“リトル・マーメイド ★☆
The Little Mermaid
(2023年アメリカ映画)

監督:ロブ・マーシャル
原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン
脚本:デヴィット・マギー
出演:ハリー・ベイリー、ジョナ・ハウアー=キング、アート・マリク、ノーマ・ドゥメズウェニ、ハビエル・バルデム、メリッサ・マッカーシー

 

今更言うまでもなく、アンデルセンの名作童話のひとつ。
ディズニーで既にアニメ映画化されていますが、今回は実写版。

アンデルセン童話、好きです。ただ、アンデルセン童話には切ない話が多く、とくに本作の原作「人魚姫」は特に切なく、哀しい。そのため、どうも避けてしまう処があるのですが、海の中の世界を描く特撮撮影に見るものがあるらしいとのことで、観に行きました。

原作は悲劇ですが、そこはディズニーものらしく、ハッピーエンドに変えられています。
ただ今の時代、人間の姿を得て、憧れの王子様と結ばれたということだけでハッピーと言えるのか、と感じます。
その点、制作側も意識しているのでしょう、最後に人間世界と人魚たち海の世界との融和が謳われていますが、取っ付けたという感じは否めません。

本作を一言で語ると、ディズニーらしいファンタジー物語に、アンデルセン「人魚姫」のエピソードを当てはめた、というところでしょう。

なお、本作で観応えがあったのは、ハリー・ベイリー演じる主役のアリエルや、ハビエル・バルデム演じる父親のトリトン王ではなく、メリッサ・マッカシー演じる魔女アースラ。
アリエルを超える予測不能な泳ぎ、変化、最後の対決シーンと、まさにこれこそ醍醐味、という印象でした。
まぁ、悪役が主人公を喰ってしまうというのは、「ダークナイト」の例でも時々あることですが。

これから観に行く方には、魔女アースラを堪能してください、とお薦めします。

2023.06.17

           


   

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