“一枚のめぐり逢い” ★★☆
The Lucky One
(2012年アメリカ映画)

監督:スコット・ヒックス
原作:ニコラス・スパークス

脚本:ウェル・フェッターズ
出演:ザック・エフロン、テイラー・シリング、ブライス・ダナー、ライリー・トーマス・スチュワート、ジェイ・R・ファーガソン

 

主演のザック・エフロン狙いで観に行った作品。

ザック・エフロン、初めて知ったのは「ハイスクール・ミュージカル」でした。若々しく青春ミュージカルの主役を務めていました。その時は好感は持ったもののさほど強い印象を受けた訳ではありませんでしたが、注目したのは群像劇「ニューイヤーズ・イブ」(2011)での演技を観て。「ハイスクール」の時とは髪の色が変わってグッと男っぽい印象になっていましたが、若い割に大人っぽく、そして深みのある演技に魅せられました。

さてストーリィ。
イラクに派遣されていた海兵隊のローガン・ティーボウ。戦場のがれきの間に落ちていた女性の写真を偶然拾ったところ、そのちょっとした動作のおかげで命拾いをすることになります。
帰国したローガン、写真の女性を命の恩人であると思い、ひと言お礼を言いたいと訪ね歩きます。そしてついにその相手=ベス・グリーンを探し当てますが、彼女は離婚して息子ベンと祖母との3人暮らし、犬の訓練施設を経営しているシングルマザーだった
ローガンはそのベスにやってきた理由を言い出せないまま、ベスの元で働くことになります。そしてローガンは、ベスが今なお戦死した兄の悲しみを引きずっていることを知ります。
最初ローガンのことを不審の目でみたベスと、何も言えないまま誠実に働き続けるローガンとの間でいつしか静かに愛が育まれていく、というストーリィ。

ドラマチックなところはなく、ごく普通の男女の間で、少しずつ好意が芽生え、やがて恋に育っていく、その静かな過程が本作品の見どころ、観ていてその時間が実に貴重に感じられる程です。
ザック・エフロンの引き締まって大人びた演技が実に良いのですが、相手役を務めるテイラー・シリングも中々の好演。

※そういえばどことなく、スパークスの処女作「きみに読む物語」の後味と似ている感じがあります。

2012.06.23

        


  

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