“ペイ・フォワード” ★★★
PAY IT FORWARD
(2000年アメリカ映画)

監督:ミミ・レダー
原作:キャサリン・ライアン・ハイド
脚本:レスリー・ディクソン

出演:
ハーレイ・ジョエル・オスメント、ヘレン・ハント、ケビン・スペイシー

 

記者クリスは、犯罪現場で自分の車をつぶされてしまが、そこに来合わせた初老の紳士から、なんとジャガーの新車を譲られます。何故?というクリスの問いに、その紳士の答えは、善意を受け渡しただけ、というもの。
“善意の受け渡し”(Pay it forward)だって? 関心を惹きつけられたクリスは、その発端を取材すべく、その繋がりを遡り始めます。
その4ヵ月前、ラスベガス郊外の小学校でのこと。新しい社会科の教師シモネットは、子供たちに課題を与えます。君たちの力で世界を変えることができるだろうか、と。その生徒の中の一人、トレバーは、父親は出奔、母親は2つの仕事を掛け持ってしかもアル中と、家庭環境に恵まれているとはいえない少年。
そんなトレバーが、あるアイデアを思いつきます。それは、トレバーが3人の人を助ける、そして助けられた3人は、さらに他の3人を助ける、というもの。ただし、恩返しは禁止。そうして善意が拡がっていけば、世界を変えることが可能かもしれない。そう彼は願ったのです。
彼が助けようとした3人のうち、彼の一番の願いは、母親アイリーンを幸せにすることだったのでしょう。そして、教師であるシモネットもまた、殻に引篭ったような彼の人生を打ち破ることを、その勇気を出すことを、トレバーからつきつけられるように求められます。
そんな少年トレバーの試みと、記者クリスの取材行動という2つのストーリィが、並行して進みます。
善意を人から人へと受け渡すことによって、世界を変えられるかも知れない、そんな希望とメッセージを伝える映画です。最後は思いがけない幕切れですが、最終シーンの感動はとても言い表せない程大きなものです。お薦め。

なお、出演者たちについて。
ヘレン・ハント、ケビン・スペイシーの熱演も光りますが、何と言ってもトレバー少年を演じる、ハーレイ・ジョエル・オスメントがいい! 彼があってこその本作品、という気がします。
また、
トレバーの祖母役としてアンジー・ディキンソンが登場しますが、ジョン・ウェインの“リオ・ブラボー”に出てきた女優さん。たしか、女性刑事もののTV連続ドラマの主役も演じたと思います。嬉しい懐かしさを感じます。

2001.09.15

 


  

to 映画note Top     to 最近の映画 Index