“幸せへのキセキ” ★★☆ 監督:キャメロン・クロウ |
英国の人気コラムニスト=ベンジャミン・ミーとその家族の実話だそうです。
半年前に死んだ妻・母親の喪失感を未だ引きずっているベンジャミンと、息子のディラン、幼い娘のロージーという3人家族が主人公。 中でも強く母親の死の影を引きずっているディランがついに高校退学となったことを契機に、ベンジャミンは妻の面影が残る自宅や近所からの転居を決心します。ところが購入した郊外の住宅というのが、何と前所有者の遺言によって動物園付き! 原題はその事実そのものなのですぐ判りますが、「幸せへのキセキ」という邦題では何のことか判りませんよね。 本作品を観に行った動機は単純、助演のスカーレット・ヨハンソン狙いです。また、主役のマット・デイモンも好きですし。 日本で動物園付の家を買うなんてとても考えられないことですが、アメリカという国ではそんな信じ難いことがあるんですね。 その結果は当然のごとくにして、主人公ベンジャミンは動物園のいろいろな経費支出に追われ、貯金はみるみる内にゼロへ。 一方、ロージーは鳥や動物たちに親しみ、ディランも飼育員仲間の同年代少女との交流で徐々に自分を取り戻していきます。 家族再生の物語ではあるのですがそこは風変わりにも、主には動物園再開を目指してのベンジャミンや飼育員たちの奮闘、そしてそのことを通じて人と人が交わることの喜び、幸せを皆が共有していく物語、という趣向。 マット・デイモン、地味な俳優ですが、主人公ベンジャミンの朴訥ぶりを演じるには最適。良い演技を見せてくれます。 また、飼育員のチーフ・ケリーを演じるスカーレット・ヨハンソンが、マット・デイモンと組んで良い味を出しています。この2人の演技に観応えあり。 お薦めしたい、信じられないような実話の家族物語です。 2012.06.09 |