、アニメージュから離れてそれぞれの作品のレイアウトだとか原画だとかセル画が並んでアニメの美術展になっていた。これは貴重。そういった資料を取り出し並べられるうようにしているのは誰なんだろう。やっぱりジブリ美術館? それともアニメスタジオ? 学ばなくっちゃ。

 安田成美さんが歌う「風の谷のナウシカ」のイメージソングが流れる中を通り抜けて物販では懐かしのマクロストランプを購入。さすがにロリコントランプは復刻していなかったか。あれば「となりのトトロ」のポストカードセットなんかも欲しかったなあ、映画になるずっと前にイメージボード的な物が作られていたんだ。その世界観はちょっぴり牧歌的すぎて宮崎駿監督のアクションとはかけ離れていてピンと来なかったんだけれど、後に映画となったら代表作となってスタジオジブリのマークにもなってしまった。世代を超えて愛される作品ってことになるんだろう。そういうのを逃さず世に出すところが鈴木敏夫プロデューサーの商売人気質って奴なのかも。

 遅れて三鷹に行って仕事をこなしたあと、いよいよ緊急事態宣言が出て夜の上映がなくなるかもしれないんでアップリンク吉祥寺に酔って「JUNK HEADO」を見る。なるほどこれは凄い。ディテールが完璧でマテリアルも完璧でモーションも完璧ならストーリーもディレクティングも何もかもが完璧すぎる。それをほとんど1人がこつこつと作り上げたことにただただ驚かされる。スタジオライカがどれだけの金と手間と人間をぶち込んであれらを作っているのかを思うとそれに比べられるだけの中身を持ったストップモーション・アニメーションになっていた。

 これをほとんど1人で作り出せるならおなじだけの金と手間と人間をかけたらいったいどらくらいの作品になるかというと、船頭が多ければそれだけ混乱も起こるだろうからもすも続きを作るとしても、1人の才知が隅々にまで行き渡る体制だけは守った方が良いかもしれない。ストーリーについて語るなら滅びかけた世界で未来を打開するために地下深くで生きる生命から遺伝子を得ようと調査隊が送り込まれたものの途中で破壊され首だけになって転がったところをロボットめいた姿にしてしまう。

 そして始まる冒険は奇妙な静物たちが蠢く世界で逃げたり戦ったり出会ったりするといったストーリーの中に地下ならではの奇妙な生態系がありガンアクションからバトルアクションまでさまざまなアクションがありサバイバルがありラブもあるといったところ。赤いコートを着たあれは少女と言って良いのか分からないキャラがきっと持ってる生存への鍵が後の話で大きく物を言うことになるんだろう。

 そんな続きが見られるかはまだ先の話。地下で生存のためのヒントを得たところで世界全体は救われるのか。そして少女は。いろいろと気になる。それにしてもやっぱり凄いモーションの巧みさとセットや小道具や衣装のリアルに近い質感。これらを例えば「9〜9番目の奇妙な人形〜」のようにフル3DCGで作ってしまっては、ジャンク感こそ似通ったものになりながらも伝わる息づかいのようなものは違っていたんじゃないかなあ。物質至上主義者ではないけれど、やっぱりストップモーションアニメーションが持つ空間の質量はフィルムを通して映像になっても残るのだ。

 しかし緊急事態宣言を出すのは良いとして酒類を昼間も含めて提供禁止にするとか東京都知事、いったいどんな権限でもってそんなことをやれるのか。営業を停止するなら代わりに補助金を出すことすら嫌がりながらもそれでは訴訟ものだとなればやっぱり出さざるを得なかったりした訳で、1日に6万円だかをもらって店を閉めてたのが前の緊急事態宣言下のことだった。その時ですら酒類の提供は行われていたけれど、どうにも酒を飲む行為が集団でマスクもしないで騒ぐ状況を生み出すとでも思ったのか、それを断とうとして来たらしい。

 いやいや酒類がなければノンアルでも集まって騒ぐのが騒ぐ奴らの特徴。一方で1人で来て酒とつまみを静かにやって帰って行く人もいた訳で、そういう人たちの生活権を奪い私権を縛る権利が都にはあるのか。破ったらどんな罰を下せるのか。そんな曖昧な施策をさも正義のように行い集団による嫌悪を誘って排除する。これがファシズムでなくてなんだろう。もちろん集団で酒を飲んで騒ぐ奴らが悪いんだけれど、だからといって私権を制限する振る舞いを許せば禍根を残すことは間違いないし、すでにこれが禍根となっている。いずれさらに国のためんとかいった理由から私権が縛られ動員されて連れて行かれるんだろう、地獄へと。


