全米ベストセラー小説の映画化という作品。
レニー・ゼルウィガー、ミシェル・ファイファーが出演ということで惹かれたのですが、予想以上にシリアスなストーリィ。
主人公であるアストリッドは、アーティストである母親イングリッドとの2人暮し。ところが、イングリッドが愛人を殺害して刑務所に収容されたことから、施設と里親との間を転々とする生活が始まります。
母親は真から自分のことを愛してくれていると信じていたアストリッドですが、純粋に自分を愛してくれたクレアを母親が追い詰めたことを知って以来、母親の愛情に疑念を抱くようになります。母親が愛しているのは母親自身のみ、娘は自分の付属品としか所詮思っていないのではないかと。
母親の影響から訣別し、真の愛情とは何かを知ったアストリッドが自立していくストーリィですが、それにしてもかなりシリアスなドラマ。
強烈な個性をもった母親をミシェル・ファイファーが演じていますが、このファイファーというひと、ちょっとの違いで善人も悪人にも成りうるのではないか、すこぶる迫力を感じる女優です。
気のいい善良なクレアを演じているのが、レニー・ゼルウィガー。イメージと会わないでもないが、レニーらしいとぼけた面白味のない役回りが残念。
主人公・アストリッドを演じたアリソン・ローマンが光っています。難しい役どころを新鮮に演じたと言って良いでしょう。ミシェル・ファイファーに充分伍した、という印象ですから、充分評価できます。
2003.11.03
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