ユニークな殺し屋たちが数多く登場して交錯する伊坂幸太郎原作、「グラスホッパー」に続く「マリアビートル」の映画化。
原作はそもそも、殺し屋たちのスラップスティック・コメディという趣向なのですが、こうも目の前(スクリーン)で殺し合いが次々と繰り返される展開となると、コメディ部分が吹き飛ばされてしまっている、という印象です。
日本映画であればまた違う印象もあったかもしれませんが、こうした格闘シーンに慣れ過ぎてしまっている米国映画ですと、こういう印象になってしまうのだろうなぁと感じるところです。
おまけに日本の新幹線内での出来事なのですが、これって本当に東海道新幹線なの?と思うほど、相当に滅茶苦茶。まあ、そこは異次元、パラレルワールドが舞台と理解した方がよさそうです。列車名も「ゆかり号」という名前ですし。
主役のブラッド・ピットに関しては可も不可もなし、という処。そもそも配役が適切であったのかというところも疑問です。
一方、原作では極めつけに憎たらしい存在であった「王子」役のジョーイ・キングも今ひとつ。特に最後、王子の始末の付け方も物足りず、です。
率直に言って、まぁこんなところか、という評価です。
2022.09.05
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