離れ離れに育った双生児の男の子がロンドンの博物館でばったり出会う。そこから始まる冒険サスペンス・ストーリィ。
養護施設にいるトムは、ある晩子供が密かに連れ出されているらしい現場を目撃し、一味から追われて養護施設を逃げ出す。
一方、トムとそっくりな男の子トーマスは、貧乏画家である父親との2人暮し。
2人とも夢の中で友達だったトーマス、トムの本物と出会ってびっくり仰天。
トーマスはトムを家に連れ帰り、2人での入れ替わりを繰り返して楽しむ。
ところが、トーマスがトムに間違えられ一味に誘拐されたことから、後半は息を呑むサスペンスが展開されます。
大人顔負けのトムの大活躍が凄い! 大人が演じるハードアクション・サスペンスと比べても、本作品の思わず手を握ってしまうスリルは少しも引けをとりません。
2人が初めて現実で出会う場面、2回目の場面もお見事! うまい演出です。
前半はユーモラスな展開、後半はサスペンス溢れる展開で、2重の楽しみが味わえます。
お互い知らないままに育った双生児が偶然再会してのストーリィというと、「ファミリー・ゲーム」(原作:ケストナー「ふたりのロッテ」)が思い出されますが、同作品が女の子らしくロマンティック・コメデイーなのに対し、本作品は男の子らしくファンタジー・サスペンス。
そして何といっても魅力なのは、トム・トーマスの二役を演じるアーロン・ジョンソンの愛らしさ、上手さ。
ケストナー作品が好きな方なら、是非お薦めです。
なお、本作品はシカゴ国際子供映画祭での受賞作。
2005.02.26
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