“プリティ・ヘレン” ★☆
RAISING HELEN
(2004年アメリカ映画)

監督:ゲイリー・マーシャル
脚本:ジャック・アミエル、マイケル・ペグラー
出演:ケイト・ハドソン、ジョン・コーベット、ジョーン・キューザック、ヘイデン・バネッティーア、スペンサー・ブレスリン、アビゲイル・ブレスリン

 

何でもかんでも「プリティ」という題名をつければ売れる、というものでもないだろうと思うのに、相変わらずの安易な邦題。
それでも観たのは、ケイト・ハドソン主演であるところに期待して。

次姉夫婦が3人の子供を残して交通事故死。その次姉が遺言で子供たちの親権者に指名していたのは、ベテラン母親の長姉ジェニーではなく何と妹のヘレン。
ニューヨークのモデルマネジメント会社の敏腕エージェントとして働き、きままな一人暮らしをしていた独身のヘレンが、3人の子供を突然養育する羽目になって混乱、ストレスが募るのは当然のこと。子守に振り回されて仕事をしくじり、会社まで首にされてしまう。
こうした展開は決まりきったルールのようなもので、とくに目新しいところはありません。
芸達者なケイト・ハドソンをもってすれば、彼女が見事に演じるのも当然のことであって特に目を瞠るようなこともない。

注目すべき点は、親権者に指名されて呆然とするヘレンの一方で、自分を無視されたようで釈然としない思いを抱える長姉の存在でしょう。この長姉ジェニーを演じるのがベテラン、ジョーン・キューザック。
3人姉妹の母親も早くに死んでおり、実質ヘレンの母親役を務めたのが長姉ジェニーだったというのですからジェニーのこだわりは深い。それなのに何故次姉は自分の大切な子供の親権者に子育て経験もないヘレンを指名したのか。
ヘレンと長姉間の葛藤。葛藤があっても時には長姉に助けを求めざるを得ない。そしてヘレンを指名した次姉の意図、これが本作品の興味どころと言えるでしょう。

ケイト・ハドソン主演の割には意表をつく面白さがなかった点が期待外れ。それでもケイト・ハドソンには観ているだけで充分な魅力がありました。

2006.09.03

 


  

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