“ナイル殺人事件 ★☆
Cyrano
(2020年アメリカ映画)

監督:ケネス・ブラナー
制作:リドリー・スコット、ケネス・ブラナー
原作:アガサ・クリスティー
脚本:マイケル・グリーン
出演:ケネス・ブラナー、ガル・ガドット、アーミー・ハマー、エマ・マッキー、トム・ベイトマン、レティーシャ・ライト、アネット・ベニング

 

シェイクスピア役者として名を馳せるケネス・ブラナーが監督とエルキュール・ポワロ役を演じる、「オリエント急行殺人事件」に続くアガサ・クリスティーのミステリ映画化の第2弾。
といっても私は「オリエント急行殺人事件」を観ていないので、今回は初めての鑑賞です。

親友ジャッキーと結婚寸前だったサイモン・ドイルと結婚した大富豪の女性リネット・リッジウェイは、サイモンと共に新婚旅行でエジプトを訪れます。
そして友人やエルキュール・ポワロを招待して貸切の豪華客船でナイル川をめぐるクルーズに繰り出します。しかし、そこに婚約者サイモンを奪われたジャッキーが乗船してきて不穏な気配が漂います。
そしてついに、豪華客船内で殺人事件が発生する・・・。

原作を読んでいないので較べようがありませんが、映画で探偵の推理過程を描くのはやはり難しいのかなぁと感じます。

※学生時代、海外の推理小説は結構読みましたが、私として代表的な推理作家と思っていたのは次の4人。
 ・エラリー・クイーン
 ・ヴァン・ダイン
 ・F・W・クロフツ
 ・アガサ・クリスティー
このうち、エラリー・クイーンは謎解きの過程が面白く、ヴァン・ダインは犯罪のやり方が面白い、そしてF・W・クロフツは何といっても倒叙推理。
それに対して、クリスティー作品は謎解き自体は左程のことはないけれど、何といってもストーリィが上手い、という印象でした。
そうした点でクリスティー作品、ミステリとしては映画化しやすいのかもしれません。

なお、映画としては、事件の前段階があり、事件があり、そして推理過程がなくて、事件の真相解説があった、というストーリィ構成に留まったという印象。
また、エジプトの風景描写、もっと味わいたいと思っていましたが、事件ものストーリィですからそこはやむを得なかったものでしょう。

2022.03.02

           


   

to 映画note Top     to 最近の映画 Index