【4月21日】 「幼女戦記」のターニャ・デグレチャフから「蜘蛛ですが、なにか?」のわたしへと連なる異世界転生ヒロインのキャラクターボイスを共に務めた悠木碧さんが今また新しい異世界転生ヒロインを演じている「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」のヒロイン、アズサ・アイザワを演じたアニメが配信スタート。ターニャのような含みもわたしのような喧噪もないのんびりとした役柄だけに、特徴が出にくいといえば出にくいけれども安定した声を聞かせてくれるところはさすがに名優。3者3様の異世界転生ぶりって奴を楽しませてくれている。次は何を演じてくれるかな。

 誰も彼もが「ウマ娘」へと靡いている状況で、スポーツ新聞なんかも競馬面に「ウマ娘」をモチーフにした記事を掲載して話題をとっている最中にKADOKAWAが出している「サラブレ」が休刊との報。ちょっと前に「ウマ娘」特集なんかもしたそうで、これからさらに盛り上がってくるビッグウェーブに乗って延命を図るかと思われていただけに、それ以上の厳しさが競馬界を取り巻いているのかもといった想像も浮かぶ。まあ「けものフレンズ」で動物園業界が盛り上がったとはいっても1年くらいで波は終わってしまったから、「ウマ娘」だって来年はどうなっているか分からないと言えば言えるか。

 「サラブレ」は確かアスキーから刊行されて、ゲームの「ダービースタリオン」なんかの特集も豊富でオグリキャップ以後に盛り上がっていた若年層の競馬ファンなんかも抱えてそれなりな数字を挙げていた。アスキーの内紛で「週刊ファミ通」を率いていたチームが抜けてアクセラを設立して「クリゲ」を創刊してもその地位は揺るがずアクセラがしばらくたって潰えた後も雑誌は続いて遂に四半世紀を達成し、「週刊アスキー」なんかよりも余程長く続く雑誌となっていたもののやっぱり昨今の新型コロナ騒動による競馬そのものの沈滞からは逃れられなかったのか、それともKADOKAWAで進む見直しの中で存在感を低下させていたのか。

 分からないけれども昔だったら「ウマ娘」の追い風を取り込んで1年くらいは寿命を延ばしたかもしれない。まあある程度は既定路線だった途中に少しの追い風では足りないと感じたのかもしれないけれど。すで報知新聞から出ていた「ファンファーレ」は無く、残る競馬雑誌は「優駿」「競馬ブック」「週刊ギャロップ」あたりか。その「週刊ギャロップ」も発行元が続々と媒体の整理を始めていて、「フジサンケイビジネスアイ」の休刊が決まった流れでいよいよといった話も風聞として流れているからさらに細る可能性もあるのか。

 競馬情報の一方の中心であるスポーツ紙でも「東京スポーツ」がいよいよ大変で3分の1をリストラする方針を発表して話題になっている。オリンピックで立て直しをするはずだったのがどん底へ。株式関係では「日刊証券投資新聞」と並んで読者を持っていた「株式市場新聞」が紙を止めたそうで、いよいよ新聞業界へも大再編の波が押し寄せることになるかなあ。とりえず注目は一般紙の世界で起こるだろう変化か。毎日新聞が北海道での刊行を停止するなり地方での夕刊を止めるうなりするのか、それとも産経新聞が東京での刊行をやめて大阪オンリーになるのか。要注目。

 新型コロナウイルス感染症といえば大阪で4月18日に1219人もの感染者を出して過去最高を記録したと思ったら、21日は1242人でそれを上回って来た。東京の過去最高には及ばないとしてもその東京が843人で“耐えて”いるのに比べると、増え方が大きくて絶対数でも上回っているあたりに大阪のちょっと大変な状況が伺える。緊急事態宣言をいち早く解除した途端に騒いで浮かれた挙げ句に増え始めた大阪では、4月5日にまん延防止措置なんて権限も何もない努力目標めいたものを掲げたもののそれで収まる世の中ではなかったようで、2週間が経っても減り始めるどころか逆に増えていく一方。ここをピークに減る傾向が見えるならまだ効果もあったって言えるから、あと数日は様子を見たいところだけれども1000人規模が続くようならいよいよ政治へも突き上げが起こるだろうなあ。

 東京も東京で増えていることには違いがなく、緊急事態宣言を要請するそうでまたしても午後の8時には飲食店が閉まる中、通っている三鷹にある居酒屋で夕方に売り出す500円なのにボリュームたっぷりの弁当が復活して、夜のご飯に困らなくなるかもしれないなあ、ってそうやって東京に通うことすら困難になるのかな。小池百合子知事は東京に来てくれるなって言っていたけど、感染者が多いのは東京なんだから逆に周囲が東京から出てくれるなって言うのが筋なんじゃ。でもそれをやると東京経由で千葉から各地へと出られなくなるんで困るかも。青森に行くとしたら武蔵野線で南浦和に出て大宮に行ってそこから新幹線を使えば引っかからないかな。どうしようかな富野由悠季展。



(ACCESS COUNTER '96.07.20)


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