“ゼロ・グラビティ” ★★☆
Gravity
(2013年アメリカ映画)

監督:アルフォンス・キュアロン
脚本:
アルフォンス・キュアロン、ホナス・キュアロン
出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー、(声)エド・ハリス

 

地上 600km上空の宇宙空間が舞台。
スペースシャトルの船外、ベテラン宇宙飛行士のコワルスキーは宇宙服でスペースシャトルの周辺を華麗に遊泳しながら、初ミッションとなる女性エンジニアのライアン・ストーン博士の通信装置修理作業を見守っていた。
その2人を初めとするスペースシャトルの乗組員たちを、他国の衛星爆破が思わぬ連鎖破壊を招き、多数の衛星破片が猛烈なスピードで襲いかかります。
その結果、ストーン博士は命綱を断ち切られて宇宙空間に放り出され・・・。
コワルスキーの活躍で何とか彼とロープで結ばれ、宇宙の屑となって宇宙空間を漂流する事態は免れたものの、他の乗組員たちは全滅、スペースシャトルも破壊されて2人が戻る場所には成り得ず。
絶体絶命の窮地に追い込まれた2人は、そこからどう行動するのか・・・。

まず味わえるのは、画面いっぱい、ストーン博士の頭上に大きく広がる地球の美しさです。
重力も空気も、音も全くない世界、何と宇宙は美しいのかと溜息をつきたくなる程です。それが一転。状況が変わると宇宙はとても恐ろしい処となります。なにしろ何もよりどころになるものがないのですから。
たった2人孤立した宇宙空間で、2人はどう生きる道を探すのか、というストーリィ。

本作品においては、宇宙の美しさ、同時にその恐ろしさが圧倒的。リアルに観る側に迫ってきます。
SFサスペンスというより、リアルな宇宙空間ストーリィという印象です。

それにしても米国のスペースシャトル、国際宇宙ステーション、ロシアのソユーズ、中国のステーション&宇宙船まで登場するとは、何と宇宙空間も国際協調的になったものか。
人物登場は僅か2人だけという極端なストーリィの中で、ジョージ・クルーニーが好演、サンドラ・ブロックが圧巻の名演。
映画作品としての素晴らしさに加え、まるで自分も宇宙空間を浮遊しているような楽しさと恐怖を味わえる作品という点で、是非お薦め!
最後には、我々に生を与えている地球という大地にに感謝したくなります。

※gravity とは、一般的には“重大な、容易ならぬ”、そして物理学的には“重力、地球引力”といった意味のようです。本作品では無重力の宇宙空間、といったような意味でしょう。

2013.12.14

       


  

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