“ゴーン・ガール” ★★☆
Gone Girl
(2014年アメリカ映画)

監督:デヴィッド・フィンチャー
原作:ギリアン・フリン

脚本:ギリアン・フリン

出演:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、タイラー・ベリー、キム・ディケンズ、キャリー・クーン

 

ニューヨークで出会ったニック・ダンとエイミーは共にライター、すぐに恋に落ちて結婚、今はニックの故郷ミズーリ州に住む。
その2人の結婚5年目となる記念日に、エイミーが失踪。ニックは警察に妻の疾走を届け出ますが、夫ダンによる妻エイミーの殺害かと思われる状況が次々と発見されます。しかもエイミーは、“完璧なエイミー”のモデル女性として全米で人気を得ている女性。エイミーの両親によるボランティアを募っての捜索活動、TVのニュース番組で取り上げられる等、注目は高まるばかり。そしてそれと共に、双子の妹であるマーゴまで巻き込みながらダンはますます追い詰められていきます。
本当にダンはエイミーを殺害したのか、ただ知らないふりをしているだけなのか、緊迫感は高まるばかり。

しかし後半、思いもしない展開が観ている側を驚かせます。
エイミーという女性はどういう人間だったのか。その事実が少しずつ明らかにされていくからです。
その周到さと綿密さ、冷酷さは、狡賢い殺人事件の犯人像を遥かに凌駕しているといっても過言ではありません。

本作品で圧巻なのは、エイミーを演じる女優ロザムンド・パイクの表情です。
何という表情でしょうか。
一体何を考え、何を思っているのか。さらに言えば、正気なのか、それとも元々狂気を内に抱えた女性なのか。

冒頭と最後、エイミーの表情は当然ながら異なるものなのでしょうけれど、観る側がもう、エイミーの表情をそのままには受け止められなくなっています。
演技以前に、演じるロザムンド・パイクという女優さん自体に、そんな正体不明な処があると監督のデヴィット・フィンチャーが語っていた言葉が忘れられません。
常道からかけ離れたサスペンスに興味ある方、ロザムンド・パイクの表情がとくに、必見です。

2014.12.13

       


  

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