1980年代のアメリカ、農業での成功を夢見、アーカンソー州にある土地を買って家族で引っ越してきた韓国系移民家族の苦闘する様子を描いたドラマ。
農業での成功を夢見ても現実は厳しい。これまでの土地所有者たちも諦めて手放した土地であるという事情が分かり、夫のジェイコブは予想を超えた困難に絶望しても仕方ないような状況。
元々ジェイコブは家族のためと言いつつ、ひよこの雌雄選別だけの雇われ仕事で終わりたくないと、頑なに自力による農業での成功を夢見ます。
それに対して妻のモニカは、定かならぬ農業と移動式の家に苛立ち、子供たちのためにもと都会での堅実な仕事を望み、喧嘩ばかり。
長女のアンと心臓に持病を抱える弟のデビッドは両親の喧嘩に心配するばかり。
モニカも稼ぐ必要があり、2人の子供の世話をしてもらおうと韓国からモニカの母スンジャを呼び寄せますが、最初こそプラスに働いたスンジャも脳卒中の発作を起こしてしまい、逆に重荷になってしまい、さらに・・・・。
それでも最後、苦境に追い込まれた一家は、スンジャが知らぬ間に育てていたセリ(ミナリ)のおかげで救われることになるらしい。
ジェイコブが頑なな態度を改め柔らかくなったらしいところも印象的。
本作を観て、家族とは何だろう、と考えさせられます。
夫だけが家族の方向を決め、妻や子供たちはただ従わなくてはいけない存在なのか。
いや、妻だって、幼くても子供たちだって、一人一人が自分たちの役割を果たす、夫と対等な家族の一員である、と気づかされました。
2021.03.26
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