グラミー賞受賞の歌手ノラ・ジョーンズを主演女優に起用して、ジュード・ロウと組ませて制作したラブ・ストーリィ作品。
恋人に捨てられて傷ついた女性エリザベスが行き着いたのは、元恋人のアパートに近いカフェ。そのカフェの主人ジェレミーと話することで彼女は徐々に慰められていく。
そのジェレミーがエリザベスに差し出したのが、誰にも注文されずいつも残ってしまうというブルーベリー・パイ、というのが題名の所以。
誰にも注文されないブルーベリー・パイだって、それ特有の美味しさがある、ということでしょうか。
しかし、慰められるだけでは失恋の痛手から立ち直ることはできないと、エリザベスはNYから旅に出ます。まずはメンフィスで昼夜ウェイトレスとして働き、ジェレミーへ定期的に葉書を送りながら、さらに旅を続けます。
そうした旅の中で愛を昇華できず傷つくしかない男女、父親の愛を信じることができずに後悔するポーカー好きの若い女性と出会い、大切なことは何かを見い出していく、というストーリィ。
ロードムービー仕立てということでしたが、実際に旅するといった場面はない。そして殆どが夜の場面ということもあって、開放感や明るさは画面からあまり感じません。
むしろ場面の設定、音楽で情感的なストーリィを作り上げていくという風であって、私は余り好きではないタイプの作品。
主演のノラ・ジョーンズ、映画初出演ということでかえって余計な演技がないところがいいという評価もあるようですが、どうなのだろう?
場面の中に納まっているだけ、デヴィッド・ストラザーンやナタリー・ポートマンの演技がその分際立っているように感じます。
脇役を演じる主役女優、と言った方がいいのかもしれません。
2008.03.30
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