1956年、セクシー女優として大人気のハリウッド女優=マリリン・モンローがロンドンの空港に降り立ちます。ローレンス・オリヴィエ監督・主演による「王子と踊り子」に出演するため。
この作品、舞台ではオリヴィエとビビアン・リーが演じてヒットしたが、映画ともなると流石にビビアンでは年を取り過ぎていると、今一番輝いている女優マリリンに白羽の矢が立てられたという次第。
しかし、心理的に脆く演技派とはとても言えないマリリン、オリヴィエの繰り出す細かい指示に対応できず、遅刻の常習犯となり、オリヴィエは苛立つばかりという困難な状況に陥る。
そんなマリリンにただ寄り添うことで彼女をサポートしようとしたのが、第3助監督=要は雑用係として雇われたばかりの青年、本物語の原作者であるコリン・クラーク。
このコリン、新婚の夫ヘンリー・ミラーには置き去りにされ、オリヴィエとは折り合わずに孤独感を深めるマリリンに、要は体よく利用されたという観があります。
ただ、そうとばかり言えないのは、マリリン・モンローという女優のもつ輝くばかりの奔放な魅力であり、そこに“7日間の恋”という邦題をつけられる余地がある、からでしょう。
本作品の見所は3つ。
一つは、ミシェル・ウィリアムズが演じて表現している当時セックス・シンボルと謳われたマリリン・モンローという女優の秘密と魅力であり、同時にまたマリリン・モンローを演じるミシェル・ウィリアムズの魅力です。
本作品を見ていると、私が惹きつけられたのはマリリン・モンローの魅力か、ミシェル・ウィリアムズの魅力か、正直言って判別できない気がします。
もう一つは、マリリン30歳に対して当時23歳と若いコリンの、マリリンに対する淡くも苦い、心が傷つくことを初めて知るという、初恋物語。
そして最後は映画好きならではの楽しみですが、ケネス・ブラナー、ジュディ・デンチという大物役者の確かな演技でしょう。最近はどちらかというと嫌味な老女役の多いジュディ・デンチですが、本作品では若いマリリンに対して好意的な視線を向ける老女優を演じていて、見応えあり。
最後に一言、マリリン・モンローを演じるミシェル・ウィリアムズ、マリリン・モンローそっくりという感じで、魅力的だったなぁ・・・。
2012.04.01
|