“カラーパープル ★★★
The Color Purple
(2023年アメリカ映画)

監督:プリッツ・バザウーレ
原作:アリス・ウォーカー
脚本:マーカス・ガードリー
出演:ファンテイジア・バリーノ、タラジ・P・ヘンソン、ダニエル・ブルックス、コールマン・ドミンゴ、コーリー・ホーキンズ、ハリー・ベイリー

 

ピューリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの原作をスティーヴン・スピルバーグ監督が1985年に映画化。その名作映画を元にしたミュージカルがブロードウェイで大ヒット、それを今度はミュージカル映画に仕立てた、といのが本映画。

舞台は米国、時代は1900年代初頭。
白人による黒人差別がまだ色濃かった時代に、黒人女性は同じ黒人である男性から牛馬同然、あるいは奴隷のような扱いを受けていた、という過酷な境遇を長い年月にわたって描いたストーリィ。

主人公のセリー、(父親が誰なのか疑問なのだが)2人の子供を産んだものの、産んですぐこれは俺のものだと父親から取り上げられ、彼らがどうなったのかも知らされないまま。
そして牛馬の引き換えに暴君であるミスターの元に嫁に行かされ、嫁いだすぐその日から、奴隷同然に先妻の子3人の世話をさせられます。
そのうえ深く愛し合っている妹のネティーとも切り離されてしまう。

自分は美人でも何か取柄がある女でもないから仕方ないと、奴隷同然の扱いに甘んじて生きるセリーでしたが、やがて自分とは異なり周囲に敢然と自分を主張する、型破りな女性たちと出会うことになります。
彼女らとの交流により、セリーも少しずつ変わっていきます。そしてついに・・・・。

セリーの余りに過酷な境遇に胸が詰まる一方、自分のために闘い続ける黒人女性たちの姿に感動させられます。
また、彼女たちのパワフルな歌、踊りが圧巻
のミュージカル。

女性を虐げてもそれが当然のことと都合よく信じ込み、その是非を顧みることもない男たちの姿は、現代の頭の固い、今も女性蔑視の発言を繰り返す年配男性たちの姿に通じます。
つい先日も、どこかの地位だけは偉い男性が本音を失言していましたが。

2024.02.12

           


   

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