“プロメテウス” ★★☆
Prometheus
(2012年アメリカ映画)

監督:リドリー・スコット
脚本:ジョン・スペイツ、デイモン・リンデロフ

出演:ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリーズ・セロン

 

世界各地にある古代遺跡にて共通して示されていたある天体。
人類の起源を求めて地球を旅立ち、冬眠装置で長い年月を過ごし漸くその未知の惑星に辿り着いた探査チームと、彼らがそこで見出した驚くべき真実を描いたSF大作。
いやぁー、凄い作品でした。観終わった時に思わず漏らしたのはその一言。
物語としても凄いし、映画としても凄い、ということに尽きます。

時代は2093年、遺跡に残されたのは地球外知的生命体からの招待状と信じたエリザベス・ショウら科学者たち。そして、創造主に会いたいと願う巨大企業ウェイランド社の老トップ。
ウェイランド社が出資した宇宙船の名前が“プロメテウス号”。

主人公のエリザベス・ショウを演じるのがノオミ・ラパス、科学者たちと一線を画すウェイランド社派遣の冷徹な女性メレディス・ヴィッカーズを演じるのがシャーリーズ・セロンという次第。
未知の惑星、そして彼らが何らかの理由で全滅したらしいその謎、科学者たちの足元で蠢く有機体というのも不気味ですが、それ以上に不気味なのは、長い宇宙旅に必要な存在として乗り込んだ人間そっくり、しかし感情はまるで持たないというアンドロイド=デヴィッドの存在。一体彼は何を考えているのか、何をしようとしているのか、そこが凄くスリリング。
また、場面ではエリザベス・ショウの、身体の異変に気づいた後たった一人で取った果敢な行動の一切が震え上がるほど凄い、迫力目一杯です。

人類にとって未知のもの(アンドロイドも含め)を、そう易々と人間に利益をもたらすものと信じてはいけないのだ、という警告を受けた気がします。それもまた怖かったこと。
決して面白い、楽しいという作品ではありませんが、その想像を絶する未知の世界、映像、物語に圧倒されつくしてしまう作品であることに間違いありません。お薦め。

2012.08.25

       


  

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