農業を営んでいるレイ・キンセラに、或る日、不思議な声が聞こえる。
それは、“それを作ったら、彼がやってくる”というもの。そして、その後も幾度となく、彼には不思議な声が聞こえます。
声の正体が判らないまま(判る訳がないのですが)、レイは自分の畑の一部を潰して、野球のグラウンドを作り始めます。そしてグラウンドが出来上がると、かつての大リーグの名選手で、既に死んだ筈のジョー・ジャクソンがグラウンドに姿を現すのです。
その後も、ジョーだけでなく、他の選手までが姿を現すようになります。ところが、畑の相当部分を潰した為、収入が減り、ローンが支払えないという現実が、レイと妻アニー、娘カレンの一家に重くのしかかります。
それでもなお、レイへの声は続き、レイは声にしたがって次の行動を起こします。
現実と幻想が混じり合ったような不思議な物語ですが、底辺には、アメリカ人に一貫して夢を与え続けた野球、親子を結びつける絆ともなっていた野球に対する深い愛情があります。
夢を取り戻してくれると同時に、親子を再び結び付けてくれる、そんなストーリィ。理屈は抜きにして、素直に楽しめる作品。
2002.07.14
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