1960年代のハリウッドを舞台にした、ノスタルジーいっぱいの作品。
主役の2人をレオナルド・ディプカリオ、ブラッド・ピットが演じているというのも見処です。
主人公の一人、レオナルド・ディカプリオ演じるリック・ダルトンは、TVドラマの西部劇で主役を演じて人気を得たものの、その後は下り坂。
もう一人の主人公であるブラッド・ピット演じるクリフ・ブースはリック専属のタフなスタントマン。スタントマンが必要となる役をリックが射止めてくれればいいが、そうでないとリックの身の回りの雑用役に留まってしまう。
でも2人の関係は、雇用主と雇われ者ではなく、友人関係。
悪役から、イタリアに渡ってマカロニ・ウェスタン出演と、下り坂にあることに焦りを感じるリックに対し、クリフはあくまで能天気。でも、決して悪い奴ではない、むしろ好漢と言っていいくらい。
とにかく私の年代だと、懐かしくなる場面が盛りだくさん。
「バットマン」のテーマ曲に、「コンバット」や「FBI」といったTVドラマも顔を出せば、「グリーンホーネット」で助手カトーを演じていた頃のブルース・リーをクリフが吹っ飛ばすといった痛快な場面まであり。
また、クリフが運転するリックの車は、今では信じられないくらいバカでかく、繁栄していた頃のアメリカを象徴するようです。
とはいえ、ストーリィは極めて地味な展開。驚くような事件も特にはなく、映画世界で生きるリックやクリフの日々が淡々として綴られていく、という風。
しかし、それではいくらなんでもと思っていたところ、最後のクライマックス場面には驚かされました。幾ら何でも、いくらアメリカだからといって・・・仰天するような展開です。ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオのまさに面目躍如と言って良いでしょう。この場面だけでも観応え充分。
なお、最初から最後まで気にかかったのは、リックの隣人であるロマン・ポランスキー監督の妻で女優のシャロン・テート。
シャロン・テートという名前だけで、1969年8月9日に妊娠中を狂信的なカルト信者に刺殺された事件を思い浮かべます。
そして、ストーリィ中の最後の場面もその8月9日なのですから・・・。
私と同年代のアメリカTVドラマ、映画好きの方には是非お薦めです。
2019.09.03
|