ディズニーの名作映画、ジュリー・アンドリュース主演「メリー・ポピンズ」(1964年)の続編となる作品。
まず、リメイクとしなかったことに好感。リメイクであるなら1964年作品と比べてしまって、がっかりしてしまったことでしょう。
続編としたことで、また別の新しいメリー・ポピンズ物語として観ることができましたから。
舞台となるのは、1964年作品の25年度、大恐慌時代のロンドン。
あのジェーンとマイケル姉弟は成人していて、ジェーンは独身で社会活動に身を投じています。そしてマイケルは3人の子供の父親、という設定。
ところがそのマイケルが問題。家の財政を仕切っていた賢妻ケイトが1年前に死去し、今や借金の返済ができず、愛する家から立ち退きを迫られています。
どう事態に立ち向かえばよいのか悩むジェーンとマイケル姉弟の前に突然空から現れたのが、昔とまるで容姿の変わらないメリー・ポピンズ、という次第。
今回は、バンクス家の三人の子供(アナベル、ジョン、ジョージー)、そしてガス灯職人のジャックとともに、ファンタジーな冒険等々を繰り広げます。
ストーリィ展開、アニメと実写の融合というスタイルは、前作どおり、前作をなぞったという印象です。
メリー・ポピンズを演じるエミリー・ブラント、中々の熱演、好演だと思いますが、如何せん、ジュリー・アンドリュース&ディック・ヴァン・ダイクというコンビの魅力に対して、エミリー・ブラント&リン=マヌエル・ミランダというコンビでは敵う筈もないと思うところ。
観終わった後の感想としては、まずまず楽しめた、という処でしょうか。
あぁ面白かったという満足に至らなかった一番の原因は、1964年作品のように心の残る、忘れられない歌が無かったこと。そして、1964年作品に登場した鳥の餌を折る老女や煙突職人たちが抱える哀切感が見られなかったこと。
それでも、敢えて名作の続編に挑戦した心意気は評価したいと思います。
2019.02.02
|