“スター・トレック” ★★
Star Trek
(2009年アメリカ映画)

監督:J・J・エイブラムス
原作:ジーン・ロッデンベリー
脚本:
ロベルト・オーチー、アレックス・カーツマン
出演:
クリス
・パイン、ザカリー・クイント、エリック・バナ、ゾーイ・サルダナ、カール・アーバン、ジョン・チョー、サイモン・ペッグ、レナード・ニモイ

 

TVドラマの「スター・トレック」が1966〜1969年。当時「宇宙大作戦」という邦題で放映されていたこのシリーズを、中学生だった私は大好きで毎週必ず観ていました。
そのTVドラマが映画化されたのが1979年。TVドラマと同じウィリアム・シャトナー、レナード・ニモイらが出演したこの映画、もちろん映画館に観に行きました。
それから30年、今回の「スター・トレック」は、キャプテン・カークを未だ若い士官候補生に設定したストーリィ。もちろんバルカン星人と地球人との混血児スポックも登場し、カークとは互いに反発・対立し合う関係として描かれます。

若いジム・カークが主人公ということで軽いSFアクション映画と思い込んでしまい、見送るところでしたが、思い直して観てみたら、予想以上に面白かった。
これまでの「スター・トレック」ものの内では最高傑作と言って良いのではないでしょうか。

何が良かったかと言えば、カークを若く無鉄砲な士官候補生という設定にしたところ。
宇宙船USSエンタープライズ号を舞台にした科学的なSFストーリィであるが故に整い過ぎている観のあった「スター・トレック」に、若さと人間味溢れる無鉄砲さを加えたことによって俄然面白くなった、という印象なのです。
もちろんVFXという撮影技術の躍進が大きいことも事実ですが、若いカークだからこそ、肉体を使ったアクションも味わえるところが楽しい。
また、スポックの故郷であるバルカン星が破滅した事情、カークとスポックの間に友情が芽生える過程という、原シリーズで明らかになっていなかった部分を本作品ですべて明らかにしたという点で、事後ならぬ事前ストーリィ映画として見事な出来です。

主演のクリス・パインが好演。本作品の魅力は、彼の演じる駄々っ子風なジム・カーク像によるものと言って過言ではありません。また、後半、初代スポック役のレナード・ニモイのゲスト出演があることも古いファンとしては嬉しい。
過去の「スター・トレック」を知らなくてもそれなりに楽しめる宇宙SFアクション映画だと思いますが、原シリーズを知っていればこそ大いに楽しめる映画であると言って間違いないでしょう。

2009.06.20

       


  

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