“ファースト・マン ★★
First Man
(2018年アメリカ映画)

監督:デイミアン・チャゼル
原作:ジャイムズ・R・ハンセン
脚本:ジョシュ・シンガー
出演:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、コリー・ストール

 

1969年07月20日、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号の船長ニール・アームストロングを主人公とした、月面着陸成功までの苦闘を描いた歴史ドラマ。

米国NASAの宇宙計画は、当時ソ連とまさに凌ぎを削るようでした。
まず一人乗りの宇宙船マーキュリー計画、次いで二人乗りの宇宙船ジェミニ計画、そして月到達を前提とした三人乗り宇宙船アポロ計画。

当時の私は小学生から中学生という時期で、ロケット、宇宙船、計画成功という言葉にワクワクした思いが忘れられません。
そしてアポロ11号の月面着陸にしても、明け方でしたか、TV画面にかじりついてリアルタイムで観ていました。
それだけに、本作は、当時の開発計画の裏側、宇宙パイロットたちの苦闘の様子を初めて目にする、という思いです。

新聞やTVニュースで見るのは、華々しい成功という報道ばかりでしたが、宇宙という場所がどれだけ過酷な世界であることか、そこへ行くためにどれだけ過酷な訓練を受けていたのかを、リアルに知らせしめてくれる作品です。
寡黙で粛々と任務を果たしてく観のあるニール・アムストロング、それに対して彼の身を案じる妻ジャネットの心理、祝う観衆の前には笑顔をみせなくてはならないという負担はどれほどのものであったのか、と思います。
当人は失敗すれば死ぬだけと割り切れるのでしょうけれど、待ち続ける家族の方としてはそんな訳にはいかない。常に、何故?という葛藤を抱き続けていた日々ではなかったか。

そして一方、あれだけの華々しい成功を成し遂げたNASAが、今は宇宙船を宇宙に運ぶロケットを持たず、宇宙ステーションにもロシアのソユーズロケットに頼っているという現状、それは何故なのか? 開発予算の問題の他に何があるのか?という思いを再び新たにします。

2019.02.18

           


   

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