スパイ映画“キングスマン”の過去に遡る、誕生秘話もの。
過去2作「キングスマン」「キングスマン:ゴールデンサークル」についてはかなり荒唐無稽なところがありましたが、本作は主役のレイフ・ファインズの役柄もあってか、かなりシリアスな印象。
そもそも、第一次大戦勃発の背景をめぐる陰謀に、英国貴族とその召使たちのチームが立ち塞がるというストーリィで、かなり歴史的事実を織り込んでいるところがとても大きい。
具体的には、フェルディナント大公の暗殺事件、ラスプーチンの登場、西部戦線、ロシア革命の勃発といった歴史的事件が描き込まれていて、当時の歴史絵巻を見る思いです。
また、英国王=ジョージ、ドイツ皇帝=カイゼル、ロシア皇帝=ニコライという国王3人を並べてみせ、最後に生き残ったのは英国王だけだった、という対比の視点も面白い。
それにしてもこのチームの強力な武器が、諸国にまたがる召使たちによる情報ネットワークというのが面白い。いかにも英国的と感じた次第です。
さて、本シリーズ、次作もあるのでしょうか? 期待したいところです。
2021.12.27
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