|   古ぼけた小さなボクシング・ジムを営む老トレーナーのフランキー。その彼の元に女性ボクサーを目指すマギー31歳が無理やり押しかけてきます。彼女は13歳の時からウェイトスレスをして働いているという不遇かつ極貧の状況にある女性。そのマギーが賭けた唯一の夢がボクサーだったという次第。
 女性ボクサーはとらないと拒絶するフランキーに対しマギーの熱意が優り、ついに2人はコンビを組んでマギーは連戦連勝を重ね、ついにタイトル戦を手に入れます。本作品の予告編はこの辺りまで。実はそれからの後半こそ、この映画の真骨頂。そんな展開が待ち受けていようとは予想もしませんでした。
 この映画のテーマは、人が生きるうえでの尊厳にあると言えます。
 マギーを初め、彼女を見守るフランキーやジムで雑用をしている元ボクサーのエディ(通称:スクラップ)も、貧しく不遇な人生を送ってきたからこそ、その切ない気持ちが胸を打ちます。
 マギーがフランキーに寄せる信頼関係の厚さは、ボクシングの世界だからこそ納得感があります。
 私としてはあまり好みではないストーリィですが、主演の3人、クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンの迫真の演技には見応えを覚えます。クリント・イーストウッドがアカデミー監督賞、ヒラリー・スワンクが同主演女優賞、モーガン・フリーマンが同助演男優賞を受賞したのも当然のこと。
 2005.12.25 |