“フレンチ・ディスパッチ” ★★ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 The French Dispatch (2021年アメリカ映画)
監督:ウェス・アンダーソン 原案:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ、ヒューゴ・ギネス 脚本:ウェス・アンダーソン 出演:ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、ビル・マーレイ
フランスの架空の街に支社を置くアメリカの新聞「カンザス・イヴニング・サン」。ここで発酵する別冊・雑誌「フレンチ・ディスパッチ」は政治からアート、美食まで取り扱う知的な雑誌で、執筆者たちは一流ぞろい。 ところが、創刊者である名物編集長=アーサー(ビル・マーレイ)が仕事中に急死してしまう。 その結果同雑誌は廃刊されることに。しかし、その前に追悼号の発刊が決まります。レポートが1つ+ストーリィ3つという内容。 その3つのストーリィが、映画の中でオムニバス形式で綴られていきます。 第一話は、殺人罪で収監中の画家が女性看守(レア・セドゥ)の全裸画を描くというもの。 第二話は、学生運動にかかわる学生(ティモシー・シャラメ)の、はるか年上女性との関係と、若い女子学生との恋愛を描いたもの。 第三話は、警察食堂のシェフを取材しようとしていたところ、署長の息子が誘拐されるという事件が発生、記者がその騒動に巻き込まれるというもの。 どのストーリィにおいても、登場する人物たちは無表情に行動し、言葉による説明が余りない。よく分からないと言えば分からなくもあり、ヘンに生真面目なところが面白いといえば面白い。 これはもう、アメリカ映画の笑いではなく、ヨーロッパ映画の笑い、ですね。 十分理解しないまま観終わってしまいましたが、観終わってから何となく可笑しみを感じ、その可笑しみを十分理解して観ていなかったことに悔いが生じる、といった映画です。 かなり、独特な面白さを有した作品です。
2022.01.30
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