“ロイヤル・セブンティーン”★★
WHAT A GIRL WANTS
(2003年アメリカ映画)

監督:デニー・ゴードン
原作戯曲:ウィリアム・ダグラス・ホーム
脚本:ジェニー・ビックス、エリザベス・チャンドラー
出演:アマンダ・バインズ、コリン・ファース、ケリー・プレストン

 

平凡そうですが十分楽しめる、ハートフル・コメディ作品。

主人公は、ニューヨークのチャイナタウンに住む17歳の女の子、ダフネ。
母親ひとりに育てられたダフネの幼い頃からの夢は、父親に会うこと。そんなダフネが17歳になって一大決心し、一人でロンドンへ父親を訪ねていきます。
彼女の父親はヘンリー・ダッシュウッド卿。折りしも貴族議員を辞し、下院議員への立候補を決めたばかり。そのうえ、娘付き女性との婚約も発表されたところ。
そんな微妙な時期に、天衣無縫なアメリカの下町娘がいきなりイギリスの上流社会に飛び込んだことから、当然の如く騒動が持ち上がり、父親も境地に陥るというストーリィ。

今までにも幾らでもあったようなストーリィです。最近では、メグ・キャボット原作の「プリティ・プリンセス」を思い出します。
平凡なコメディに終わりそうなところを見応え十分な作品にしているのは、何といってもダフネの父親ヘンリー・ダッシュウッド卿を演じるコリン・ファースの好演。
存在すら知らなかった17歳の娘が突然出現した驚き、娘へどう対して良いのか困惑する不器用な独身男性を見事に演じています。また、ダフネに引きずられるようにして、ヘンリーが徐々に本来の自分を表に出してしまうところが、とても楽しい。とくに、鏡の前のシーンは圧巻! コリン・ファースの芸達者ぶりを証明するようなシーンです。

ダフネ、ヘンリー以外の登場人物の配役も適材適所で気持ち良い。ダフネの母親リビー、ダフネのボーイフレンドとなるイアンは清々しく、敵役となるヘンリーの婚約者母娘はいかにも憎々しい。
ストーリィ中イアンが唄う挿入歌も、本作品の雰囲気を盛り上げてくれます。

繰り返しみても飽きることなく楽しい、そんな私の好みに合う作品。

2004.05.05

      


  

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