ニコラス・ケイジ主演ということで期待したのですが、ほんのりしたところも気持ちの良いところも全くない映画。
ニコラス・ケイジ演じる主人公は、何かと汚い言葉ばかり吐き、率直に言って極めてイヤな奴である。その彼がもがき続け、事態をさらに悪化し続けるストーリィと言っても良い。
それでも見続けることになる良さもあるのです。それが何かをうまく説明するのは難しいのですが、その中の一つの理由は、主人公の父親役を演じるマイケル・ケインの存在。
このマイケル・ケイン、見た映画は皆脇役ばかりですが、作品を締めていて実に良いのです。いつの間にかファンになっていて、本作品を観たのはニコラス・ケイジよりマイケル・ケインに惹かれたというのが本当のところなのです。
主人公は離婚した妻と、妻と一緒に住む息子・娘ともう一度やり直したいと思っているのですが、結局その夢は叶わない。その事実を突きつけられた時に主人公が抱える喪失感はかなり大きなものらしい。これって、現代アメリカ社会で多くの人が繰返していることではないか。
主人公はTVの天気予報キャスターですが、その仕事自体は重要なテーマではありません。でも、飲み物や食べものを散々投げつけられて主人公が鬱憤を溜めていく原因にはなっているようです。
2006.07.22
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